LIVING IN PEACE BLOG 勉強会・セミナー

勉強会・セミナー2009年7月27日 17:39

7/6勉強会「カンボジアの児童売春問題解決へ向けて~子ども達の未来を守る~」、要約&資料UP

少しご報告が遅れましたが、7/6(月)に行いましたLiving in Peace主催勉強会、かものはしプロジェクト共同代表 青木健太氏が語る「カンボジアの児童売春問題解決へ向けて~子ども達の未来を守る~」の模様をご紹介いたします。

当日は平日ということで普段の勉強会より人数は少なかったのですが、貴重な話を聞くことができ参加者の方からも好評でした。
またLIPとしては活動内容は勿論勉強になりましたし、NPO法人の運営方法なども参考になりました。
以下、簡単ではございますが、要約と資料をご覧ください!


■挨拶:LIP代表 慎

・LIP組織概要

・現在マイクロファイナンスをテーマに活動している理由   

・現在進行中のPJ     


■講演:NPO法人かものはしプロジェクト共同代表 青木健太氏  資料(PDF版) 資料(SlideShare版)

▼勉強会アウトラインについて

(1)カンボジア児童買春問題

(2)かものはし設立経緯

(3)かものはしとマイクロファイナンスのかかわりあい

 

(1)カンボジア児童買春問題


青木健太氏


①カンボジアについて

・日本の半分面積

・世界遺産であるアンコールワットがあり観光客が多く訪れる

・携帯の普及率高い(プノンペン市内)

・農村と都市部ではかなり経済格差があり

 

②なぜカンボジアは貧しいか

・~1960までは「東洋のパリ」といわれ、多くの留学生を受入れるなど経済発展

・70年代ポルポトの登場→教育排除・農村帰化推進・一部官僚への権力集中、その政策の過程で知識人を中心に200万人の大虐殺行われる

・その結果、現在のカンボジア人口ピラミッドをみると総人口の60%が30歳未満、国を動かす世代の不在

・ポルポト政権によるコミュニティーの破壊→人を信じる気質の欠如

・GDP、就学率についてベトナム・タイ・中国と比較してもかなり見劣りする状況

 

③児童買春問題とは

・カンボジアでは6~10歳の児童が売られている現状

・人身売買の種類→ 労働搾取、臓器売買、養子縁組、児童労働、商業的性的搾取

・児童買春=児童労働+商業的性的搾取→児童労働の最悪の形態

・言うことを聞かせるために電気ショックを与えたり、麻薬漬けにするケースもあり

 
~映像上映~   カンボジア警察による児童売春宿摘発シーン


(2)かものはしの活動について


青木氏の講演にも熱がこもる


①活動内容

・コミュニティーファクトリー事業(現地)

・IT事業(日本)

・サポータ事業(日本)

 

②児童買春撲滅のための考えられるアプローチ

・児童売春宿、仲買人の摘発

・法律にて管理(買った人間に厳しい刑罰を課す)

・売られないための予防←かものはしの活動

 
犠牲者になる児童は出稼ぎに出る際に「都会にいい仕事があるから」など仲買人にだまされ売春宿に売られるケースが多い

かものはしでは経済的自立支援により、出稼ぎに行かなくても家族の生計を成り立たせるためのサポートを実施

 

③具体的な活動例

☆コミュニティーファクトリー設立

・最貧困家庭を従業員として雇用→製品を生産→現地市場で販売 

・日本でも一部販売を行う(東急ハンズでの販売 サポーター限定販売等)

 

④なぜ日本市場での販売ではなくカンボジア中心の販売なのか?

・日本は品質管理が非常に厳しい

<具体例>東急ハンズ納品の際にはかものはし職員検品後商品の70%が「不適合」との理由から返却される。その状況に悔し涙を流すカンボジア人スタッフもいた。しかしこの経験を機に、従業員の中に「責任感」・「当事者意識」・「チームワーク」が芽生え、結果として「マーケットを通じて成長する喜びを感じる」良い経験に。

・日本とカンボジアの距離的な遠さ

自分で作ったものが売れていく様子が分からない→充実感の欠如

・日本での流行をキャッチできない→将来的な現地従業員だけの運営が不可能


⑤2011年度までの目標

・コミュニティーファクトリーで100世帯を支援(現在30世帯)

・最終的に日本人なしで、現地の人達だけで活動がまわるシステム構築目指す

・他団体との連携を通じての支援(ex:孤児院支援など)             

・カンボジア以外での児童買春問題解決のための準備


⑥国内における他事業

・サポーター事業

月々1,000円で支援してくれる人を集める(現在会員約2,000名)

・IT事業

サポーターにわかりやすい資料、HPを作成

ITチャネルによる現地商品販売など

~参加者との質疑応答~

Q1.なぜ幼い人たちが売買の対象になるのか(日本であれば売春といえば十代後半~)

A1.カンボジアでも数としてはやはり十代後半が多い。

児童買春加害者の属性として考えられるのは…

・子供しか愛せない性癖持った人(先進国観光客)

・児童と交わることで「寿命が延びる、商売繁盛する」との迷信を信じる人 

・幼い子供のほうがHIV感染確率低いと思う人


Q2.コミュニティーファクトリーで働くことができる「最貧困層」の選定方法

A2.村長に貧困者リストをもらい選定。土地をどれぐらいもっているか、働き手となる男性がいるか、借金どれくらい、家畜の数、DVの有無、などのポイントをスコアリングして決定している。


Q3.クチャ(現在の活動地)を選んだ理由は児童売買の仲買人がその地域に多いからか?

A3.仲買人は児童売買を専門でやっているわけではなく、通常は労働目的の人身売買中心である。たまたま当てはまる家庭があれば、児童買春を目的とした人身売買を行っているという状況。児童の供給先はタイ国境付近・アンコールワットが多い。そこへの供給経路をある程度考慮した上でクチャを選定。


(3)かものはしとマイクロファイナンスのかかわりあい


熱心に話を聴く参加者


①青木氏のBRAC(バングラディシュのMF機関)でのトレーニング参加感想

・BRACでは金融サービス以外のインフラ提供が多数行われている

 ☆ビジネス面でのサポート(販売網提供 乳製品工場設立←働いているのはBRACクライアント・生乳はマイクロファイナンスで牛を買ったクライアントから調達)

 ☆子供の教育支援(BRACによる学校を運営 教師育成5万人の実績 教科書印刷会社の設立)→貧困の連鎖を断切る

◎マイクロファイナンスでは返済率の高さに注目あつまりがちだが、上記サービスが同時に提供されているかが重要


②今後のマイクロファイナンスとの協業可能性

・コミュニティーファクトリーから独立するときの独立資金として

・マイクロファイナンス対象者への職業訓練を提供

・マイクロファイナンス対象世帯へソーシャルサービス提供

・コミュニティーファクトリーへの出資をうける

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勉強会・セミナー2009年7月23日 14:36

LIPのミーティング風景

 本日のブログを担当させていただくのは、7月からLIPの活動に参加している小間口です。
これまでこのブログではLIPが送信したメールマガジンやセミナー・勉強会の様子、マイクロファイナンス情報などをご紹介してきました。
今回からはそれにメンバーが活動の中で考えたこと・学んだことなども加えて、読者のみなさんがよりLIPの活動を身近に感じていただけるような内容を発信することを目指していきます。


さて、今日は7月18日(土)に行われたミーティングの様子を新メンバーとしての視点から報告したいと思います。
毎週土曜日のミーティングはLIPの基本的な活動の1つです。都内の会議室やオフィスで約3時間に渡って現時点でのタスク進行状況や今後の課題などを話し合います。


18日は私にとって2回目のミーティング参加となりました。
LIPのメンバー間では毎日大量のメッセージが交わされます。メッセージの内容は新たに立ち上げられたタスクの協力者募集であったり、完成した仕事の報告であったりします。


