LIVING IN PEACE BLOG 勉強会・セミナー
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勉強会・セミナー2008年12月24日 14:53
マイクロファイナンスフォーラムの資料を公開しました!
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何人かの方々からリクエストをいただきましたフォーラム当日の資料です。(LIP20081128_full.zip 12/15修正)
グラミン銀行の報告資料 2.Applicability of MF to the world.pdfが抜けておりました。合わせて、ダウンロード先のアドレスが変更になりました。申し訳ございません。
下記新URLより、ダウンロードしてください。
https://www.webfile.jp/dl.php?i=468538&s=8a9d02180bd14747a0a0
(2009/01/27修正済)
全部で7つのファイルが保存されています。
0.Living_in_Peaceについて2008-1120.pdf
1-1.Why do the poor need financial services.pdf
1-2.Outline of Tokyo talk_ Stuart.pdf
2.Applicability of MF to the world.pdf
3.Planet Rating Presentation.pdf
4.SCB MFand role of investors Tokyo1108.pdf
5.マイクロファイナンスの新地平-FINAL.pdf
アドバンスな内容が英語で記述されているということもあり、以下、要旨を日本語でまとめておきます。0.Living_in_Peaceについて2008-1120.pdf
我々Living In Peaceのプロフィールです。
1-1.Why do the poor need financial services.pdf
1-2.Outline of Tokyo talk_ Stuart.pdf
基調講演者Stuart氏のスライドとアウトラインです。
・貧困層は他のどの層よりも金融サービスを必要としている
・世界各国の貧困層が書いた金融日誌を読むと、彼らが借入れや貯蓄などのあらゆる手段を通じて、年収より多くの金額で切り盛りしていることがわかる
・インフォーマル金融は、貧困層が必要としているまとまったお金を、いつ貯め、いつ使うかによって(先に使う(ローン)、後に使う(貯金)、途中で使う(ROSCA))三分類できる。
2.Applicability of MF to the world.pdfGrameen BankのKalam氏の報告資料です。
・成功事例として、グラミン銀行のマイクロファイナンスを紹介
・その応用事例として、ミャンマーとコソボの事例紹介
・グラミン銀行の方法は世界各地で応用できるものであり、商業的にも持続可能である
3.Planet Rating Presentation.pdfPlanet RatingのOtto氏の報告資料です。
・世界的なマイクロファイナンス格付け機関としてのPlanet Ratingの会社概要
・格付け機関としての評価及び実績・株主の紹介
・マイクロファイナンスのリスク評価
・格付け方法の概要、マイクロファイナンスの格付けと信用格付けの相違点及び共通点・社会的実績格付け
・MFIを社会的貢献の観点から格付けする方法について紹介4.SCB MFand role of investors Tokyo1108.pdf
Standard Chartered BankのThakker氏の報告資料です。
・Standard Chartered Bankの会社概要
・マイクロファイナンスの取り組み
・2006年9月21日におけるMervyn Davies氏(Chief Exective)のコミットメント「この5年の間に5億米ドルをマイクロファイナンス分野に投資し、金融市場から締め出された4百万人を幸せにする。」
・マイクロファイナンスの実務
・ビジネスモデル、金融商品、ミッション等について・社会的責任投資としてマイクロファイナンスに投資しよう!
・マーケットのアウトルック、アジアからの投資の必要性、投資の方法について等について5.マイクロファイナンスの新地平-FINAL.pdf
我々LIPの報告資料です。
・投資対象としてのマイクロファイナンス単体としてパフォーマンスが高く、伝統資産との相関も低いマイクロファイナンスは、魅力的な投資対象となりうる。
・最新データから見たマイクロファイナンス2001年以降、市場は年率45%で拡大しているものの、日本からの資金供給は非常に少ない。
・経済理論から見たマイクロファイナンスマイクロファイナンスのスキームは、情報の非対称性から生じる諸問題を低減することに成功している。 -
勉強会・セミナー2008年11月26日 14:48
大竹文雄教授のブログで本フォーラムが紹介されました
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おかげさまでマイクロファイナンス・フォーラム(11/28)のご出席者が90名を超えました!
