歌津小太郎こぶ巻ファンド ファンドニュース
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被災地からのレポート2016年3月22日 10:21
2015年10‐12月報告~明日の歌津につなげる夢工房・第二工場オープンしました!~
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”歌津小太郎 こぶ巻ファンド”の(有)橋本水産食品の千葉孝浩です。大変にご無沙汰をしておりました。
我々の出資者の皆様と、そしてこちらミュージックセキュリティーズさんのサイトを通じて東北の復興を見守って下さっている皆様に私たちの近況をご報告させていただきます。
おかげさまで”歌津小太郎 こぶ巻ファンド”は2015年9月下旬にファンド募集額の満額を達成することが出来ました。改めて多くの皆様からご支援を頂いたことに感謝致します。
そのファンド資金がどのように使われたか――2013年4月オープンの第一工場の建設に活用させて頂くとともに、2015年12月中旬に全面オープンとなりました第二工場の建設に使わせて頂きました。第二工場に併設した直営店舗のオープンイベントには沢山のお客様にお越しいただき門出の言葉を頂きました。本当に多くの皆さんの応援があってここまで来られましたが、各方面の皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいと思いながらも、その第二工場のオープンまでの間、様々な準備作業に追われておりました。それゆえ2015年の秋以降、情報発信のほうが滞ってしまいましたことを反省しつつ、久しぶりに長文の報告をさせていただきます。
2015年12月13日、歌津小太郎第二工場併設店舗お披露目イベント当日の一コマです。
いつもの長文報告の中では<あとがき>の中で時折触れていました『事業の進捗度合いを登山に例えると…』ですが、今回は<まえがき>先にご報告します。
<まえがき: 登山に例えると…> 前回は、2015年4月23日の記事『復活2年目~2月・3月の報告:第二工場着工・ホームページリニューアル』の<あとがき>の中で次のように表現していました。
https://www.securite.jp/news/oen?a=2766
2015年4月の時点までを、『6合目からなだらかに長く続く7合目を目指して歩み続けてきたといったところ』、そして、それに続いて、 『この秋にオープンの第二工場が完成すると一気に状況が変わります。登山に例えるならば、7合目の先には斜面60度の難関が待っているというイメージでしょうか。第一工場の倍の生産量に増やすことが出来るのですが、一方ではそれを支える製造スタッフを増員しなければなりません。秋からのボトルネックが『製造スタッフ』となることが明確なので、その準備を今からしております』と。
あれから約1年が経過した今、2016年3月の時点の実感としましてはここまでの1年の経過を振り返ると、 ◎9月頃にようやく7合目に到着: 2015年の新さんまのシーズンを迎えて前年よりもさらに多くの皆様に新さんまの昆布巻をお届けすることが出来ました。 ◎続いて12月下旬に8合目に到着: 10月から12月初旬にかけて、第二工場の完成と新施設稼働に向けた準備、その間に新スタッフのトレーニング、そしてむかえた12月11日の第二工場の全面オープン、12月中旬に出荷ピークを迎えるお歳暮ギフトの取り扱いと、怒涛のような業務量をこなしました。 4月の時点で、『斜面60度の難関』と例えて心の準備はしていたものの、予想を上回る状況でした。
もちろん小太郎社長や専務の私だけでなく、全部で17名となった歌津側のスタッフ全員が一丸となってこの嵐のような3カ月間をくぐり抜けました。仙台/藤崎デパートの直営店舗スタッフ5名も一人で二人分の仕事量をこなし対応してくれました。
と、ここまで“大変だ~!大忙し!”といったような多忙な様子ばかりをザックリとご報告させて頂きましたが、後から数字で振り返りますと当然ながら忙しさと比例して売上のほうも2015年12月の単月の比較ではありますが、震災前ピーク時の数値とほぼ同等の売上実績を達成することが出来ました。(年ベースでは依然として震災前の6割にとどまりますので、すごい成績でした!) これも応援して下さった皆さんのおかけで、歌津小太郎が大きなステップアップを図れた成果でございます。被災地応援ファンドを通じて長く応援を続けて下さる皆様に感謝致します。
さて、長い<まえがき>はここまでで、順を追って10月からの出来事をご報告させて頂きます。
●2015年10月のご報告: 2012年6月から募集をさせて頂いたこちらの被災地応援ファンドでの出資者の募集ですが、2015年9月下旬に800名を超える出資者様のお力を借りましてようやく満額となりました。ちょうど、出資者特典としてご用意していたトロさんまの昆布巻のシーズンとも重なりまして、10月初旬のうちに全ての出資者の皆様に特典を発送することが出来まして、一区切りをつけることが出来ました。
丁寧に丁寧に包装作業をしております!
