LIVING IN PEACE BLOG 2009年05月

勉強会・セミナー2009年5月29日 23:50

メールマガジン Piece & Peace No.011

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リビング.イン.ピース(LIP)
メールマガジン Piece & Peace No.011 09/05/22号

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こんにちは。

コミュニティメンバーの皆様が200名を超えました!
ありがとうございます。

今回は、これまでと趣向を変えまして、FAQ形式での「
マイクロファイナンス入門編」と
させていただきたいと思います。
もう既にマイクロファイナンスに関する本などを読ま
れた方は、「こんなこと知ってるよ」
を思われるかもしれませんが、24日(日)の当団
体主催セミナーへの予習(復習)も兼ねて、
お読みいただければ幸いです。

「セミナーって何?」という方は、こちらをご覧ください。
http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?ba=b10770a30539
現時点で100名超の方からお申し込みいただいておりますが、
まだ席に余裕はございます
ので、ぜひご参加ください。

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代表の慎の初の著作がダイヤモンド社より本を出版しました。
タイトルは『15歳から
のファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、
キジを仲間にしたのか?』
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4478008256/)です。
こちらも宜しければ、
まずは書店で手にとって頂ければと思います。

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日ごろはファイナンス理論を教えているシン先生。休日の今日は、
大学時代の友人でマイ
クロファイナンスを研究しているアキを講師役に、
いろいろと質問をしているようですの
で、ちょっと覗いてみましょう。


シン. 久しぶり、元気にしてた?ファイナンス理論を勉強してるなかで、
マイクロファイ
ナンスのことを調べることになったんだよ。
アキが海外で勉強してたって聞いたから、来
てもらったんだ。早速だけど、
マイクロファイナンスって何のこと?

アキ. 元気よ。シンも元気そうね、髪型はずいぶん変わったけど。

マイクロファイナンスは低所得者層、
貧困層向けの小規模な金融サービスの総称よ。貸付
だけでなく、貯蓄、
保険などもマイクロファイナンスに含まれているの。

マイクロファイナンスは、
それ自体がビジネスとして成立していると同時に、これまで金
融サービスへのアクセスがなかった低所得者層へ金融サービスを提
供することで、彼らの
経済的自立をサポートし、
貧困層の削減という社会的課題の解決に貢献しているわ。
このビジネスとして成立しているということと、
社会的課題の解決に貢献しているという
ことを、「ダブルボトムライン」とも言うわね。

資産をもたないことで、
これまで銀行などから金融サービスを受けられなかった人びとに
対して、マイクロファイナンス機関が融資や貯蓄・
保険サービスを提供することで、生活
に安定をもたらしているの。

シン. いま「マイクロファイナンス機関」という言葉が出たけど、
それは何?

アキ. 貧困層・低所得者層に小口のお金を融資する機関のこと。
代表的なのは、バングラ
デシュにあるグラミン銀行やBRACね。
グラミン銀行は特殊銀行だけど、完全な商業銀行で
ある場合もあれば、NGOである場合もあるわ。
マイクロファイナンスに関する情報を無料
で提供しているMIXによれば、世界中には1,
397機関あるとされているわ。
http://www.mixmarket.org/)(2009年5月22日現在)

シン. グラミン銀行は聞いたことがあるけど、
世界中にそんなにたくさんあるとは知らな
かったよ。ところで、
マイクロファイナンスは貧困層に融資することで経済的な自立を
サポートすると言うけど、融資よりも、
寄付などの方が効果的のようにも思うけど。

アキ. いい質問ね。まず、マイクロファイナンスは、
寄付などの援助の有効性を否定する
ものではないわ。私も、
きょう食べるものに困っている人たちに対しては、援助が大切だ
と思う。でも、たとえば、
グラミン銀行を創設したユヌス氏が言うように「施しは金を受
け取る者の尊厳を奪い、
収入を得ようとする意欲をも奪い去ってしまう」(『ムハマド・
ユヌス自伝』53頁)という実態も少なからずあるわ。

それに、
国際機関などを通じた支援が必ずしも効果的ではなかったという指摘もあるわね。
そうしたなかで、金銭的サポートがあれば、
経済的に自立できる人々に対しては、一時的
な援助ではなく、
継続的な融資というMFのような自立を促すための策、つまりマイクロフ
ァイナンスが有効だと考えられているわ。

シン. う~ん、でもどうして貧困層がお金を返せるの?
お金がないから貧困層なんでしょ?

アキ. まず、マイクロクレジットの借り手は主に女性よ。
女性がビジネスを起こすための
融資をするの。女性は収入を家族のために費やし、
家族全体に恩恵をもたらす、という傾
向があるからなの。

それと、日本にいると、起業するなんていうのは、
アイディアや資金が豊富な人がするこ
とで、
貧困に苦しむ人が起業するなんていうのは夢物語のような気がするかもしれないけ
ど、彼女たちが起こす事業は、小さなビジネスなの。

商品を売って、日々、収入を得られる事業を起こすことが多いわ。
たとえば、縫製をビジ
ネスとしている人は、
借りたお金でもう新しいミシンを追加購入することで生産性を上げ
、収入を増やすことができるし、
豚の飼育のビジネスをしている人は、借りたお金で新た
に豚を購入し、飼育数を拡大し、
収入を増やすことが可能になるわ。

日々、収入が入ってくれば、お金を返せるようになるというわけ。

シン. 融資を受けた人は、本当に貧困から抜け出せるの?