2006年に石川賞を受賞された大竹文雄教授のブログ(11/26付)で、我々のフォーラムが紹介されました。
大竹教授のブログはこちら
今回のフォーラムでは、残念ながら日本の学術関係者の講師をお呼びすることができませんでした。これをきっかけに、日本の学術の分野でもマイクロファイナンスの研究が進むことを期待しております。
大竹先生の著書はたくさんありますが、『格差と希望』や『経済学的思考のセンス』は、我々の勉強会でも取り上げたことがあります。
日本の格差・不平等や貧困を経済学的視点から学ぶことで、世界の貧困を考える良いきっかけになっています。
大竹文雄教授には、ご多用のところご好意で宣伝していただいたことをお礼申し上げます。
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勉強会・セミナー2008年11月26日 14:42
マイクロファイナンス・フォーラム(11/28)直前対策②!!! -マイクロファイナンス機関の資金調達
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さて、28日のフォーラムでは、スタンダードチャータードのプレゼンもありますが、昨今の欧米におけるマイクロファイナンス投資を理解するためには、MFIsの資金調達の仕組みを理解することが不可欠です。前回、商業化するMFIsの業態転換の流れをまとめましたが、段階の異なるMFIsでは、資金ニーズや資金調達の選択肢が異なるのです。今回は、商業化の各段階におけるMFIsの資金調達方法をまとめてみようと思います。
通常、初期MFIs(NGO-MFIs)は、マイクロクレジットの原資となる資本は補助金等により既に確保されています。(予算がついた上で、プログラムが始められる場合が多いでしょう。)このため、初期のオペレーションにおいては、MFIsは主にバランスシートのアセット側のマネジメント、つまり、ポートフォリオの拡大、経営情報システム(Management Information System: MIS)の導入、キャッシュ・マネジメント等に経営努力が注がれます。やがて、これらの努力によりビジネスが軌道に乗ると、ポートフォリオを拡大するために、バランスシートの右側の構築、すなわち、新たな資金調達方法の開拓が始まります。
表にあるように、受贈資本のみで始めた初期NGOに、新たな資金ニーズがある場合、まずは援助資金を頼みとし、ドナーの新規開拓や既存ドナーからの追加的な補助金により調達をします。次に、収支が均衡し多少の剰余金を生み出せる自立的NGOになると、多少の信用ができるため、今度は同じ援助資金でも、補助金ではなく、ドナーや援助機関から市場金利より低い金利での借入れ(Concessional loan)ができるようになります。金利は払うものの、選択の幅は広がり、自由度が高まります。
しかし、一般的に援助資金というものは、限定的で、中・長期的な資金計画を立てる上では、非常に不安定な財源と言えます。なぜなら、MFIs自身のパフォーマンスとは無関係に、政治的、経済的状況等により、いつ打ち切られるのか、次年度あてにできるのかすら確かではないからです。また、マイクロクレジットが高金利なのはよく知られていますが、追加融資の条件として、それがコストをカバーするのに必要な金利であるかどうかに関わらず、一方的に金利の引き下げを要求されることもあると言います。
さらにビジネスが拡大し、資金ニーズが高まると、今度は市場金利での商業借入(Commercial borrowing)により資金調達を図ります。しかし、この段階で、NGO-MFIsは壁にぶち当たります。いくら実績のある成熟NGOとは言え、貸し手は、特に地場銀行は、なかなかNGOには融資をしないからです。仮にしたとしても、高リスクとみなされるため金利は高く、融資限度額も低い(エクイティに対して、同程度か最大でも2倍程度)ので、急成長するポートフォリオの成長速度を維持するのは困難になります。事実、多くのMFIsにとって最大の成長制約要因は資金調達であることが指摘されています。
例えば、MFのパフォーマンス評価基準の一つであるAccion CAMELでは、MFIsの負債比率は6倍以下であること、つまり自己資本比率が17%以上であることが推奨されています。 しかし、このようなMFIs対象の基準はあっても、前提となっているのは、業態転換を遂げたMFI銀行だけであり、NGO-MFIsなどは、そもそも想定の範囲外ということになります。つまり、MFIssがレバレッジを効かせ、資本市場からより多くの資金を調達するためには、NGOからMFI銀行への転換を遂げることが不可欠であり、それが、預金業務の展開と並んで、MFIsが甚大なコストをかけても商業化していく大きな要因となっています。
このような事情を背景に、見事業態転換を果たしたtransformed MFIsは、資金調達手段として、預金の動員、株式発行、そして債券発行と、その選択肢を広げていくのです。
預金については、しばしば最も低廉な調達手段と思われがちです。しかし、商業借入がオペレーションコスト等の追加的なコストが一切かからず、金利のみを負担すればよい一方で、transformed MFIsが新たに預金サービスを始める際には、貯蓄商品の開発、マーケティング、セールス、新たなMISの導入等のインフラ整備に多大なコストがかかるため、少なくとも短期で見れば、必ずしも最安の調達方法とはいえないわけです。ただし、預金サービスの提供はMFIにとって重要な資金調達源を確保するのと同時に、顧客サービスの向上であり、マイクロクレジットは必要としていないが、安全なお金の保管場所を必要としている多くの貧困層へアウトリーチを広げる可能性がある、という点も忘れてはなりません。
ということで、今日はここまでにしたいと思います。フォーラムまで本当にもう少しですが、明日時間が作れれば、MIVs(Microfinance Investment Vehicles)についても、簡単にまとめたいと思います。
《参照文献》
・Burand, Debora. 2007. “Chapter6.: The funding structure”, Transforming Microfinance Institutions, p163.
