LIVING IN PEACE BLOG 勉強会・セミナー

勉強会・セミナー2010年10月23日 13:07

ACC21、LIP共催公開セミナーのご案内

アジアの貧困からの脱却とマイクロファイナンスの役割
―マイクロファイナンスの仕組みとその実態を知る―

公開セミナー

主 催:(特活)アジア・コミュニティ・センター21(ACC21)
(特活)リビング・イン・ピース(LIP)

日 時:2010年11月5日(金)午後6時30分~8時50分(受付開始:午後6時)

場 所:JICA地球ひろば3F講堂(〒150-0012 東京都渋谷区広尾4-2-24 TEL:03-3400-7717
地図・交通アクセス http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html

開催趣旨:マイクロファイナンス(小口金融)は、開発途上国社会でとくに貧困層―スラムなど都市居住者、土地なし農民、貧しい農民・漁民など―に向けられた小規模の金融サービスで、貧困層の人たちの貧困からの脱却に大きな成果を挙げているソーシャル・ビジネスです。
講演者アリス・アリップ氏は、29歳(1986年)のとき、僅かな資金でNGOを設立し、土地なし農民の支援を開始。その2年後から小口融資事業を始め、97年にはCARD Bankを設立。現在、CARD Bankは、CARD NGOと協力してフィリピン全土で120万人の貧困女性に金融サービス(2010年7月現在の融資残高約80億円)を行い、さらには、隣国のベトナムやカンボジアにおけるマイクロファイナンス機関の能力向上に協力。
シンポジウムでは、アリップ氏からマイクロファイナンスの仕組みと融資の実態についての基調講演を受け、その後、インドの農村開発NGOおよび子ども・女性支援NGOのリーダー、そしてマイクロファイナンス支援活動を行う日本のNGO関係者によるパネル・デイスカッションを行います。また、会場からの自由な質疑応答を通して、マイクロファイナンスの仕組みとその実態についての理解を深める機会を提供します。

プログラム:
―第1部―
基調講演:「フィリピンの最貧困女性120万人に小口金融サービス、自立を支援―CARD 
NGO/Bank の24年の挑戦と未来への展望―」
講演者:アリス・B・アリップ(CARD NGO/Bank 創設者、オイコクレジット国際理事会理事、
米国グラミン財団アドバイザー)
―第2部―
パネル・デイスカッション「貧困解決に向けての真のマイクロファイナンスのあり方とは?」
パネリスト:ロヒニ・レディ(南アジア農村復興連合専務ディレクター)-インド
コイ・パラニー(ケマラ専務ディレクター)-カンボジア
杉山章子(リビング・イン・ピース理事・マイクロファイナンスプロジェクトリー
ダー兼ミュージックセキュリティーズ株式会社証券化チーム)-日本
モデレーター:伊藤道雄(ACC21代表理事)

参加費:1,000円

事務局:(特活)アジア・コミュニティ・センター21(文京区本駒込2-12-13 アジア文化会館1F 
E-mail: info@acc21.org  
TEL: 03-3945-2615 FAX: 03-3945-2692  http://www.acc21.org
(特活)リビング・イン・ピース(http://www.living-in-peace.org/

お申込み方法: EメールまたはFAXにて、「ご氏名」「ご連絡先住所・電話番号」「ご所属」を明記のうえ、アジア・コミュニティ・センター21事務局にお申し込みください。(11月5日正午まで受け付け)

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勉強会・セミナー2010年9月23日 22:31

LIPマイクロファイナンスセミナー@大阪のご案内

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◆ LIPマイクロファイナンスセミナー@大阪 ◆

◇ マイクロファイナンス機関現地報告会~カンボジアの事例より~ ◇

◆ 10/9(土) 18:00~20:00@キャンパスポート大阪(梅田) ◆
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皆様、こんにちは。Living in Peace(LIP)です。

今回のLIP主催セミナーは、初の地方開催in大阪!!
「セミナーに行きたいけど東京は遠い…」「地方でも是非やってほしい!」という声は、
今までもいただいており、そのご要望にお応えすべく初の大阪開催となりました。

内容は今年の夏にカンボジアのマイクロファイナンス機関を訪れたLIP代表の慎より、
マイクロファイナンスのシステムや特徴についての調査報告をしたいと思います。

※セミナー内容は先日7/10に東京で行った報告会と重なる部分もありますが、その後
3ヶ月の間にLIPが調査した最新の情報もお伝えする予定です。
マイクロファイナンス機関現地報告会@東京の模様 → http://goo.gl/rYrn

マイクロファイナンスという言葉は聞いたことがある、もしくは本で読んだことがある
という人はいるかもしれませんが、実際に現場を見ないと分からないことは多々あります。
現地のマイクロファイナンス機関で働く人たちは、どのような生活を送っているのか、
お金を貸す基準はどうやって決めているのか、はたまた彼らの目標・夢とは一体何なのか。

フィールドワークを一緒に行ない、寝食を共に過ごすことで見えてきた、マイクロファイ
ナンス最前線の様々な声を皆さんにお届けできればと考えております。

マイクロファイナンスについてご存知でない方でも、すでに知識がある方でも楽しめる
内容となっておりますので、大阪初開催、多くの皆様のご参加をお待ちしております!!