アキ. マイクロファイナンスは、
資金へのアクセスがなかった貧困層に対して、経済的機
会を作り、自立を促し、収入を上げることを目標としているわ。
収入が上がれば、貧困脱
却の策になるわね。

それに、間接的に、
コミュニティにもよい影響をもたらすとも言われているわ。例えば、
借り手の事業が大きくなった場合には、新しい雇用が創造され、
仕事がなかった人たちが
仕事に就くことができるようになる可能性もあるの。

そして、収入が増えることにより、
子供が学校に通えるようになるなどの生活全般への
効果も期待されているわ。

シン. 借りられる金額と金利はどれくらいなの?

アキ. ローンの金額は、数千円から数十万円と国や地域、
機関によって異なってるわ。
それに、第1回目のローンの金額が少額であっても、
集会の出席率、返済率によって、
2回目以降認められるローンの金額が大きくなっていくこともある
の。

MFIの貸付利率は、月に2~7%ほどよ。
日本に住む私たちにとって、この利率は非常に高
いものに思えるかもしれないわね。でも、
融資額は非常に小口なのに、融資対象者の信用
調査や回収を行うためには、
マイクロファイナンス機関の人間が直接、訪問する必要があ
るなど、オペレーション・コスト(販売管理費)
が非常にかかるの。

貧困の削減とともに事業の持続可能性を重視するマイクロファイナ
ンスが、こうしたコス
トをまかなうために、上述のような金利が必要不可欠なの。
それに、もしマイクロファイ
ナンス機関がなかった場合には、女性たちが融資を求める先は、
非合法の高利貸ししかい
ないの。長期にわたって、
安定的かつ安価な融資を求めている彼女たちにとっては、上述
の利率は魅力的なものでもあるのよ。

シン. ふ~ん、返済率はどれくらいなの?
アキ. 返済率は、一般的に高く、グラミン銀行の返済率は98%
に達しているわ。

シン. それは凄いね。どうして?

アキ. デフォルト率が低く抑えられている理由は、
MFIが顧客と直接やり取りをするロー
ン・オフィサー(営業担当者)
の育成に非常に注力していることや集会への参加義務の
仕組みが挙げられるわ。ローン・
オフィサーが借り手と頻繁かつ密接なコミュニケーショ
ンを取ることで、顧客の最新情報を獲得することで、
デフォルト率を下げることに成功し
ているの。個人的には、マイクロファイナンスの最大の特徴は、
地道なローン・オフィサ
ーの取り組みにあるんじゃないかとも思っているわ。

ファイナンス理論を研究しているシンには、
情報の非対称性を解消するための仕組みと言
った方が分かりやすいかしら。

初期のマイクロファイナンスでは、
グループ貸付という仕組みを導入していたの。
これは、借り手に5人組を作ってもらい、
誰か一人でも返済ができなければ、他の4人は今
後借りられなくなるという仕組みよ。借り手がお互い協力しあい、
返済がなされるように
監視することが、高い返済率を保つ要因だと考えられていたの。

でも、ここ数年は、
個人貸付に移行するマイクロファイナンス機関が増えているわ。グル
ープに対する貸付で有名になったグラミン銀行も、
今は完全に個人ローンに移行している
の。ちなみに、
私がマイクロファイナンスの研修を受けたフィリピン最大のCARD MRIでは
、グラミン銀行より早く個人ローンに移行したと言っていたわ。

これは、一つには経済環境が悪くなってしまうと、
劇的に返済率が下がってしまったとい
うことがあるの。マクロ経済の悪化は、
もちろん経済活動をしている一人ひとりにも影響
を与えるわ。だから、そういうときには、
グループのメンバーの多くが次々とデフォルト
を起こしてしまう可能性が高まるというわけ。

もう1つは、グループのリーダーのみに、ローン・
オフィサーが接触することで他のメン
バーの監督業務などの取引費用が節約できると言われていたのだけ
ど、実際にはグループ
全体への貸付け前研修などの費用が依然としてかかり削減されてい
なかったの。さらにソ
ーシャルキャピタルが乏しい村では、ローン・
オフィサー自身がリーダーの代わりにグル
ープ結成を率先することがあって、
小さいローン金額に見合わないコストが発生すること
もあったのよ。

シン. マイクロファイナンスと言えば、
グループ貸付とばかり思っていたけれど、いろい
ろと変化しているんだね。
今日はいろいろと教えてもらってありがとう。まだまだ聞きた
いことがあるけど、これからラジオの収録なんだよね。
申し訳ない。

アキ. また何かあったら遠慮なく聞いてね。もし良かったら、
日曜日のマイクロファイナ
ンスセミナーでは、
カンボジアのマイクロファイナンス機関の実情や、CARD MRIの研修施
設で学んだことを紹介するからいらっしゃい。

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勉強会・セミナー2009年5月22日 21:48

メールマガジン Piece & Peace No.010

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リビング.イン.ピース(LIP)
メールマガジン Piece & Peace No.010 09/05/15号

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こんにちは。

前回と同様、今回のファンド・プロジェクトのメンバー数名が、
フィリピン有数の
マイクロファイナンス機関であるCARD MRIのマイクロファイナンス研修施設
「CARD MRI Development Institute(CMDI)」
でトレーニングを受けたときの記録を
お届けします。
(HP 英語のみ:
http://www.cardbankph.com/cmdi/index_cmdi.php