・CGAP/MIXが2004年に行った調査。http://microfinancegateway.org/files/14588_CGAP_MIX_MFI_Demand_for_Funding_Survey_Report.doc
・Saltzman,Sonia. and Darcy Salinger. 1998. “The ACCION CAMEL - Technical Note”, Accion International, USAID - Microenterprise Best Practices (MBP) Project. p137. -
勉強会・セミナー2008年11月13日 14:32
マイクロファイナンスフォーラムのお知らせ
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たくさんの方のご協力のおかげで、11月28日(金)15時から、我々LIPが主催するマイクロファイナンス・フォーラム『マイクロファイナンスの新地平』を開催するに至りました。
皆様のご出席をお待ちしております。
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【フォーラム案内】 マイクロファイナンスの新地平
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開発と金融の分野を両立させる革新的な小規模金融手法として
世界中で注目を集めているマイクロファイナンス。
その商業化傾向が世界的な潮流になりつつあります。
しかし、日本の金融実務では、
・言語的な問題による情報伝達の不十分さやそのタイムラグの問題
・開発は利益提供の機会にならないので金融実務とは両立しないという誤解
によって、未だこの分野への参入に対して消極的です。
このような現状を打開し、日本におけるマイクロファイナンス実務の進展
を目的に、このフォーラムを開催することにしました。
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【テーマ】
本フォーラムではマイクロファイナンスへの理解を深め、
その商業化がどのように成り立っているのか、
投資対象としてのマイクロファイナンスの魅力はどのような点にあり、
今現在、直面している問題は何なのか、
といった点について、最先端の理論と実務における知見を基に検証します。
その上で、日本の金融実務における可能性を模索しようと思います。
(同時通訳付)
扱うトピックは以下の通り。
・「マイクロファイナンスの商業化の全体像」
・「マイクロファイナンスにおける需給ギャップ」
・「マイクロファイナンス金融機関への格付け」
・「マイクロファイナンスというアセットクラスの魅力」
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【講演者】
■基調講演者
・ スチュアート・ラザフォード氏 (マイクロファイナンス機関SafeSave共同代表)
http://www.thepoorandtheirmoney.com/Background.htm
■スピーカー
・ 福井 龍氏(世界銀行東京開発ラーニングセンターマネージャー)
・ Abul Kalam氏(グラミン銀行)
・ Otto Wormgoor氏(Planet Rating)
・ Prashant Thakker氏(Standard Chartered銀行 Global Business head- Microfinance)
・ LIP(本フォーラム主催団体)
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【日時】2008年11月28日(金)
受付開始:14:30、講演会:15:00~19:00、懇親会:19:30~21:00
【会場】「世界銀行東京開発ラーニングセンター」
http://www.jointokyo.org/ja/about/location/
住所:〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル10階
電話:03-3597-1333
最寄り駅:都営三田線 内幸町駅(A6・A7番出口) 徒歩1分
千代田線 霞ヶ関駅(C4番出口) 徒歩3分
【定員】100名
【参加費】一般:3,000円、学生:1,000円 (懇親会参加の方は+3,000円)
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【主催】 LIP (Living in Peace)
【協賛】 モルガン・スタンレー
