LIVING IN PEACE BLOG

勉強会・セミナー2010年4月1日 12:21

3/19LIP主催セミナーの報告

みなさん、こんにちは。リビングインピース(LIP)メンバーの高橋です。
さて、今日は、19日に行われたLIP主催の勉強会についてご報告します。今回は、メンバーの高間より、フィリピンのマイクロファイナンス機関(MFI)での1ヶ月間の研修報告と、菅原より、LIPで進めているMFIの調査手法についてお届けしました。


 

        


今回の発表を聞いて、私はあらためて中小規模のMFIをサポートすることの意義について考えました。

先進国と途上国では情報における感覚に違いがあり、たとえば、「1ヶ月間」と聞いた時、私たちは概ね30日程度を想像しますが、現地では、20日間程度とする人がいるなど、解釈にばらつきがあります。そのため、6カ月分のデータを収集する際も、その間の2ヶ月分しか集めない人もいれば、6カ月間とる人もいるということになり、結果としてデータの信用度が低下してしまいます。

したがって、私たちがMFIの公表するデータの信憑性を確かめるには、現在のところ現地調査を行うしかありません。しかし、これには渡航・滞在等の費用が発生します。実際、LIPがカンボジアのMFIを調査した際には、約100万円の調査費用を必要としました。

LIPはMFIへの投資は行っていませんが、当然投資する側(マイクロファイナンス投資ビークル、MIV)が調査をする場合も同程度の費用がMFIへの投資額にかかわらず発生することが予想されます。そうなるとMIVは、投資額全体に占める調査費用の割合が低い方が望ましいと判断し、多額の融資を検討します。

しかし、農村部の中小規模MFIは、多額の融資を受けても運用が難しく、資金をだぶつかせる危険性があります。このリスクを回避するためにMIVは、融資先に大規模MFIを選ぶ傾向が強くなり、さらには、都市部のMFIの方が農村部のものよりも高い信頼がおけるという考えも加わり、より多くの資金が都市部の大規模MFIに流れるという現状を生んでいます。

しかし、マイクロファイナンスを必要としている人たちは、中小規模のMFIが多く存在する田舎の農村地域に住んでいます。貧困削減や社会貢献という見地からすると、本来MIVの融資は、このような地域のMFIになされるべきなのです。

そこでLIPは、この現状を変えるべく調査の低コスト化を目指します。最終的な目標は、統計的手法を活用し、必要なデータを入力すれば、MFIを瞬時に評価できる調査システムを作ることです。統計的根拠に裏付けられたシステムは、人間の予測と比較して精度が高く、審査にかかる費用も時間も大きく低減できると考えられています。

こういったシステムは、日本の金融機関ではもはや当たり前のように導入されています。今後3年をかけて、LIPは最高のコストパフォーマンスを持つシステム開発に挑戦していきます。そのためには、データの信憑性を見抜く感性を磨くために現地調査を続けること、他団体のMFIの評価手法を国内で研究することを考えています。

 


その後の質疑応答では、MFIのモニタリング方法についての質問や、現地での提携先をもったほうがいいのでは、といった意見が出ました。中には、MFI調査について、関係機関への要望・希望は何かといった前向きな発言もあり、LIPの調査手法への期待を感じました。

私が個人的に伺った意見の中に、やはり現地調査を行わない手法には限界があるのではというものがありました。確かに、現時点では難しいかもしれません。しかし、農村部の中小規模MFIが持続可能性を保ちながら育つことは、その地域の貧困削減に確実な効果をもたらすはずです。これは、LIPの掲げる「すべてのひとにチャンスを」にもつながることから、私は、調査の低コスト化をもって農村地域のMFIを支援することにはとても大きな意味があると信じています。

勉強会の後、いつものようにとても盛り上がった懇親会から帰る道すがら、メンバーの杉山が時々口にしていて、私も大好きな「行動のないところに変化はない」という言葉を思い出し、今の自分にできることについて想いを馳せながら家路につきました。

さて、4月のLIPイベントの案内です。

1.4月2日(金)18:50~21:00 記録映画「葦牙-あしかび-こどもが拓く未来」上映会【教育プロジェクト】

LIP教育プロジェクトによる初の主催イベントです!
上映後は、小池征人監督を囲んでの懇親会も予定しています。制作秘話などの裏話を直接聞くことができるチャンスですのでこちらもご期待ください。詳細はこちらです。
http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?ba=b10770a30583


2.4月17日(土)~18日(日)アースデイ2010 【LIP】

代々木公園で毎年開催される大きなイベントにLIPが初出展します。
マイクロファイナンスの借り手が製造した商品の販売やLIPについての展示を行いますので、ぜひ遊びにいらしてください。

公式サイト: 
http://www.earthday-tokyo.org/


暖かくなり外出が楽しい時期になりましたね。
皆さんにお会いできることをメンバー一同楽しみにしています。


筆責:高橋正子

この記事だけを表示

勉強会・セミナー2010年3月20日 11:02

4/2 LIP主催 映画上映会のご案内

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆Living in Peace 主催 映画上映会◆
記録映画「葦牙-あしかび-こどもが拓く未来」
◆4/2(金) 18:50~21:00@東京ボランティアセンター(飯田橋)◆
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2月の「国連フォーラム-私の提言セミナー」にて発表をさせていただいた通り、
Living in Peace(以下、LIP)では、「すべてのこどもに、夢をくれる大人との出会いを」
を合言葉に、教育プロジェクト「ユメノワ」の準備を進めています。
今回はその一環として、現在教育プロジェクトが活動中である児童養護施設の現状を
より多くの方々と共有するため、児童養護施設を舞台とした記録映画
「葦牙-あしかび-こどもが拓く未来」の上映会を開催いたします。