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【開催概要】

◆ 日時 : 2010年10月9日(土) 18:00~20:00(受付17:40~)

◆ 会場 : キャンパスポート大阪 ルームE
大阪市北区梅田1-2-2-400 大阪駅前第2ビル4階 キャンパスポート大阪

◆ 内容 : マイクロファイナンス機関現地報告会~カンボジアの事例より~
(以下、予定している具体的トピック)

・ LIPの活動紹介
・ 最近のマイクロファイナンス事情
・ カンボジアでの具体的なマイクロファイナンス運営システム
→スピーカー:LIP代表 慎 泰俊

◆ 定員 : 50名

◆ 参加料 : 1,000円
※領収書がご入用の方は、受付にて係の者にお申し付けください。

◆ 参加お申込フォームはこちら → http://goo.gl/onYr
お名前(ふりがな)、所属、連絡先メールアドレス、参加人数、本セミナーを知った
きっかけを明記下さい。
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。予めご了承ください。
※当日、受付等お手伝いしていただける方がいらっしゃいましたら、事前に
lip@securite.jp までご連絡いただければ大変助かります!

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◆ 主催 : 特定非営利活動法人 Living in Peace
貧困削減を目的として設立された特定非営利活動法人。海外ではマイクロファイナンス、
日本国内では教育というそれぞれの手段を用いたプロジェクト下でその達成を目指している。
マイクロファイナンスプロジェクトでは、2009年に日本で初となったマイクロファイナンス
ファンドの企画に参画。セミナーやフォーラムを通しての普及活動、ローコストのマイクロ
ファイナンス機関調査システムの開発を通じて、少額の金融サービスを貧困層に提供し、
自立する機会を提供する支援を行っている。教育プロジェクトでは、「子どもたちが等しく
自分の存在意義を感じ、夢を与えてくれる大人に出会う場の提供」を目標に、主に児童養護
施設の子どもたち向けの活動を展開している。
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勉強会・セミナー2010年9月14日 01:37

第1回LIP教育プロジェクト懇親会のご案内

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◆ Living in Peace 主催イベント ◆

◇ 第1回LIP教育プロジェクト懇親会のご案内 ◇

◆ 10/1(金) 20:30~@カチャトラ(イタリアンレストランバー@恵比寿) ◆
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10月1日の金曜日、Living in Peace(以下、LIP)教育プロジェクトでは初めてとなる
懇親会を開催いたします。

2007年に活動を開始したLIPは、国際開発に目を向け、マイクロファイナンスファンドの
企画に参画しました。
そして2009年8月には、マイクロファイナンスプロジェクトと並行し、国内の教育分野にも
活動の領域を広げるべく教育プロジェクトを始めました。(LIP マイクロファイナンス
プロジェクトが行った懇親会の様子については、こちらのブログ記事をご参照下さい。
http://bit.ly/a3eowJ)

国際開発においては「自立したい」という個人の意志が大切です。その意志を活かしつつ、
貧困削減という社会課題を解決できるのがマイクロファイナンスです。
日本においても「自立したい」という個人の意志を応援したいという思いから、教育プロ
ジェクトは生まれました。

そのためには何をすべきか。

私達は教育分野の勉強会を始めることから活動を開始し、試行錯誤を重ねながらも、児童
養護施設の環境改善と子どもの進学支援の二つに、当面の活動の主軸を置く方針を決めま
した。

この機会を通じ、何故LIP教育プロジェクトが数ある教育の活動分野の中で、児童養護施設
に活動の主軸を置くことを決めたのか、今後どのように活動を進めていく予定なのか等、
参加者の皆様とざっくばらんにお話したいと考えております。

お一人でのご参加はもちろん、ご友人をお誘いのうえでのお申し込みも大歓迎です。
皆様のご参加をお待ちしております!

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【開催概要】

◆ 日時 : 2010年10月1日(金) 20:30~ (受付20:00~)

◆ 対象 :
・教育分野に興味がある人
・仕事以外に自分の時間を使って、教育分野にかかわりたい人
・本業以外の活動でも社会は変えられると思っている人
・「すべての子どもたちに夢を与える大人との出会いを」に少しでも共感した人
・社会のためとなるようなお金の流れを作りたい人
・LIPが何をこれからスタートさせようとしているのか、気になる人
・上記に当てはまらなくても、この懇親会がなぜか気になる人

◆ 会場 : イタリアンレストランバー・カチャトラ
http://www.k4.dion.ne.jp/~caccia/
東京都渋谷区恵比寿南1-9-12 1F (恵比寿駅より徒歩5分)

◆ 定員 : 約20名 

◆ 参加料 :4,000円 (大皿料理数品・飲み放題)

◆ 参加お申込フォームはこちら → http://bit.ly/aOLAbi
お名前(ふりがな)、所属、連絡先メールアドレス、参加人数、イベントを知った
きっかけをご明記ください。

※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。予めご了承ください。


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◆ 主催 : 特定非営利活動法人 Living in Peace
HP : http://www.living-in-peace.org/
Twitter : http://twitter.com/lipjapan
貧困削減を目的として設立された特定非営利活動法人。海外ではマイクロファイナンス、
日本国内では教育というそれぞれの手段を用いたプロジェクト下でその達成を目指している。
マイクロファイナンスプロジェクトでは、2009年に日本で初となったマイクロファイナンス
ファンドの企画に参画。セミナーやフォーラムを通しての普及活動、ローコストのマイクロ
ファイナンス機関調査システムの開発を通じて、少額の金融サービスを貧困層に提供し、
自立する機会を提供する支援を行っている。教育プロジェクトでは、「子どもたちが等しく
自分の存在意義を感じ、夢を与えてくれる大人に出会う場の提供」を目標に、主に児童養護
施設の子どもたち向けの活動を展開している。
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勉強会・セミナー2010年9月12日 10:07