東京フィナンシャル・アドバイザーズ株式会社
株式会社 金融エンジニアリング・グループ (FEG)
【後援】 JICA(独立行政法人 国際協力機構)
【協力】 世界銀行東京開発ラーニングセンター
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【主催者紹介】
本フォーラムの主催団体であるLIP(Living in Peace)とは、
開発に関心のある金融機関関係者を中心に2007年10月に設立された団体です。
その他にも公務員、国際機関関係者、学生などがメンバーになっており、
4月にはNPO法人設立予定です。
HP:http://www.living-in-peace.org/
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勉強会・セミナー2008年9月22日 14:22
第16回勉強会内容について
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LIP勉強会は、今回も広尾にある「JICA地球ひろば」で開催されました。
行く度に雨に打たれているのは気のせいでしょうか…
I.報告会
【1】書籍『アフリカ苦悩する大陸』
1、感想・アフリカの部外者であった著者が、7年間のアフリカ滞在の間に得た豊富な経験に基づいて、「なぜアフリカの経済発展は遅れているのか?」をテーマに書いた書籍。
・著者は、現状認識と主張のバランス感覚(客観性)に優れている。
・翻訳の質が高く、訳注も充実しているので、コストパフォーマンスの観点から、日本語版が原著に勝る可能性がある良書。
2、内容報告(以下の項目を基に行われた)・ジンバブエの要人達の特権濫用とジンバブエ国民の困窮
・天然資源が戦争を起こす
・インフォーマルな経済のデメリット
・エイズが貧困を深刻にする
・部族主義、人種主義が対立を生む
・本当の援助は自由貿易である
・劣悪な道路と盗人警官が利益を蝕む
・ハイテク技術は「貧困」を救えるか?
・南アフリカのアパルトヘイト後
・結論
3、質疑応答その他
・ジンバブエ・アンゴラの現在の状況について
→ジンバブエにおいては大統領側と野党側とのパワーシェアリングが行われつつある。アンゴラにおいては、政権交代が生じている。
・アフリカの発展を阻害する関税障壁と、日本の米産業との間の類似性について。
・民族対立について
→元々存在する対立?あるいは、経済利権を背景として、植民地宗主国が意図的に造り出した産物?
・横たわるインフラ問題について
→法律、ロジスティクスの整備が不十分。しかし、整備すれば事態が好転するか? それらが遵守されるかどうか、効果的に運用されるかどうかは、人々のメンタリティーの問題なのではないか?
等々の意見が出た。
【2】週刊ダイアモンド特集『格差世襲』、大竹文雄『格差と希望』
1、内容-進む二極化についてのデータ紹介(『格差世襲』より)
例:1997年から2006年にかけて、年収2000万円以上の所得者と200万円以下の人口は共に増加している等
-格差の実情について(『格差と希望』より)
・格差は、いきなり現在になって急に生じたものではなく、なだらかに生じてきたものであり、発生の背景には、人口の高齢化がある。また、格差は、特に高齢層と若年層で生じてきている。
・その格差問題が、なぜ最近になって問題とされてきているのか?
→将来における格差拡大予想、デフレ及び低成長の影響、若年失業やフリーターの存在など、7つの考えられる理由の紹介
・適切な対策とは?
→よく言われる、「雇用慣行を是正する」という処方箋が不適切(例:最低賃金を上げる。その結果、企業は新規雇用を減らしてしまう)。
☆処方箋:
i)人材の流動化(一度の失敗が人生の終わりにならない)
ii)教育の充実-教育がなされることで生産性が高まる。そのために教育コストを低めることが重要。公平性から問題なく、経済全体の底上げにも役立つので、公共性が高い分野。教育のコストの低下は経済学者にも評判がよい。
2、質疑その他
・他国の現状は?
→北欧は教育の低コスト化がなされていると思われる。その結果が学力テストに好成績に現れている。
・日本ではなぜできないか?
→高齢化が促進されている関係で、教育のコスト低下の議論が議題になりにくい(なぜなら、高齢層の投票を獲得するために、高齢層の投票行動につながりやすいアジェンダが取り上げられることになる。逆に、若年層はあまり投票行動にいかないので、教育のコスト低下というアジェンダの重要度は相対的に下がってしまう)
・教員の質が低下の問題について
→終身雇用の問題、女性の社会進出による人材の流出
☆質を上げるための処方箋は?
