本ファンドは、株式会社HAKKI AFRICAへの出資を通じて、ケニアの低所得層の人々が金融サービスにアクセスし、経済的に自立するチャンスを提供することを目指します。
本ファンドの資金は、「誠実な努力が公平に報われる世界」をビジョンに活動する株式会社HAKKI AFRICAにより、タクシードライバー向けの車両購入資金のローン事業などに充てられます。
「融資資金の返済に取り組み自分の車を手に入れることを通して『誠実な努力による成功体験』をして欲しい。一人一人が自ら信用を勝ち取って欲しい」
そんなHAKKI AFRICA代表の小林嶺司氏の熱い想い、そしてケニアでの新たな取り組みを是非、応援してください。
なお、特典として、本ファンドを企画組成した特定非営利活動法人Living in Peace(LIP)によるモニタリングレポートが毎月発行されます。
本ファンドは「社会的リターン指標設定ファンド」です。
対象事業の社会的インパクトを可視化する「社会的リターン」の指標を設定し、その達成状況を出資者のみなさまに定期的にご報告いたします。
本ファンドにご出資いただくことにより、対象事業が地域・社会・環境に具体的にどのように貢献しているか、ファンド運用期間を通してご確認いただくことができます。
事業が目指す成果 | 指標 | 速報値の報告 | 年次報告 | |
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1 | ローンの利用者が増える (金融アクセスが広がる) |
ローンの総顧客数 | 有(毎月) | 有 |
2 | ローン利用者及びその家族の生活が豊かになる | ローンの顧客が生計をともにする家族の人数の合計値 | 有(毎月) | 有 |
2 | 信用スコア(貸付審査の結果)を向上させるために真面目に努力する人が増える | ローンの顧客の信用スコア | 無 | 有 |
本匿名組合契約の名称 | LIP-HAKKIケニアファンド |
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営業者 | 株式会社HAKKI AFRICA |
出資金募集最大総額(口数) | 30,000,000円 (600口) |
出資金募集最低総額 | - |
申込単位(1口あたり) | 54,000円/口 (内訳:出資金50,000円 取扱手数料4,000円) (上限口数:99口) |
会計期間 | 2023年1月6日~2026年1月5日 |
決算日 |
第1回 2024年1月5日 報告日: 2024年3月5日 分配日: 2024年4月4日 |
報告日 | 決算日から60日以内 |
分配日 | 決算日から90日以内 |
決済方法 | (1)ATM,窓口から当社指定口座へ振込 (2)ネット決済(以下の銀行に対応) |
営業者及びケニア子会社の今後の事業計画は以下のとおりです。ただし、営業者、ケニア子会社及び取扱者は、事業計画を保証するものではなく、匿名組合員に対し、分配金額及び出資金の返還を保証するものでもありません。
(1)事業計画について匿名組合員への1口あたりの分配金額は、以下の計算式により算定いたします。なお、1口あたりの分配金額に円未満の端数が生じた場合は、端数を切り捨てて算定します。
分配金額=本匿名組合事業の収益-本匿名組合事業の費用
上記の計算結果として損失が発生した場合には、匿名組合員は、出資金の金額を上限として、出資口数に応じた額を負担します。
本匿名組合事業の収益は、以下の通りです。
・本貸付に基づき、ケニア子会社が営業者に対して支払う元本、利息及び遅延損害金その他の利益等
本匿名組合事業に関するその他の収益金本匿名組合事業の費用は、以下の通りです。
・ 取扱者およびLIPへの委託手数料、租税公課等
本匿名組合契約における金銭による分配金額のシミュレーションは以下のとおりです。本シミュレーションの目的は、本匿名組合事業の収益や為替レートの変動等に応じた分配金額を予想することにあります。匿名組合員に対し、利益の分配や元本の返済を保証するものではありません。なお、匿名組合員に対する出資1口あたり分配金額は、上記分配計算式に記載の方法により計算されます。
(1)分配金額のシミュレーション