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2009年5月6日(水) 第三日目

06:00
起床。眠い目をこすりながら、朝食をとる。
コンビーフとキャベツの炒め物が
とても美味しい。

朝食時も昨晩からの議論の続きが行われた。
メンバーは朝からはつらつとしている。
昨日は夜遅くまで、
必要な書類の作成やウェブのコンテンツ制作などに追われて
いたにもかかわらず、だ。

08:00
今日はCMDI研修3日目。

LIPメンバーのFumiがもう一つの仕事に戻るため、
朝一番で帰国の途についた。
短い間だったにもかかわらず、
研修所のスタッフはあたたかく見送ってくれた。
優しい人柄も東南アジアの魅力の一つだ。
CDMI特製のマグカップ、
クマのぬいぐるみまで貰ってしまった。

車で向かうのは、CARD NGOのセンターミーティング。
昨日はCARD BANKの支店訪問、センターミーティング訪問だったが、
今回はNGOだ。

BANKとシステム上の違いはあるものの、やはり、
お客さんである女性企業家たちの
顔は笑顔で輝き、こちらまで明るい気分になれる。
20人以上もの女性が、自己紹介
と自らが営む事業、融資額を丁寧に教えてくれた。なかには、
苦手な英語に挑戦し
て答えてくれる人もおり、やはり人柄の良さが伝わってくる。

その紹介の間、ふと思い出した言葉があった。それは"Field is a Teacher"という
Alipさんの言葉だ。

昨日(5/5)、初めてAlipさんにお会いしたときに、
僕らのCMDI研修へのアドバイス
として、
CARDの苦しかった時期を振り返りながらくださった言葉だ。

教室内の研修でいかに知識がついても、
現場の企業家の声に勝る者はない、という
意図だった。このような言葉を耳にすることはたまにあるが、
様々な経験をつまれ
てきたAlipさんの言葉だけに、説得力があって、
重たく感じた。

その後は、CARD BANKのユニットとよばれる場所への訪問などを行い、
研修所への
岐路についた。

18:00
研修所に帰ると、
Pracyさんが玄関でいつも僕らをむかえてくれる。彼女は、僕ら
の宿泊を担当してくれている女性で、笑顔がたえない、
頼りがいのあるお母さん、
といった感じだ。

すぐに夕飯のテーブルについたが、ほどほどにして、
山積みのタスクとの格闘が
スタート。それぞれ、各種書類の作成、ウェブサイトのQ&
Aコンテンツ制作と、
チームにわかれて作業に取り組む。

23:00
突然、外で何かが落ちたような物音がしたと思うと、
それに続いて音が鳴り響く。
雨期のフィリピンならではのスコールだ。

ふと、部屋のまわりを見渡すと、連日の深夜までの作業で、
メンバーは眠そうな目を
している。
いつも元気な渡邊さんが目の下にクマをつくってパソコンを睨んでいる。

作業をしている部屋は、
宿泊設備のある研修所とは離れになっていて、CARDのスタッフ
用オフィスとビジネスセンターが併設された、建物の一室だ。
部屋のなかには無線LAN
が飛び交い、途上国のなかでも良好な通信設備が整っている。

通信設備で思い浮かんだのが、
途上国における最新通信技術のすばやい普及だ。

先例はグラミン・
フォンやローカルの携帯電話貸し出しサービスなど数多くある。
それでも、驚かされるのは、どんな山間部でも、
どんなに住環境の劣悪な地域でも、
携帯電話が普及しているということだ。

通信インフラ整備が遅れる海外では、段階的な技術移転ではなく、
一気に最新の技術が
普及しうる好例だ。それにまつわる話を、
研修のコーディネーターかつ講師として
お世話になっているTraining DirectorのRamosさんが教えてくれた。

具体的には、
先週まで滞在していた都市部メトロマニラに多数存在した、ミニストップ
の売り場構成の話だ。日本の平均的な売り場面積と比べて、
こっちのミニストップの
それは2/3ほどだ。

この理由の一つに、収益源の変化があるそうだ。
コンビニエンスストアでは、近年、
「ロード」とよばれる、
日本でいう携帯のプリペイドカードの電子版の売上が急成長し
、収益源は食品・消費財からロードにシフトしつつあるという。
食品・消費財の売り場
面積は、徐々に減らしているそうだ。

27:00
ようやく、最後まで作業に取り組んでいた班がタスクを終了した。
日本へのメール送信
が済むと、部屋で歓声があがった。ただのメールにもかかわらず、
「送信」をクリック
するその瞬間、みんなの注目が集まった。

今回のプロジェクトの成功に向けて、
また小さな一歩進む事ができた一日だった。
今日もよく眠れそうだ。

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勉強会・セミナー2009年5月15日 17:02

メールマガジン Piece & Peace No.009

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こんにちは。

ゴールデン・ウィークが終わりましたね。
みなさんはいかがお過ごしだったでしょうか?