→教師の賃金を上げる、資格試験等を実施して教師のレベルを一定限度に保つなど。
・教育現場の構造的問題
→進学率が最も重要な指標となっている、政治との癒着が問題となっている私立学校もある。
II.LIPの今後の活動について
【教育活動】
・何を教えるか
一回限りの授業で出来ることとは?
知識,希望、勉強することの大切さ、楽しさ、自分が高校生の時に先生に一言言って欲しかったことをしゃべる、社会人と接点を持つということに意味がある、等の意見が出た。
・どこで教えるか?
私立では需要が少ない? 受験に無用なレクチャーは馬の耳に念仏になる可能性がある。やはり公立か、等の意見が出た。
◎次回勉強会の予定
日時: 10月12日(日曜日)午後6時から(もしくは5時から)
場所: 広尾のJICA地球ひろば
内容: 日本の医療制度について
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勉強会・セミナー2008年8月31日 14:12
第15回勉強会内容について
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■Microfinance Forum 進捗状況報告
■LIPロゴの発表
■「欧州のソーシャル・バンクと日本への示唆」発表
※ソーシャル・バンクについては以下のような説明ができます。(勉強会内容の一部)
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ソーシャル・バンクを特徴付ける重要な概念として、「ソーシャル・ファイナンス」があります。この概念は「金銭的収益と同様に社会的収益もしくは社会的配当を追求する期間によって提供される金融活動」という定義がされています。ソーシャル・バンクはこの「ソーシャル・ファイナンス」を体現する一形態です。従って、その組織の主たる目的が「社会的収益」であるという点にソーシャル・バンクの特徴があります。
ただしソーシャル・バンクは社会事業に対して金銭的寄付を行うボランティア組織とは明確に異なります。「ソーシャル・ファイナンス」の定義に則して考えると、ソーシャル・バンクは「社会的収益」を追求しながらも「金銭的収益」を放棄しない。つまり、ソーシャル・バンクは少なくとも融資の元本については最終的に貸し手に返済を求めます。より正確には、ソーシャル・バンクは預金を集めている以上、銀行組織を維持できる程度までは、「金銭的収益」を必要とします。
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非常に内容の濃い発表であり、地域と金融と社会貢献に関連しているソーシャル・バンクが身近に感じられ問題意識が高まりました。
LIP次回勉強会詳細は以下の通りです。
日時:平成20年9月21日(日) 1800~2100(3h)
18時に現地集合です。
場所:JICA地球ひろば 201
http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html
誰でも参加できますので、ご興味のある方は気軽にご連絡下さい。 -
勉強会・セミナー2008年7月27日 14:07
第14回勉強会内容について
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先日、第14回勉強会が行われました。
■合宿について
■マダガスカルの森林保護について
■TICOとのミーティングについての説明
■日本のお金を世界のNPOに流す仕組みを組成できないか
■「マイクロファイナンス」フォーラムについて
■グラミンフォンについての説明
■インドの公害について
グラミンフォンに関しては次の二冊が有名ですね。
グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換
今回はいつもに増して、様々な話題が紹介&議論されましたが、今後もマイクロファイナンスを中心に様々な内容を取り上げていきたいと思います。
もし興味のある方はご連絡下さい。
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勉強会・セミナー2008年7月13日 13:42
第13回勉強会内容について
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以前ご紹介しましたように、本ブログを主催している私たちは、定期的に都内にて勉強会を催しております。
先日、第13回目の勉強会が行われました。
■勉強会名「Living in Peace」について
■TICOについて
■モンゴルの暴動について
■ジンバブエの選挙について
■書籍・The Economics of Microfinance について
■MFフォーラムについて
発展途上国に関するissue紹介、MF関連書籍を元にしたMFに対する知識向上、
MFフォーラム開催の検討が主な内容でした。
