LIVING IN PEACE BLOG
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メールマガジン2010年2月12日 19:57
マイクロファイナンス・フォーラム2009レポート
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みなさん、こんにちは。
LIPのスタッフ高橋です。
暦の上では春とはいえ寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。ちょっと昨年を振り返ることになりますが、今日は、11月15日に行われた「マイクロファイナンス・フォーラム2009」についてレポートしたいと思います。
フォーラムは、2008年についで2回目となり、また、日本初のマイクロファイナンスファンドが立ち上がった後の大きなイベントとして、JICA東京を会場にして行われました。
今回は、海外ゲストとして、LIPの提携先であるSAMIC(旧CHC)のマーケティング部長であるセンムンさんとグラミン財団フィリピン駐在員のクリストファーさん、また、国内からは世界銀行の福井さん(LIPアドバイザー)、日本国内でのマイクロファイナンスファンド売出をしているミュージックセキュリティーズ社(MS)の小松さんもお招きして、マイクロファイナンス(MF)の最新事情についての説明や討論をしました。
(フォーラムで使用した資料については、こちらからご覧いただけます。http://www.living-in-peace.org/forum/ )
会場には、100名を超える方にお越しいただき、MFへの関心の高さを実感しました。フォーラムはLIP代表、慎のあいさつを皮切りに、メンバーよりMFについての説明がありました。MFは、貧困者にお金を与えるのではなく、本人の意思で「借りて返す」ことにより、彼らに自信を与え自立を促すものであり、LIPは、ミュージックセキュリティーズ社と提携し、マイクロファイナンスファンドのプロジェクトを立ち上げ、マイクロファイナンス機関(MFI)への資金提供を支援するという仕組み作りをしています。これまでのODAといったような支援方法とは異なり、MFへの投資は、私たち民間から、かつ寄付とは違う形の資金を提供できることに大きな意義があります。
カンボジアのセンムンさんからは、母国のMFの様子をお話しいただき、また、その後の質疑応答では、ローンサイズやオペーレーションのコストについてやりとりがありました。
休憩を挟んで後半は、世界銀行の福井さんによる「急成長するマイクロファイナンス投資」と代表の慎による「カンボジアONEができるまで」と続きました。貸金業のライセンスを持たないLIPがどのようにして日本からMFへのお金の流れを作るという形を実現投資をするに至ったのか、また、パートタイムNPOとしての今後の目標についての説明があった後は、クリストファーさんからの「貧困削減のためのマイクロファイナンス投資」について説明がありました。
そして、クリストファーさん、福井さん、小松社長、慎でのトークセッションが行われ、会場からの質問を受けての積極的なやりとりがありました。特に、福井さんの「途上国への支援としてチャリティと貸付の差をどのようにみるか」という点が印象的でした。
たとえば、事業の継続費用をチャリティで賄うのは不可能に近い。その理由としてお金を出すほうからみれば、出したお金の最終的な効果がどうであったかが気になるところであるが、事業継続費用は、他の費用と比較しにくく、効果や効率性がわかりにくいからとのこと。チャリティは社会的リターン100%、金銭的リターン0%となるが、社会的に役に立っているということをどのように証明するのかが課題であるとのことでした。
セッションのまとめとして、今回のゲストの皆さんに一言ずつコメントをいただきました。
福井さんより、今後のステップとして個人投資家にMFに関心をもってもらうということ、クリストファーさんと小松さんからは、MFそしてLIPの今後に期待したいという内容でした。センムンさんからは、貧困者への与えるだけの援助では彼らの自立につながりにくい。実際にMFの借り手に会うと、とても感謝されるとのことで、MFの確かな効果を実感されていました。
最後は、LIP創設のきっかけとなった「貧困の終焉」の著者ジェフェリー・サックスさんと慎の対談ビデオが流れ、長くも充実したフォーラムの幕が閉じました。フォーラムの後は懇親会や2次会が行われましたが、気がつけば終電間際であったほど遅くまで盛り上がりました。名刺交換も盛んに行われ、参加された方にも私たちにも、とてもよい学びと出会いの機会になったのではと思っています。
また、私は来日されたゲストのアテンドをいたしましたので、続いてはそちらの様子をお伝えします。
カンボジアのセンムンさんとは、来日直後に港区の恩寵公園に行きました。そこで写真撮影をしていた花嫁がいたのですが、センムンさんは、現地のご家族を思い出され、奥さまとお子さまをとても大切にされていること、特にお子さまについては絶えず笑顔で積極的に様子をお話しされ、いいお父さまぶりを垣間見ました。また、フォーラムに先立って行われた「カンボジアONE」の出資者懇談会では、参加者からのMFやカンボジアに関する熱心な質問から、国やMFに対する期待や関心の高さを実感され、とても満足されたご様子でした。そして、日本の見慣れない料理には、おそるおそる口をつけつつも、お好みに合っていたようで、お食事も楽しんでいらっしゃいました。フィリピンのクリストファーさんとは、フォーラムを終えた翌日、センムンさんを含めて東京観光となり、浅草を経由して明治神宮を訪れ、お寺や都会の緑を堪能しました。
その後のランチは焼肉でしたが、特にクリストファーさんのお好みだったようで、大絶賛されていました。ソンムンさんはこの日に帰国され、クリストファーさんは、夕方にLIPメンバーとMF機関の調査の勉強会を行い、翌朝にご帰国されるまで、まさにフル稼働のご滞在となりました。
ところで、クリストファーさんのお子さまは折り紙が大好きだとお聞きしました。フィリピンにも折り紙が伝わっているんですね。
フォーラムでは、LIPやゲストスピーカーを通して、MF投資についての最新情報お伝えしましたが、私がそのほかに心に残ったのは、代表慎の「LIPのようなパートタイムNPO活動を通じて、来場者の方にも何かを始めるきっかけになっていただければ」という言葉です。
新しい年になり、皆さんの中にも何か新しいことを始めてみたい方や、すでに始められた方もいらっしゃるでしょう。
2010年もLIPは元気に進んでいきます。
今年は、学びだけでなく、皆さんとの交流を目的にしたイベントも多数計画していますので、ぜひいらしてくださいね。
LIPが皆さんにとって「何か」を見つけるきっかけになれれば、とてもうれしく思います。
筆責:高橋正子
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