前回もお伝えしましたとおり、今回のファンド・
プロジェクトのメンバー数名が、
フィリピン有数のマイクロファイナンス機関であるCARD MRIのご好意により、現在、
マイクロファイナンスの研修施設「CARD MRI Development Institute(CMDI)」で
トレーニングを受けています。
(HP 英語のみ:
http://www.cardbankph.com/cmdi/index_cmdi.php

今回は、そのトレーニング内容について、
メンバーの一員である塚本 史より、皆様に
ご報告いたします。マイクロファイナンス機関での研修内容を、
日本語でお伝えするの
は、非常に珍しいことではないかと自負しております。ぜひ、
最後までお読みください。

また、5月24日(日)14:00-17:00に、
前回のカンボジア訪問や今回のトレーニングの
報告を、JICA広場(日比谷線 広尾駅)で行いますので、奮ってご参加ください。

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下記サイトにて、ファンドの1口あたりの金額につきまして、
アンケート調査を実施して
おります。宜しければ、ぜひ回答にご協力ください!

http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=14590

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2009年5月3日(日) 第一日目

マニラから、車に揺られて2時間半。
フィリピン大学の中をショートカットで通り、空
気も澄んできたあたりにCARD-MRIの研修施設はあります。
施設の回りには、木造の小
さな売店はありますが、他にはバーもレストランもありません。
民家とヤシの木に囲ま
れていて、道端ではおばあさんや子供、若者、
様々な世代の人々が夕涼みをしています。
雰囲気はあたかも「3丁目の夕日」です。

遠くからタガログ語で歌うカラオケの音が聞こえてきます。
この国の人々は本当にカラ
オケが好きなようです。日本のように締め切った空間ではなく、
窓を開けっ放しで歌っ
ているので外にまる聞こえなのですが、
その音もなぜか違和感がないから不思議です。


研修所に着くとすぐに、大きな体をした プレーシーさんが満面の笑顔で迎えてくれま
す。プレーシーさんはこの施設で9年間働いているそうです。

建物は3階建、ロビーのきれいさに驚きます。
鍵をもらって3階まであがると二人部屋に
通されますが、
マニラでエアコンのない部屋ですごして来た身には、エアコンとバス・
トイレがある部屋はすこし贅沢に感じられます。
シャワーの温かいお湯はなんと本当の
温泉とのこと。建物の外にはプールとジャグジーのバスがあり、
本格的な温泉が楽しめ
ます。


食事は、1階の食堂で。スパイシーな鳥肉、魚料理を堪能します。
このご飯が本当にお
いしい。近くにバーもなく、テレビも何もないので、
研修所で夜をすごします。

食後にはアフリカ経験のあるメンバーのマラリア闘病記で盛り上が
りました。一度マラ
リアにかかると、治癒してもウイルスは保持しているので、
マラリアのキャリアーにな
ります。したがって2度マラリアにかかったことがある、
プロジェクトマネジャーの杉
山章子は、マラリア・キャリーと呼ばれることに。


食事が終わると、一つの部屋に全員で集まって、
今回のプロジェクトを成功させるため
に必要なタスクの割振りをして、作業開始です。
明日からのトレーニングの目的やスケ
ジュールを確認したあと、目論見書のリスク出し、
マクロファイナンスを伝えるための
コンテンツの作成、
現地マイクロファイナンス機関との業務提携合意書の最終確認など
それぞれのタスクを済ませた後、
翌日の8時からトレーニングに向けて就寝です。


5月4日(月) 第二日目

2日目です。朝8時から、
今回の研修の参加者でセレモニーがありました。CARDの歌をみ
んなで合唱します。今日から、
研修所にはコースは違いますが50人以上の人が滞在して
います。

マイクロファイナンスが始まったばかりのラオスからの修士の研修
生、CARDで新しく採
用される予定のアカウントマネジャーのクラス、
カンボジアのMFIから参加している研
修生、そして日本からのLIPのメンバー。
様々な国の人が学びに来ています。

LIPのメンバーに対するトレーニングは、
ラーニングデパートメントのディレクターであ
るラモスさんによって行われました。初日の今日は、CARD-
MRIの成り立ちや彼らのオペ
レーションのやり方を学びました。

Dr. Alipによって1986年に設立されたCARDは、
日本のAsian Community Trust*からの支
援によって生まれたそうです。当時、Alip氏は、
CARDの事業プランを世界中に送ったそ
うですが、
唯一支援に乗り出してくれたのが日本のACTだったそうです。現在でもACTの
雨森氏はボードメンバーとしてCARDを支援されています。
日本を訪れた当時のAlip氏が
ホテル代の節約のために空港で寝泊まりをした話など創業当時の苦
労話も聞くことがで
きます。

そのCARDも今では、90億ドル以上のローンを供給し、
95万人の顧客を抱える金融機関に
なっています。2009年には100万人に届く勢いです。
どんなに大きな組織にも必ず始まり
があるのですね。始まったばかりのLIPの発展が楽しみです。

9時から夕方6時近くまで、ローンのポリシーや具体的な手続き、
プロセス、グループロ
ーンと個人ローン、
サブプライムローンのマイクロファイナンスマーケットへの影響、
支店のオープンのあり方、
従業員の採用や育成配置に関することなど、具体的に学ぶこ
とができます。

LIPのメンバーからはかなり質問も多く出たのですが、
ラモスさんは事例を使いながら具
体的に丁寧に説明してくれます。初日でこの内容の濃さであれば、
5日もいればかなりの
ことが学べるではないかという予感がします。(*
詳しい内容については、今後、私たち
のウェブサイト上のFAQでご紹介していきます。)