次回・第14回勉強会は7月26日(土)18時より開催予定です。
引き続き、経済開発・マイクロファイナンス、経済学など、様々な内容を
取り扱う予定です。
興味のある方は、是非ご連絡ください。
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勉強会・セミナー2008年6月18日 13:23
Common Wealthのサマリー
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Common Wealth: Economics for a Crowded Planet
ちなみにこの本のサイトは
http://www.sachs.earth.columbia.edu/commonwealth/index.php
ここで、クイズゲームとかも楽しめます。
本書のタイトルCommon Wealthは、(人類)共有の富とでも言うのでしょうか。科学の発展は、確実に世界をせまいものにしつつあり、それだけに、僕たちが直面している課題というのは、以前よりもより世界的な(commonな)ものであると、Sachs氏は主張します。特に現在私たちが直面している課題は、
1環境の保護
2人口の安定
3格差の是正と極度の貧困の終焉
の3つで、これらはお互いに密接に絡み合っています。問題は一つの国家のアクションによっては解決できず、世界的な協力関係によってのみ解決できるものだと彼は主張します。
上の3つの問題の解決は、継続可能な発展(Sustainable Development)につながるものです。 Sustainable Developmentは、上の3つの問題が適切に解決されてこそ実現が可能になります。 Sachs氏は、正しい方法をとれば、Sustainable Developmentは達成可能であると説きます。
環境の保護
科学技術の発展と、人口増加、一人当たり生産量の増加にともない、人類が地球環境に与えうるインパクトは年々増大しています。 すべての人が、現状を永続させることは不可能であることを知っています。 この30年で、脊髄動物の種はなんと半減しています(ところで、映画Earthはとてもよいですね)。 砂漠化も多くの地域で進み、十分に水が供給されない地域が増え、他方では水面の上昇により水没の危機にある国も増えています。 気温の上昇は、天災を増加させ、同時に新たな類の病気が蔓延する原因ともなっています。
これらの解決のためには、市場システムをうまく活かした政策の導入、規制、技術革新、食糧流通システムの効率化などが強く求められています。
人口の安定
人類の人口は、指数的に増加しています。西暦0年から1700年ごろまで、地球の人口は常に10億以下でした。それが、今や60億人。そして、現状が続けば、人口は2050年までに90億になる事が予想されています。継続可能な発展を達成するためには、これは80億以下に抑える必要があります。
人口の増加は、貧困の罠(自力では貧困から抜け出せなくなる状況)と密接に関わっています。最貧国における高い出生率は、幼児の高い死亡率に一因があります。しかし、高い出生率は、家庭が貧困から抜け出すことをより困難にし、それはその国家の経済成長を低下させ、他の国家にも影響を与えることになります。
人口の安定のためには、出生率を下げるインセンティヴを導入する必要があります。現に、先進国で多少の個別差がありながらも出生率が低いのは、インセンティヴによるものが多いのです(低い死亡率、高い養育費など)。途上国において出生率を下げるためにとるべきアクションは、医療制度を発展させ子供の死亡率を下げること(これには援助が必要です)、女の子の進学率を上げ、同時に女性の社会発展を促進することなどにあります。
格差の是正と極度の貧困の終焉
いまだに、世界の人口の6分の1である10億人は極度の貧困の中に生きていて、そのうち数百万人が毎年貧困のために亡くなっています。アフリカでは、5歳以下の幼児の死亡率は17.9%になります。 世界における幼児の死者数は毎日26,000人ですが、このうち3分の1は、ほんの少しのお金があれば(例えば蚊帳一つあれば)防げるものです。
お金があれば幸せになれるわけではありませんが、ない状態で幸せになる事は難しい。また、貧困は、政治不安や紛争、テロの温床にもなりえます。
貧困を解決するための基本的な処方箋は、以下のものになります。 まずは、人口を適切な水準に保つこと。 そして、そのうえで農業生産性を向上させ、社会インフラを整備し、民間部門主導の発展を促進するための技術の支援などを行う事にあります。
これにも多くのお金が必要です。 Sachs氏は、援助の必要性を説いています。 Easterlyは、これまでの多くの援助がまったくの無駄だったと説き、その原因はインセンティヴを考慮しなかったことによると主張していますが、Sachs氏は援助が事実無駄に使われうる事に同意しながらも、その無駄な援助は多くの場合先進国による「援助のための援助」であったこと、正しい方法によって運営された援助は、大きな効果をもたらしてきたことを話します。 特に、日本の開発援助が東・南アジアの国々の発展に大きく寄与してきたことを高く評価しています。