本匿名組合事業において、営業者はケニア子会社に対して年利12%の条件で貸付を行う予定です。ケニア子会社から営業者へ返済すべき金額にはケニアにおける源泉徴収税15%がかかります。返済額は、ケニア子会社の事業計画の達成度如何によって影響を受けるものではありませんが、ケニア子会社の業績如何では本貸付債権が予定通り返済されず債務不履行となる場合があります。匿名組合員への分配がマイナスとなる場合は、最終分配時に元本から差し引かれます。
【条件】
・本匿名組合事業の支払利息等の収益は本貸付元本の12%/年
・ケニアにおける源泉徴収税率は15%
・本匿名組合事業におけるその他利益及びその他費用は0円
・取扱者・LIPの手数料(税込):本貸付の元本の4.081%/年
・日本国内でかかる源泉徴収税率20.42%
・為替レートの変動なし
(注1)営業者はケニア子会社に対して、年利12%の条件で貸付をする予定ですが、ケニア国内での規制環境の変化等により、利率が変更となる場合があります。上記シミュレーションは、会計期間1年間に予定している収益および費用を元にしたシミュレーションで、実際には3回の分配が行わる予定です。
(注2) 本シミュレーションでは、その他の費用を0円と仮定していますが、その他費用が発生した場合には、匿名組合員への分配は減少します。
(2)分配予定表
次の条件で3回の分配及び元本の返済が予定通り行われ、為替レートの変動が一切なかったと仮定した場合の分配予定表は以下の通りです。
【条件】
・本匿名組合事業の支払利息等の収益は本貸付元本の12%/年
・ケニアにおける源泉徴収税率は15%
・本匿名組合事業におけるその他利益及びその他費用は0円
・取扱者・LIPの手数料(税込):本貸付の元本の4.081%/年
・日本国内でかかる源泉徴収税率20.42%
・為替レートの変動なし
(1口50,000円の出資の場合)
(3)為替の変動による元本のシミュレーション
本貸付はケニアシリング(KES)建てで行われるため、本貸付の返済が予定通り行われた場合でも、分配金額は、為替レートの変動等により、大きく変動します。以下のシミュレーションは、本ファンドの1口金額の為替レートの変動による元本金額の推移を示したものです。本ファンドは、3回の分配を予定しておりますが、元本の返済は3回目に一括で行うことを予定しており、3回目の分配時の為替レートが償還率に与える影響が最も大きいことにご留意ください。
※ 上記シミュレーションは、送金時の為替レートが1JPY=0.909KESと仮定し、最終分配時の為替レートが15%ケニアシリング高円安の場合にはそれだけで元本50,000円が58,824円に増加し、15%ケニアシリング安円高の場合にはそれだけで元本50,000円が43,478円に減少することを示しています。
※ 上記シミュレーションは元本の額の変動を示しており、分配金については含めていません。
1. 債務超過のリスク
営業者は募集開始日の直前期における決算書上、債務超過ではありませんが、今後、債務超過に陥った場合には、次のような不利益を被るリスクがあります。まず、債務超過の営業者は新規の借入ができない可能性があります。また、取引先との取引継続に支障が生じる可能性があります。次に、債務超過は、営業者の破産、民事再生、会社更生又は特別清算等の各手続きの開始原因であり、営業者についてこれらの手続きの申立てがあると、本匿名組合契約は直ちに終了します。さらに、債務超過の場合、営業者の資産に対して債権者による仮差押命令が発令される可能性が高くなります。仮差押命令が発令された場合、取引先との取引に支障が生じたり、金融機関からの借入等に関して、期限の利益が喪失する等により、支払不能となり事業継続に支障をきたす可能性があります。また、仮差押命令が発令されると、本匿名組合契約は直ちに終了します。いずれの場合にも、出資金の全部が返還されないリスクがあります。
2. 営業者の倒産に関するリスク