1回目のミーティングではメッセージの送り主の名前と顔が一致し、それぞれのタスクの内容を漠然と掴んだ、という感じでした。
またLIPのミーティングがかなり活発な意見交換の場であることも感じました。
実行委員には社会人も学生も含まれていますが、それぞれが独自の視点や能力、アプローチ方法を生かしてファンドの設立に貢献しようとしているので必然的に議論も起こります。


そのような初ミーティングを経て臨んだ2回目のミーティング。ローンチ直前ということもあり議題もかなり具体的でした。


写真はミーティング真っ最中の様子。代表の慎さんが次の週末にカンボジアへ行くため、現地でやるべきことやカンボジア側の組織の状況を確認しました。

 meeting090718-1

[約20人が熱心に議論に参加する全体ミーティング]


ミーティングが終わった後も個別にタスクについて話し合います。プロジェクト成功に向けて実行委員がお互い率直に話し合える気風もLIPの魅力であると思います。

 meeting090718-2

[LIPの相談役・世銀の福井さん(左)と24日のイベントについて打ち合わせ]

私がマイクロファイナンスに関心を持ったのは大学の授業がきっかけでした。
LIP関連の活動では毎回、「実際に自分がやるとはどういうことなのか」を考えさせられます。
本を読んだときには当然の前提だと考えていた部分を実際に自分たちが詰めていかなければならなかったり、1つの数字を設定するために全員で長時間議論したり……。
ミーティングに参加する度にアイディアを現実に移す過程を目の当たりにします。


ローンチは目前ですがそこでプロジェクトが終了するわけではありません。今後のミーティングでも自由で熱い議論が展開されるでしょう!


明日・金曜日には恵比寿でコミュニティメンバーの交流イベントが企画されています。
その様子も後日ブログでご紹介しようと思いますので、ぜひご覧ください。

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勉強会・セミナー2009年7月20日 23:55

7/4勉強会「業界内部から見たマイクロファイナンスの最前線と課題」、要約&資料&動画UP(その2)

【第二部】「日本人がマイクロファイナンスにできること」(参加者とのフリーディスカッション)

 

長友さんとLIPが前に座って対話形式で行いました。

 

Q1.
日本と途上国をつなぐ取り組みはできないか?
マイクロファイナンスのおかげでできた途上国の商品を日本でも購入できるようにならないか。
マイクロファイナンスによる投資によって、マイクロファイナンス以外の分野に波及効果がないか。
A1.
LIPのHPでフィリピンの手工芸品を扱っているが、日本の市場に向いている商品かどうかは疑問がある。また、現地ではそのためのサポートがない。フェアトレード業者とのコラボレーションが必要不可欠である。

 

Q2.
・ビジネスディベロップメントの成功要因について
マイクロファイナンスのおかげでもあるし、債務者のビジネスの才能でもある。
中間業者に搾取されてしまうこともあるが、彼らは材料の供給及びヨーロッパへの輸出も請け負っている。ビジネスの上流から下流まで一連の流れを扱うようなサービスをMFはできないのか?
A2.
MFIの規模的な問題がある。ビジネスディベロップメントだけに専念できるスタッフが必要である。現状のローンオフィサーの主たる仕事ではない。

参考事例として、カードバンクのビジネスディベロップメントサービスでは、サリサリストアをフランチャイズ化した。一括購入により、マージンを減少させることができた。

 

Q3.
フィールドオフィサーが担当企業同士をマッチングさせることはあるのか?
A3.
現場レベルでは起きているが、コストの観点からMFIの経営陣に吸い上げられていない。従って、日本にも届いていない。

多くの方から熱い意見が飛び交いました。

 

Q4.
(若い世代の社会貢献に関する教育について)
小学校、中学校、高校向けなど世代別に向けてわかりやすい教材を作ってはどうか?波及効果を得られるように、英語の教材、漫画、ゲーム形式、ビデオ、他の教育機関などのコラボレーション
A4.
都立高校3年生の意見(LIPイベントにおける初の未成年参加者)
将来国際協力の仕事に就きたい。課題研究でマイクロファイナンスをやっている。
友人と援助やマイクロファイナンスの話をしても、全く通じない。
期末試験として国境なき医師団の本を強制的に読まされたが、感化される学生は少なかった。
高校生でも読めるような導入的な簡単な本が少ない。
講師を招聘するなどの方が、インパクトがあるのではないか。ノーベル平和賞受賞者のユヌス氏の講演であれば、真剣に聞くと思う。マイクロファイナンスの実地研修なども面白い。
受験勉強があるので、高校大学一環の学校がターゲットではないか。

 

Q5.
(日本と発展途上国との関わりについて)
両親はリタイアして中国で日本語講師をしている。暇もお金も経験もあるので、
観光とセットにして、自分の経験を発展途上国で講義するツアーはどうか?
A5.
某旅行会社のソーシャルビジネスに興味のある方の意見
マザーハウスはHISと組んでバングラディシュツアーをしている。取締役がバングラディシュ人のためである。
主な顧客は寄付の経験がある富裕層である。ただし、参加者はそれほど多くないので、あまり大きな利益にはならない。
支店レベル、担当者レベルでアクションを起こしている。継続的な案件が受注できる新規事業として立ち上げたい。
旅行業者がCSR活動の一環として、NPOを協賛する可能性はある。

 

長友さん、ありがとうございました!

 

★参考
(企業のCSRプロジェクトについて)
・オランダのINGのCSR社員をMFIに派遣する(負担はING持ち)。オランダは女王の影響もあり、国全体がMFに熱狂している。

・ネピアは「千のトイレプロジェクト」というCSRプロジェクトで、東ティモールにおける1000以上のトイレの建設や修復など水と衛生に関する支援活動を行った。
http://1000toilets.com/

 

(KIVA JAPANについて)
http://kivajapan.jp/
現状KIVA.ORG非公認のウェブサイトである。翻訳によって英語の壁を取り払い、日本でもKIVAのプレゼンスを高め、KIVA経由で日本からの国際貢献を促進させるサイトを作っている。

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勉強会・セミナー2009年7月20日 18:38

7/4勉強会「業界内部から見たマイクロファイナンスの最前線と課題」、要約&資料&動画UP(その1)

7月4日、プラネットファイナンス長友留奈氏をゲストスピーカーに迎え、「業界内部から見たマイクロファイナンスの最前線と課題」と題して、勉強会を開催いたしました。当日は30名以上の方にお越しいただき、後半のディスカッションでは参加者の方を含めて熱く議論が交わされました。以下に簡単ではありますが、その模様をお伝えしようと思います。(少々長いですので、第一部と第二部でブログの記事を分けています。)

 


【第一部】資料(PDF版) 資料(SlideShare版) 動画

・講師:プラネットファイナンス 長友留奈氏


①MFI最新動向
・長友氏が過去に携わられたプロジェクトについて
・プラネットファイナンスフィリピンオフィスにて進行中のプロジェクトについて
 
②MFIが必要としている技術支援
・資金調達などの財政面だけでない様々なニーズについて
(例)マーケティング、商品開発、スタッフトレーニング、保険衛生、識字教育

※こちらの要約は資料をご確認ください。


【Q&Aセッション】


Q1.
マイクロインシュランスはなぜ普及していないのか?
A1.
数年前まではマイクロクレジットと呼ばれていた。保険は新しい商品であるからまだ馴染みがない。

 

Q2.
農業向けのマイクロファイナンスがうまくいっている事例について教えていただきたい。
A2.
各国で成功している事例はあるし、フィリピンでも成功事例はある。成功要因は、経営者の資質、付加サービスではないか。

 

Q3.
ビジネスディベロップメントをカバーしているMFIの割合、事例、効果を教えていただきたい。
A3.
ビジネスディベロップメントをやっていると言っているところはあるが、効果があるとは考えにくい。そのカリキュラム、ビジネストレーニングもまだ充実していない。
トレーニング、コンサルティングサービスをやっているところはある。個人的には役に立つとは思うが、効果があるという研究はまだない。
MFIは画一的なローン商品を販売しているので、ビジネス支援は大手に限られる。

 

 

多くの質問が出され、皆さんの興味・関心を強く感じました。

 