その出資金・応援金を活用しまして建設することとなった第二工場のほうは、この頃、工事の最終段階を迎えていました。9月上旬の時点で足場を取り払い、歌津小太郎の看板を取り付け、目の前の国道45号線を通る皆さんにその姿をお見せすることが出来るようになりました。
看板取り付け時の写真。左手奥(車の影)にちょっとだけ見えるのが南三陸直売所『みなさん館』、写真には写っていませんが写真より右手の位置に歌津小太郎第一工場という並びになります。
生産規模が増えること、そして直営店舗も設けることとなりますので、以前から懸案でしたスタッフの増員も行いまして、9月には4名の方が新しく歌津小太郎の仲間となりました。この時点で総勢、22名。震災の前よりも人数的には多くなりました。
10月下旬には新スタッフの歓迎会を兼ねて親睦会を開催しました。ご覧のように歌津小太郎は漁師町の女性達に支えられています。
また、10月限定で発売しましたセキュリテセットの『トロさんま昆布巻』のほうは前年の『新さんま昆布巻』に比べ、1.5倍のご注文を頂くことが出来ました。『トロさんま』が通常のサンマとどう違うかと申しますと、水揚げ時点から冷凍処理を一切してないサンマのみを使用して提案した商品です。これまで数量が少ないのであえて『トロさんま』だと強調することなく提供してきたのですが、やはりキチンと商品の特徴を説明することが大変に重要なのだと感じました。特に水産物は工業製品と違い、シーズン毎に脂ののりとかが違ってくるわけですが、そういったきめ細やかな違いを正しくお伝えしつつ、良い原料が入ったときにはその特徴を正しくお伝えすることが我々のような小さな水産加工食品会社の一つのブランド化の手法であると実感しました。
●2015年11月のご報告: 11月上旬、毎年恒例となりました神奈川県座間市(11月1日)・埼玉県蓮田市(11月3日)でのイベントに参加しました。
11月1日、座間市ふるさと祭りでの販売(ここでの販売スタッフさんは普段は建設業の皆さんなのです)
震災前に比べ、諸般の事情でなかなか歌津の地を離れることができず、歌津小太郎として首都圏の催事イベントに出店することが少なくなったのですが、4月・8月そしてこの11月のイベントは2012年4月から欠かさず出店させて頂いております。やっぱり自分自身で直接、お客様に販売するのが楽しいですし、座間市も蓮田市も震災後のボランティアがきっかけで知り合ったかけがえのない友人であり応援者でもある多くの皆さんに会えるのが嬉しいのです。
今回もホタテ焼きと沢山の歌津小太郎自慢の商品をお持ちしました。恒例の『完売御礼!』集合写真に多くの仲間が参加してくれること、毎年、この写真のコレクションが増えていくことで、一歩ずつ前進出来ていることを実感します。
11月3日、蓮田市”雅楽谷(ウタヤ)の森のフェスティバル”『完売御礼!』
11月中旬に入りますと、再びお歳暮商戦の時期を迎えます。その時期と、第二工場内直営店舗の開店準備が大詰めを迎えて来るため、本当に慌ただしい毎日でした。
●2015年12月のご報告: 12月11日(金)、第二工場に併設します直営店舗がいよいよオープンの運びとなりました。そして13日(日)にはオープニングイベントを開催!
こちらの様子は写真のほうでご紹介します。
歌津小太郎第二工場併設の直営店舗です。12月11日の開店当日は朝から嵐の一日でした。
販売コーナーの一角には「田んぼも畑もいらぬ わが家には 大磯の北西(なれ)に 宝があり」、歌津津小太郎の千葉家で先祖代々伝わる言葉を掲げています。
出来たての商品の全ラインナップが並びます。
他にも沢山の写真がありますが、本文の後半でご紹介します。
これまで歌津のほうではお隣の『みなさん館』で限られた商品数・量を販売していただけでしたが、このたびの直営店舗のオープンにより、歌津小太郎の全商品と四季折々の歌津で水揚げされる海産物を販売できることになりました。震災前にはこのような店舗の運営など全く想像していなかっただけに、大きな飛躍となりました。地元の漁師さん達の期待も大きいですし、彼らの後押しもあって大変に励みになります!
