国連パレスチナ難民救済事業機関
現在約570万人にもおよぶパレスチナ難民にとって、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動は生命線となっています。彼らが、教育、医療、緊急時の現金・食料支援、暴力などからの保護を含む生きるために必要不可欠なサービスを受けるために、皆さんの寄付が必要です。
貧困や雇用機会の不足によって、多くのパレスチナ難民は食料、住居、保健サービスなどの生活必需品を入手するのにさえ苦労しています。UNRWAは彼らの生活状況を改善するために教育、保健サービス、雇用の機会などを70年以上に及び提供し続けています。UNRWAの活動をサポートするためにセキュリテは寄付サイトを立ち上げました。本サイトで集まった寄付金は手数料を除きUNRWAへ送付させていただきます。パレスチナ難民の尊厳と希望を守るため、ご賛同頂ければ幸いです。
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Spotlight〈国連パレスチナ難民救済機関UNRWAの活動とガザの今/Guest: 清田明宏医師〉
[2021年10月29日] ページをリニューアルしました。
イスラエル建国(1948年)とその後の戦争などで故郷を追われたパレスチナ人とその子孫に医療や教育、食料支援などを行う国際連合の一機関です。2021年時点で、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区やガザ地区、ヨルダン、レバノン、シリアにいる570万人のパレスチナ難民がUNRWAに登録しています。UNRWAは、54万人以上の子どもたちが通う700以上の学校、約280万人が利用する約140のクリニックを運営し、難民の生活を支える約47万件のマイクロファイナンス(少額融資)を提供しています。
教育は全ての子どもたちが夢と可能性を実現させるために必要不可欠です。UNRWAはこれまで70年以上におよび全てのパレスチナ難民の子どもたちが質の高い教育と知識を得られるように活動してきました。またUNRWAは生徒たちの世界に対する理解を深めるための活動もしてきました。彼らが暮らす世界で、権利を獲得し、彼らの抱える問題に対する見方を再構築できるような活動を行ってきました。UNRWAは管轄する5つの地域で主に初等校を運営し、レバノンでの8つの中等校を含め、合計710の学校で約54万人のパレスチナ難民の子どもたちに無償教育を提供しています。さらに計8校の職業訓練校にて約8千人、西岸地区とヨルダンにある2つの教育機関にて約2千人の生徒に対して職業訓練と高等教育を提供しています。
保健サービスはパレスチナ難民にとって大変重要です。UNRWAは予防と対処を含む包括的な基礎的保健サービスをパレスチナ難民に提供しており、さらに高度な治療を要する場合は他の医療機関に照会をする支援をしています。
新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、UNRWAはパレスチナ難民の苦難に迅速に対処し、この危機的状況下で誰一人取り残されないようするため、コロナウィルス対策援助を要請しました。この要請により集まった資金でUNRWAはパレスチナ難民に医療支援および心理的支援を提供することができました。さらにガザとエルサレムで起きた衝突により多くのパレスチナ難民がUNRWAの学校に避難しました。その結果パレスチナ難民は、コロナウィルス感染、ワクチン不足、空爆による被害に苦しめられています。UNRWAは彼らの脆弱なコミュニティに対する復興支援の緊急要請も行いました。
45人の子どもたちが1か月間保健サービスを受けることができます。
1家族が1か月間食料支援を受け取ることができます。
1人の子どもが1か月間教育を受けることができます。
1家族が1か月間緊急時用避難所で暮らすことができます。
40人の子どもたちが1か月間カウンセリングと心理社会的支援を受けることができます。
年齢について尋ねると、マーヘルさんは昔を思い出しながら話しはじめました。「1948年に私達が故郷を追われたとき、兄が私を肩に乗せて運んでくれたのだと母に聞きました。」
マーヘルさんはガザ地区にあるヌセイラット難民キャンプに住んでいます。彼女の家族はUNRWAの食料支援を受けており、彼女の話からは70年以上に渡るパレスチナ難民の苦悩についてうかがい知ることができました。
「何を話したら良いのかしら。私達が手に入れられなかった幸福というものについて話すべき?私はキャンプで育ち、結婚して、子どもたちを育てました。今、その思い出こそが私を生かしてくれています。UNRWAから支給される食料以外には食べるものがない時もありました。食料支援があったからどうにか乗り越えてこれました。」
マーヘルさんとその家族は今でもUNRWAの食料支援に頼っています。
「子どもたちの将来について不安が消えたことはありません。でもUNRWAがいつも助けてくれました。どんな時もUNRWAが私達とともにいてくれました。そのおかげで私の子どもたちは全員教育を受けてよりよい暮らしを送っています。」
マーヘルさんは字の読み方を学んだことがありません。彼女は全ての娘たちと孫娘たちに教育を受けさせると決めています。「6人兄弟の中で私だけが女の子でした。昔は女の子が学校に行くことはほとんどありませんでした。兄弟が夜中にガスライトの薄暗がりの中で勉強するのを、私はただ見ているだけでした。彼らは全員教育を受けて良い生活を送っています。」
「そんな状況が変化して私はとても嬉しいです。私は全ての娘たちを学校に行かせました。私の兄弟も、子どもたちも、孫たちも、全員UNRWAの学校で学びました。多くのパレスチナ難民が同じ経験をしていて、私はその中の一人に過ぎません。」
彼女は続けました。「難民として生きることは簡単ではありません。私達には支援が必要です。いつでも食料が手に入るとわかっていることで、私達は明るい未来を信じることができるのです。」
教育こそが私の未来を決める全てです。教育を受けることなしに目標を達成することは決してできなかったと思います。だからこそ、私は困難な状況にも耐え続けていきます。
UNRWAオフィシャルサイト(英語):EDUCATION IS MY FUTURE
20歳のガーダ・ザキ・クレイエムさんが新しい現場に入ってきた時、愕然としました。彼女はドリルと工具箱を持って堂々と歩いてきてソーラーパネルの設置作業を始めたのです。ガーダさんとその同僚たちはドイツ政府の支援を受けて運営されているガザ訓練校にて、太陽光発電システムの設置・操作・整備・プログラミングの職業訓練を受けた卒業生です。彼女たちは再生可能エネルギーというニッチな分野で訓練を受けただけでなく、世界的に見ても男性の多い分野で性別の垣根を取り払うという意味でも、先進的だと言えます。経験を積むことで、ガーダさんは起業家として次のステップについても明確なビジョンを持つようになりました。「自分のビジネスをどのように運営していくかについて学び始めました。代替電源についても学び続けて、最終的には自分のビジネスを立ち上げてクリーンエネルギーの大使になることが目標です!」
UNRWAオフィシャルサイト(英語):SOLAR POWER & EMPOWERMENT: GAZA’S FIRST WOMEN TECHNICIANS IN RENEWABLE ENERGY TAKE THE FIELD BY STORM
難民生活が70年以上におよぶパレスチナ難民、その生活、教育、医療を支えてきたUNRWA。
パレスチナ難民の生活が未曽有の危機にさらされています。ガザではまた戦争があり、レバノンでは経済崩壊の危機に直面しています。新型コロナウイルスのワクチン接種率も1割程度です。
彼らの生活を守るUNRWAの活動の重要性が増しています。難民の子供達が学校に行けるように、病気の患者さんが診療を受けられるよう、皆様のご協力をお願いします
【集英社新書プラス】連載◇ガザの声を聴け!