Q4.
マイクロファイナンスは、ビジネスだけでなく生活もサポートするものなのか?
A4.
その通りである。借り手は帳簿のつけ方も知らない人もいるし、字が読めない人もいる。

 

Q5.
フィリピンのアグリMF顧客はどのような作物を作っているのか?
A5.
米が多い。他にはとうもろこし、サトウキビ、漁業、ココナッツなどがある。

 

Q6.
フェアトレードとの接点はあるか?
A6.
あるとは思うが、全体としては少ないと思う。

 

Q7.
貧困を削減する一方で、環境に負荷をかけないような農業の取り組みはあるのか?
A7.
それは比較的新しい分野で、ソーシャルパフォーマンスに関係することである。たとえば、森林を切り開くような農業には融資しない、再生エネルギーを使用する、環境に負荷をかけにくい木炭を使用するなどの取り組みがある。

 

Q8.
アグリMFの金額を教えていただきたい。
A8.
4万円くらいからある。資金使途は肥料(一パック2000円)を買うなどがある。逐次的に貸し出しをする

 

Q9.
収入比での融資をしているのか?
A9.
わからないので調べておく。

 

Q10.
グラミン銀行は女性を中心に融資しているので、マイクロインシュランスの顧客も女性が多いのか?
A10.
今のところ、そうである。

 

Q11.
融資の審査基準はあるのか?
A11.
あるが、システマティックな審査システムはまだない。

 

Q12.
グループ融資ではメンバーお互いを信頼できるかどうか。
A12.
個人融資ではMFのオフィサーによるヒアリング調査(旦那さんの所得はいくらか)や、ソーシャルネットワークや人的資本を重視される。SME(中小企業融資)では、別の審査方法が必要になってくる。

 

私たちも大変勉強になりました。

 

Q13.
MFI が必要としている技術支援において、与信管理、HRマネージメントで、実際どのような支援が必要か?
A13.
・与信管理
規模や対象(個人もしくはSME)によって、異なってくる。詳しくはわからないので調べておく。

・HRマネージメント
MFIは離職率が高く、課題になっている。
特にフィールドオフィサーの仕事はルーチンワークであるので、インセンティブを改善するような仕組みを検討している。

 

Q14.
ハウジングローンはキャッシュを生まない資産へのローンであるが、リスクアセスメントの方法、他MF融資との違いを教えていただきたい。
A14.
わからないので、調べて回答する。

 

Q15.
小規模から大規模までMFIはさまざまであるが、プラネットファイナンスが支援する際の選定基準は何か?
A15.
主に中規模小規模のMFIを支援している。

 

Q16.
BOP商品に関してファイザーの進展について教えていただきたい。
A16.
ファイザーはまだ積極的に商品を売り出していない。今後成長が見込まれる市場である。

 

Q17.
BOP商品に関して大企業は貧困国の富裕層をターゲットにしているのではないか?
A17.
ユニリーバは、シャンプーを小分けして一回使い切りパックを販売している。
それは農村に驚くほど普及しているので、必ずしもそうとは言い切れない。
とはいえ、本来の意味でのBOP商品はまだまだ発展途上にあるので、日本企業のこの分野進出に期待している。

 

Q18.
アグリマイクロファイナンスの返済率はどうか?
A18.
まちまちである。成功しているところは90%代になるが、70~80%で商品を見直すところすらある。
成功の理由としては、付加価値の高いサービスを提供できるかどうかが挙げられる。
天候被害(フィリピンでは夏に台風が10回直撃するような地域もある)に対する商品があれば、もっと成功確率は高まるはずである。
他にも、寡占状態である流通業界の競争を促して輸送コストを下げること、貧しい農民は情報を収集できないので協同組合設立も一つの支援の形であろう。

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勉強会・セミナー2009年6月21日 16:28

6/13ワクチン債×マイクロファインスファンドセミナー要約&動画&資料UP

613日、東京体育館の第一会議室でLIPとセキュリテ共催のワクチン債×マイクロファイナンスファンドセミナーを開催いたしました。 
当日は60名以上の方の前でマイクロファイナンスファンドの概要を初めてお話しすることができ、ファンド募集開始に向け、さらに身が引き締まる思いでした。 

ブログでは、セミナーの要約を資料&写真&動画と共にアップしますので、是非ご参照下さい!

 

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挨拶 (LIP代表 慎)動画

 


【第一部】

1.  ワクチン債について (世界銀行財務局駐日代表 有馬良行氏)動画 資料(PDF版) 資料(SlideShare版)

 


(1)  概要

IFFImの概要

-2006年に多国間開発機として設立

-AAAの格付け・BISリスクウェイト0%

-世界銀行が財務マネジャーとして管轄

 

IFFIm2015年までの目標

-IFFImは寄付金加盟国からの法的強制力のある将来にわたる寄付金を背景としたワクチン債を発行し、2015年までに40億ドルの資金調達を行う

-5億人以上の子供達への予防接種の実現

 

GAVIアライアンスとは?

-ワクチンと予防接種のための世界同盟

-民間機関と公的機関のパートナーシップ

 

 

(2)  GAVIアライアンスとIFFImの成果

GAVIの具体的成果

-21,300万人の子供達が新ワクチンで救われた

-340万人以上の乳幼児の早期死亡が予防された

-累積19,200万人の子供達がB型肝炎の予防接種を受けた

-累積4,170万人の子供たちがインフルエンザ菌b(Hib)の予防接種を受けた

-累積3,650万人の子供たちが黄熱病の予防接種を受けた

 

・ワクチン価格の低下が実現する「持続可能な支援」

-GAVIの大規模な活動によりワクチンが低価格で製造できるようになった

 

・インフルエンザ菌b(Hib)についての説明とケーススタディ

・黄熱病についての説明と黄熱病ケーススタディ

・妊産婦及び新生児の破傷風(MNT)の説明とケーススタディ

 

 

3IFFImの資金調達と世界銀行の役割

・世界銀行によるIFFImの資金調達

-財務マネジャーとして管轄

-各加盟国からの寄付金は借入返済の原資となる

-AAA格付けの基盤

 

IFFImの主な財務方針

-寄付金・負債比率(ギアリングレシオ)を70%に抑えている

-流動性を今後12ヶ月の負債元利支払額に抑えている

-通貨スワップの利用によるリスク管理を行っている

 

・寄付金支払い条件

-支援対象国の債務延滞による寄付金減額のシステム

-「自らの責任と努力」によって「持続可能な発展」を実現し、最終的には途上国を「自らの力」で卒業することを促す目的

 

・債権の発行・販売の方法

-2006年の初回起債の概要

-日本でのワクチン債発行(2008-2009)の概要

-日本の特徴は個人投資家の支援が大きいこと

 

・ワクチン債は、GAVIが将来に渡って得られる寄付金のキャッシュフローを先取りすることにより、ワクチンの早期的な大量供給を可能にした

 

 

2.  質疑応答

 

Q1.

アフリカの保険セクターではセクター財政支援であるSWAps(セクターワイドアプローチ)が発展している。これをGAVIにどれくらい導入できるかについてコメントを伺いたい。 

A1.

私は、借金の技術者ですのでGAVIがどのようなポリシーを持って活動しているのかについては詳しくありません。GAVIによく知っている人がおりますので聞いてみることは可能です。 


Q2.

ワクチン債の担保は寄付金であるとのことですが、寄付金の回収に対しては法的にどれくらいの優先順位がありますか?

A2.

国債と同じくもっとも高い優先順位となっています。軽いものではなく、寄付金が払えないなら国債もデフォルトしているというレベルのものです。

 

Q3.

寄付を表明している国に日本、アメリカが入っていないのは何故ですか? 

A3.

意外と単純です。欧州の国では将来にわたり寄付金を会計上処理しやすいのに対して、日本とアメリカは20年に渡って「これこれの金額を支払う」いう約束するのが難しい会計システムになっているからです。 

 

Q4.

予防接種に関して、従来は誰が主に資金供給をしていたか? 

A4.

あまりよく知りません。GAVIの登場によって大規模な資金供給者が突然現れたのです。 

 

Q5.