児童養護施設は全国に約570あり、3万人以上の子ども達がそこで生活しています。
入所理由となる家庭の状況は様々ですが、平成19年度の厚生労働省の調査では半数以上
の子どもが「虐待経験有り」とされており、非常に困難な環境の中で生活してきた
子ども達であることがわかります。彼らが心に負った傷を癒し、希望を持って自身の未来
に向かって歩んでいくためには、より多くの支援が必要不可欠です。

私たちは児童養護施設の現状について学ぶ中でこの映画「葦牙」に出会いました。
「葦牙」をご覧いただくことによって皆様も、児童養護施設とそこで生活する子ども達に
ついて理解を深めていただけることと思います。

当日は「葦牙」の監督である小池征人氏を会場に迎え、映画に込められた思いや制作秘話
などについてもお話いただく予定です。

多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【映画情報】

記録映画「葦牙-あしかび-こどもが拓く未来」
小池征人監督作品

◆ 内容(葦牙オフィシャルウェブサイト http://www.kazesoyo.com/index.html より)

<子どもたちの“こころ”を作る物語>

1990年から顕著になってきた児童虐待は年々拡大し、かろうじて救われ、施設に保護されている
子どもの数は3万5千人に及びます。これは幸運にも保護された児童の数です。表に表れない数
は30万人とも推定されています。
未来の担い手である子どもたちの受難の先に見えるのは、ほころび始めた私たちの社会です。
岩手県盛岡市にある児童養護施設「みちのくみどり学園」は盛岡市だけにとどまらず、
岩手県の様々な地域と連携し、子どもたちの“こころ”の回復に取り組んでいます。一関市室根の
太鼓合宿、西和賀町の生活体験合宿。そして、職員と子どもたちの共同作業から生れる弁論大会。
この作品には“人・自然・文化”のつながりを活かした子どもたちの“こころ”を作る物語が
描かれています。


<『いのちの作法』のスタッフが贈る“受難と再生”のドキュメンタリー>

“児童虐待”という未来殺しとも呼べる大きな問題に『いのちの作法』で岩手県西和賀町の
生命行政を描いた小池征人監督が視線を向けた本作。これに呼応して、撮影に一之瀬正史、
音楽に森拓治・長谷川光など、『いのちの作法』のスタッフが再集結しました。
さらに編集には『アレクセイと泉』や『バオバブの記憶』の村本勝が参加。
子どもたちの“受難と再生”に向き合い、4ヶ月間の合宿撮影で記録された80時間の映像から
紡ぎだされる物語は私たちに未来のあり方を指し示してくれます。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【開催概要】

◆ 日時 : 2010年4月2日(金) 18:50~21:00 (受付18:30~)
※映画上映会終了後、近くのお店で懇親会を開催いたします。
お手数ですが参加申込の際に参加or不参加の旨、ご連絡下さい。

◆ 会場 : 東京ボランティアセンター(飯田橋)
アクセス : http://www.tvac.or.jp/page/tvac_access.html

◆ 内容 :
映画上映会 記録映画「葦牙-あしかび-こどもが拓く未来」

◆ 定員 : 80名

◆ 参加料 : 1,500円

◆ 参加お申込フォームはこちら → http://bit.ly/a96LRo
お名前(ふりがな)、所属、連絡先メールアドレス、参加人数、懇親会参加or不参加、
本上映会を知ったきっかけを明記下さい。
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 主催 :特定非営利活動法人 Living in Peace HP:http://www.living-in-peace.org/
貧困削減のための活動を行うために設立された特定非営利活動法人。メンバーは20-30代の
金融機関・コンサルティング会社勤務者が半分以上を占め、世界の貧困問題に関する勉強会や
フォーラムの開催のほか、少額の金融サービスを貧困層に提供し、自立する機会を提供する
マイクロファイナンスについての支援を行っている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この記事だけを表示

お知らせ2010年3月14日 23:02

LIPオススメ。 期間限定、エシカル・ジュエリー情報

皆さんこんにちは。リビングインピース(LIP)の高橋です。
今日は、メンバーが見つけた期間限定のファッションイベント情報をお届けします。
LIPの目指す「すべての人にチャンスを」に通じるものがありますよ!


******************************************


今週末は、 春らしい陽気でしたね。
冬物のコートでは暑すぎて 、途中からは手に持って歩きまわっていました。
さて、季節の変わり目に気になるものと言えば、次のシーズンのファッション。手袋を取ってストールやマフラーも外して、春夏らしい大き目のアクセサリーを薄着の服に合わせたい季節になってきました。

今回は、 そんな人にお勧めのHASUNAを紹介します。 HASUNA:
http://www.hasuna.co.jp/
HASUNAはエシカル・ジュエリーの制作・販売を行っている会社で、社長の白木夏子さんは、LIPのメンバーとも同年代の81年生まれ。「途上国の人々と対等の立場で、一緒にいい世界をつくりたい」という白木さんの言葉にLIPと通じるものを感じ、さっそく、期間限定(3月12日~24日)で渋谷の東急百貨店の出店会場に行ってきました。



「エシカル・ジュエリー」とは?

実は私がこの言葉を知ったのも、 つい先日のことで、ランチをしながら同僚にHASUNAと白木さんのことを教えてもらったのが切っ掛けでした。
調べてみると、英語のEthicalは「道徳の」という意味ですが、経済活動の場面では「環境や社会貢献に配慮する」という意味があることが分かりました。



「エシカルではないジュエリー」とは?