トレーニングが終わると、とてもおいしいご飯の時間です。
この研修センターのごはん
は本当においしいです。ちなみに、
トレーニング中には午前中と午後1度ずつおやつの
時間もあります。
LIPメンバーはほのかな甘みがとてもおいしいココナッツのケーキの
ファンになりました。

食後は例によって、食堂にあつまって作業開始です。
FAQの作成などのコンテンツの作成
、現地マイクロファイナンス機関の情報共有、
財団へのLIPの活動のための寄付金申請の
資料作成のためのディスカッションなど夜遅くまで作業が続きまし
た。

* Asian Community Trustのウェブサイト: 
http://www.acc21.org/act/

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ついに、
代表の慎の初の著作がダイヤモンド社より本を出版しました。タイトルは
『15歳からのファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、
キジを仲間にしたのか?』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478008256/ref=s9_sims_gw_s1_p14_i1?pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=center-3&pf_rd_r=06H3K5BTX6VAQ1YPVM74&pf_rd_t=101&pf_rd_p=463376776&pf_rd_i=489986)です。
こちらも宜しければ、
まずは書店で手にとって頂ければと思います。
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お知らせ2009年5月14日 10:36

5/24マイクロファイナンスセミナー開催のお知らせ

この度、5/24(日)の14時からLiving in Peaceとセキュリテ共催でマイクロファイナンスセミナーを開催することが決まりました。以下に案内詳細を付記しますので、ご興味ご関心ある方は是非参加して下さい。

また、告知文の転送は大歓迎ですので、併せて宜しくお願いします!


【以下セミナー告知】

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Living in Peace × セキュリテ 共催

マイクロファイナンスセミナー

http://www.living-in-peace.org/

【5/24(日) 14:00~17:00@東京広尾 JICA地球ひろば】

-------------------------------------------------------------------------------------

 

マイクロファイナンスとは、途上国の貧困層の事業者に貸付を行う金融サービス。

そして、貧困削減の社会的取組みと収益性の両方を実現するこの取組みが評価され、

2006年にノーベル平和賞を受賞したグラミンバンク。

 

あれから3年、現在では、世界各国に約1万のマイクロファイナンスを

実施する機関(Micro-Finance Institution : MFI)があると言われています。

 

マイクロファイナンスの代表的な手法の一つである、借り手同士で

保証人となるグループレンディング。しかし、最近はグラミンバンクを始め、

この手法を活用しないMFIが出てきています。

 

このようにマイクロファイナンスは地域を越えて広がるとともに、

日々進化を遂げ、また同時に様々な課題も抱えています。

 

本セミナーでは、特定非営利活動法人Living in Peaceのメンバーによる

フィリピン・カンボジアのMFIの現地視察、代表的なMFIフィリピン

CARD BANKによるマイクロファイナンス研修プログラム受講など、

現場での体験を元に、現在のマイクロファイナンスの状況、および、

課題などについてご説明をさせて頂きます。

 

また、第2部では、日本国内に目を向け、国内の事業者に対して

個人が少額単位で投資ができるソーシャルファイナンスプラットフォーム

「セキュリテ」についてのご説明をさせて頂きます。

また、「セキュリテ」を活用してファンドを募集している農家、

林業再生、雑穀おにぎり飲食店の事業者の方にお越し頂き、

ファンドおよび事業内容についてもご説明をさせて頂きます。

 

日本、そして世界でこれからの時代の金融のあり方が問われている今、

私たちのお金を、何に、どうやっていかしていくべきなのか、

ぜひ、一緒に考えませんか?

 

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開催概要

 

●日時 5月24日(日)14:00~17:00 (受付:13:30~)

●会場 JICA地球ひろば(最寄り駅 日比谷線広尾駅)

http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html

●内容

第1部 

・マイクロファイナンス機関の最新動向および課題について

第2部 

・株式会社ぶった農産(農業)  特別栽培米コシヒカリファンド2009

http://www.tsunagaru-shokuno.jp/

・株式会社トビムシ(林業)   西粟倉共有の森ファンド2009

http://www.tobimushi.jp/

・株式会社mai mai(飲食店)   雑穀おにぎり専門店ファンド

http://www.maimai-onigiri.jp/

・有限会社藍布屋(アパレル業)天然藍染め桃太郎ジーンズファンド2009

http://www.japanblue.jp/

・ミュージックセキュリティーズ株式会社 ソーシャルファイナンスプラットフォーム

http://www.securite.jp/

 

●参加料 1,000円(資料代)

●参加申込方法

氏名、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを

明記の上、以下のメールあて先にてお申込ください。

lip@securite.jp

※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。

   あらかじめご了承ください。

 

     参加事業者プロフィール

▽株式会社ぶった農産  :「食」は「命」をつなぐこと

 

石川県石川郡野々市町上林において、

江戸後期より先祖代々続く農業者。

農産物の加工や消費者への直接販売なども行い、

現在では、特別栽培米、野菜の生産・販売のほか、

漬物、いかめしの加工・販売も行っている。

2008年には農林水産省より第1回「農業技術の匠に選定される。

生産者と生活者をつなぐ「つながる食農の会」を主催し、

1弾プロジェクトとして、自らが営業者となった

日本初となる生活者参加型のお米ファンドを募集中。

URL:http://www.tsunagaru-shokuno.jp/

 

▽株式会社トビムシ  :100年の森を育てる

 

