神戸ビーフ、食べた事ありますか?

2018年11月15日
加古川 うらいの志方和牛ファンド

 投資家様こんばんは!いつも応援ありがとうございます。有限会社うらい、ファンド担当川村です。

 今日は僕たちの「神戸ビーフ」についての取り組みをご紹介したいと思います。

 現在、ちまたにあふれているブランド牛。どれが本当に美味しいのか何を基準に判断すればよいのか悩んでしまう事ってありませんか?僕たち和牛うらいではそんなブランド牛に惑わされることなく、自社で設けた独自の厳しい基準で仕入れを行っております。これは魚や野菜などと違い、産地の影響が極めて出にくい牛肉にはうってつけの方法です。

 「えっ?産地、関係あるでしょ!!」と思いの方、それ、ほぼ間違いです。実は大事な事は牛肉の場合は血統です。これは科学的にも証明されている事ですが、ほとんど知られていないと思います。ですから是非とも牛肉にうるさい方に知って頂きたいのです。牛肉の場合、遺伝的要素が占める割有は一番有名どころでいうと「サシ」の入り具合です。これはおおよそ7割が決まってしまう要因です。その他にも筋肉量(つまり赤身の部分、過食部分です)なども6割と、優秀な血統を選別することが美味しい牛肉を作る上で非常に重要な事です。事実、生産者の方はこの血統を見て仕入れをされています。国産牛肉の生産は子供の牛を作る繁殖農家と、その牛を仕入れて育てる肥育農家との分業制が多く、この流通には血統が非常に重要視されています。良い血統の子牛は、かなりの高値がつきます。生産側の考えている価値と、消費者が求めている価値が違うのは非常に皮肉な状態です。

 しかしながらそんな産地やブランドに左右されない価値を考えている僕たちも、ブランドに対して一目置いている牛肉があります。それが神戸ビーフです。

 そんな神戸ビーフは年間5000頭程度の生産しかなく、これは国産牛肉の0.2%足らずの流通量です。また生産農家が年々減少しており、しばらくは大きな生産量の増加は難しい状態です。さらに、育てるのが非常に難しい牛で、神戸ビーフは血統の縛り(法的な)がある唯一のブランド牛です。血統は兵庫県で古来から(平安時代にはそのルーツがあったようです)育てられてきた牛のみを用いる必要があり、つまり交配がごく限られた範囲で行われているため病気や環境の変化に敏感に反応し、体調がそのまま食用牛肉になった時の味や品質に多大なる影響を及ぼします。所謂近親交配なので遺伝的多様性に乏しく動物の種として安定していない状態である、という事です。しかしながらその味はえも知れぬ美味、諸外国にも大変な人気があり、国内の需要はインバウンドがけん引しています。観光が主な消費ですから価格の上昇に歯止めが効かず、現在価格はうなぎのぼりの状態です。輸出も順調に増加しており、近い将来、このままのペースなら国産品であって日本人が手に入れにくい牛肉になる可能性は大です。

 ちなみに一般の黒毛和牛は明治のころに外国の丈夫な品種を掛け合わしてから作った基牛が基本となっており、また全国にかなりの数があるので遺伝的多様性には困らないようで、神戸ビーフを天然もの、と例えるとするとその他の一般黒毛和牛は養殖、のような表現をされる農家さんもいます。僕は年に十数回は色んな牧場の見学に行くのですが、確かに普通の黒毛和牛は筋骨隆々のムキムキな元気そうな奴が多いです。全てそういった牛ばかりではありませんが、現在の国策として品種改良の結果、飼料効率がよい(つまり少ないエサですぐ元気に大きくなる)血統を優先的に飼育する、そのような時代の流れになっています。当社はそういった牛肉を仕入れるのではなく、昔ながらの手間暇かかる育て方で育てた牛を仕入れるようにしています。喜ばしいことにそういった農家さんも少なからずいらっしゃっています。

 いくら日本が優れた農業技術を抱えているとはいえ、急激な品種改良や育成方法は名ばかりだけの「美味しくない黒毛和牛」の増加を起こしています。見た目の美しさやサシ(脂肪交雑こと)ばかりに気を取られ、消費者から支持を得られていない事に気が付いていないかもしれません。実際に僕たちが以前試した試食会で、本当に美味しそうなF1(交雑牛という品種(黒毛和牛の精子×ホルスタインの卵子))スーパーさんなどでは主に国産牛という名前で販売されている)と見るからに美味しくなさそうな黒毛和牛をブラインドテストした結果、12人中11人がF1の牛肉を支持した結果があります。急激に育てる方法はやはりなかなか美味しさまでは伴わないようです。

 勿論、飼料効率は非常に重要な問題です。黒毛和牛を育てるエサはかなりの部分で人間が食するものと被っており、世界の食料にあたえる影響は考えなくてはならない贅沢品です。ですから尚の事なんでも効率優先ではいけないと思うのです。かけがえのない日本の財産であり、誇るべき和牛はどんな姿であるかを時代に合わせて変化させていく必要性があると思います。その為には食料自給率を上げ、うしに与える飼料も本当の意味で生産性の高い、飼料を与える事の出来る環境を整える事も大事です。

 うしを育てるには稲わらも欠かせませんが、実は大半が輸入に頼っています。主に中国産が出回っており、現在日本では使用禁止の農薬を使用して育てている稲もあります。当社の仕入れている神戸ビーフは稲わらは国産、もしくはアメリカ産の稲わらを与えた牛肉しか仕入れていません。見えない事ですし、消費者の方々に届く情報ではありませんが、昔大変お世話になった農家さんが言っていた言葉が耳にずっと残っており、忘れられないので神戸ビーフはこれを貫いています。

 「自分の家族に安心して食べさせられへんもんなんか育てたくない、儂は。」

 以来、ずっとその生産者の方がリーダーを務めるグループで仕入をしています。その方はもうお亡くなりになりましたが、この教えはずっと守っていこうと思っています。

 今日は神戸ビーフについてのお話しでした。どんな食品もそうですが必ず様々なストーリーがあると思います。僕たちは牛肉のそんな価値について少しでもお伝えできればと思っています。

ファンド情報

加古川 うらいの志方和牛ファンド
有限会社うらい
会計期間
2018年8月1日 ~ 2019年1月31日
一口
21,000
償還率
105.38 %
参加人数
111
調達実績
3,000,000
【ご留意事項】
当社が取り扱うファンドには、所定の取扱手数料(別途金融機関へのお振込手数料が必要となる場合があります。)がかかるほか、出資金の元本が割れる等のリスクがあります。
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