「エシカルではないジュエリー」で思い出すのが、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「ブラッド ・ダイヤモンド」ではないでしょうか。映画は、内戦下のシエラレオネを舞台にし、紛争資金を調達するため不法に取引されるダイヤについて描かれています。アフリカ諸国を始めとしたダイヤを持つ国は、天然資源の恩恵を受けて、人々の生活を向上させています。
その一方で、自然が産み出した美しい鉱物が紛争の資金源ともなり、紛争の長期化にも繋がっています。
そんなダイヤモンドには、価値を決める“4つのC”―Color(色)、Cut(カット)、Clarity(透明度)、Carat(カラット) ― があるそうですが、さらに5つ目のCとして“Conflict”があり、紛争だけではなく、児童労働や搾取といった問題も含まれているそうです。



HASUNAが作る「エシカル・ジュエリー」とは?

使われている素材は、不法に採掘されたダイヤではなく、発展途上国からのフェアトレード素材やリサイクル素材、中南米のベリーズで採れた貝殻や牛の角など。素材調達、加工、流通を経て身につける私たちの手元に届くまで、生産に関わる人から身に付ける人までが、全て笑顔になれることを目指して作られたジュエリーです。
エシカル・ジュエリーや白木さんについて調べ出すと、色々お伝えしたいことはあるのですが、そんなことは商品を見たらあんまり関係なくなってしまいました。
お店の許可を得て写真を撮らせていただきましたが、ひとつひとつの商品が本当に素敵です。






ピカピカに磨かれたピンクのサンゴのネックレス、耳元で揺れる角とゴールドで作られたピアス、エスニックファッションにぴったりのネックレス、リングもカラフルでとってもおしゃれで、 どのジュエリーも 、身につけていると大地の元気を貰えそうな作品です。



ご紹介したい話も商品も沢山ありますが、このまま調べ続けると期間限定のショップが終わってしまいそうなので、ブログを更新することにします。
皆さんも、春夏用にお気に入りのジュエリーを見つけに行って下さい。
店員さんも、とっても話しやすい素敵な女性で、楽しくショッピングができると思います。
私も もうちょっと考えてお気に入りを見つけたいと思います!


追伸:
後から知ったのですが、なんとLIPのマイクロファイナンスプロジェクトのリーダーの杉山もHASUNAの大ファンでした。
昨年末に放映されたワールドビジネスサテライトの中で、カンボジアのマイクロファイナンス機関を訪問した時につけているのも、HASUNAのルワンダコレクションです!


[WBS][動画]日本マイクロファイナンス その可能性は…
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/highlight/img20091215_o1.html

この記事だけを表示

2010年3月13日 14:09

2/26LIP主催 国連フォーラム「私の提言」セミナーの報告

こんにちは。Living in Peace(以下、LIP)メンバーの高橋です。
このところ日がのびてきて、会社の窓から見える夕方の景色が前より明るく感じます。

さて、今日は2月26日に行われた勉強会についてご報告します。
このイベントは、国連に関心を持つ有志によって設立された団体「国連フォーラム」に、代表の慎が「私の提言」として寄稿した内容を基に質疑応答を交えて行われました。
*詳細はこちらをご覧ください。
http://www.unforum.org/teigen/25/bbs.php

この日は、雨にもかかわらずたくさんの方がおいでくださり、とてもうれしく思いました。

 


慎の発表で印象に残ったのは、マイクロファイナンスへの投資残高は増加している一方で、資金は大手のマイクロファイナンス機関(以下、MFI)に偏りがちになること。問題の背景にはコスト構造があり、中小のMFIの中には、採算性を度外視しなければならないところがあること。このような現状を踏まえて、LIPが目指すのは、パートタイムの強みである、例えば、人件費がほとんどかからないなどの利点を活かして、3年以内に世界基準の調査能力をつけ、コスト効率を最大化する調査システムを作ること、でした。

LIPは、メンバーがパートタイムで活動しています。そのため、活動においては時間的制約等がありますが、慎の言葉でとても心に響いたのは、「制約条件は創造性をもたらすものであり、マイナスとは言い切れない。むしろ試す価値のあるもの。」でした。何についても言えることですが、できない要素ではなく、できることを見つけて前に進むことが大切なのではないでしょうか。

その後の質疑応答では、慎の活動の原動力について、また、LIPが計画しているMFIの調査方法や、実際に現地でのMFIがどのようにビジネスをしているのか(融資額や金利など)に質問がおよびました。

慎の発表の後、LIPの教育プロジェクトについて、リーダーの松田から紹介がありました。


プロジェクトは、「すべてのこどもに夢をくれる大人との出会いを」をマントラに、名前を「ユメノワ」とし、出会い編、冒険篇、旅立ち編で構成されています。


教育プロジェクトの活動内容については、初めて公にその詳細をお知らせすることとなりましたが、活動に興味や関心をもたれた方がさっそくいらっしゃり、私もいくつか質問を受けました。

今後、LIPがマイクロファイナンス、教育と、二つのプロジェクトを柱にどのように変化し、目標である「すべての人にチャンスを」に向けて歩んでいくのか楽しみです。
そして、こちらをお読みの皆さんには、これからのLIPにますます期待していただきたいと思います。
また、LIPは、特に教育プロジェクトを中心に現在メンバーを募集しておりますので、興味のある方はぜひご連絡ください。