今後の事業の状況如何によっては、営業者が支払不能に陥り、又は営業者に対して破産、会社更生、民事再生などの各種法的倒産手続きの申立てがなされる可能性等があり、これらに該当することとなった場合には、本匿名組合事業における損益額により分配金額が発生していたとしても、本匿名組合契約に基づく分配金額の支払い、又は出資金の返還が行われないリスクがあります。匿名組合員が営業者に対して有する支払請求権(出資金返還請求権及び利益分配請求権をいいます。以下同じです。)には、何ら担保が付されていません。また、営業者が破産等の法的倒産手続きに移行した場合には、匿名組合員が営業者に対して有する支払請求権は、他の優先する債権に劣後して取り扱われます。そのため、法的倒産手続きの中で、他の優先する債権については支払いがなされ、回収が図られた場合であっても、匿名組合員が有する支払請求権については一切支払いがなされないリスクもあります。
3. ケニア子会社の信用リスク
ケニア子会社は募集開始日の直前期における決算書上、債務超過です。本匿名組合事業に係る貸付資金を用いて、ケニアにおいてオートローンサービス事業又はマイクロファイナンス事業を行い、営業者に対する返済を行うケニア子会社が、経営不振、支払不能又は破産等に陥り事業の存続が困難な事態となった場合には、本貸付の返済を期日どおりに行うことができず、匿名組合利益の分配はもちろん、出資金の返還が行われない可能性があります。ケニア子会社については、外国の法令、諸制度、市場慣行等が適用されるため、日本の法令、諸制度、市場慣行等に存在しない事由又は日本において一般に破産等とは考えられていない事由が破産等と認定される可能性があります。
4. 為替リスク
本匿名組合契約においては、申込者に円建てでご出資していただきますが、本匿名組合事業に係る営業者とケニア子会社との間の貸付及び返済は、外貨(ケニアシリング)建てで行われるため、為替レートの変動により損失が生じるおそれがあります。具体的には、貸付期間中にケニアシリング/円の為替レートがケニアシリング安円高になった場合には、本匿名組合事業が計画どおり実施された場合でも損失が生じるおそれがあります。政府や中央銀行の金融政策・為替政策の変更により、為替レートが大きく変動する可能性があります。
5. 資金調達のリスク
営業者は本匿名組合事業の必要資金を本匿名組合契約による出資金でまかなう計画です。したがって、本匿名組合契約での資金調達が滞る場合、事業計画通りに本匿名組合事業を開始することができないリスク及びケニア子会社の事業計画の規模が縮小するリスクがあります。
6. 経営陣の不測の事態に係るリスク
本匿名組合事業について、経営陣に不測の事態(病気・事故・犯罪に巻き込まれる等)が生じることにより、本匿名組合事業の運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しまして、本匿名組合契約では各種保険等によるリスク・ヘッジを行いません。
7. 大地震・大津波等の自然災害のリスク
大きな地震や津波、台風等の自然災害等に起因する要因により、事業の継続に悪影響を及ぼすリスクがあります。
8. 風評被害によるリスク
伝染病、放射能汚染等その他の理由により、風評被害を受けるリスクがあります。
9. 許認可等に関するリスク
営業者及びケニア子会社が既に必要な許認可等を得ている場合であっても、法令に定める基準に違反した等の理由により、あるいは規制の強化や変更等がなされたことにより、その後かかる許認可等が取り消され、事業に重大な支障が生じるリスクがあります。
10. 訴訟等に関するリスク
営業者又はケニア子会社の事業活動において、環境保全、労務問題、取引先等との見解の相違等により訴訟を提起される、又は訴訟を提起する場合があり、その動向によっては本匿名組合事業に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、訴訟等が行われることにより、営業者又はケニア子会社の社会的信用等に悪影響を及ぼすリスクがあります。
11. 本匿名組合契約未成立のリスク
II.本匿名組合契約の概要記載の不成立となる条件に該当した場合には、本匿名組合契約は遡って未成立とみなします。この場合、既に支払われた出資金及び取扱手数料は速やかに返還しますが、利益の分配を受けることはできません。その際、当該出資金及び取扱手数料の返還にかかる振込手数料については申込者にご負担いただきます。ただし、出資金が既にケニアに送金され、ケニアシリングに変換されていた場合、出資金返還に際して、為替の変動の影響を受けるため、申込者に為替差損又は為替差益が発生する可能性があります。