8/29 LIP教育プロジェクト主催 セミナー&ワークショップ報告(前編)

皆さん、こんにちは。
Living in Peace(LIP)教育プロジェクトの九鬼です。


9月に入り数日が過ぎようとしていますが、まだまだ暑い日が続きそうですね。
今回は、8月29日(日)にNPO法人ブリッジフォースマイル代表の林恵子さんをゲストスピーカーにお招きして開催されたLIP主催セミナー&ワークショップ「ファンドレイジング×自立支援=スマイル」について、前半のセミナーの様子をお伝えしたいと思います。


セミナーは、代表の慎より、LIPが海外のマイクロファイナンスプロジェクトをスタートした理由と、なぜ国内の教育問題にも取り組むのかというお話から始まりました。慎は、「死ぬほどの貧困でなければ放っておいて良いのか?」と問いかけたうえで、それに対し、Noであると断言します。だから、海外でのマイクロファイナンス活動と並行して、国内での貧困の連鎖を断ち切るべく、教育プロジェクトとしては児童養護施設にターゲットを絞り、支援を行っています。


現在、日本国内に児童養護施設は570箇所あり、3万人以上の子どもが暮らしていますが、その子どものうち3分の2以上が虐待、貧困、親の精神疾患などの原因で、施設で親と離れて暮らしています。特に貧困の問題は深刻で、例えば、母子家庭の平均年収は162万円しかありません。これでどうやって子どもを育てるのかは、非常に大きな課題です。また、慎は、自らの児童養護施設住み込み体験から、施設同士を比べても大きな経済的な差が存在すること、30年以上変わらない児童指導員配置基準のため、一人の指導員が一時に15人もの子どもの面倒を見ていること、このような非常に厳しい状況で頑張っている中、バーンアウトしてしまう指導員も少なくないことなど、生身の経験で得たことを語りました。


慎はこの住み込み体験をもとに、現在、児童養護施設に関する本を執筆中です。


林さんセミナー1


続いて林さんより、ブリッジフォースマイル設立への流れを含め、自己紹介をしていただきました。林さんは18歳のときに「途上国の人を助けたい」という気持ちを抱き始め、20歳でインドを旅行しました。そして、「人間のエゴは企業の良心で解決できる」というテーマで卒論を書いた後、株式会社パソナに入社。出産のため一時離職していた時期もありましたが、社会のために何かしたいという気持ちがつのり、26歳でMBA留学準備を始めました。そして、留学準備中のビジネス研修で、児童養護施設の問題について知ることになったそうです。


林さんは、児童養護施設について当初よく知らず、漠然と孤児院のようなところだと思っていたそうです。しかし研修中に児童養護施設について調べるうちに、「施設と社会間のギャップ」と「施設間のギャップ」が存在することに気がつきました。施設と社会間のギャップとは、施設に対する一般的なイメージとは反対に、外部から支援してもらうことに消極的な施設が少なくないこと、子どもたちの事情、例えば多くの子どもには親がいて夏休み中には親のもとに帰ることなどは、ほとんど知られていないのです。「施設間のギャップ」とは、冒頭で慎が触れていたように、施設ごとの経済的な差が存在しており、そのために子どもたちが享受する待遇も大きく異なるということです。施設によっては支援の物資にあふれているために、子どもたちが物を大切にする気持ちを持ちにくいようなところもあったそうです。


林さんセミナー2


林さんは、これらのギャップを埋めることが、児童養護施設の課題解決につながると考え、NPO法人ブリッジフォースマイルを設立し、子どもがどの施設に入っても笑顔で生活するための架け橋となるために活動しているそうです。現在、親と暮らせなくなった子どもの約8割が児童養護施設に行くことになるそうですが、施設数は絶対的に不足しています。また、施設での生活は、最長でも18歳までであるため、その年齢に至った子どもは退所しますが、彼らには生活能力の不足や孤独感、社会からの偏見や無関心などの問題が重くのしかかります。そして、社会にうまく適応できないまま出産をし、その影響が育児に出ることで、更に生まれた子どもがまた施設に預けられるという連鎖に陥りがちな現状があります。


これらの解決に向けて、ブリッジフォースマイルでは主に中高生を対象とした自立支援のためのプロジェクトをいくつも立ち上げています。ブリッジフォースマイルの考える「自立」とは、生活的自立、経済的自立、社会的自立、精神的自立であり、それを促すための5つの要素である生活基盤、知識情報、能力スキル、仲間、意欲などを網羅できるように組まれた複数のプロジェクトを紹介していただきました。


活動についての詳細は、ブリッジフォースマイルHPをご覧になってください。
http://www.b4s.jp/


活発な活動報告の一方で、NPOが自立支援活動を採算を取りながら行うのは非常に難しいことも語られました。自立支援は、結果や効果が見えにくいという特徴を持っています。また、支援をしすぎてしまうことで、子どもが受身になる可能性があることや、問題を根絶するためのニーズが果てしないことなどから、資金を調達するための理解を得にくい傾向にあります。そこで、数あるプロジェクトの中でも採算を取りにくい住宅支援の事業について、どのようにすれば必要な資金を効果的に調達できるかを、第二部のワークショップで考えていきます。