セミナーの後は、会場近くで懇親会を行いました。
こちらも多くの方が参加され、おいしいベルギービールとお料理を囲んで、とても盛り上がりました。

次回は、3月19日(金)に日本財団ビルにてLIPメンバーより「マイクロファイナンス機関への調査システム~フィリピンフィールドワークより~」と題してセミナーを行います。

http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?ba=b10770a30580

懇親会も予定していますので、こちらもどうぞお楽しみに!
たくさんの方のご参加をお待ちしています。

筆責 高橋正子
 


この記事だけを表示

勉強会・セミナー2010年3月7日 19:12

3/19 LIP主催セミナーのご案内

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆Living in Peace 主催セミナー◆
「マイクロファイナンス機関への調査システム~フィリピンフィールドワークより~」
◆3/19(金) 19:00~20:45@日本財団ビル(赤坂)◆
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2月に行われた「国連フォーラム-私の提言セミナー」に引き続き、
Living in Peace (以下、LIP) 3月のセミナーは「マイクロファイナンス機関への調査システム~
フィリピンフィールドワークより~」と題して、マイクロファイナンス機関(MFI)の信用力を測る
ための調査について発表させていただきます。

1月初旬にLIPメンバーがフィリピンのグラミンファンデーション(注1)へ研修に行って参りました。
今回のセミナーでは3週間の現地研修にて目の当たりにしたMFIの現状を中心に、
世界トップクラスである彼らのMFIデューデリジェンス(投資判断を行う際の事前調査)および
最先端のMFI関連ビジネスについてお話させていただきます。

海外では大手金融機関も注目しているマイクロファイナンス投資ですが、実際の投資は
大手マイクロファイナンス機関(MFI)に集中しています。
この一因はマイクロファイナンス投資を行うための事前調査に非常にコストがかかるため、
投資ファンドは大規模な投資を行わざるを得ず、その結果、数百-数千万円程度の
資金ニーズしかない中小のMFIへの投資が行われないためです。

中小のMFIへの投資を促進するためにも、LIPでは低コストで中程度以上のパフォーマンスを
達成するMFI調査システムを開発することを中長期的な目標の一つに決めております。

目標達成に向けてのワンステップということで、フィリピン現地研修の経験を踏まえ、
LIPが考えるマイクロファイナンス調査システムについても併せて発表させていただく予定です。

多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

(注1)
1997年ワシントンにて設立。貧困層への金融サービスの提供・情報へのアクセスにより、
世界の最貧層が自分自身で貧困から抜け出すことができることを目標に掲げている。
MFI支援を主な活動内容としており、資金の提供・テクノロジーの提供・トレーニングプログラム
の提供など、ひと・モノ・お金の側面からMFIを支援している。現在37カ国にて活動中。

(注2)
第2種金融商品取引業者の登録のないLiving in Peaceは、金融商品の勧誘、
募集等の行為は一切行っていません。現在募集中のマイクロファイナンスファンド
「カンボジア2」については、提携先のミュージックセキュリティーズにお問い合わせください。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【開催概要】

◆ 日時 : 2010年3月19日(金) 19:00~20:45 (受付18:30~)
※セミナー終了後、近くのお店で懇親会を開催いたします。
お手数ですが参加申込の際に参加or不参加の旨、ご連絡下さい。

◆ 会場 : 日本財団ビル(赤坂)

◆ 内容 :
「マイクロファイナンス機関への調査システム~フィリピンフィールドワークより~」

◆ 報告者 :高間剛 (ストックホルム環境研究所)
<プロフィール> 高間剛 (たかま・たけし)。 途上国などをバックパッカーの後、2005年に、オックスフォード大学環境学部博士過程修了。現研究所で、主に途上国(アフリカ)の気候変動やエネルギー問題など、持続可能な開発に関わる調査プロジェクトを行う。オックスフォード大学のフェロー職やコンサルティング業務を兼任。今年1月にグラミン・ファウンデーション・マニラ支部でMFIの調査方法を学ぶ。現在、日本の某離島から在宅勤務中。

◆ 定員 : 100名

◆ 参加料 : 1,000円

◆ 参加お申込フォームはこちら → http://bit.ly/9CRGN6
お名前(ふりがな)、所属、連絡先メールアドレス、参加人数、懇親会参加or不参加、
本セミナーを知ったきっかけを明記下さい。
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 主催 :特定非営利活動法人 Living in Peace HP:http://www.living-in-peace.org/
貧困削減のための活動を行うために設立された特定非営利活動法人。メンバーは20-30代の
金融機関・コンサルティング会社勤務者が半分以上を占め、世界の貧困問題に関する勉強会や
フォーラムの開催のほか、少額の金融サービスを貧困層に提供し、自立する機会を提供する
マイクロファイナンスについての支援を行っている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この記事だけを表示

メールマガジン2010年2月25日 20:08

新しいスタート!

皆さん、こんにちは。

LIPスタッフの高橋です。

 

さて2010年は、とても幸せなスタートを切ったLIPです。

実は1月にメンバー同士の結婚式がありました。

私もそのパーティに出席したのですが、笑いあり感動ありで、とても素晴らしいひと時でした。結婚披露宴は、新郎新婦のもつ雰囲気を映すとよく思うのですが、今回は、新郎と新婦、また、お二人と周りの方々とのとても深く温かいつながりが見えるパーティで、胸がいっぱいになりました。

いつまでもお幸せに!

 

また、今月はLIPの総会がありました。

議案内容をあらためて確認すると、LIPはパートタイムでありながらも組織として着実に成長していることを実感します。

そして、事項を承認する拍手のたびに場に生まれるピリッとした緊張感から、メンバーそれぞれがこれまでを振り返り、新年度に向けての想いをあらたにしたのではと感じました。

 

総会後は、懇親会が行われました。

LIPは、現在、国外の貧困削減を目的としたマイクロファイナンスのプロジェクトと国内の貧困問題を教育を通じて改善することを目的とした教育プロジェクトの2本が動いています。両プロジェクトに携わるメンバーもいますが、たいていはお互いに顔を合わせることが少ないので、懇親会は双方のプロジェクトを理解し、メンバー同士の結束をさらに高める貴重な機会です。

  

しっかり食べて、たくさん飲んで語って、あちこちから響いた笑い声を聞いているうちにLIPの新年度がますます楽しみになりました!

