百年の森を育てる - ニュース -
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西粟倉紹介2010年12月3日 00:00
よい人工林と悪い人工林の見分け方 西粟倉訪問記2
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原生林の後は、人工林の見学です。
皆さんは、車の中や電車の中で時折見かける山を、じっくり見られますか。
お恥ずかしい話、ぼくは「あぁ、緑だなぁ、いいなぁ」とボケーッと見るだけで、その山が自然林なのか、人工林なのか、きちんと人の手が入っているのか、放置されているのか、そんなことは、まったく気にかけていませんでした。
でも、知識とは本当に面白いものですね。ぼくは本当にちょっとかじっただけ(というより、現物を目の前にして「こっちが手入れをされているところ」「あっちが手入れをされていないところ」と教えてもらっただけ)ですが、上記のことくらいはすぐに見分けることができるようになったと思いますし、もっともっと、いろいろなことを知りたいと思うようになりました。
では、ぼくが学んだ人工林の見分け方を、ご紹介します!
まずは、写真をご覧ください。
a.
b.
皆さんは、aとbのどちらが、きちんと手入れのされている人工林かお分かりになりますか?そうです、木と木の間隔が適度に空いて、光が差し込むよう整備をされているのaが、きちんと手入れをされている人工林です。逆にbは、木と気の間隔は狭く、光が入らないの様子がお分かりになられるかと思います。
aを管理されている方は、今は西粟倉村には住んでいらっしゃらないそうですが、今でもきちんと手入れをされ、100年以上の人工林を作られてきたそうです。
このように手入れをされた人工林では、土壌が豊かになり、洪水などを予防する働きをするほか、木の成長が進むため、二酸化炭素を吸収し酸素を吐き出すという光合成も盛んに行われるようになるため、環境問題の解決にも貢献します。
さらに言えば、このように森に手入れが入るということは、手入れをする人が必要となりますので、雇用が生まれることになります。実際、西粟倉では、100年の森構想が実行されるようになって、3年間のうちに、約60人の雇用が生まれています。60人と聞くと小さいなと思われるかもしれませんが、人口1,600人の村ですので、村の経済に及ぼす影響の大きさが感じていただけるかもしれません。
というわけで、人工林の見分け方はお分かりいただけましたでしょうか。
見分け方という特別な方法があるというよりも、少しだけ注意をもって見るかどうか、
というのがポイントですね。