LIVING IN PEACE BLOG

メールマガジン2009年4月17日 08:47

メールマガジン Piece & Peace No.005

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リビング.イン.ピース(LIP)メールマガジン Piece & Peace No.005 09/04/06号

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こんにちは。

第2回の現地視察レポートを代表の慎よりお届けします。なお、慎および同行者一名は、
先週末無事に帰国いたしましたので、ご報告申し上げます。近日中に、報告会を行う
予定ですので、その際には、ぜひ皆様のご来場をお待ち申し上げております。
(詳細につきましては、決定次第、改めてご連絡申し上げます。)

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2009年3月31日(火) 第三日目

7時に起床。すがすがしい朝だ。

道がところどころ濡れている。僕が片頭痛になると、ほとんどの場合、雨が降る場合
が降るのだけれど、この片頭痛天気予報はカンボジアでも有効なのかもしれない。

タクシーのドライバーに年を聞かれた。「何歳だと思う?」と、相手に聞き返すと、
相手は、「十代後半くらいだろ?」と答えられた。

うーむ。

でも、つい最近道でばったり会った、高校サッカー部の友達にも若くなったと言われ
ているし、僕は見た目的には若返っているのかもしれない。ブラピ主演の、そういう
映画があったっけ*2。

車に乗って、Pursatを後にする。

2時間と少し車に乗り、プノンペンに戻る。

午後2時ごろから、もう一つのマイクロファイナンス金融機関とミーティング。

Living in PeaceのことやMusic Securitiesとのことについてのプレゼンや、
ターム、スキームについてかなり突っ込んだ話し合いをする。

相手の技術担当者からは、システムについての説明を受ける。ここのシステムも
ソフトウェアはかなりしっかりと作りこまれている。

ただし、データベースを作ったことがある経験からすると、いちばん重要なことは
決してシステムそのものではなく(極論すれば、エクセルとVBA*3だけで十分に
データベースは作れる)、データの正確さがどの程度まで担保されているのかにある。
いつか、スポットチェック*4でよいので契約書とデータベースを突き合わせてみる
必要がありそうだ。

今日のミーティングはこれで終了。

夕方に、市街を散歩する。独立記念塔の近くは広場になっていて、いろんな人が
スポーツをして遊んでいる。

  

羽根のついたスプリングを蹴る遊びに混ぜてもらう。

結構面白い。カンボジアではサッカーとバレーボール、バスケットボールが盛ん
なのだそう。幸いサッカーとバレーはちょっとやったことがあるし、また夕方に
混ぜてもらおう。

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2009年4月1日(水) 第四日目

今日は朝6時に起床。といっても、カンボジア時間での朝六6なので、日本時間
だと午前8時。普通の時間だ。



カーテンを開けたら、プノンペンの朝日が迎えてくれた。太陽はどこにいっても
暖かい光をくれる。ありがたいことだ。 シャワーを浴びて、食事をして、6時半
に第2回フィールドスタディに出発。

今日向かうのは、プノンペンから南西に150kmくらいのところにあるKampot地方*4。
フランス植民地時代に栄えていた都市らしく、今も道路はその面影を残している。
町全体がとても美しい。



今日はグループで借入をしている人たちに会いに行ってきた。

最初に会ったのは11人のグループ。それぞれが100ドル以下のローンを借りていて、
金利は月率で3.25%だ。借りたお金の主な用途は、家畜の購入だったり、漁業道具
の購入だったり、その他農業の道具の購入だったりする。農業で得られる収入は、
必ずしも毎日というわけではないため、毎月の支払では金利のみが払われ、最後の
満期に元本が返済される返済プランとなっている(ただし、資金に余裕があれば、
借入の半年後から元本を返済してもよいことになっている)。担保は土地や家の
場合が多い。


 


3.25%の金利のうち、0.25%は、Village Bankの担当者の手元に入る。
Village Bankは、村の中にある一種の信用組合のようなもので、その担当者の一人
が、グループの組み合わせを選ぶプロセスを取り仕切り、マイクロファイナンス金
融機関とのやり取りを担当する。



グループの選出方法は投票によっているそうだ。借り入れる人は女性がやはり多い。

満期までにお金を返せない人が来ていた。母が病気になり入院していることや、
お米の売り上げが思った以上に少なかったってことが、手元にお金がない理由だ。



満期をなんとか伸ばすことができないかと彼女は申し出るが、ローンオフィサーは、
「あなたが返せないと他の人が借りられないから、返してほしい」と。結局、彼女
は、なんとか期日中に返済することになり、返し方について相談することになった。

このグループローンでも借り入れの際に担保がとられている。金融機関の人に質問。

「最悪の場合、あなたたちはこの人たちから家を取り上げることもあるのですか?