看板商品が『昆布巻』という歌津小太郎ではお歳暮商戦とお正月料理向けで12月が最も売上の多い月となります。皆様の応援により2015年12月は前年度よりもさらに活気に満ちた年末となりました。仙台地下鉄東西線が開通してよりいっそう便利となった仙台/藤崎デパートの店舗では12月31日17時の仕事納めまでお客様が途切れることなく続きました。
<あとがき>
2015年を振り返りますと本当にあっという間に過ぎ去った感があります。 父・千葉小太郎が母のあさ子とともに個人事業として海藻類の加工品を中心に商売を始めたのが1975年(昭和50年)。それからちょうど40年の節目の年であったのですが、多くの人々の支援を受けて第二工場の建設にまでこぎつけることが出来、大きく飛躍した年となりました。
2013年4月に歌津小太郎第一工場で再スタートした頃は、まだ震災・津波の影響で小さな町の小さな漁港の復興のほうは追いついておらず、地元の海の資源を水揚げしても処理できずにと、とにもかくにも、工場だけあっても原材料が追いつかないという状況が一年以上続きました。2014年の後半になりますと、依然として南三陸町の中でも超小規模な歌津/馬場中山地区の漁港の整備は遅れていましたが、なんとか周辺地域の設備で補完するような状況で、2014年末のお歳暮商戦の需要などを賄うことが出来ました。
そして迎えた2015年の年末商戦でしたが、毎日何かしらのトラブルは抱えながらも、震災前の規模よりも増員となったスタッフ達に支えられ、予想以上の好成績をおさめることが出来ました。
地域の海の恵みを生かした水産加工業という生業(なりわい)で、この南三陸町・歌津の地で50年先も100年先も生きていく――震災前は100年先のことなんて考えたこともなかったですが、今ならば自信を持ってこの大きな目標に向けて迷いなく進んでいけます。震災直後の絶望の状況から、こうした自信と地域に対する誇りを取り戻す後押しをして下さった日本中の多くの皆様に感謝します。
南三陸/歌津では今がわかめ漁の最盛期で、小さな港も活気づいています。我々の自信作、2016年産わかめ・海藻類を使ったうまいものをこの春も沢山お届けしますのでご期待下さい!
次のご報告、2016年1-3月期のご報告はタイムラグのないように早目にご報告したいと思います。引き続き、私たちの復興を見守って頂けますようよろしくお願いします。
記事担当: 千葉孝浩
<写真特集: 12月11日・13日の歌津小太郎第二工場直営店舗オープンの様子>
12月13日、オープンイベント前の様子です。
お祝いのお花を沢山頂きました。ありがとうございます。
オープンイベントの目玉は活アワビや活ホタテ・牡蠣の販売!!
スタッフの皆さんに段取りを説明している私(千葉)です。
目玉商品の活きアワビ目当てに多くの皆さんの行列が出来ました。
歌津小太郎でこれまで扱っていなかった生鮮品(活アワビ・活ホタテ)はコチラの漁師さん達の支えで販売にこぎつけました!
活ホタテです。活アワビの方は写真を撮る隙もなく完売となりました。
工場併設の直営店舗ですので歌津小太郎の全商品ラインナップが並びます。
店舗内部の全景はこんなかんじです。
いつもの販売スタイル、バンダナ帽に歌津小太郎のハッピ姿です。
(写真協力: 馬場中山カオル商店)
■歌津小太郎/歌津直営店舗までのアクセス お車でお越しの場合: 三陸自動車道、登米東和ICより国道398号線で南三陸町に入り、南三陸町志津川で国道45号線に乗り換え気仙沼方面を目指してお越しください。ローソン歌津店が目印です。(カーナビの場合は「平成の森」を入力すると施設の入り口付近に歌津小太郎があります)
※登米東和ICより約40分
※仙台市内より約2時間30分
旅行などで宮城県にいらっしゃる際にはぜひ南三陸町の歌津小太郎にもお立ち寄りください!
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