ワクチン債はグローバルにマーケットがある。日本の特徴と可能性、期待についてどうお考えですか? 

A5.

日本の特徴としては個人投資家の規模が大きいことが挙げられます。日本の個人投資家はSRIへの意識が高い。個人向け外債を売っている中でそれは感じている。ここが欧米市場と違うところです。欧米は機関投資家のSRIの意識は日本の組織よりもとても高いけれでも、個人の意識は日本のそれよりも低い。イギリスでワクチン債を発行した時に、個人向けは期待を下回ったが、機関投資家はその10倍売れた。日本では個人向けとして、大和証券で2回、東京三菱UFJ証券で1回、現在HSBCを主幹事として19社で1回、全部個人向けとして販売している。今後も個人向けが中心になっていくと考えています。

 

 

【第二部】

 

1.民間マイクロファイナンスファンドの意義 (LIP 杉山)動画

 


・貧困削減への処方箋

-個人のニーズと社会のニーズを理解する必要がある

-官民の役割分担と財源の最適化を図る必要がある

 

・開発途上国に本当に必要なものは

-安心して飲める水

-栄養価の高い食べ物

-ぐっすり眠れる家

-健康を守る保険・医療

-子どもの権利

-生活を支える収入

 

・貧困をなくすために必要な6つの資本

-ビジネス資

-人的資本

-知的資本

-インフラストラクチャ

-自然資本

-公共施設資本

 

・貧困削減に必要な金額

-GNP0.6%ODAに利用することで極貧層を基本的なニーズを満たせるレベルまで引上げることができる。

 

ODA開発援助額の順位と金額の推移
-
貧困削減に対してODAではまかないきれない。
-
官民協働して支援していく必要があるが、マイクロファイナンスなどのビジネス資本への支援については、特に民が適している。

 

・公的資金の性質

-公益性が高ければ収益性が低い事業に援助できる(民がとれないリスクもとれる)

-国民のコンセンサスが必要

-予算制限がある

 

・民間マイクロファイナンスファンドの意義

-これまでの開発援助においては、無償資金協力(「官」「あげる」)、円借款(「官」「貸す」)、寄付(「民」「あげる」)が主流であり、民間マイクロファイナンスファンドのような「民」が途上国への民間部門へ「貸す」スキームは、ほとんど存在しなかった。


・ワクチン債とマロファイナンスファンドの違い
-
民間の貸付である点は一緒だが、返済原資について、ワクチン債が先進国政府の寄付金(ODA)であるのに対して、マイクロファイナンスファンドは事業収益である。

 

 

2.  マイクロファイナンスファンドの概要について (LIP 岩楯)動画 資料(PDF版)

 


・マイクロファイナンスとは

-貸付対象と考えられなかった人々への金融サービス

-MFI数は約1,400

-主に自営業者に貸付

-借手とMFI間の密なコミュニケーション

-ムハンマド・ユヌス氏が2006年にノーベル平和賞受賞

-返済率は概ね9599%

 

・高い返済率の理由

-小規模ビジネスである

-ローンオフィサーと借手の密接なコミュニケーションがある

-コミュニティの仕組みを活用している

 

・実際のオペレーション(借手集会)を現地で見て感じたこと

-驚くのは「私は何回目のローンをかりているんだというようなことを話している」

-返済が滞こうるともう借りられないため、コミュニティを利用した高い返済率が実現している

-とても混んでいてわきあいあいとして身近な存在

-浮き足だったものではなく地に足のついた存在

-マイクロファイナンスは金融の権利を与える

-高い返済率は汗と涙できずかれているもの

 

・MFI職員にとってのMFIとは

-マイクロファイナンス機関に勤めるのは特別なことではない

-一番重要なのは忍耐力

 

・フィールドスタディによって浮かび上がるMFIの姿

-金融の権利

-身近な存在

-コミュニティの力学とローンオフィサーの努力

 

・アセットクラスの可能性

-資金需給ギャップ:21世紀以降、マイクロファイナンス機関の資金授与は常に供給の10倍以上で推移してきた

-2001年以降、年率平均45%のペースで資金需要が増大している

-民間ファンドは総数104本、総額65億ドル(200812月)

-日本のファンドは存在しない

-金融危機以降も安定したパフォーマンスを維持

 

・国の成長性

-周辺国とのGNIギャップ

-日本との関わりの深さ

-親の教育意欲の高さ

 

・パートナーの存在

-CARDの紹介

-CHCの紹介

 

MFIの成長性

-CARDによるCHCへのサポート

-従業員の研修提供、モニタリング実行

-8つの支店を展開

-2005年から2008年の間に売上高は8倍、冬季純利益は30倍に成長

-2009年も成長予定

 

 

3.  マイクロファイナンスファンドの詳細説明 (ミュージックセキュリティーズ株式会社 猪尾)

 


・ミュージックセキュリティーズについて

・セキュリテのシステムについて

・マイクロファイナンスファンドの募集要項について

 

 

4.  質疑応答

 


Q1.

こころのリターンについて、具体的にフィードバックは何ですか? 

A1.

コミュニティリターン=こころのリターンは、自分たちのお金がどのように利用されているかを可視可するためのものです。猪尾からもありましたが、ニュースレターやマイクロ企業家アワード、スタディツアーなどです。蝶蝶のオブジェを作っている女性もCitiのマイクロ企業家アワードで賞をとっています。彼女はそれを誇り思っています。そういったことで、お金の利用法が具体的に見えるようになります。どんな賞がいいのかなどはまだ検討中です。ローンオフィサーにとりまとめをしてもらって、審査をみんなでやるなどという方法があるかもしれません。オンライン投票などや受賞式なども考えています。ニュースレータなどは定期的にやれるようにしたいです。(回答:ミュージックセキュリティーズ株式会社) 

 

Q2.

高い返済率は魅力的ということですが、高い返済率があるから貧困改善につながるのでしょうか? 

A2.

高い返済率は貧困削減の結果と考えています。貧困もいろいろな層があります。寄付やグラントが必要な層もありますし、衣食住については満たされていて事業をやる意思がある人にお金を貸す場合もあります。事業をやる意思がある人にお金を貸して、その自立の結果として高い返済率が達成されているということです。 

 

Q3.

匿名組合に基づく出資契約はミュージックセキュリティーズと契約するのか、もしくは現地のMFIと契約するのかどちらですか? 

A3.

現地のMFIと締結することになります。契約書は日本語で行うようにする予定です。(回答:ミュージックセキュリティーズ株式会社) 

 

Q4.

CHCの機関の性格(法的ステータス)を教えてください。

A4.

Licensed MFIです。

 

Q5.

CHCは預金サービスを提供していますか?

A5.

預金サービスの認可は受けておりません。

 

Q6.

CHCの資金調達先はどこですか?

A6.

海外ファンドのOIKO-CREDIT、BlueOrhandなどです。

 

Q7.

3年間のファンドが終了した時、事業はどのように終了させるのですか?

A7.

事業は終了せず、そのまま進めていきます。(回答:ミュージックセキュリティーズ株式会社)

 

Q8.

CHCの対象事業について農業が半分以上とあります。マイクロファイナンスは短期で繰り返すものという認識があったが、半年、1年という単位で貸すこともあるのですか?

A8.(当日ご回答した内容に追記させていただきます。)

4季の存在する日本の農業(米、野菜、果物など)における2期作などとは異なり、熱帯に属するカンボジアでは季節を問わず生産できるため、主要作物の米、商品作物、共に、種まきのタイミングをずらせば、作物自体の清算サイクルが長期でも、短期的な返済プロセスに見合った売上をあげることができる。

 

Q9.

分散させたほうがいいのでは?

A9.

分散投資という点についてはおっしゃるとおりです。ただ、今回はコンセプトそのものに投資をしていくスタイルをとっております。共感が第一であると考えています。今後はファンドをさらに組成し分散化を行っていく予定ではおります。(回答:ミュージックセキュリティーズ株式会社)

 

Q10.

潜在顧客数15億人の区分は?

A10.

アジア、中南米、中国、インド、東欧など各エリアに分布しております

 

Q11.