その後、参加者からの質問をたくさんいただきました。そのうちいくつかをご紹介します。


「児童養護施設退所者で、ブリッジフォースマイルの活動へボランティアとしての参加する者人はいるのか?」という問いに対して、林さんは「いることはいる。ただ、退所者は、その後の生活でも、課題を抱えていることが多く、ボランティア活動への参加はなかなか難しい。しかし、今後、退所者に参加してもらえるような流れをは、今後もつくっていきたい。」とお答えになりました。また、「一般の人に、どのようなアクションを起こしてほしいか?」という問いに対しては、「児童養護施設に関わるには相当な覚悟が必要だなどと構えたりしないでほしい、支援のカタチは本当に様々なので、自分にやれることを一人ひとり考えて欲しい。」と仰っていたことがとても印象的でした。


次回の記事では、自立支援でどのように理解を得て採算を取るのか、参加者の方々が出したユニークなアイディアをご紹介させていただきます。


文責:九鬼麻菜実

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勉強会・セミナー2010年8月31日 08:07

8/6 LIPコミュニティメンバー懇親会報告

皆さん こんにちは。
残暑厳しい折、いかがお過ごしでしょうか。

今日は、8月6日に行われた、第二回コミュニティメンバー交流会の様子をお伝えしたいと思います。

今回も、昨年と同様、LIPのコミュニティメンバーに登録して下さっている方をお招きし、恵比寿のイタリア料理店「カチャトラ」で開催しました。

 カチャトラ2

なお、昨年の様子はこちらからご覧いただけます。http://bit.ly/E1u0t


交流会は、代表の慎、杉山およびミュージックセキュリティーズ株式会社社長である小松氏の挨拶を皮切りに、世界銀行福井氏が乾杯の音頭をとられました。その後の歓談タイムでは、自己紹介を行ったり、なぜマイクロファイナンスに興味を持ったかなどを思い思いに話したりと、会場はとても賑やかでした。あらためて、多くの方が、マイクロファイナンスや社会問題に興味を持たれているということに気づかされて感動しました。


また、来場者の方たちには、LIPが今回初めて発行するニュースレターをお配りし、感想やアドバイスなど貴重なご意見を頂くこともできました。


せっかく多くの方に集まって頂いたので、是非皆さんの考えを会場で共有したい!という想いから、「アンケート大会」を開催しました。今回司会、インタビューを行ったLIPのメンバーは大変緊張をしていたのですが、皆さんの温かいご支援により、会場はとても盛り上がりました。


共有できたもので印象的だったのは、私たちからの「LIPから今後どのような情報が欲しいか」という質問に対して、来場者の方からは、「マイクロファイナンスの利用者がその後どうなったか」など、顧客の詳細情報を知りたい方が多かったということでした。
たしかに、コミュニティメンバーの方にとって現地の顧客の様子は、とても気になるところですよね。
私たちにとっても、マイクロファイナンスによってもたらされる現地の人々の生活の具体的な変化は大変興味がありますし、人々の自立への手段としてこの手法がどのように用いられているかを知ることは、LIPの活動の励みにもなります。


「マイクロファイナンス利用者のビフォー&アフター」は、ぜひお届けしたいと思いますので、どうぞお楽しみに!


さて、今回の交流会は、LIPの活動に関心を持ってくださる方と直接意見を交換できるとても貴重な場となりました。得られたアイディアは、今後に活かしていきたいと思います。

カチャトラ1

 

お忙しい中ご参加下さった皆さん、本当にありがとうございました。
また、今回参加できなかった方も、是非次回のイベントにお越しください。
LIPをこれからもどうぞ宜しくお願い致します。

文責:兵藤桃子、高橋正子

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勉強会・セミナー2010年8月15日 21:11

8/29LIP主催セミナー&ワークショップのご案内

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◆Living in Peace 主催 セミナー&ワークショップ◆
ファンドレイジング×自立支援=スマイル
◆8/29(日) 14:00~17:00@CANPANセンター(虎ノ門)◆
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私たちLiving in Peace(以下、LIP)は日本国内での活動として、「すべての子どもに、
夢をくれる大人との出会いを」を合言葉に、児童養護施設の子どもたちの自立を支援する
活動を行っています。このたび、同じく児童養護施設の子どもたちの自立を支援している
NPOの大先輩、ブリッジフォースマイル代表の林恵子氏をゲストスピーカーにお迎えして、
セミナー&ワークショップを開催することといたしました。
(NPO法人ブリッジフォースマイル http://www.b4s.jp/)

LIPとブリッジフォースマイルは、児童養護施設の子どもたちの自立支援という共通した
目的をもってそれぞれの活動に取り組んでいます。子どもたちの自立を効果的に支援する
ためには、彼らが置かれている環境をよく理解する必要がありますが、解決すべき問題の
ひとつは、経済的な基盤の弱さです。多くの児童養護施設は、資金・人員とも著しく欠乏
した状態にあります。退所後の子どもたちも、貯蓄や収入がほとんどない状態から社会生活
をスタートしなければいけません。そこで、今回のセミナー&ワークショップでは、自立
支援のためのファンドレイジング(資金調達)という側面にスポットライトを当てたいと
思います。