地域資産としての森林の価値を高めることで、

持続可能な地域再生の実現を目指し、

育林から木材加工・販売まで多角的な森林事業を展開する、

アミタ株式会社(ヘラクレス上場)の関連会社(2009年2月設立)。

日本初となる、個人向けの森林・林業再生支援ファンド募集中

URL:http://www.tobimushi.jp/

 

▽株式会社maimai  :日本伝統のファーストフード

 

『無添加の具』と 『農薬を使用していない雑穀』で作った

雑穀専門おにぎり屋さん。1号店を東京神田にオープンして以来、

各種メディアにも取り上げられ、より多くの人にこの日本伝統の

ファーストフードで、健康第一のできたてのおにぎりを届けるために、

有楽町交通会館での2号店開業するためのファンド募集中。

URL:http://www.maimai-onigiri.jp/

 

▽特定非営利活動法人Living in Peace  :貧困削減のための投資

 

貧困削減のための活動を行うために設立された特定非営利活動法人。

メンバーは20-30代の金融機関・コンサルティング会社勤務者が

半分以上を占め、世界の貧困問題に関する勉強会やフォーラムの開催のほか、

少額の金融サービスを貧困層に提供し、自立する機会を提供する

マイクロファイナンスについての支援を行っている。

現在、日本初となる途上国のマイクロファイナンス機関を支援する

ファンドを準備中。

URL:http://www.living-in-peace.org/

 

▽有限会社藍布屋  :日本が誇るデニム職人



欧米の高級トップブランドにジーンズ生地を提供し、

そのクオリティは世界一と評される「デニムの聖地」、

岡山県倉敷市児島。この地にて、昔ながらの本藍染にこだわり、

藍染商品、デニムの企画・生産・販売を行う職人集団。

自社ブランド「桃太郎ジーンズ」を展開し、

日本の青である「藍」-Japan Blue-を世界に発信する

「天然藍染ジーンズつくり」のためのファンドを募集中。

URL:http://www.japanblue.co.jp



 


▽ミュージックセキュリティーズ株式会社  :大切なものを守る、という投資

2001年よりアーティストの音楽制作費用を個人のファンから

少額でインターネットで調達する音楽ファンドおよび

音楽レーベル事業を開始。2006年より支援対象を料理人、

そして、純米酒の酒蔵と順次拡大し、2009年2月より、

未来にとって大切なものを守るための事業に必要な資金を

個人が少額で出資できるソーシャルファイナンスプラットフォーム

「セキュリテ」のサービスを運営中。

URL:https://www.securite.jp/

 

●注意事項

※本セミナー中で金融商品の具体的な説明をする場合がございます。

ご説明する金融商品は損失が生じるリスクがございます。

※ご投資にあたっては、当該商品の契約締結前に契約書および契約説明書

   をよくお読み頂き、ご自身でご判断ください。

※ご投資の際には、商品毎に所定の手数料等をご負担いただきます。

商品ごとに手数料およびリスク等は異なりますので、

当該商品の契約締結前に契約書および契約説明書をご確認ください。

 

●主催

・特定非営利活動法人Living in Peace

・ミュージックセキュリティーズ株式会社

東京都千代田区丸の内1-5-1新丸ビル10F

第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第1791

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【以上】

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2009年5月13日 10:51

LIP Report No.2 公開のご連絡

みなさん、こんにちは。
LIPの糀屋です。

LIP Report No.2 「投資対象としてのマイクロファイナンス」を公開いたしました。
http://www.living-in-peace.org/_common/img/pdf/LIP_Report_No2.pdf

本稿では、
アセットクラスとしてのマイクロファイナンスへの投資のパフォーマンスについて調査を行いました。結果として次のようなことが分かりました。

・ 伝統四資産と比較して20 倍以上のシャープレシオ
・ 他資産との強くない相関
・ サブプライム後も安定しているリスクとリターン

また、この調査結果に基づき、
ポートフォリオ構築シミュレーションを行ってみました。その結果、投資ポートフォリオにマイクロファイナンスを組み込むと、ポートフォリオに良い効果を与え、投資効率が上昇することが分かりました。

マイクロファイナンスが投資ポートフォリオにどのような影響を与
えるのか、という点を検討したものとしては日本語文献では始めてかと思います。ご興味のある方はぜひご一読ください。

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勉強会・セミナー2009年5月11日 10:03

朝日新聞社説でのLIP紹介

2009年5月11日 朝日新聞 社説
「社会企業家 新しい働き方を育てよう」というタイトルで、NPO法人「フローレンス」(http://www.florence.or.jp/)や株式会社「ウイングル」(http://www.wingle.co.jp/)、山梨日立建機株式会社らとともに、リビング・イン・ピースも紹介されています。ぜひご覧ください。

記事はこちらからご覧になれます:
http://www.asahi.com/paper/editorial20090511.html

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勉強会・セミナー2009年5月8日 17:51

メールマガジン Piece & Peace No.008

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リビング.イン.ピース(LIP)メールマガジン Piece & Peace No.008 09/05/01号

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こんにちは。

もう既にゴールデン・ウィークに入られた方も多いのでしょうか?

