LIVING IN PEACE BLOG
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勉強会・セミナー2010年4月15日 22:54
4/2 LIP教育プロジェクト主催 映画上映会報告
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皆さんこんにちは。Living in Peace(LIP)の高橋です。
さて今日は、LIPの教育プロジェクトによる初の主催イベントである「葦牙-あしかび-子どもが拓く未来」上映会についてご報告します。
映画は、岩手県の児童養護施設「みちのくみどり学園」を舞台に、近親者から虐待を受けた子どもたちの心の回復に取り組む様子が綴られています。
葦牙公式サイト:http://www.kazesoyo.com/index.html
みちのくみどり学園:http://www.aiji.or.jp/old/midoritop.htm
会場には幅広い世代の方にお越しいただき、作品への関心の高さがうかがえました。
物語は、3日に1人の割合で虐待により子どもが命を落としている、という一言から始まり、深刻な現実について改めて考えさせられました。また、学園に暮らす子どもたちについては、強い愛情欲求から自己抑制力を失い、暴力的な行動に出ることがあるとのことでした。確かに、スクリーンには力にみなぎった子どもたちの姿がありました。しかし、時に暴力的に映ったかもしれない彼らの表現は、彼らを取り巻く大人に対してだけではなく、社会への叫びにも受け取れました。虐待を生む歪んだ世の中に対する憤りを、全身の力をもって訴えているように見えたからです。
学園は1957(昭和32)年に始まり、現在のような児童養護施設に移行して10年以上を経ています。この事実を知り、子どもを巡る課題に取り組む学園の存在意義に改めて気づかされました。いつの時代も子どもは未来の担い手ですが、同時に、社会の変化に伴う負の影響を受ける存在とも言えます。そのような中で、一貫して子どもの療育に携わる学園の存在はとても貴重であり、親に代わる大人として、職員が根気よく子どもたちに寄り添う姿には、胸を打たれました。
学園の活動内容には地域と連携して行うものが幾つかあり、和太鼓道場もその一つです。道場では、指導員が子どもたちに心で演奏する大切さを伝え、共同で太鼓の制作も行っていました。そしてここには子どもの自治が存在し、互いに教えあいながら熱心に練習をする姿がとても素敵でした。さらに、敷地には道場の方が作ったお風呂が備えられ、それは「自立のための産湯」と紹介されています。子どもたちを大切に想う身近な大人との継続的な触れ合いによって、彼らの中に自信や自己を肯定する気持ちが芽生える様子がよくわかりました。
映画には、虐待の加害者である親たちも登場します。しかし、彼らの多くもまた、自身の成長過程で同じ経験をした被害者です。子育ての戸惑いや孤独な心情を吐露する親たちの姿には切なさを感じるとともに、劇中に何度も登場した「育て直しをする」という言葉は、親子双方の回復に必要なプロセスだと思いました。
虐待を受けた子どもたちにとって、家族は大好きでありながらも大きな恐怖の対象であり、幼い魂はその矛盾に戸惑い苦しみます。学園は、その彼らを、まず忍耐と深い愛情をもって受け入れ、個々の状態に合わせながら丁寧に「育て直し」の日常を積み重ねて自立へと導きます。虐待という子どもの未来を奪う悲しい現実に向かい続ける学園や地域の取り組みには頭が下がるのと同時に、子どもの安全な受け皿となる大人や社会の存在の必要性を強く感じました。
LIP教育プロジェクトでは、「すべてのこどもに、夢をくれる大人との出会いを」を合言葉に、このような子どもたちが抱える絶対的に不利な部分を少しでも解決していきたいと考えて活動しています。本映画を通じて、その必要性を益々強く感じました。児童養護施設に関わることは、パートタイムで活動を行うLIPにとって時間等の制約がありますが、学生や社会人として身に付けた力や持つ強みを活かしてこそ、できることを続けていきたいと考えています。
さて、今月のLIPイベントをご案内します。
4月17日(土)~18日(日)アースデイ2010【LIP】
NPOビレッジに出展します。LIPの横断幕を目印にぜひ遊びにいらしてください!
公式サイト:http://www.earthday-tokyo.org/
4月24日(土)「一番近い他人」が日本を変える~教育格差を乗り越える~ 【教育】
LIPメンバーであり、米社会起業支援組織「アショカ」の若者向け社会起業支援プログラム「ユース・ベンチャー」ディレクターである後藤宗明氏によるセミナー&ワークショップ
教育は親や先生だけが担うものではなく、時として「一番近い他人」の存在が子どもたちの心の支えになることがあります。後藤が提唱するロールモデル教育による教育格差是正の話を聞き、私たち社会人には何が出来るかを一緒にワークショップで考えてみませんか?
時 刻 14:00~17:00 (13:30受付開始)
場 所 CANPANセンター 虎ノ門駅4番出口より徒歩2分
https://canpan.info/onlinehelp/info/about_us.html
参加料 1,000円◆ 参加お申込フォームはこちら → http://bit.ly/dbGKLf
お名前(ふりがな)、所属、連絡先メールアドレス、参加人数、本セミナーを知ったきっかけ
を明記下さい。
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。
◆ 協力: 日本財団 CANPAN プロジェクト
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