第一部では、林氏から、児童養護施設の子どもたちが置かれている環境と、子どもたちの
可能性を広げて自立を促すためのブリッジフォースマイルの現在の取組みについて、主に
ファンドレイジングの観点からお話をしていただきます。第二部のワークショップでは、
児童養護施設の子どもたちに必要な資金援助がいきわたるためにどのような仕組みが可能か、
参加者の皆さんと一緒に知恵を出し合いたいと思います。

このセミナーを通して日本の子どもたちの現状を共有し、仕事を持って働く私たちに何が
できるか、ワークショップで一緒に考えられたらと思います。そして、この機会がより多く
の支援を必要としている子どもたちへの一助となることを願います。

多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

【開催概要】

◆日時 : 2010年8月29日(日) 14:00~17:00 (受付13:30~)
※セミナー終了後、同会場で飲み物を用意した簡単な懇親会を予定しております。

◆ 会場 : CANPANセンター 海洋船舶ビル10階
(東京メトロ銀座線 虎ノ門駅4番出口より徒歩2分)
◆ アクセス : https://canpan.info/onlinehelp/info/about_us.html

◆ 内容 :ファンドレイジング×自立支援=スマイル
第一部: 子どもたちの自立のために必要な支援(スピーカー:林恵子氏)
第二部: ファンドレイジングのワークショップ
※第一部はUstreamによる配信を予定しております。URLは当日のTwitter実況(@lipjapan)
をご確認下さい。

◆ 定員 : 100名

◆ 参加料 : 1,000円

◆ 参加お申込フォームはこちら → http://bit.ly/d5Tnn7
お名前(ふりがな)、所属、連絡先メールアドレス、参加人数、本セミナーを知った
きっかけを明記下さい。
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。

◆協力 : NPO法人ブリッジフォースマイル、日本財団 CANPAN プロジェクト


◆林恵子氏プロフィール
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津田塾大学卒業後、株式会社パソナに入社。
副社長秘書、営業、面接、契約管理、人事などを担当。
二児の子育てと仕事を両立させながら、社会起業家になるためにMBA留学を計画。
英語力を磨く目的で参加した研修で児童養護施設と出会う。
2004年12月、NPOブリッジフォースマイル創設。現在に至る。
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◆ 主催 : 特定非営利活動法人 Living in Peace
HP : http://www.living-in-peace.org/
Twitter : http://twitter.com/lipjapan
貧困削減を目的として設立された特定非営利活動法人。海外ではマイクロファイナンス、
日本国内では教育というそれぞれの手段を用いたプロジェクト下でその達成を目指して
いる。マイクロファイナンスプロジェクトでは、2009年に日本で初となったマイクロ
ファイナンスファンドの企画に参画。セミナーやフォーラムを通しての普及活動、ロー
コストのマイクロファイナンス機関調査システムの開発を通じて、少額の金融サービスを
貧困層に提供し、自立する機会を提供する支援を行っている。教育プロジェクトでは、
「子どもたちが等しく自分の存在意義を感じ、夢を与えてくれる大人に出会う場の提供」
を目標に、主に児童養護施設の子どもたち向けの活動を展開している。
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勉強会・セミナー2010年8月4日 00:57

7/10 LIPマイクロファイナンス主催イベント報告

皆さん、こんにちは。
Living in Peaceの高橋です。
毎日本当に暑いですね。冷たいものについ手が伸びてしまいます。


さて、今日は、7月10日に行われたLIP主催イベント「マイクロファイナンス機関現地報告会」についてお伝えします。


こちらの報告会で私の心に残ったのは、「誰にとっての何のためのマイクロファイナンスか」ということです。


まず、カンボジアの農村地域に滞在した代表の慎は、「マイクロファイナンスの意義を強く感じた」と言っています。
理由は、気候等に左右されやすい農村での生活において、金融インフラの役割の大切さを実感したこと。金融制度が整うことで、人々の消費が平準化し、安定した生活につながること。そのために、マイクロファイナンスが果たす意義は大きいということでした。


生活の安定とマイクロファイナンスということについては、続く内田からの説明にもありました。マイクロファイナンス機関が展開する融資以外のサービスとして保険、貯蓄、送金等があります。様々な金融サービスにより、借り手は資産形成の機会を得ることができ、その結果、健康状態の維持や子どもへの教育機会提供へとつながっています。


さて、プログラムは二つの現地報告へと続き、初めに、フィリピンを訪問した藤原からの発表がありました。
研修を受けた「CARD-MRI」はフィリピン最大のマイクロファイナンス機関であり、多くの顧客を抱えています。現地では、職員を伴い借り手の様子を調査しました。CARDは幅広いビジネス展開をしており、マイクロファイナンス業のほかに預金等の銀行業、保険、コンサルティング等を行っています。


特徴のひとつは、事業立ち上げよりも事業の継続希望者のための貸付に重点に置いていることです。なお、借り手は毎週開催されるミーティグへの参加義務がありますが、妊娠中や家族の介護等で参加が難しい場合は、免責されるなど、借り手に対して柔軟な対応がされています。定例ミーティングでは、誓いの言葉をのべ、歌を歌い、返済額を公表するなど返済への意識を高く保つ工夫もなされています。

LIP_MF_0710-1


借り手の中には利用歴が20年に及ぶ人もいます。継続して利用できることが、子どもへの教育機会の提供のきっかけになるなど、現地の人々の長期的な人生設計にマイクロファイナンスが用いられています。