現地マイクロファイナンス機関と日本との関わりあいについて教えてください。

A11.

CARD設立時、ALIPさんは日本の基金からお金を出してもらっており、日本に対して感謝されているなど、従来から日本とは良好な関わり合いがあります。

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勉強会・セミナー2009年6月7日 10:55

5/24マイクロファインスセミナー要約&動画&資料UP

先日5月24日、JICA地球ひろばでLIPとセキュリテ共催のマイクロファイナンスセミナーを開催いたしました。
当日は足下が悪いのにも関わらず、140名以上の方にご来場していただき、本当にありがとうございました。
 
ここでは、簡単ではありますが、セミナーの要約を動画&写真と共に記載いたします。
当日の資料もアップいたしますので、ご参照下さい。
 
====================================================================
 
1. 挨拶
 
<第1部>
 
 
2.LIPの活動紹介 (LIP代表 慎)
動画


 
・ビジネスと両立しながら活動する
・LIPの比較優位
・日本におけるマイクロファイナンスの知名度、理解の向上
 
 
3.プロジェクトの概要について(LIP 杉山)
資料(PDF版) 資料(SlideShare版) 動画


 
・MFI:貧困層向けの金融サービスを提供する機関
・MFI投資:2000年度以降、民間資本が参入。MFF(マイクロファイナンスファンド)の設立
・MFIへの資金供給が不足している実態
・LIPマイクロファイナンスファンドプロジェクトについて
 
 
4.メンバーの活動報告
 
①カンボジア報告
資料(PDF版) 資料(SlideShare版) 動画

 
・カンボジアの概要
東南アジアの貧困国の一つであり、一人当たりのGDPが、日本が約4万ドルであるのに対してカンボジアは600ドル弱。
UNDP人間開発指数136位/179位中(2008年)であり、人口の35%の人々が貧困線(一日の生活費約2ドル以下)以下の生活を強いられている。
 
 ・カンボジアMFI概要
比較的良好なマイクロファイナンス市況である。
 90年代よりマイクロファイナンスとしてのビジネスが確立され、2000年代に入ると従来の商業銀行も市場参入を開始した。
MFIは政府による認可制であり、現在17の機関がMFIとして認可されている。 
 
・カンボジア現地ユーザーの紹介 (バイク部品工場経営の男性、ドレスレンタル経営の女性、グループローン顧客など)
 ユーザーにとっては、MFIは非常に身近に根付いた存在である。
資金の用途は主に事業の運転資金であり、従来は銀行から借り入れができなかった層でも”借入→設備投資→売上→返済”というビジネスのサイクルに乗ることができるようになった。 
 
まとめ
・マイクロファイナンスは、貧困層が商業銀行から借り入れができるようになるための橋渡し。最貧困層には援助が必要。
・マイクロファイナンスはユーザーにとっては無くてはならないものであり、この需要に応える社会的意義は非常に大きい。
 
 
②-1 フィリピンのMFI研修の紹介(LIP織部)
資料(PDF版)  資料(SlideShare版) 動画


・CARDのマイクロファイナンスについて
借り手の選定基準は女性への融資、自営業があることなど。
最初の貸付額は約2千円~1万4千円、金利は23週間で15%。
 
・アカウントオフィサー(AO)について
借り手と親密にコミュニケーションを取りながら回収業務等を行う顧客担当。
借り手の前進のプロセスを見ることにやりがいを感じながらも、新規顧客獲得・高い返済率を保つ努力をしている。
 
・センターミーティングの役割
借り手の返済の場でもあり、研修・コミュニケーションの場でもある
 
 ・借り手へのインタビュー
事業の紹介。ローンの使途は、事業をする材料の購入や、事業拡大など。
ローンを借りられるだけでなく、借り手同士のコミュニケーションができるところや、研修などのサービスを好んでいる。
 
 
②-2 ローンの借入の方法 動画

 
・新規ローンの借入れに関する審査と基準
 
(必要書類など一式)
-ローン申込書
-AOによる申請者の面談と家庭訪問
-AOと申請者によるPoverty Score の採点
-保証人(多くの場合夫)からのサイン
-証明写真
 
◇ローン申込書とは
新規ローン申請者は事前にAOにローン申込書を提出する。申込書には、申請者の氏名や住所、最終学歴などの一般的な項目の他に一週間の家計の収入と支出など、
AOがローンの貸付の実行および金額を決定するのに参考とする事項が記載されている。   
申込書を何枚か見せてもらったが、光熱費、食費、事業に関連した支出など細かく記載されていた。
 
◇ Poverty Scoreとは
AOが申請者の家庭を訪問した際に、調度品(ソファー、ダイニングテーブルの有無etc.)娯楽品(テレビ、ラジオ、カラオケの有無etc.)、住居の素材(壁、天井の素材)、子供の数などからなるPoverty Scoreの採点を行う。各項目に指定された点数を加算しその点数によって、Poor、Moderately Poor、Very Poor に分類されVery Poor となった場合にはローンの返済が難しいと判断され貸付は行われない。これはローンは援助ではなく、借り手の返済能力を求めているからである。
 
・初回のローン借入までの流れ
AOによってローンの貸付が決定された借り手は初回のローンを受け取る前に2回センターミーティングに参加し、保険金の支払いと貯蓄額の払い込みを行う。
健康保険や生命保険からなる保険は強制加入であり、加入している期間の長さに応じて補償額が決定される。
借り手に保険が強制でなくオプションの場合でも加入するか質問したところ、ポジティブな意見が大多数を占めていた。
 
 
・成功した借り手の例
今回の新規ローン申請者の様な個人営業の事業のためにローンを借りる人ではなく、ローンを借り入れて成功し現在60人の雇用主である借り手の工場を見学した。
インタビューをすると、当初は家族経営の小さな工場だったが、借入回数を増すごとに工場の規模が拡大したとのこと。
マイクロファイナンスの借り手の成功だけでなく、成功した借り手によって新たな雇用機会が創造されるなどマイクロファイナンスの波及効果を確認した。
 
 
<質疑応答>
 
Q1.
カンボジア、フィリピンを対象国として選んだ理由
 
A1.
・CARDがパートナーであること
・GDP(600ドル)が低い、知名度が日本においても比較的高く、成長性(①教育②金融の規制)も見込めるから。
 
 
Q2.
マイクロファイナンス機関の優位性(商業銀行の優位性)とは何か。
 
A2.
・顧客のビジネスが対象としているものが違う。リスクのエクスポージャーが違う。
・リスクファクターが異なる(MFIは世界の経済の影響を受けにくい)。
・対象者:現地個人ビジネス(国内消費が落ち込んだ場合の影響あり)。
・資金調達が比較的容易
 
 
Q3.
組織としてのサステイナビリティーはどうなのか。
パートタイムで活動する団体にお金を預けることについて、どのようにお客さんに納得させるのか。
 
A3.(当日ご回答した内容に追記させていただきます。)
私たちの提案するスキームでは、投資家は、第二種金融商品取引業者のライセンスを持つ、ミュージックセキュリティーズ社のブラットフォームを通して、マイクロファイナンス機関に直接お金を預ける仕組みです。お金の預け先となるマイクロファイナンス機関は、実績のあるCARDバンクの目利きで厳選され、かつCARDが出資もしている信頼でき、将来性の見込めるマイクロファイナンス機関です。私たちは、金融の知識を生かし財務データの月次モニタリングやアナリストレポートの作成などを通じて、マイクロファイナンス機関と投資家のコミュニケーションを円滑にするための役割を果たします
 
  
Q4.
(フィリピンのMFの審査基準について)
・お父さんがいない人に貸し付けができるのか。
・Very Poorの方に対してどのようなケアされているのか。
 
A4.
貸付は可能。Very Poorに対してはCardは貸付は行わないスタンス。
 
 
Q5.
マイクロファイナンスファンドの団体は、オルタナティブ投資の一環としてやっているのか。
それとも、MFIだけに注力しているのか。
 
A5.
オルタナティブ投資としてやっている機関もあるが、主流は、マイクロファイナンス投資を主にやっている。
例としては、Responsibility、OikoCreditなど。
 