 

では、また。

筆責 高橋正子

この記事だけを表示

メールマガジン2010年2月13日 20:54

2/26 LIP主催 国連フォーラム「私の提言」セミナーのご案内

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Living in Peace 主催 国連フォーラム「私の提言」セミナー

「最高のコストパフォーマンスを達成するMFIの調査システムを」

2/26() 19002045@日本財団ビル(赤坂)◆

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

昨年のマイクロファイナンスフォーラムから3ヶ月、本年初となるLiving in Peace

セミナーは、「最高のコストパフォーマンスを達成するMFIの調査システムを」と題して、

私たちのマイクロファイナンス・プロジェクトの中期的な目標を発表します。

 

昨年は、日本初のマイクロファイナンスファンドを実現するのを目標に、

提携先のミュージックセキュリティーズと協働し、LIPは主にマイクロファイナンスを

広めるためのイベントの企画やマイクロファイナンスに関連した情報収集、調査などを

行ってきました(注1)。

 

その中で私たちが学んだことの一つは、現在のマイクロファイナンス投資が、

大手マイクロファイナンス機関(MFI)に偏って行われているという点でした。

この一因はマイクロファイナンス投資を行うための事前調査に非常にコストがかかるため、

投資ファンドは大規模な投資を行わざるを得ず、その結果、数百-数千万円程度の

資金ニーズしかない中小のMFIへの投資が行われないためです。

 

そこで、私たちは、これを解決するために、掲題の通り、圧倒的な低コストで、

中程度以上のパフォーマンスを達成するMFI調査システムを開発することを

目標の一つに決めました。詳細については、国連フォーラム(注2)の「私の提言」という

コーナーに代表の慎が寄稿していますので、是非そちらをご覧下さい。

(こちらのURLからご覧いただけます:http://www.unforum.org/teigen/25/bbs.php

 

本セミナーでは、この提言について、慎から詳しくご説明いたします。

2月26日、私たちの新たな決意表明の瞬間に是非お付き合いください。

多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

 

(注1)第2種金融商品取引業者の登録のないLiving in Peaceは、金融商品の勧誘、

募集等の行為は一切行っていません。現在募集中のマイクロファイナンスファンド

「カンボジア2」については、提携先のミュージックセキュリティーズにお問い合わせください。

 

(注2)国連フォーラムは、国連のことをもっと知りたい、国連の活動に貢献したいと

考えている実務者、研究者、学生、メディア関係者など幅広い人々を対象として、

日本語で国連についての知識を得、議論に参加し、さらには活動に参画する場を

提供することを目標としてつくられました。URLhttp://www.unforum.org/

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【開催概要】

 

◆ 日時 : 2010226日(金) 19002045 (受付1830~)

※セミナー終了後、近くのお店で懇親会を開催いたします。

お手数ですが参加申込の際に参加or不参加の旨、ご連絡下さい。


◆ 会場 : 日本財団ビル(赤坂)

アクセス : http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html


◆ 内容 :

「最高のコストパフォーマンスを達成するMFIの調査システムを」
スピーカー : 慎 泰俊 (Living in Peace 代表)
LIPの教育プロジェクトや国連フォーラムについても簡単に紹介する予定です。


◆ 定員 : 50
◆ 参加料 : 1,000


◆ 参加申込方法 :

お名前(ふりがな)、所属、参加人数、懇親会参加or不参加、本セミナーを知ったきっかけを

明記の上、次のメールアドレスまでお申込ください。 => lip@securite.jp
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

主催 :特定非営利活動法人 Living in Peace  http://www.living-in-peace.org/

貧困削減のための活動を行うために設立された特定非営利活動法人。メンバーは20-30代の

金融機関・コンサルティング会社勤務者が半分以上を占め、世界の貧困問題に関する勉強会や

フォーラムの開催のほか、少額の金融サービスを貧困層に提供し、自立する機会を提供する

マイクロファイナンスについての支援を行っている。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この記事だけを表示

メールマガジン2010年2月12日 19:57

マイクロファイナンス・フォーラム2009レポート

みなさん、こんにちは。
LIPのスタッフ高橋です。
暦の上では春とはいえ寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

ちょっと昨年を振り返ることになりますが、今日は、11月15日に行われた「マイクロファイナンス・フォーラム2009」についてレポートしたいと思います。


フォーラムは、2008年についで2回目となり、また、日本初のマイクロファイナンスファンドが立ち上がった後の大きなイベントとして、JICA東京を会場にして行われました。


今回は、海外ゲストとして、LIPの提携先であるSAMIC(旧CHC)のマーケティング部長であるセンムンさんとグラミン財団フィリピン駐在員のクリストファーさん、また、国内からは世界銀行の福井さん(LIPアドバイザー)、日本国内でのマイクロファイナンスファンド売出をしているミュージックセキュリティーズ社(MS)の小松さんもお招きして、マイクロファイナンス(MF)の最新事情についての説明や討論をしました。


(フォーラムで使用した資料については、こちらからご覧いただけます。http://www.living-in-peace.org/forum/ )