藤原は、滞在の感想として、それまでは、特別なシステムだと感じていたマイクロファイナンスについて、しかるべく金融機関の一種と捉えるようになり、顧客の「普通の生活」のために存在するマイクロファイナンスが、世界中でさらに普及して欲しいと感じたとのことでした。


続いて、メンバーの長島より「セイラニティ密着24時」と題して、カンボジアでの活動報告がありました。長島は、セイラニティというマイクロファイナンス機関のチャンカールー支店に滞在し、職員と寝食を共にしながら、組織の内部統制に関する調査を行いました。


報告によると、支店の職員は、平日、店内に泊まり込むそうです。営業開始は7:30ですが、農村という地域柄のせいか、5時台からの来客もあるとのこと。また、支店は、貧困層でも抵抗なく入店できるようにと、入口のドアやエアコンを設置しないという配慮がなされています。


なお、調査の結果は、経営者、従業員ともに意識が高く、運営の透明性もよく保たれており、組織として十分に機能しているということでした。


このほかにインタビューも行いました。支店長であるサンバスさんは、自分の成功は、貧しい人々のためにあるセイラニティの成功を意味し、セイラニティの成功は、カンボジアの貧しい人々の成功である。カンボジアの貧しい人々の成功は、カンボジアの成功であり、自分はその為に働いている、とおっしゃっていました。

長島は、支店の職員は、純粋なモチベーションと徹底した努力をもって、長時間に及ぶ勤務にあたっていると感じたそうです。

LIP_MF_0710-2


報告の後は質疑応答が行われました。
内容は、マイクロファイナンス機関の資金調達方法や、貸付を行う際の基準についてなど、運営に関するものが多く出ました。
また、コミュニティの結束力が信用力ともなるマイクロファイナンスが、今後、地域社会の発展に伴う様々な変化にあわせて、適切な金融サービスを提供する必要性も挙げられました。


フィリピンでは、借り手の日常生活を支え、カンボジアでは、貧しさを克服し、ひいては国の成功のためにと信じて用いられているマイクロファイナンスのシステム。


では、LIPにとってはどのようなものなのでしょう。
私たちは、貧困削減を目的に、自立の意思をもつ人たちへの機会の提供としてマイクロファイナンスにかかわっており、具体的には、マイクロファイナンス機関の調査方法の確立や社会での認知度を高めることに力を注いでいます


慎は、この日、なんでも行うのではなく、自分たちにできること、得意なことを行うことが大切と言っていましたが、LIPも、メンバーの個性や能力をさらに活かして活動していきたいと思います。


文責 高橋正子

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勉強会・セミナー2010年7月7日 23:45

6月開催イベントの報告

皆さんこんにちは。
LIP(Living in Peace)の高橋です。
梅雨の晴れ間に夏の勢いが顔をのぞかせています。
いかがお過ごしでしょうか。


LIPメンバーは、ジメジメした空模様もなんのその、元気にしています。
そして、最近は、他団体の方たちと一緒にイベントを行う機会も増えました。
そこで今日は、6月に開催された二つの共催イベントについてご報告します。


まず、代表の慎は、「ソーシャルっぽい金融セミナー」(6月14日 @ISL)と題したイベントで講演しました。
こちらは、ARUN代表の功能さん、ライフネット生命保険代表取締役副社長の岩瀬さん、maneo株式会社代表の妹尾さんとご一緒したものです。


ARUN:http://www.arunllc.com/
ライフネット生命保険:http://www.lifenet-seimei.co.jp/
maneo株式会社:https://www.maneo.jp/about_maneo.jsp

慎からは、LIPの活動の柱であるマイクロファイナンスと教育の両プロジェクトについて、紹介がありました。
特に印象に残った言葉は「テンプレートをつくる」というものでした。つまり、複製可能なプロジェクトのモデルを作るということです。


教育プロジェクトでは、関わっている児童養護施設の持続可能な運営のために、すでに持ち合わせているファイナンスの知識を活かして、資金調達のモデルを作ります。そして、この手法をひな型として、他団体が取り入れることができるように工夫します。


また、LIPは、社会人や学生をメインに構成されるパートタイム型NPOです。
本業を持ちながらでも、隙間の時間を工夫して皆で一緒に何ができるか。
現在も挑戦は続いていますが、このパートタイム制もひとつのテンプレートとなり、広く用いられればと考えています。


では、本業を持ちつつできることには何があるのでしょうか。
そこで、LIPが主催となり「NPOプロボノフェア~あなたも社会にできること~」というイベントを行いました。(6月26日 @JICA地球広場)
プロボノとは、知識労働者が自分の職能と時間を提供して社会貢献を行うことです。
こちらでは、社会人が活動の中心となっている「かものはしプロジェクト」、「二枚目の名刺」、「ミレニアム・プロジェクト・ジャパン」の3団体と共に、お互いの活動の紹介や報告をしました。


NPO法人かものはしプロジェクト:http://www.kamonohashi-project.net/
二枚目の名刺:http://twitter.com/nimaimenomeishi
NPO法人ミレニアム・プロミス・ジャパン:http://millenniumpromise.jp/


会場では、各団体のブースを設け、活動内容の説明や来場者の方の相談に応じました。質問も多く寄せられ、活動時間や頻度、本業との両立方法などについて、熱心に伺っている姿があちこちで見られました。