 
Q6.
共にプロジェクトを行うマイクロファイナンス機関としてどういうところを基準に選んでいるのか。
 
A6.借入ニーズがあること。
財務状況、金利収入、成長性の見込みがあるのかを基準としている。
 
  
Q7.
MFIをどのように選択したのか、LIPの理念をきかせてほしい。
 
A7.
定量面で判断したことに加え、人間性を見て一緒に仕事をしたいと思えたことが大きい
 
 
Q8.
・投資にリスク分散をしないことについて。
・LIPのミッションは何か。
 
 
A8.
・長期的には、リスク分散は必要と考えている。
・LIPの活動目標は貧困削減に貢献することであり、
会社勤めでもその枠にだけ捕らわれない社会貢献ができるロールモデルを作りたい。

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勉強会・セミナー2009年5月29日 23:50

メールマガジン Piece & Peace No.011

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リビング.イン.ピース(LIP)
メールマガジン Piece & Peace No.011 09/05/22号

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こんにちは。

コミュニティメンバーの皆様が200名を超えました!
ありがとうございます。

今回は、これまでと趣向を変えまして、FAQ形式での「
マイクロファイナンス入門編」と
させていただきたいと思います。
もう既にマイクロファイナンスに関する本などを読ま
れた方は、「こんなこと知ってるよ」
を思われるかもしれませんが、24日(日)の当団
体主催セミナーへの予習(復習)も兼ねて、
お読みいただければ幸いです。

「セミナーって何?」という方は、こちらをご覧ください。
http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?ba=b10770a30539
現時点で100名超の方からお申し込みいただいておりますが、
まだ席に余裕はございます
ので、ぜひご参加ください。

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代表の慎の初の著作がダイヤモンド社より本を出版しました。
タイトルは『15歳から
のファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、
キジを仲間にしたのか?』
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4478008256/)です。
こちらも宜しければ、
まずは書店で手にとって頂ければと思います。

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日ごろはファイナンス理論を教えているシン先生。休日の今日は、
大学時代の友人でマイ
クロファイナンスを研究しているアキを講師役に、
いろいろと質問をしているようですの
で、ちょっと覗いてみましょう。


シン. 久しぶり、元気にしてた?ファイナンス理論を勉強してるなかで、
マイクロファイ
ナンスのことを調べることになったんだよ。
アキが海外で勉強してたって聞いたから、来
てもらったんだ。早速だけど、
マイクロファイナンスって何のこと?

アキ. 元気よ。シンも元気そうね、髪型はずいぶん変わったけど。

マイクロファイナンスは低所得者層、
貧困層向けの小規模な金融サービスの総称よ。貸付
だけでなく、貯蓄、
保険などもマイクロファイナンスに含まれているの。

マイクロファイナンスは、
それ自体がビジネスとして成立していると同時に、これまで金
融サービスへのアクセスがなかった低所得者層へ金融サービスを提
供することで、彼らの
経済的自立をサポートし、
貧困層の削減という社会的課題の解決に貢献しているわ。
このビジネスとして成立しているということと、
社会的課題の解決に貢献しているという
ことを、「ダブルボトムライン」とも言うわね。

資産をもたないことで、
これまで銀行などから金融サービスを受けられなかった人びとに
対して、マイクロファイナンス機関が融資や貯蓄・
保険サービスを提供することで、生活
に安定をもたらしているの。

シン. いま「マイクロファイナンス機関」という言葉が出たけど、
それは何?

アキ. 貧困層・低所得者層に小口のお金を融資する機関のこと。
代表的なのは、バングラ
デシュにあるグラミン銀行やBRACね。
グラミン銀行は特殊銀行だけど、完全な商業銀行で
ある場合もあれば、NGOである場合もあるわ。
マイクロファイナンスに関する情報を無料
で提供しているMIXによれば、世界中には1,
397機関あるとされているわ。
http://www.mixmarket.org/)(2009年5月22日現在)

シン. グラミン銀行は聞いたことがあるけど、
世界中にそんなにたくさんあるとは知らな
かったよ。ところで、
マイクロファイナンスは貧困層に融資することで経済的な自立を
サポートすると言うけど、融資よりも、
寄付などの方が効果的のようにも思うけど。

アキ. いい質問ね。まず、マイクロファイナンスは、
寄付などの援助の有効性を否定する
ものではないわ。私も、
きょう食べるものに困っている人たちに対しては、援助が大切だ
と思う。でも、たとえば、
グラミン銀行を創設したユヌス氏が言うように「施しは金を受
け取る者の尊厳を奪い、
収入を得ようとする意欲をも奪い去ってしまう」(『ムハマド・
ユヌス自伝』53頁)という実態も少なからずあるわ。

それに、
国際機関などを通じた支援が必ずしも効果的ではなかったという指摘もあるわね。
そうしたなかで、金銭的サポートがあれば、
経済的に自立できる人々に対しては、一時的
な援助ではなく、
継続的な融資というMFのような自立を促すための策、つまりマイクロフ
ァイナンスが有効だと考えられているわ。

シン. う~ん、でもどうして貧困層がお金を返せるの?
お金がないから貧困層なんでしょ?

アキ. まず、マイクロクレジットの借り手は主に女性よ。
女性がビジネスを起こすための
融資をするの。女性は収入を家族のために費やし、
家族全体に恩恵をもたらす、という傾
向があるからなの。

それと、日本にいると、起業するなんていうのは、
アイディアや資金が豊富な人がするこ
とで、
貧困に苦しむ人が起業するなんていうのは夢物語のような気がするかもしれないけ
ど、彼女たちが起こす事業は、小さなビジネスなの。

商品を売って、日々、収入を得られる事業を起こすことが多いわ。
たとえば、縫製をビジ
ネスとしている人は、
借りたお金でもう新しいミシンを追加購入することで生産性を上げ
、収入を増やすことができるし、
豚の飼育のビジネスをしている人は、借りたお金で新た
に豚を購入し、飼育数を拡大し、
収入を増やすことが可能になるわ。

日々、収入が入ってくれば、お金を返せるようになるというわけ。

シン. 融資を受けた人は、本当に貧困から抜け出せるの?

アキ. マイクロファイナンスは、
資金へのアクセスがなかった貧困層に対して、経済的機
会を作り、自立を促し、収入を上げることを目標としているわ。
収入が上がれば、貧困脱
却の策になるわね。

それに、間接的に、
コミュニティにもよい影響をもたらすとも言われているわ。例えば、
借り手の事業が大きくなった場合には、新しい雇用が創造され、
仕事がなかった人たちが
仕事に就くことができるようになる可能性もあるの。

そして、収入が増えることにより、
子供が学校に通えるようになるなどの生活全般への
効果も期待されているわ。

シン. 借りられる金額と金利はどれくらいなの?

アキ. ローンの金額は、数千円から数十万円と国や地域、
機関によって異なってるわ。
それに、第1回目のローンの金額が少額であっても、
集会の出席率、返済率によって、
2回目以降認められるローンの金額が大きくなっていくこともある
の。

MFIの貸付利率は、月に2~7%ほどよ。
日本に住む私たちにとって、この利率は非常に高
いものに思えるかもしれないわね。でも、
融資額は非常に小口なのに、融資対象者の信用
調査や回収を行うためには、
マイクロファイナンス機関の人間が直接、訪問する必要があ
るなど、オペレーション・コスト(販売管理費)
が非常にかかるの。

貧困の削減とともに事業の持続可能性を重視するマイクロファイナ
ンスが、こうしたコス
トをまかなうために、上述のような金利が必要不可欠なの。
それに、もしマイクロファイ
ナンス機関がなかった場合には、女性たちが融資を求める先は、
非合法の高利貸ししかい
ないの。長期にわたって、
安定的かつ安価な融資を求めている彼女たちにとっては、上述
の利率は魅力的なものでもあるのよ。

シン. ふ~ん、返済率はどれくらいなの?
アキ. 返済率は、一般的に高く、グラミン銀行の返済率は98%
に達しているわ。

シン. それは凄いね。どうして?

