LIVING IN PEACE BLOG

勉強会・セミナー2010年8月4日 00:57

7/10 LIPマイクロファイナンス主催イベント報告

皆さん、こんにちは。
Living in Peaceの高橋です。
毎日本当に暑いですね。冷たいものについ手が伸びてしまいます。


さて、今日は、7月10日に行われたLIP主催イベント「マイクロファイナンス機関現地報告会」についてお伝えします。


こちらの報告会で私の心に残ったのは、「誰にとっての何のためのマイクロファイナンスか」ということです。


まず、カンボジアの農村地域に滞在した代表の慎は、「マイクロファイナンスの意義を強く感じた」と言っています。
理由は、気候等に左右されやすい農村での生活において、金融インフラの役割の大切さを実感したこと。金融制度が整うことで、人々の消費が平準化し、安定した生活につながること。そのために、マイクロファイナンスが果たす意義は大きいということでした。


生活の安定とマイクロファイナンスということについては、続く内田からの説明にもありました。マイクロファイナンス機関が展開する融資以外のサービスとして保険、貯蓄、送金等があります。様々な金融サービスにより、借り手は資産形成の機会を得ることができ、その結果、健康状態の維持や子どもへの教育機会提供へとつながっています。


さて、プログラムは二つの現地報告へと続き、初めに、フィリピンを訪問した藤原からの発表がありました。
研修を受けた「CARD-MRI」はフィリピン最大のマイクロファイナンス機関であり、多くの顧客を抱えています。現地では、職員を伴い借り手の様子を調査しました。CARDは幅広いビジネス展開をしており、マイクロファイナンス業のほかに預金等の銀行業、保険、コンサルティング等を行っています。


特徴のひとつは、事業立ち上げよりも事業の継続希望者のための貸付に重点に置いていることです。なお、借り手は毎週開催されるミーティグへの参加義務がありますが、妊娠中や家族の介護等で参加が難しい場合は、免責されるなど、借り手に対して柔軟な対応がされています。定例ミーティングでは、誓いの言葉をのべ、歌を歌い、返済額を公表するなど返済への意識を高く保つ工夫もなされています。

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借り手の中には利用歴が20年に及ぶ人もいます。継続して利用できることが、子どもへの教育機会の提供のきっかけになるなど、現地の人々の長期的な人生設計にマイクロファイナンスが用いられています。

藤原は、滞在の感想として、それまでは、特別なシステムだと感じていたマイクロファイナンスについて、しかるべく金融機関の一種と捉えるようになり、顧客の「普通の生活」のために存在するマイクロファイナンスが、世界中でさらに普及して欲しいと感じたとのことでした。


続いて、メンバーの長島より「セイラニティ密着24時」と題して、カンボジアでの活動報告がありました。長島は、セイラニティというマイクロファイナンス機関のチャンカールー支店に滞在し、職員と寝食を共にしながら、組織の内部統制に関する調査を行いました。


報告によると、支店の職員は、平日、店内に泊まり込むそうです。営業開始は7:30ですが、農村という地域柄のせいか、5時台からの来客もあるとのこと。また、支店は、貧困層でも抵抗なく入店できるようにと、入口のドアやエアコンを設置しないという配慮がなされています。


なお、調査の結果は、経営者、従業員ともに意識が高く、運営の透明性もよく保たれており、組織として十分に機能しているということでした。


このほかにインタビューも行いました。支店長であるサンバスさんは、自分の成功は、貧しい人々のためにあるセイラニティの成功を意味し、セイラニティの成功は、カンボジアの貧しい人々の成功である。カンボジアの貧しい人々の成功は、カンボジアの成功であり、自分はその為に働いている、とおっしゃっていました。

長島は、支店の職員は、純粋なモチベーションと徹底した努力をもって、長時間に及ぶ勤務にあたっていると感じたそうです。

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報告の後は質疑応答が行われました。
内容は、マイクロファイナンス機関の資金調達方法や、貸付を行う際の基準についてなど、運営に関するものが多く出ました。
また、コミュニティの結束力が信用力ともなるマイクロファイナンスが、今後、地域社会の発展に伴う様々な変化にあわせて、適切な金融サービスを提供する必要性も挙げられました。


フィリピンでは、借り手の日常生活を支え、カンボジアでは、貧しさを克服し、ひいては国の成功のためにと信じて用いられているマイクロファイナンスのシステム。


では、LIPにとってはどのようなものなのでしょう。
私たちは、貧困削減を目的に、自立の意思をもつ人たちへの機会の提供としてマイクロファイナンスにかかわっており、具体的には、マイクロファイナンス機関の調査方法の確立や社会での認知度を高めることに力を注いでいます


慎は、この日、なんでも行うのではなく、自分たちにできること、得意なことを行うことが大切と言っていましたが、LIPも、メンバーの個性や能力をさらに活かして活動していきたいと思います。


文責 高橋正子

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