会場には、100名を超える方にお越しいただき、MFへの関心の高さを実感しました。

フォーラムはLIP代表、慎のあいさつを皮切りに、メンバーよりMFについての説明がありました。MFは、貧困者にお金を与えるのではなく、本人の意思で「借りて返す」ことにより、彼らに自信を与え自立を促すものであり、LIPは、ミュージックセキュリティーズ社と提携し、マイクロファイナンスファンドのプロジェクトを立ち上げ、マイクロファイナンス機関(MFI)への資金提供を支援するという仕組み作りをしています。これまでのODAといったような支援方法とは異なり、MFへの投資は、私たち民間から、かつ寄付とは違う形の資金を提供できることに大きな意義があります。

 

カンボジアのセンムンさんからは、母国のMFの様子をお話しいただき、また、その後の質疑応答では、ローンサイズやオペーレーションのコストについてやりとりがありました。


休憩を挟んで後半は、世界銀行の福井さんによる「急成長するマイクロファイナンス投資」と代表の慎による「カンボジアONEができるまで」と続きました。貸金業のライセンスを持たないLIPがどのようにして日本からMFへのお金の流れを作るという形を実現投資をするに至ったのか、また、パートタイムNPOとしての今後の目標についての説明があった後は、クリストファーさんからの「貧困削減のためのマイクロファイナンス投資」について説明がありました。


そして、クリストファーさん、福井さん、小松社長、慎でのトークセッションが行われ、会場からの質問を受けての積極的なやりとりがありました。特に、福井さんの「途上国への支援としてチャリティと貸付の差をどのようにみるか」という点が印象的でした。
たとえば、事業の継続費用をチャリティで賄うのは不可能に近い。その理由としてお金を出すほうからみれば、出したお金の最終的な効果がどうであったかが気になるところであるが、事業継続費用は、他の費用と比較しにくく、効果や効率性がわかりにくいからとのこと。チャリティは社会的リターン100%、金銭的リターン0%となるが、社会的に役に立っているということをどのように証明するのかが課題であるとのことでした。

 


   
セッションのまとめとして、今回のゲストの皆さんに一言ずつコメントをいただきました。
福井さんより、今後のステップとして個人投資家にMFに関心をもってもらうということ、クリストファーさんと小松さんからは、MFそしてLIPの今後に期待したいという内容でした。センムンさんからは、貧困者への与えるだけの援助では彼らの自立につながりにくい。実際にMFの借り手に会うと、とても感謝されるとのことで、MFの確かな効果を実感されていました。
最後は、LIP創設のきっかけとなった「貧困の終焉」の著者ジェフェリー・サックスさんと慎の対談ビデオが流れ、長くも充実したフォーラムの幕が閉じました。

 

フォーラムの後は懇親会や2次会が行われましたが、気がつけば終電間際であったほど遅くまで盛り上がりました。名刺交換も盛んに行われ、参加された方にも私たちにも、とてもよい学びと出会いの機会になったのではと思っています。

また、私は来日されたゲストのアテンドをいたしましたので、続いてはそちらの様子をお伝えします。
カンボジアのセンムンさんとは、来日直後に港区の恩寵公園に行きました。そこで写真撮影をしていた花嫁がいたのですが、センムンさんは、現地のご家族を思い出され、奥さまとお子さまをとても大切にされていること、特にお子さまについては絶えず笑顔で積極的に様子をお話しされ、いいお父さまぶりを垣間見ました。また、フォーラムに先立って行われた「カンボジアONE」の出資者懇談会では、参加者からのMFやカンボジアに関する熱心な質問から、国やMFに対する期待や関心の高さを実感され、とても満足されたご様子でした。そして、日本の見慣れない料理には、おそるおそる口をつけつつも、お好みに合っていたようで、お食事も楽しんでいらっしゃいました。

フィリピンのクリストファーさんとは、フォーラムを終えた翌日、センムンさんを含めて東京観光となり、浅草を経由して明治神宮を訪れ、お寺や都会の緑を堪能しました。


その後のランチは焼肉でしたが、特にクリストファーさんのお好みだったようで、大絶賛されていました。ソンムンさんはこの日に帰国され、クリストファーさんは、夕方にLIPメンバーとMF機関の調査の勉強会を行い、翌朝にご帰国されるまで、まさにフル稼働のご滞在となりました。


ところで、クリストファーさんのお子さまは折り紙が大好きだとお聞きしました。フィリピンにも折り紙が伝わっているんですね。

 


  
フォーラムでは、LIPやゲストスピーカーを通して、MF投資についての最新情報お伝えしましたが、私がそのほかに心に残ったのは、代表慎の「LIPのようなパートタイムNPO活動を通じて、来場者の方にも何かを始めるきっかけになっていただければ」という言葉です。
新しい年になり、皆さんの中にも何か新しいことを始めてみたい方や、すでに始められた方もいらっしゃるでしょう。
2010年もLIPは元気に進んでいきます。


今年は、学びだけでなく、皆さんとの交流を目的にしたイベントも多数計画していますので、ぜひいらしてくださいね。
LIPが皆さんにとって「何か」を見つけるきっかけになれれば、とてもうれしく思います。


筆責:高橋正子

この記事だけを表示

メールマガジン2009年12月14日 20:53

サミック (旧称CHC)代表・カリヤン氏インタビュー

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

リビング.イン.ピース(LIP)メールマガジン Piece & Peace vol.30 09/12/14号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


こんにちは。

カンボジアを訪れていたメンバーが、現地のマイクロファイナンス機関サミック
(旧称CHC)の代表であるカリヤン氏に話を伺ってきました。

カンボジアのマイクロファイナンス事情やカリヤン氏がマイクロファイナンスに
関わるようになった背景などを紹介しています。どうぞ最後までお読みください!