会社が休みになるこの期間は、リビング・イン・
ピースのメンバーにとって、働き時
です!フィリピンやカンボジアへ派遣されたメンバーは、
現地でいい働きをしてくれ
ているようです。
皆さんにも素敵なご報告を近日中に行えると思いますので、ご期待
ください。

それでは、今回は、投資チームのリーダーであった渡邉さん(♀)
を紹介させていた
だきます。(投資チームは、
投資先候補のマイクロファイナンス機関等に関する情報
等を収集することを目的に結成されました。現在は、
法規制チームやコミュニケーシ
ョンチームも含め、当初の役割を果たしたため、
解散しております。)

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下記サイトにて、ファンドの1口あたりの金額につきまして、
アンケート調査を実施
しております。宜しければ、ぜひ回答にご協力ください!

http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=14590

******************************
**********************************
Q. どうして今回のプロジェクトに関わろうと思ったのですか?

A. 大学・
大学院時代を通じて途上国の貧困問題に対する支援のあり方を考えたり、
実地で調査・研究に携わるなかで、
金融へのアクセスを改善することが貧困層に非常
に役立つと実感したからです。

Q. 開発支援には、いつ頃から携わりたいと考えていたのですか?

A. 大学時代です。もともとは文系だったのですが、
文系と理系が完全に分かれてし
まうのがイヤでバランスよく学ぼうと大学では農学部農業経済学科
に入学しました。
そこで、
開発問題を経済学的な見地から捉え処方箋を提示する開発経済学という学問
に出会い、「これだ!」と思いました。

もともとカトリックの学校に通っていたので、
募金活動や援助物資を送ったりと、
ボランティア活動には慣れ親しんでいたのですが、「本当に、
その活動が現地の人々
に役に立っているのかな」という漠然とした疑問がありました。

そんなときに、学問的見地から開発問題を考える視座は、
非常に新鮮なものでした。
ちょうど、その時に、
職業として国際援助の仕事があることを知ったことも大きなき
っかけでした。

Q. 途上国では、具体的にはどのような経験をされたのですか?

A. 大学時代は、中国で農村調査実習を、大学院時代には、
本格的に調査・研究活動
の一環で2回にわたり8か月間エチオピアに滞在しました。
大学院では、JICAのイン
ターンシッププログラムを通じてエチオピアの農村開発分野のイン
ターンをしたこと
がきっかけとなって、
エチオピアの食糧安全保障分野に強い関心を持つようになりま
した。

その後、2回に分けて、
エチオピアで食糧安全保障に係る政策調査をしました。その
調査を通じて、政府が、セーフティーネットの一環で、
食糧を十分に獲得できず困窮
している貧困者に対して、
食糧と現金を移転するプログラムを行っていました。その
プログラムの有効性を調査していたとき、お金が流れることで、
貧困者の生活が飛躍
的に改善し、
自ら生計能力を向上させようと化としている人々の姿を目の当たりにし
ました。

その時から、
貧困者によるファイナンスサービスへのアクセス改善が貧困削減に有効
だという確信を持つようになりました。

その体験がきっかけとなって、
将来的にマイクロファイナンスなど貧困者に対するフ
ァイナンスサービスの提供、
貧困者によるファイナンスサービスへのアクセス改善な
どに関われるような仕事に就きたいと漠然と思うようになり、
まずは、金融の機能を
知ろうと金融機関に勤めることにしました。

昨年、リビング・イン・ピース主催のフォーラムに参加した後、
今回のプロジェクト
について聞き、「これをやりたかった!」と思い、
実行委員に立候補しました。

Q. エチオピアの食糧安全保障について教えてくれますか?

A. エチオピアでは、1年を通して十分な食料を得ることができず、
食糧の需給ギャッ
プが問題となっていました。具体的には、
自らの農地で生産できる食糧では、1年を
通して家族を養うことができない状態です。
そうしたギャップを埋めるために、従来
は、食糧援助で補っていました。

でも、食糧援助が続くなかで、
農民が援助に依存してしまうことは、持続的なシステ
ムではないですよね。そこで、政府は、農業が行えない時期(
農閑期)に、地域に必
要な公共事業を実施し、農民に雇用機会をつくり、
労働力を提供した農民に食糧/現金
を与えるというプロジェクトを行っています。

農村部では、生活インフラが脆弱で雇用機会も多くはないので、
そうした政府による
補完的なプログラムは非常に重要なものだと考えています。
こうしたプログラムを通
して、貧困者が抱える脆弱性を緩和し、
貧困者を社会的に保護していくことを可能に
しています。そうした考え方を社会的保護(Social protection)というのですが、
このことについて大学院時代は研究していました。

Q. そのようなプログラムは、
現地の人びとの生活の向上に役立っているのですか?

A. 調査では、
100人の受益者を対象にインタビュー調査を行いました。その結果、
食糧需給ギャップの緩和、社会的サービスへのアクセス(
学校へ通うようになる、医
療サービスへアクセスできるようになるなど)
が改善していました。また、安定的な
所得を得られるようになったことで、
生活が良くなっていたんです。

かれらもお金・食糧の使い方を考え、将来の備えた活動(
家畜の購入、干ばつに強い
作物の苗を購入など)を行っていました。
こうしたことがきっかけとなって、社会に
おける金融機能の重要性に気がつかされました。

Q. ところで、
投資チームのリーダーとして活躍されていたわけですが、どうでしたか?

A. 最初、自分は学生時代から、
国際開発の分野に関わりたいと考え活動していたとい
うこともあって、
メンバーに対してもどかしさを感じることがありました。国際開発
の世界では、「現場に行ったことあるの?」
みたいなことが話題になります。

私も学生時代、そう言われて、現地へ積極的に行きました。
そのため、LIPの全員が現
場に行ったことがあるわけではないので、途上国支援といっても、
温度差があるのか
なと感じることもありました。

