三陸とれたて市場ファンド ファンドニュース
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被災地からのレポート2011年12月29日 13:20
【三陸とれたて市場】 東北の宝探しをみんなで!
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ミュージックセキュリティーズの猪尾です。先日、三陸とれたて市場さんへ訪問してきました。事業進捗の状況など伺ってきましたので、ご報告させて頂きます。三陸とれたて市場では、当初、以下のような復興計画を立てておりました。まずはその計画の進捗状況からご報告です。●現在の計画の進捗状況をお教えください。ファンド募集時の復興計画(1)新規に借り受けた地所に新社屋を仮整備し、鮮魚直販を再開(2011年4月~)取扱い商品を絞りながらも産地直送を再開する。鮮魚としては、秋刀魚、ソイ、ヒラメ、アワビ、いくら、鮭等の販売が開始されています。(2)加工商品の開発に着手。(2011年9月~)取扱い可能な漁業資源の調査、物流手段の確保、非凍結商品の開発を先行して行う。煮だこ、などの開発を行ってきました。(3)匿名組合出資金を活用した修繕工事が完了した鮮魚・加工品施設にて鮮魚直販のサービスレベルの回復(2011年12月~)取扱い商品点数を水揚げに応じて段階的に増やし、捌き、加工などの付帯サービスの再開を図る。8月下旬にCAS冷凍機が導入された以降、どのような魚種が適しているかなどのCAS冷凍商品の地元向けのテスト販売を11月から開始しながら、生産者の理解などを通じて構想、計画を練っておりました。この計画が決まらないと中途半端な設備投資ができず、そのため、鮮魚・加工品施設の工事もまだ入っていない状況です。しかし、やっと視界が開けてきており、設備投資が開始できる状況となってきました。機械類は年度内にそろえていきたいと考えています。CAS冷凍を使った商品の出荷に関しては、試験的に1月から、メカジキ、蛸などから行っていく予定です。そして来年春以降、鮮魚・加工品施設の稼働を目指しています。そして、三陸とれたて市場の今後の展開といえば、なんといっても、CAS冷凍商品の開発。●まず、CAS冷凍機の仕組を教えてください。これがCAS冷凍機です。瞬間に凍結をすることによって、細胞を壊さずに凍結することができます。あわびの肝。干しあわびにすると残りででる肝は痛みやすいため、これまで、地元で消費されてきました。これをCAS冷凍をします。このCAS冷凍機でいったん凍結すれば、そのあとは、別の冷凍機に移しておいて保管が可能なんです。そして、ご自宅などで解凍して頂ければ、その効果をご理解いただけると思います。これはCAS冷凍後、通常の冷凍機に移して保管している肝。●CAS冷凍機、その威力はどうでしょうか?先日、メカジキをCAS冷凍して、地元の漁師さんに届けたんです。そしたら、すぐにその夜に連絡が来て、すぐ来いって呼び出されたんです。怒られると思いました。会って開口一番、こういわれました。「さっき、もらったメカジキ、解凍して食べた。20数年ちかくメカジキ食べたけど、こんなメカジキ食べたことない。こんなになるんだったら、おまえら絶対中途半端なメカジキ扱うな。俺が一番いいメカジキ引っ張ってくるから。」これまで脂が強い魚は冷凍に向かなかったんですが、むしろ、CAS冷凍ではその脂にうまみが乗って、生をそのまま食べるよりも旨くなっているんです。この原因や仕組などはいま調べているところです。だからいま、漁師の人たちがみんなわくわくしている。一番いいものを揚げたら、みんな競ってCAS冷凍しよう、って言ってるんです。それをCAS冷凍して、旨い状態で時間を止めて、全国に届けようって。●今後、どのように事業を展開していく予定ですか?いま、連携している漁師の生産者さんたちは、県内の方々10名。生産者さんたちとCAS冷凍機を製造している会社へ一緒に研修に行き、他県での活用事例の研究や機械の開発者との意見交換なども行っています。生産者さんたちも本気になってきて、みんなで会議するところがないからって、お前のところで作らせろと言って、この会議室も生産者さんが作ってくれて、椅子ももらってきてくれたんです。いま、このCAS冷凍機に、どんな魚種を、どんな状態にして入れるのか、冷凍した後、どのように流通と連携して、全国に届けていくのか、という全体のシステムを構築しようとしています。そして、今回、ファンドの資金を活用して作る予定の加工施設が、セントラルキッチンとなって、ここから、漁師の台所で作られていた豊かな食文化を、全国の消費者に届けていきたいと考えています。(構想図であり、予定も含まれます。)そして、震災後、ミサンガプロジェクトで一部生計を立てていた生産者のおばちゃんたちの雇用の受け皿にもなっていきたいと思っています。●現在まだ募集中ではありますがファンドについて感想を教えてください先日もふらっと出資しましたよ、という方が当社に立ち寄って頂いたんです。とてもうれしかったです。やはり、具体的に顔が見えるということが一番効きます。一人ひとりの方のお小遣いからの資金なんだと思うと、中途半端なこと、これまでどおりのことができなくなる。また、ファンドに資金を入れていただいたリクルートの社員の方たちが社員研修として、団体で来て頂いたので、これから飲食店に出荷していこうと考えていた漁師漁師を漁師のおばちゃんたちに作ってもらってCAS冷凍して、解凍したものを食べていただいたんです。これまでは鮮度が落ちるので、地元でしか食べられていなかった料理です。それをとても美味しいと評価して頂いて、まずはリクルートさんの社員食堂で試験的に利用しよう、というような話につながっています。このように社員の方たちに東北の資源に気付いてもらった。東北はかわいそうだから義援金もらうんじゃなくて、東北からいいものを見つけてもらう。その結果、いままで食べられなかった美味しいものが食べられるようになったり、ビジネスの資源になったりする。そういう、みんなで東北の宝探しをしている気分なんです。現場で穴掘りをしているが僕ら。そんな関係になっていけたらいいなと思っています。------------------------------------------------------三陸とれたて市場ファンドの詳細およびお申込はこちら