12. ケニア特有のリスク
(1) カントリーリスク
ケニアの国情の変化(政治、経済、取引規制等)や内戦、洪水やサイクロン、地震や津波等の自然災害や疫病、また、近隣諸国との係争や関係次第では戦乱の可能性があり、そうした影響により、ケニア子会社の事業が計画通りに進まず、営業者への支払いが遅滞し、又はその全部若しくは一部が行われないおそれがあります。
(2) 送金リスク
営業者からケニア子会社への貸付契約に基づく支払利息の支払い及び元本の返済に関して、関連する認可の遅延若しくは認可拒否、又は取引決済手続きに影響を及ぼす政府介入により、悪影響を受ける可能性があります。また、今後、政治的経済的課題の変化により、もしくは国家利益のために、将来、外国通貨の日本への送金についての規制が行われないという保証はありません。
(3) 法制度が変更されるリスク
今後、本匿名組合事業に関係するケニアの法制度又は行政的取扱の変更が行われる可能性があり、これにより、本匿名組合事業が悪影響を受ける可能性があります。
(4) 税制が変更されるリスク
税務当局の裁量によっては現在前提としているとおりの税務上の取扱がなされない可能性があります。契約締結時に前提としている現行の国税及び地方税制(税率)並びに関連する諸制度等(通達などを含みます)の運用等が変更された場合には当初予想とおりの投資効果が得られないおそれがあります。なお、現在、日本とケニア間においては、租税条約が結ばれていないため、二重で源泉税徴収が行われます。
13. 特典の進呈に関するリスク
営業者は匿名組合員に対し、特典の進呈を行うことを予定しておりますが、事情により特典の進呈を行うことができない、又は、変更するリスクがあります。
14. 事実の調査に関するリスク
取扱者が行う事実の調査は、取扱者独自の水準に基づき実施される調査であり、また、入手資料及び営業者への質問の回答について、すべて真実であることを前提としておりますが、事実の調査が誤るリスクがあります。また、取扱者の事実の調査に基づくファンド組成の判断は、匿名組合員への分配金額や出資金の返還を保証するものではなく、営業者の事業計画や、営業者が破産等しないことを保証するものではないことにくれぐれもご留意下さい。
・モニタリングレポート(口数に関わらず、同一の特典となります。)
HAKKI AFRICAの財務状況の報告とHAKKI AFRICAの顧客やスタッフの紹介がついた電子レポートをご覧いただけます(認定NPO法人Living in Peace作成)。
(注1) 特典は、営業者の都合により内容が変更される場合や実施ができなくなる場合もあることをご留意ください。 |
(注2) 特典の詳細につきましては、募集終了以降、別途ご連絡いたします。 |
後編では、ケニアでの大統領選挙をめぐる歴史の概略を振り返ってみたいと思います。
ケニアでは、有権者が大統領候補者に直接投票する直接選挙制が採用されています。現行憲法上、大統領の任期は5年一期で、3選は禁止されていますが、この憲法改正が成立して以降、どの大統領もこの規定を遵守しており、20年以上の独裁が続くウガンダやルワンダといった近隣国や他のアフリカ諸国と一線を画しているのが特徴的です。
しかし、1963年の独立以来、その道のりは単純ではありませんでした。
1963年にイギリスから独立した際には複数政党制を採択し、また二院制と連邦制も取り入れるなど、旧宗主国イギリスの意向を受け、権力分散の方針が取られていました。しかし、独立後最初の選挙で第1党となったケニア・アフリカ人全国同盟(Kenya African National Union: KANU)や、その委員長である初代大統領ジョモ・ケニヤッタ氏は、当初から中央集権を主張しており、説得を受けた第2党の政党が1964年に自主解散すると、独立後1年も待たずKANU一党体制となりました。これにより、自由に憲法改正が可能となり、ケニヤッタ大統領個人への権力集中を強め、野党や反対派を排斥する改正が次々と進められたのです。この権威主義体制が強化されたのは第2代大統領ダニエル・アラップ・モイ政権下の1982年で、憲法改正により「KANU一党制化」に移行し、国会議員や大統領になるためにはKANUに所属しなければならなくなりました。5年毎の大統領選挙は行われていましたが、政権党がKANUから変わることはありませんでした。