また、サミックの現地での活動の様子などは、12月15日(火)のワールドビジネス
サテライトで放送される予定ですので、合わせてご覧いただければ幸いです。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

LIP:12月1日にミュージックセキュリティーズから『カンボジアONE』の出資金が送金されましたが、
確認されましたか?


カリヤン氏:はい、12月1日の日付で着金しているのを確認しました。
出資者の皆さんに感謝しながら、これからシェムリアップ支店でしっかり使わせて
もらいます。


LIP:即日に着いたんですか。早いですね!

今回293名の方に出資していただきました。日本からの資金は初めてだと思いますが、
いかがですか?


カリヤン氏:実現までに時間がかかりましたが、実際に始まって嬉しいです。マイクロファイナンス機関にとって、
資金ニーズは常にあり、いつ誰からいくら調達できるのかは、非常に重要な問題なので、
今回新しい提携先ができたことは私たちにとってはとても大きな意味があります。
日本の皆さんやLIP、ミュージックセキュリティーズと築いたパートナーシップが、今回限りではなく、
今後も長く継続していければと思います。

 


(支店のスタッフと。持っているのは来年のカレンダー。カリヤン氏は左から2番目。)

 

LIP:そうですね。私たちも現地のニーズに応えられるよう、しっかり努力していきたいと思います。

ところで、世界最大級のマイクロファイナンスのデータベースであるMIXが実施する
Social Performance Reporting Award(http://www.themix.org/press-release/recipients-2009-social-performance-reporting-award-announced)を、
サミック(CHC)が受賞されたそうですね。おめでとうございます。

(Social Perfomance Reporting Awardは社会貢献に関する情報開示・透明性が
優れているマイクロファイナンス機関(以下、MFI)を評価するものです。)


カリヤン氏:はい、カンボジアのMFIで受賞してるのは他に3機関だけですので嬉しいです。


LIP:20のうち4つとは素晴らしいですね。
カンボジアには20のMFIがあるとうかがってていますが、何か横の関係はあるのですか。


カリヤン氏:はい。

たとえば、先週カンボジアのシアヌークビルという都市で行われた
カンボジアマイクロファイナンス協会
(CMA:Cambodia Microfinance Association )(http://www.cma-network.org/
のワークショップは、MFIのトップ向けのものでした。

「健全な競争(Healthy Competition)」をテーマに、カンボジアにある全20のMFIのトップが参加しました。

この他にも、トップ向けの会合はよくあります。
トップ同士みなよく顔を知っていて、コミュニケーションをとっています。


LIP:CMAのウェブサイトも非常に充実していますし、業界として
マイクロファイナンス事業の振興に真摯に取り組んでいらっしゃる様子が伝わってきます。

ある顧客が複数のMFIから融資を受ける、いわゆる「多重債務」について、日本でも
質問を受けることが多いですが、これを避けるためにはどのような取り組みをしていますか。


カリヤン氏:多重債務は顧客を苦しめるだけでなく、結果的に債務不履行につながるため、
MFIにとっても回避すべき重要な問題です。
そのため、MFI同士で協力し、融資の決定の前には、必ず近隣MFIのスタッフとの情報交換を行っています。


LIP:よそのMFIでその顧客が借りていないか、直接確認するわけですね。
MFI同士で顧客の信用情報をシェアするデータベースのようなものはあるのでしょうか。


カリヤン氏:現在、規制のもとにあるMFIと銀行の顧客の信用情報を一括で扱えるcredit bureau
(信用調査所)の創設に向けた話が出ています。すぐにはできないかもしれませんが、
数年以内には現実のものとなるのではないでしょうか。


LIP:徐々に制度の充実が進んでいるんですね。

カンボジアでのマイクロファイナンスの底上げという意味では、
今年はNGOとして活動してきたMFIが2つ、当局からライセンスを獲得したそうですね。
どんどんMFIが増えるのは、好ましいですか。


カリヤン氏:歓迎しています。

NGOの場合、税金を払わなくてよかったり、資金調達は寄付であったり、
スタッフの給与が安かったりします。
そのため、結果的に、当局の規制下にあるMFIより低い金利設定が可能になっています。

当局の規制下に置かれれば、同じ条件で公正な競争ができるようになるので歓迎です。


LIP:ところで、日本の方からは、カリヤンさん個人についても聞かれることがあります。
宜しければ、プロフィールを教えていただけますか。


カリヤン氏:高校を卒業した後、20歳で中央銀行に入行しました。1993年のことです。
今では中央銀行に就職するのは難しいのですが、当時は国が混乱していており、
人材もいなかったので、入るのは特に難しくありませんでした。

約10年間、中銀のマイクロファイナンスを担当する部署で働いていました。
具体的には、MFIからの諸々の申請・登録などの受付やアドバイスなどを行っていました。

そうした業務のなかで、CHC-NGOからCHCのマイクロファイナンス部門に手を貸して
くれないかというオファーをいただき、転職を決めました。

ですので、最初は中銀の立場で関わっていたものの、現場での取組に惹かれ、
CHCに移ったということになるかと思います。

 


(車から降りて休憩中。ココナッツ水で喉を潤すカリヤン氏。今回のインタビューは主に移動中の車の中で行いました。)

 

LIP:ありがとうございます。
最後に、サミックの今年の業績を教えていただけますか。


カリヤン氏:2009年度の業績は、昨年比で10%増にはなる見込みです。
まだ12月があるので15%ぐらい目指しています。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

<メールマガジンの購読解除方法>

1.以下URLにアクセスし、ログインします。

http://www.living-in-peace.org/entry/

2.「LIVING IN PEACEからのメールマガジン」を「受け取らない」に
チェックをいれ、「設定内容を変更する」ボタンをクリックしますと、
メールマガジン購読が解除されます。