「あまりそういうことはしないし、話し合っていい方法を見つける努力をしている
けれど、たまにはそういう場合もある。」

アメリカでマイクロファイナンスを行っている栃迫さんが、僕たちに、「マイクロ
ファイナンスのオペレーションは闘いです」と話してくださったのを思い出す。


このマイクロファイナンス金融機関では生命保険を提供している。つい最近も、結
婚の直前に亡くなってしまった人がいて、その人に保険金を支払ったそうだ。

「モラルハザードはありえないのか?」と質問。

「ひとつひとつのケースをしっかりと検分するので、それはない」との答えr。

もうひとつ質問。「天候保険を提供する予定は?農村部の人たちの収入の不確実性
の多くが天候に来ているのだから、よいサービスだと思うのだけれど。」

「規制があり、それは今のところは難しいが、将来的には検討している」とのこと。

もう一つの村を訪ねる。




今度は9人のグループローン。お金の用途は、前の村と同じように家畜購入、漁業
用の道具購入、農地開拓のための費用など。2008年4月に、この村で初めてのマイ
クロファイナンス貸し付けがされた。

今日は満期の返済日だ。それぞれの女性が札束をもって村の会議所に集まってきた。
無事に返済を終えた皆の顔は、心なしか晴れやかだ。


また質問。

Q:最初にマイクロファイナンス金融機関の人が来てプロモーションをしたとき、
怪しい人だと思わなかった?

A:特にそうは思わなかった。この人たちはお金を持ってきてくれたし。

(個人的には驚きの答え。僕ならまず疑いそう。)


Q:マイクロファイナンスの仕組みが村にできて良かったと思う?

A:良かったと思う(全員一致で)


Q:マイクロファイナンスが出来る前と後で比べると、生活水準はどっちの方が
よくなった?

A:今の方が良くなった(これも全員一致)



マイクロファイナンスは万能薬では決してないけれど、ある程度の段階におい
ては、確実に貧困を削減するのを手伝っているということを実感することがで
きた。日々の返済のためのオペレーションは、決して牧歌的なものではなく、
「闘い」と呼ぶにふさわしいものだ。だけど、その「闘い」をいとわない気持
ちこそが、開発において一番大切だと僕は考えるし、Living in Peaceの信ず
ることの一つだ。



最も貧しい人はそもそも借入ができないという問題がある。これについて、
「何か対策を考えているか」という話を聞いてみた。

「ある村のコミュニティに5年以上所属している人であれば、貸し付けを行っ
ている」という答えが返ってきた。これは素晴らしいことだと思う。

だけど、5年間というのは、気の遠くなるような年月に感じられる。その5年間
で死んでしまう人たちがいるのかもしれない。また、コミュニティには、貧し
い人を受け入れる経済的なインセンティヴがあまり高くないと思われるので、
カンボジアのコミュニティの人的連帯の強さにかなり依存するのかもしれない。

もちろん、最貧困層に対してまでマイクロファイナンスが有効だと僕たちは思
っていない。もっとも貧しい人たちに対してまず必要なのは、ドナーと政府に
よる効果的な援助というのが僕たちの信じていることでもある。

*1 『ベンジャミン・バトン』
(公式HP:
http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/

*2 Visual Basic for Applications(ビジュアルベーシック・フォー・アプリ
ケーションズ、VBA)は、マイクロソフト社製のMicrosoft Officeシリーズに
搭載されているプログラミング言語である。

*3 スポットチェックって何でしょうか???

*4 カンボジアの地図。
http://www.maplandia.com/cambodia/kampot/

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先ほど、HPを確認しましたら、ちょうど100名の方が、リビング・イン・ピー
スのコミュニティ・メンバーに登録してくださったようです!ありがとうご
ざいます。今後とも、少しでも皆様のご関心にお応えできるようなメルマガ
を発信してまいりますので、ご質問等ございましたら、お気軽にご連絡くだ
さい。

それでは。

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代表の慎が今月、ダイヤモンド社より本を出版致します。タイトルは
『15歳から
のファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?』
です。
こちらも宜しければ、まずは書店で手にとって頂ければと思います。
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