わかめの加工体験レポート
藤田商店です。
先日、中央大学の先生が2年ぶりに気仙沼を訪れ、当店のワカメの加工体験をされました。
当店に出資して下さっている方です。
その方が体験レポートを書いてくれたので、ご紹介します。
「食卓に当たり前のようにのるわかめですが、海の中での姿を初めて見たのは2年前でした。
そして、船に乗せてくださったのが藤田さんでした。まだ漁師のみなさんが船を共用しながら、
復興に向けて前だけを見て、汗を流している時でした。
この春には、皆さん、一国一城の主に戻られたということで、その意味において復興は進んで
いるといえるかもしれません。
去る3月19日、藤田商店さんにお邪魔し、わかめの加工作業のいくつかの工程を体験させて
いただきました。」
「採れたてのわかめ。すでに切り離された和布蕪の部分。わたしたちの口に入る柔らかい部分を
茎から取る作業です。
この日は今年一番のお天気に恵まれ、青空の下、優しい海風を肌に感じながらスルスルっと
うまく取れると大変に気持ちが良いです。
しかし、得意気になって顔を上げると、この道何十年のみなさまの目にも留まらぬ光速作業
スピードに愕然とするのでした。」
「水気を抜いて、塩をまぶされたわかめ。今年はエビが卵を産みつける現象が発生している
ということで、目を凝らして卵の跡を見つけてカットします。
このような丁寧な手作業で藤田商店の商品の高品質は保たれているのです。」
「高級食材まつも。初めて知りました。そして見ました。社長自ら採ってきてくださいました。
わかめと同様、お湯に通すと鮮やかな緑色になります。
歯ごたえがあって磯の香りがして、海藻好きにはたまりません。」
「コリコリの鮑がのった社長夫人の海鮮丼。「大したものはないけど」ってどこが?!です。
そして料亭などでしかお目にかかれないという先ほどの「まつも」も。
しばらく東京で海の幸はいただけません。知る喜びと悲しみ。
その後も、とれたての蟹までいただき、お手伝いの時間よりも食べさせていただいた時間の方が
間違いなく長かったのです。
楽しく作業をお手伝い(もしくは邪魔)させていただく中で、様々なお話を伺うことができました。
自然が相手のお仕事、低気圧や貝毒、日々の懸命な努力がそのまま成果に結びつくわけではない。
自分の思う通りになるのは、自分の気持ちだけ。心持ち一つで困難を乗り越えて行く、
海で暮らす人たちの強さと優しさのおかげでわたしたちの豊かな食生活がある。
そして、海鮮を本当に楽しみたければ、一に新鮮さ、二に新鮮さ、三、四がなくて五に新鮮さ、
ということがよく理解できました。
築地に行くなら、断然藤田商店からの直送です!
これからのご自慢は雲丹だそう。ぜひ藤田商店の真心を味わってみてください。」