アキ. デフォルト率が低く抑えられている理由は、
MFIが顧客と直接やり取りをするロー
ン・オフィサー(営業担当者)
の育成に非常に注力していることや集会への参加義務の
仕組みが挙げられるわ。ローン・
オフィサーが借り手と頻繁かつ密接なコミュニケーショ
ンを取ることで、顧客の最新情報を獲得することで、
デフォルト率を下げることに成功し
ているの。個人的には、マイクロファイナンスの最大の特徴は、
地道なローン・オフィサ
ーの取り組みにあるんじゃないかとも思っているわ。

ファイナンス理論を研究しているシンには、
情報の非対称性を解消するための仕組みと言
った方が分かりやすいかしら。

初期のマイクロファイナンスでは、
グループ貸付という仕組みを導入していたの。
これは、借り手に5人組を作ってもらい、
誰か一人でも返済ができなければ、他の4人は今
後借りられなくなるという仕組みよ。借り手がお互い協力しあい、
返済がなされるように
監視することが、高い返済率を保つ要因だと考えられていたの。

でも、ここ数年は、
個人貸付に移行するマイクロファイナンス機関が増えているわ。グル
ープに対する貸付で有名になったグラミン銀行も、
今は完全に個人ローンに移行している
の。ちなみに、
私がマイクロファイナンスの研修を受けたフィリピン最大のCARD MRIでは
、グラミン銀行より早く個人ローンに移行したと言っていたわ。

これは、一つには経済環境が悪くなってしまうと、
劇的に返済率が下がってしまったとい
うことがあるの。マクロ経済の悪化は、
もちろん経済活動をしている一人ひとりにも影響
を与えるわ。だから、そういうときには、
グループのメンバーの多くが次々とデフォルト
を起こしてしまう可能性が高まるというわけ。

もう1つは、グループのリーダーのみに、ローン・
オフィサーが接触することで他のメン
バーの監督業務などの取引費用が節約できると言われていたのだけ
ど、実際にはグループ
全体への貸付け前研修などの費用が依然としてかかり削減されてい
なかったの。さらにソ
ーシャルキャピタルが乏しい村では、ローン・
オフィサー自身がリーダーの代わりにグル
ープ結成を率先することがあって、
小さいローン金額に見合わないコストが発生すること
もあったのよ。

シン. マイクロファイナンスと言えば、
グループ貸付とばかり思っていたけれど、いろい
ろと変化しているんだね。
今日はいろいろと教えてもらってありがとう。まだまだ聞きた
いことがあるけど、これからラジオの収録なんだよね。
申し訳ない。

アキ. また何かあったら遠慮なく聞いてね。もし良かったら、
日曜日のマイクロファイナ
ンスセミナーでは、
カンボジアのマイクロファイナンス機関の実情や、CARD MRIの研修施
設で学んだことを紹介するからいらっしゃい。

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代表の慎の「勝間和代のBook Lovers」(J-Wave FM81.3)出演が決定しました!
放送予定:5月25日(月)~29日(金)12:30~12:
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勉強会・セミナー2009年5月22日 21:48

メールマガジン Piece & Peace No.010

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リビング.イン.ピース(LIP)
メールマガジン Piece & Peace No.010 09/05/15号

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こんにちは。

前回と同様、今回のファンド・プロジェクトのメンバー数名が、
フィリピン有数の
マイクロファイナンス機関であるCARD MRIのマイクロファイナンス研修施設
「CARD MRI Development Institute(CMDI)」
でトレーニングを受けたときの記録を
お届けします。
(HP 英語のみ:
http://www.cardbankph.com/cmdi/index_cmdi.php


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代表の慎の初の著作がダイヤモンド社より本を出版しました。
タイトルは
『15歳からのファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?』
です。
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2009年5月6日(水) 第三日目

06:00
起床。眠い目をこすりながら、朝食をとる。
コンビーフとキャベツの炒め物が
とても美味しい。

朝食時も昨晩からの議論の続きが行われた。
メンバーは朝からはつらつとしている。
昨日は夜遅くまで、
必要な書類の作成やウェブのコンテンツ制作などに追われて
いたにもかかわらず、だ。

08:00
今日はCMDI研修3日目。

LIPメンバーのFumiがもう一つの仕事に戻るため、
朝一番で帰国の途についた。
短い間だったにもかかわらず、
研修所のスタッフはあたたかく見送ってくれた。
優しい人柄も東南アジアの魅力の一つだ。
CDMI特製のマグカップ、
クマのぬいぐるみまで貰ってしまった。

車で向かうのは、CARD NGOのセンターミーティング。
昨日はCARD BANKの支店訪問、センターミーティング訪問だったが、
今回はNGOだ。

BANKとシステム上の違いはあるものの、やはり、
お客さんである女性企業家たちの
顔は笑顔で輝き、こちらまで明るい気分になれる。
20人以上もの女性が、自己紹介
と自らが営む事業、融資額を丁寧に教えてくれた。なかには、
苦手な英語に挑戦し
て答えてくれる人もおり、やはり人柄の良さが伝わってくる。

その紹介の間、ふと思い出した言葉があった。それは"Field is a Teacher"という
Alipさんの言葉だ。

昨日(5/5)、初めてAlipさんにお会いしたときに、
僕らのCMDI研修へのアドバイス
として、
CARDの苦しかった時期を振り返りながらくださった言葉だ。

教室内の研修でいかに知識がついても、
現場の企業家の声に勝る者はない、という
意図だった。このような言葉を耳にすることはたまにあるが、
様々な経験をつまれ
てきたAlipさんの言葉だけに、説得力があって、
重たく感じた。

その後は、CARD BANKのユニットとよばれる場所への訪問などを行い、
研修所への
岐路についた。

18:00
研修所に帰ると、
Pracyさんが玄関でいつも僕らをむかえてくれる。彼女は、僕ら
の宿泊を担当してくれている女性で、笑顔がたえない、
頼りがいのあるお母さん、
といった感じだ。

すぐに夕飯のテーブルについたが、ほどほどにして、
山積みのタスクとの格闘が
スタート。それぞれ、各種書類の作成、ウェブサイトのQ&
Aコンテンツ制作と、
チームにわかれて作業に取り組む。

23:00
突然、外で何かが落ちたような物音がしたと思うと、
それに続いて音が鳴り響く。
雨期のフィリピンならではのスコールだ。

ふと、部屋のまわりを見渡すと、連日の深夜までの作業で、
メンバーは眠そうな目を
している。
いつも元気な渡邊さんが目の下にクマをつくってパソコンを睨んでいる。

作業をしている部屋は、
宿泊設備のある研修所とは離れになっていて、CARDのスタッフ
用オフィスとビジネスセンターが併設された、建物の一室だ。
部屋のなかには無線LAN
が飛び交い、途上国のなかでも良好な通信設備が整っている。

通信設備で思い浮かんだのが、
途上国における最新通信技術のすばやい普及だ。

先例はグラミン・
フォンやローカルの携帯電話貸し出しサービスなど数多くある。
それでも、驚かされるのは、どんな山間部でも、
どんなに住環境の劣悪な地域でも、
携帯電話が普及しているということだ。

通信インフラ整備が遅れる海外では、段階的な技術移転ではなく、
一気に最新の技術が
普及しうる好例だ。それにまつわる話を、
研修のコーディネーターかつ講師として
お世話になっているTraining DirectorのRamosさんが教えてくれた。

具体的には、
先週まで滞在していた都市部メトロマニラに多数存在した、ミニストップ
の売り場構成の話だ。日本の平均的な売り場面積と比べて、
こっちのミニストップの
それは2/3ほどだ。

この理由の一つに、収益源の変化があるそうだ。
コンビニエンスストアでは、近年、
「ロード」とよばれる、
日本でいう携帯のプリペイドカードの電子版の売上が急成長し
、収益源は食品・消費財からロードにシフトしつつあるという。
食品・消費財の売り場
面積は、徐々に減らしているそうだ。

27:00
ようやく、最後まで作業に取り組んでいた班がタスクを終了した。
日本へのメール送信
が済むと、部屋で歓声があがった。ただのメールにもかかわらず、
「送信」をクリック
するその瞬間、みんなの注目が集まった。

今回のプロジェクトの成功に向けて、
また小さな一歩進む事ができた一日だった。
今日もよく眠れそうだ。

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代表の慎の「勝間和代のBook Lovers」(J-Wave FM81.3)出演が決定しました!
放送予定:5月25日(月)~29日(金)12:30~12:
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リビング.イン.ピース(LIP)メールマガジン Piece & Peace No.009 09/05/08号

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こんにちは。

ゴールデン・ウィークが終わりましたね。
みなさんはいかがお過ごしだったでしょうか?