この状況に変化が起こったのは1991年です。大規模汚職が頻繁に報告されるようになり、政治改革を求める運動が国内で高まりました。また、ケニアへの援助供与国と国際機関が、援助供与の条件として、KANUを唯一の政党と定める条項と国政選挙への立候補資格を制限する条項の廃止を求めました。その結果、再び憲法が改正され、複数政党制が回復し、また、大統領の任期は5年2期と定められたのです。
1991年以降も事実上の一党制が継続していましたが、その後、集会の自由などを厳しく取り締まる植民地時代の法令も廃止されていったこと、KANU一党では大統領の任期を変えるための憲法改正が不可能であったことから、モイ大統領は引退を早くから表明し、後継者争いが始まりました。2002年の選挙により、独立以来40年間政権を握り続けたKANUに代わって、野党が結集した全国虹の連合(National Rainbow Coalition: NARC)が政権を獲得しました。
大統領選挙と多民族、2007年の選挙後暴力
多民族国家であるケニアにおいて、大統領選挙は地域や民族が大きく影響します。大統領や政権党は出身地や出身民族を優遇する傾向があるといわれ、投票者も自らと同じ出自の候補者に投票する傾向がみられます。
2007年12月末の大統領選挙では、不正疑惑の中でキクユ人のキバキ氏が再選し、この不正疑惑に由来し、対立候補のオディンガ氏の当選を訴える暴動がキクユ人と非キクユ人の間で起こりました。この暴動での死者は少なくとも1,000人と言われており、国内避難民は最大時で65万人に至りました。幸いにも、元国連事務総長でケニア人のコフィ・アナン氏らにより翌年1月に調停が成立して暴動は収束へと向かいました。この調停を経て、ケニアで初めてキバキ氏の所属する挙国一致党(Party of National Unity: PNU)とオディンガ氏の所属するオレンジ民主運動(Orange Democratic Movement: ODM)の連立政権が樹立され、キバキ氏が大統領に就任する一方で、オディンガ氏は暫定的に設けられた「首相」というポストに就任することで手打ちとなりました(2013年に首相ポストは廃止。)。
国民投票による2010年憲法改正
2007年の選挙後暴力を受け、2010年3月、国際刑事裁判所(ICC)が人道に対する罪の捜査を開始しました。こうした介入を阻止するため国内の政治改革を進めることが効果的となっていた背景から、2010年には国民投票により、大統領権限の大幅な縮小、地方への権限委譲、大統領選挙に係る申し立てを審理する権限を持った最高裁の導入などが盛り込まれた新憲法が成立しました。この憲法はアフリカで最も進歩的な憲法の一つとも評価され、国際的な支援を増加させることにも繋がりました。
2013年以降の大統領選
新憲法施行後初めての選挙となった2013年大統領選挙では、独立選挙管理・選挙区画確定委員会が設置されました。50.07%をウフル・ケニヤッタ氏が得票しましたが、一部の有権者が有権者名簿から漏れたり、票の集計方法に不満が出るなどの問題があり、対立候補であったオディンガ氏が選挙の不正を訴えて最高裁に提訴しました。しかし、最高裁は委員会の公表した結果を支持する判決を下し、また、国際的な選挙監視団も透明かつ効果的な方法だと評価し、オディンガ氏はその結果を受け入れたため、大きな衝突は起きず決着しました。
続く2017年の選挙ではウフル・ケニヤッタ氏が一度当選しました。しかし、野党が不正を訴え、今度は、最高裁が選挙手続の違法を認めてアフリカ史上初の選挙結果無効の判決を下しました。これを受けて再選挙が実施されるも、対立候補のオディンガ氏は選挙をボイコットし、オディンガ氏の支持者も投票をしませんでした。その結果、ケニヤッタ氏が再選しましたが、投票率はそれまでの選挙の中でも最も低く、国内の緊張は高まり、一部では暴力も発生しました。その間ケニヤッタ氏とオディンガ氏の間で非公式な対話がなされ、2018年には和解が成立しました。
このような歴史を踏まえると、今回の大統領選挙は比較的平和的に終わったこと、そしてケニアが独立以降、紆余曲折を経ながらも選挙の司法化を進めてきたことが見えるかと思います。