NP

各団体の方からは、プロボノ活動から得るものとして、普段知り合えない他業種の人たちとの出会いや、活動によって得た力が本業にもよい影響を与えているといったことが挙げられていました。


また、活動を継続させるものとしては、仲間の存在が大きいようです。
活動を検討している人たちへのアドバイスとしても、きっかけが楽しい仲間であってもいいのでは、という意見が出ていました。


私が実際に感じることも、仲間の存在と彼らから得られる情報や知識がいかに貴重であるかということです。LIPの活動によって、友人や同僚とは違う魅力を持つ人たちと出会い、多くを学んでいます。


おかげさまで、どちらのイベントにも100名以上の方にお越しいただきました。
ご参加くださった皆さんには、あらためましてお礼を申し上げます。


さて、次回のLIPイベントをご案内します。
「マイクロファイナンス機関現地報告会~カンボジアとフィリピンの事例より~」
7月10日(土)14:00~16:30 KANPANセンター@虎ノ門
フィリピンとカンボジアのマイクロファイナンス機関へ訪問したメンバーの報告会です。
現地の最新情報を、画像とともに盛りだくさんの内容でお届けしますので、ご期待下さい!

http://www.living-in-peace.org/Study/


皆さんにお会いできることを楽しみにしています。


それでは、また。


文責 高橋正子

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勉強会・セミナー2010年7月1日 07:53

7/10 LIP主催セミナーのご案内

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◆ Living in Peace 主催セミナー ◆

◇ マイクロファイナンス機関現地報告会~カンボジアとフィリピンの事例より~ ◇

◆ 7/10(土) 14:00~16:30@CANPANセンター(虎ノ門) ◆
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皆様、こんにちは。

今回のLiving in Peace主催のセミナーは、先日フィリピン、カンボジアのマイクロ
ファイナンス機関を訪れたLiving in Peaceのメンバーより、各国のマイクロファイナンス
のシステムや特徴についての調査報告をしたいと思います。

一口にマイクロファイナンスと言っても、国やマイクロファイナンス機関によって特徴は
様々あり、現地に行かないとわからないことが多々あります。実際にマイクロファイナンス
を利用している人の様子や、マイクロファイナンス機関の具体的な運営システムなど、
文献ではなかなか得ることができない内容を、フィールドワークを行ったり、時にマイクロ
ファイナンス機関のスタッフと寝食を共にして過ごしたメンバーよりわかりやすくお伝えします。

マイクロファイナンスについてご存知でない方でも、すでに知識がある方でも、基本知識や
現地での最新情報を含め、楽しめる内容となっております。

多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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【開催概要】

◆ 日時 : 2010年7月10日(土) 14:00~16:30(受付13:30~)
※セミナー終了後、同会場で飲み物を用意した簡単な懇親会を予定しております。

◆ 会場 : CANPANセンター 海洋船舶ビル10階
(東京メトロ銀座線虎ノ門駅4番出口より徒歩2分)
アクセス :
https://canpan.info/onlinehelp/info/about_us.html

◆ 内容 : マイクロファイナンス機関現地報告会~カンボジアとフィリピンの事例より~
(以下、予定している具体的トピック)

・ 最近のマイクロファイナンス事情
→スピーカー:LIP代表 慎 泰俊

・ カンボジアでの具体的なマイクロファイナンス運営システム
→スピーカー:LIPメンバー(大手監査法人勤務)

・ フィリピンにおけるマイクロファイナンス利用者の声
→スピーカー:LIPメンバー(外資系金融機関勤務)

◆ 定員 : 100名

◆ 参加料 : 1,000円

◆ 参加お申込フォームはこちら → http://bit.ly/c91SeW
お名前(ふりがな)、所属、連絡先メールアドレス、参加人数、本セミナーを知った
きっかけを明記下さい。
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。予めご了承ください。

 協力 : 日本財団 CANPAN プロジェクト


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◆ 主催 : 特定非営利活動法人 Living in Peace
HP :
http://www.living-in-peace.org/
Twitter :
http://twitter.com/lipjapan
貧困削減を目的として設立された特定非営利活動法人。海外ではマイクロファイナンス、
日本国内では教育というそれぞれの手段を用いたプロジェクト下でその達成を目指して
いる。マイクロファイナンスプロジェクトでは、2009年に日本で初となったマイクロ
ファイナンスファンドの企画に参画。セミナーやフォーラムを通しての普及活動、ロー
コストのマイクロファイナンス機関調査システムの開発を通じて、少額の金融サービスを
貧困層に提供し、自立する機会を提供する支援を行っている。教育プロジェクトでは、
「子どもたちが等しく自分の存在意義を感じ、夢を与えてくれる大人に出会う場の提供」
を目標に、主に児童養護施設の子どもたち向けの活動を展開している。
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勉強会・セミナー2010年6月22日 20:57

5/29 LIPマイクロファイナンス主催イベント報告

皆さん こんにちは。

Living in Peace (LIP) の高橋です。

 

今日は、5月29日に行われたLIP主催イベントである「投資が社会にもたらすもの インパクト・インベストメントの可能性」についてお伝えします。

 

皆さんは、「インパクト・インベストメント」という言葉をご存知ですか?