前回もお伝えしましたとおり、今回のファンド・
プロジェクトのメンバー数名が、
フィリピン有数のマイクロファイナンス機関であるCARD MRIのご好意により、現在、
マイクロファイナンスの研修施設「CARD MRI Development Institute(CMDI)」で
トレーニングを受けています。
(HP 英語のみ:
http://www.cardbankph.com/cmdi/index_cmdi.php

今回は、そのトレーニング内容について、
メンバーの一員である塚本 史より、皆様に
ご報告いたします。マイクロファイナンス機関での研修内容を、
日本語でお伝えするの
は、非常に珍しいことではないかと自負しております。ぜひ、
最後までお読みください。

また、5月24日(日)14:00-17:00に、
前回のカンボジア訪問や今回のトレーニングの
報告を、JICA広場(日比谷線 広尾駅)で行いますので、奮ってご参加ください。

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下記サイトにて、ファンドの1口あたりの金額につきまして、
アンケート調査を実施して
おります。宜しければ、ぜひ回答にご協力ください!

http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=14590

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2009年5月3日(日) 第一日目

マニラから、車に揺られて2時間半。
フィリピン大学の中をショートカットで通り、空
気も澄んできたあたりにCARD-MRIの研修施設はあります。
施設の回りには、木造の小
さな売店はありますが、他にはバーもレストランもありません。
民家とヤシの木に囲ま
れていて、道端ではおばあさんや子供、若者、
様々な世代の人々が夕涼みをしています。
雰囲気はあたかも「3丁目の夕日」です。

遠くからタガログ語で歌うカラオケの音が聞こえてきます。
この国の人々は本当にカラ
オケが好きなようです。日本のように締め切った空間ではなく、
窓を開けっ放しで歌っ
ているので外にまる聞こえなのですが、
その音もなぜか違和感がないから不思議です。


研修所に着くとすぐに、大きな体をした プレーシーさんが満面の笑顔で迎えてくれま
す。プレーシーさんはこの施設で9年間働いているそうです。

建物は3階建、ロビーのきれいさに驚きます。
鍵をもらって3階まであがると二人部屋に
通されますが、
マニラでエアコンのない部屋ですごして来た身には、エアコンとバス・
トイレがある部屋はすこし贅沢に感じられます。
シャワーの温かいお湯はなんと本当の
温泉とのこと。建物の外にはプールとジャグジーのバスがあり、
本格的な温泉が楽しめ
ます。


食事は、1階の食堂で。スパイシーな鳥肉、魚料理を堪能します。
このご飯が本当にお
いしい。近くにバーもなく、テレビも何もないので、
研修所で夜をすごします。

食後にはアフリカ経験のあるメンバーのマラリア闘病記で盛り上が
りました。一度マラ
リアにかかると、治癒してもウイルスは保持しているので、
マラリアのキャリアーにな
ります。したがって2度マラリアにかかったことがある、
プロジェクトマネジャーの杉
山章子は、マラリア・キャリーと呼ばれることに。


食事が終わると、一つの部屋に全員で集まって、
今回のプロジェクトを成功させるため
に必要なタスクの割振りをして、作業開始です。
明日からのトレーニングの目的やスケ
ジュールを確認したあと、目論見書のリスク出し、
マクロファイナンスを伝えるための
コンテンツの作成、
現地マイクロファイナンス機関との業務提携合意書の最終確認など
それぞれのタスクを済ませた後、
翌日の8時からトレーニングに向けて就寝です。


5月4日(月) 第二日目

2日目です。朝8時から、
今回の研修の参加者でセレモニーがありました。CARDの歌をみ
んなで合唱します。今日から、
研修所にはコースは違いますが50人以上の人が滞在して
います。

マイクロファイナンスが始まったばかりのラオスからの修士の研修
生、CARDで新しく採
用される予定のアカウントマネジャーのクラス、
カンボジアのMFIから参加している研
修生、そして日本からのLIPのメンバー。
様々な国の人が学びに来ています。

LIPのメンバーに対するトレーニングは、
ラーニングデパートメントのディレクターであ
るラモスさんによって行われました。初日の今日は、CARD-
MRIの成り立ちや彼らのオペ
レーションのやり方を学びました。

Dr. Alipによって1986年に設立されたCARDは、
日本のAsian Community Trust*からの支
援によって生まれたそうです。当時、Alip氏は、
CARDの事業プランを世界中に送ったそ
うですが、
唯一支援に乗り出してくれたのが日本のACTだったそうです。現在でもACTの
雨森氏はボードメンバーとしてCARDを支援されています。
日本を訪れた当時のAlip氏が
ホテル代の節約のために空港で寝泊まりをした話など創業当時の苦
労話も聞くことがで
きます。

そのCARDも今では、90億ドル以上のローンを供給し、
95万人の顧客を抱える金融機関に
なっています。2009年には100万人に届く勢いです。
どんなに大きな組織にも必ず始まり
があるのですね。始まったばかりのLIPの発展が楽しみです。

9時から夕方6時近くまで、ローンのポリシーや具体的な手続き、
プロセス、グループロ
ーンと個人ローン、
サブプライムローンのマイクロファイナンスマーケットへの影響、
支店のオープンのあり方、
従業員の採用や育成配置に関することなど、具体的に学ぶこ
とができます。

LIPのメンバーからはかなり質問も多く出たのですが、
ラモスさんは事例を使いながら具
体的に丁寧に説明してくれます。初日でこの内容の濃さであれば、
5日もいればかなりの
ことが学べるではないかという予感がします。(*
詳しい内容については、今後、私たち
のウェブサイト上のFAQでご紹介していきます。)

トレーニングが終わると、とてもおいしいご飯の時間です。
この研修センターのごはん
は本当においしいです。ちなみに、
トレーニング中には午前中と午後1度ずつおやつの
時間もあります。
LIPメンバーはほのかな甘みがとてもおいしいココナッツのケーキの
ファンになりました。

食後は例によって、食堂にあつまって作業開始です。
FAQの作成などのコンテンツの作成
、現地マイクロファイナンス機関の情報共有、
財団へのLIPの活動のための寄付金申請の
資料作成のためのディスカッションなど夜遅くまで作業が続きまし
た。

* Asian Community Trustのウェブサイト: 
http://www.acc21.org/act/

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ついに、
代表の慎の初の著作がダイヤモンド社より本を出版しました。タイトルは
『15歳からのファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、
キジを仲間にしたのか?』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478008256/ref=s9_sims_gw_s1_p14_i1?pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=center-3&pf_rd_r=06H3K5BTX6VAQ1YPVM74&pf_rd_t=101&pf_rd_p=463376776&pf_rd_i=489986)です。
こちらも宜しければ、
まずは書店で手にとって頂ければと思います。
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勉強会・セミナー2009年5月11日 10:03

朝日新聞社説でのLIP紹介

2009年5月11日 朝日新聞 社説
「社会企業家 新しい働き方を育てよう」というタイトルで、NPO法人「フローレンス」(http://www.florence.or.jp/)や株式会社「ウイングル」(http://www.wingle.co.jp/)、山梨日立建機株式会社らとともに、リビング・イン・ピースも紹介されています。ぜひご覧ください。

記事はこちらからご覧になれます:
http://www.asahi.com/paper/editorial20090511.html

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