貧困の撲滅は、先進国が自らの収入の2.4%を毎年援助することによって達成することができるとSachs氏は主張します。アメリカの軍事費二日分で、アフリカ全土のマラリア対策費1年分を賄う事が出来るそうです。(そんな簡単なものではないと思いますが)軍事費の見直しを少しばかりすれば、貧困の撲滅のための資金は十分に拠出することが可能です。
現在、いくつかの国でMillennium Village Projectが進められています。 これは、村単位で農業・医療保険・教育などを発展させることにより経済開発に成功したロールモデルを数多く生み出しています。この経験を国家単位に適切に活かすことができるのであれば、2025年前に極度の貧困(1日に1ドル以下で生活すること)を撲滅させるMillennium Promiseを達成することは可能になるでしょう。
アクションの必要性
最初にも書いたように、僕たちがいま直面している問題は、より世界的な問題であり、皆の協力によってのみ乗り越えられるものになっています。政府のみならず、企業、NGOなど,大学・研究機関らの組織の連携がうまくいってこそ、問題は解決に進めることができます。
また、個人レベルでも今すぐにできることがあると、Sachs氏は話します:
・まず、僕たちの世代が直面している問題を認識すること
・各地に旅行して、現実を見ること
・永続可能な発展の実現のためにアクションをしている組織に自分も入ること
・周りの人々を巻き込むこと
・インターネットを活用して、永続可能な発展について知らせること
・自分の属している企業や、政府に働きかけること
・Millennium Promiseのスタンダードに沿って生活を送るようにすること
Jeffrey Sachsの地に足付いた楽観主義には本当に感じるところが多いです。僕も、いつまでもこうありたいと思います。まずは、自分ができるところから、少しずつでも着実にやっていこうと思います。 -
勉強会・セミナー2008年6月13日 12:59
KIVAに掲載されているMFIの世界分布
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前回の投稿で、KIVAを紹介いたしました。
今回は、そのKIVAに掲載されているMFI(KIVAのウェブ上では、"Kiva's Field Partners"と呼ばれています)のデータを集め、その分布を世界地図に表してみました。
この地図は、SAS(http://www.sas.com/offices/asiapacific/japan/)という統計パッケージで作成しております。
・世界地図の説明と解釈
世界地図と横棒グラフが重ねて表示されています。
世界地図は、各国におけるMFIの合計を表しています。一方、横棒グラフは地域別(アフリカ、アジア、中米、南米、欧州、オセアニア)にこのMFIを合計したものを表しています。
国レベルの集計ではやや詳細すぎて全体の傾向を捉えにくいため、地域別でより大まかなトレンドを把握するためです。
この世界地図からわかることは、特にサハラ砂漠以南のアフリカにおけるMFIが多いことです。次に多い地域としては、東南アジア、中央アジア、中米、南米などに多く分布しています。自明かもしれませんが、貧しい地域にこそMFIがより多く分布していることが確認できます。
・データソースについて
KIVAのField Partrnersを紹介するページ(http://www.kiva.org/about/partners)から、VBAで各MFIについて、MFI名・国名・地域・リスク関係の指標・金利関係の指標などに関する10項目を収集しました。収集時期は2008年3月です。その結果、106のMFIについてデータが作成できました。
そのうち、国・地域名・金利の欠損値があるものは除外した68のMFIを分析対象としています。
・世界地図にするメリット
データというものは膨大で複雑であり、人間の情報処理能力で直感的にわかることは滅多にありません。
そこで、まずはグラフ化する(データを目に見える形で表す)ことで、データの概要や傾向が瞬間的に把握することが可能になるのです。
この他にも、円グラフ、折れ線グラフなど、テレビで資料として用いられることも珍しくありません。その分野の専門家でなくとも(テレビの一般視聴者でも)、グラフ化することで、直感的な理解が得られます。
・コメント
データの件数がそれほど多くないこともあり、わざわざ世界地図にするほどでもなかったかな、という気がしないでもありません。このデータの質・量では、より厳密な統計分析や回帰モデルを用いるのは少々厳しいです。
しかし、「MFIは貧しい地域に多く分布しているだろう」、という漠然とした考え(思い込み?)を実際のデータで検証する姿勢は重要であると考えています。
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