けれども、活動を通して、お互い理解を深めていく過程で、
もとをたどれば、このフ
ァンドを成功させて途上国の人びとにチャンスを与えたいという目
的は一緒なんだっ
て気づいて。一人ひとりのモチベーションの元は違ったり、
活動に関われる量も違っ
たり、知識量も違ったりするけれども、目的は一緒なんですよね。

そういうことが何となく分かってきて、今はリビング・イン・
ピース全体の力にして
いくためにどうやってサポートしていけるのが自分の役割なのでは
ないかなと思える
ようになりました。
だからそういうことに気づかせてもらった皆にありがとうと伝え
たいと思うし、
皆で力を合わせてやっていけたら本当に楽しいと思っています。

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ついに、
代表の慎の初の著作がダイヤモンド社より本を出版しました。タイトルは『15歳から
のファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、
キジを仲間にしたのか?』です。
こちらも宜しければ、
まずは書店で手にとって頂ければと思います。
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勉強会・セミナー2009年5月1日 22:49

メールマガジン Piece & Peace No.007

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リビング.イン.ピース(
LIPメールマガジン Piece & Peace No.007 09/04/24号

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こんにちは。

ゴールデンウィークが近づいてきましたが、皆様は、
どのようなご予定でいらっしゃい
ますか?

リビング・イン・ピースのメンバーは、プロジェクト・
マネージャーの杉山を筆頭に
何名かがカンボジアのマイクロファイナンス機関訪問およびフィリ
ピンにあるマイクロ
ファイナンスのトレーニングセンターへの受講に行って参ります。

こちらについても、現地レポートを行いますので、
ご期待ください。

それでは、今回は、プロジェクト・マネージャーの杉山 章子を紹介させていただきます。

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下記サイトにて、ファンドの1口あたりの金額につきまして、
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しております。宜しければ、ぜひ回答にご協力ください!

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マイクロファイナンスに出合うまで

Q. 早速ですが、
マイクロファイナンスのどのようなところに惹かれているのですか

A. そうですね、話が若干長くなるのですが、
まずはマイクロファイナンスは置いて
おいて、
国際開発を勉強しているなかで私が感じたことをお話したいと思います。
大学時代、ガーナに留学をしていたのですが、そこで、「
何をすべきか」はなかなか
分からなかったのですが、「何をすべきではないか」
ということが、自分なりに分か
ってきました。

Q. 具体的にはどういうことですか?

A. 貧しい国にいるとよくあるのですが、歩いているといつも「
Give me money!
(金をくれ)」と声をかけられるんですね。そういうとき、
一緒にいるアメリカ人は
平気でお金を渡していたんです。それが、
非常に不愉快に感じられました。

なぜイヤだったかというと、
学生の分際でお金をあげるあなたは何様なんだと思った
んですね。たとえそれが善意であったとしても、
相手の自尊心を傷つける行為なので
はないかと感じました。

もう一つは、たとえお金をあげたとしても、
それはその場限りのもので解決には結び
つかないのではないかと思ったためです。

自尊心を尊重しつつ、
その場限りではない構造を変えていくような方法が大切だと思
いました。

Q. その方法が、マイクロファイナンスだったと?

A. そうなんですが、マイクロファイナンスに出合ったのは、
大学を卒業し、一度、
就職したのちに、留学先でのことです。

Q. 就職していたんですか?!

A. ええ、某野党の政策立案や国会審議のための調査をしていました。

Q. そうなんですね。国際開発・経済バリバリかと思っていましたが、
まずは国内政治
に関係したんですね。

A. 大学時代、国際開発の問題を考えていくなかで、
構造的な変化を起こすためには、
法制度をいかに作り上げるかということが重要なのではないかと考
えるようになりました。
ですから、政党での仕事を希望しました。

けれども、政治というのは、やはり"数"がモノを言います。
与党、多数派にならないと
意味がないところがある。
想いがあっても実現可能性が小さいと感じました。それで、
経済に目を向けるようになりました。

Q. それで、留学をしたのですか?

A. そうですね。そして、
留学先でマイクロファイナンスに出合ってしまい、気がつい
たらグラミン銀行でインターンをするほどに惚れ込んでしまいまし
た。

さらに、いつの間にか、リビング・イン・ピースでプロジェクト・
マネージャーをする
ことになっていました。

Q. それでは、最後に、
本プロジェクトへの意気込みを教えていただけますか?

A. 単に日本初のマイクロファイナンスファンドということだけではな
く、日本発で
あることに意味があるような私たちならではのファンドを作ってい
きたいと思います!

******************************
**********************************
略歴:杉山 章子(すぎやま あきこ)。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。
コロンビア大学国際公共政策大学院(国際開発専攻)修了。現在、
政府系金融機関で、
専門調査員。リビング・イン・ピースでは、
マイクロファイナンス・ファンドの組成
実行委員会のマネージャーを務める。

******************************
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ついに、
代表の慎の処女作がダイヤモンド社より本を出版しました。タイトルは『15歳から
のファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、
キジを仲間にしたのか?』です。
こちらも宜しければ、
まずは書店で手にとって頂ければと思います。
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取扱手数料及びリスクはファンドによって異なりますので、詳細は各ファンドの匿名組合契約説明書をご確認ください。
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