大和証券の解説によると、「社会的な問題を解決しながら、経済的な利益を生む投資」とあります。http://mainichi.jp/sp/kinyu/01.html

 

さて、今回のスピーカーである徐勝徹(そ すんちょる)さんの場合は、これをどう捉え、また、なぜ、インパクト・インベストメントに携わるようになったのか、ご一緒に見てまいりましょう。

 

なお、当日の資料は除さんのブログにて公開されています。

Presentation at Living in Peace 

 

徐さんは、米国にて修士課程を修了された後、ユネスコや国際赤十字を経て民間のコンサルティング会社で勤務されました。 そして、現在は、株式会社kaienの共同創業者兼代表でいらっしゃいます。

非営利団体と民間企業の両方での勤務経験を通して、徐さんは、非営利団体では、the power of humanity が十分に引き出されていないのでは、という思いを抱きます。

 

では、the power of humanity とは、なんでしょう。

徐さんいわく、これは、特別な能力や才能ということではなく、the power of humanity in you. つまり、私たちすべての人の中にある自己犠牲の精神や公正さの観念などの気持ちや想いを指しています。人は、もともと市場の原理だけでは捉えられない価値を持っているのです。

 

徐さんは、非営利組織がうまく機能していない状態について、例えて言うなら、内燃機関発明前の石油資源のように、効率的な利用方法を知らないことでエネルギー利用に無駄が生じている状態、と説明しています。

非生産的な慣行、非効率、マネージメントの脆弱性、不十分なリソース、社会の関心の低さといったことが組織によくない結果を生み、そのことが組織をさらに衰退させるという負の連鎖を生みます。

徐さんは、このサイクルを好転させるシステムを構築する必要があると考えました。

 

では、どのようなシステムが必要なのでしょうか。

民間企業の場合(ordinary transactions)、物やサービスを提供することで、顧客(消費者)からお金などのフィードバックを得るという仕組みが働きます。しかし、非営利団体の場合(nonprofit transactions)は、団体へ資金を提供するドナーへのフィードバックがうまく働いていません。

 

つまり、1、よい結果を出すところにより多くの資源が配分され、2、多様性が確保され、3、ドナーより託された資金の流れを見届け、説明責任を果たす仕組みが必要です。そこで、徐さんは、インパクトインベストメントに携わるようになりました。

 

続いてインパクト・インベストメントについて見ていきます。

 

 

組織に必要なリソースは、お金で解決できます。逆に、お金がなければ、必要な物資、人材を補充できません。一般にインベストメント(投資)とは、株や債券などへの投資を指しますが、その善し悪しの基準は、経済的な見返りです。

 

しかし、社会的な見返りについて考えた時に、それを計る指標はありません。

経済的、社会的双方の見返りを期待する投資の形態としては、SRISocially Responsible Investment社会的責任投資)というものはありますが、SRIが十分な社会的見返りを生んでいるかについては、疑問が残ります。インパクト・インベストメントとは、経済的な見返りと社会的な見返りという2つの軸にまたがる投資をいいます。

 

現代社会の問題は多様化しており、かつ、多くのリソースを必要としています。そして、投資からくる見返りが、経済的か社会的かのどちらかを生むだけでは、社会的課題に対応することが難しくなってきました。

また、社会企業家といわれる人たちにこそ取り組むことができる分野も拡大しています。

 

そこで、impact investment cycleといって、社会事業のために、1、お金を流れやすくするために資本を調達でき、2、調達した資金の利用結果を投資家に伝え、3、投資家には結果に応じた見返りを提供する、という3つの結びつきが必要となります。しかし、このサイクルの最大の課題は、3点目のインセンティブです。投資家が得る心理的な満足を、社会的見返りや社会の変化と判断できるのでしょうか。

 

このインパクト・インベストメントについては、現在世界各地で様々な動きがあり、今まさに、発展の段階です。日本では、大和証券、鎌倉投信、ARUNMusic Securitiesなどが、関連の事業を行っています。

また、徐さんは、シンガポールのimpact investment exchange Asia  http://www.asiaiix.com/ に参画するなど、社会企業家や社会的企業が成長するために必要な資金が流れるための投資の仕組み作りにも携わっています。

徐さんのプレゼンテーションの後、活発な質疑応答が行われました。

そのなかで、NPOの活動を経済的見返りと社会的見返りの、どのあたりに設定して行っていけばいいのか、というものがありました。

徐さんの回答は、どこがスイートスポットか探る必要があるということ、またあえて、期待される経済的な見返りがゼロで社会的な見返りがプラスという領域も面白いのではないか、とも仰っていました。

 

LIPからは、NPOの中にも専従スタッフを置いているところとそうでないところがあり、その違いは、運営コストにつながるということ。LIPは専従スタッフを持たない「無償、目的あり、仲間あり」の団体で、ボランティアにより、民間企業だけではできないことに取り組んでいくとお伝えしました。

 

このセミナーは、たくさんの方のお申し込みをいただき、徐さんやインパクト・インベストメントに対する関心の高さを伺わせました。

 

次回は、626日(土)に「NPOプロボノフェア~あなたも社会にできること~」と題して、JICA地球広場でイベントを行います。

http://www.living-in-peace.org/Study/

 

LIPが主催をし、「かものはしプロジェクト」、「ミレニアム・プロミス・ジャパン」、「二枚目の名刺」の方たちと一緒に、お互いの活動をご紹介していきます。ソーシャルアクティビティにご関心のある方、ぜひいらしてください!

皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

 

文責 高橋正子

 

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