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

発行/編集 :リビング・イン・ピース(LIP)

HP: http://www.living-in-peace.org/  E-mail: lip@securite.jp

Copyright(c) 2009 LIVING IN PEACE ,All rights reserved

転載・転写・コピー・転送等は禁じます

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

この記事だけを表示

メールマガジン2009年12月8日 00:00

カンボジアのマイクロファイナンス機関を訪問

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

リビング.イン.ピース(LIP)メールマガジン Piece & Peace vol.29 09/12/08号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


こんにちは。メンバーの1人がカンボジアに訪れているので、
雑感を皆様にお届けします。

今回の取組は、皆さんのご支援・ご参加があって初めて成立するものです。
下記の文章にある「私」をご自分に置き換えて、お読みいただければ幸いです。

(なお、下記でご紹介している「ワールドビジネスサテライト」の放送は、
当初12月3日を予定しておりましたが、12月15日以降に延期になりました。)


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

私は今、カンボジアに来ています。
12月1日付で『カンボジアONE』の出資金をカンボジアに送金し、
2日に日本を発ちました。

今回の現地訪問では、サミック(ようやくCHCから改称できたようです。
3月から「もうすぐ」と聞き続けていただけに、妙な感慨があります。)
と現状の確認と今後についての打ち合わせをするほか、次の投資候補先
マイクロファイナンス機関への現地調査が主な予定です。

実は今回、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で『カンボジアONE』
を紹介していただく企画を提案していただきました。
出資先のマイクロファイナンス機関の方や借り手の声を聞きたいということで、
12月3日に、取材チームの方が弾丸日程でカンボジアのシェムリアップまで
来ました。

私たちの投資は、現地での取り組みがあって初めて成り立つものですし、
1人でも多くの方にマイクロファイナンスについて知っていただきたいので、
現地取材をしていただけることは本当にありがたいことです。

シェムリアップ支店での撮影中、私もこのファンドの意義についてコメントを
求められました。

いつもだったら、この質問には大抵「寄付ではなく投資であること」というの
を一番に挙げるのですが、今回に限っては、ぼんやりと他のことを考えていて、
とっさにうまく言葉にできず、「すごく意義がある」という答えになってない
答えをしてしまいました。
(あまりにも間抜けなので、放送されないことを祈っています...)

その時、私は、支店でサミックのスタッフが、顧客にローンを貸し出す場面を
見ていました。これまで何度もそういうシーンは見て来たのですが、今回は
全く違った意味を持って見えていました。

ローンの一つ一つ、お札の一束一束が、日本からの一口一口に見えたんです。

それを見ながら私はドラえもんの「どこでもドア」のことを考えていました。
スタッフのすぐ後ろには、「どこでもドア」があって、日本で昨日集められた
お金は、今日ここでこうして使われるんだ、こんなことをぼんやり考えていました。
なので、とっさにうまく表現できませんでした。

私たちのファンドは「どこでもドア」で、
日本の皆さんの心のこもったお金を、
瞬時にカンボジアで必要としている人の手に届ける時空を超えた「通路」
を作ったことが意義なんだ、というのが、今回、私が現地で感じたことです。

寄付であっても投資であっても、
日本から「このために使ってほしい」という意志を持ってお金を出した人の
そのお金が、直接、その対象に届けられること、その仕組みをつくったこと、
それが私たちのファンドの意義だと思いました。
きっと「投資」であることの意義は、彼らと3年間付き合いきった後で、
カンボジアから日本へ向け、再び「どこでもドア」を使うときに実感するのでしょう。


左がローンの金額を確認するサミックのスタッフ、右側が借り手。
スタッフの椅子の背もたれの後ろに、「どこでもドア」を想像していました。

 

余談ですが、その時の顧客は3人グループの女性たちで、1人が100ドル弱ずつ
受け取っていました。それをみて、私たちが使ってるキャッチコピー
「あなたの3万円が18人にビジネス・チャンスを提供します
(一人に100ドルを半年間繰り返し貸付した場合)」は早速本当だなぁ、
と我ながら思ってしまいました。
もちろん私たちのお金はまだ使われてませんが。




無事、ローンを(文字通り)「手にした」グループローンの借り手たち。
半年後、彼女たちがローンを完済できれば、また同じように次の3人に貸し出されます。



本当は小まめに現地からの報告をお届けしたかったのですが、毎日、
飛び回っていて、なかなか時間がとれません。
今は、現地でしかできないことに集中して、また帰ってからゆっくり
振り返りながらご報告できればと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

<メールマガジンの購読解除方法>

1.以下URLにアクセスし、ログインします。

http://www.living-in-peace.org/entry/

2.「LIVING IN PEACEからのメールマガジン」を「受け取らない」に
チェックをいれ、「設定内容を変更する」ボタンをクリックしますと、
メールマガジン購読が解除されます。

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

発行/編集 :リビング・イン・ピース(LIP)

HP: http://www.living-in-peace.org/  E-mail: lip@securite.jp

Copyright(c) 2009 LIVING IN PEACE ,All rights reserved

転載・転写・コピー・転送等は禁じます

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

この記事だけを表示

【ご留意事項】
当社が取り扱うファンドには、所定の取扱手数料(別途金融機関へのお振込手数料が必要となる場合があります。)がかかるほか、出資金の元本が割れる等のリスクがあります。
取扱手数料及びリスクはファンドによって異なりますので、詳細は各ファンドの匿名組合契約説明書をご確認ください。
ミュージックセキュリティーズ株式会社 第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1791号 加入協会:一般社団法人第二種金融商品取引業協会
Copyright (C) 2024 Music Securities,Inc. All Rights Reserved.