歌津小太郎こぶ巻ファンド ファンドニュース 2015年07月
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被災地からのレポート2015年7月3日 13:10
バナナはないけど『ばなな漁港』
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唐突ですが『ばなな漁港』と検索してみて下さい。
馬場中山カオル商店HP20150617
”歌津小太郎 こぶ巻ファンド”の有限会社橋本水産食品の千葉孝浩です。
今回もときおり頂く質問のなかからちょっと面白い情報をお伝えします。
歌津小太郎の創業の地である南三陸町(旧・歌津町)にはリアス式海岸の入り組んだ地形の合わせて小さな漁港が沢山あります。なかでも直線距離で2kmくらいに隣接する馬場地区と中山地区、それに名足(なたり)地区、この3つの地域のそれぞれの小さな漁港を総称して『ばなな漁港』と呼ばれているのです。
実際のところ、私たち地域のものにとっては、3つの漁港をまとめて総称するという必要性はあまりなく、馬場漁港は馬場漁港であり、中山漁港は中山漁港とそれぞれ呼び分けています。しかし、行政側からみるとこの3つの改修工事などを行う際に、3件それぞれプロジェクトを構築するよりも、距離の近いこの3漁港を同時進行で改修工事を行ったほうが効率的といった理由だと思いますが、行政側のほうで震災よりももっと前からこの3漁港を総称して示すために『ばなな漁港』と名付けて下さいました。
冒頭の写真は、そのばなな漁港の目の前の湾内に設置する防波堤のブロックでして、一つ一つに“ばなな離岸”と刻印がされています。果物のバナナが語源ではないので、“ばなな”とひらがなで表記するのが正しい表記とされているようです。港の見学にいらした方が、この“ばなな”という表記を見て、『なんですかソレ?』と思うことも多々あるようです。また、県の港の復興計画の中からは馬場漁港や中山漁港が復興計画のプロジェクト件名から外れてしまっているので、『小さな漁港だから見捨てられたのではないか?』と心配して下さって問い合わせがきたりしたこともありました。
そこで今回はこの『ばなな漁港』をキーワードに私たちの町の港の復興の様子や風景をご紹介したいと思います。
歌津小太郎の工場は、そのうちの馬場漁港のお隣に海に面して建てられていました。
震災直後の旧・歌津小太郎工場敷地
小太郎社長が海水汲みを行っているのが中山漁港です
昨年2014年8月の写真となりますが、中山漁港でのホタテの水揚げの様子です。
2015年1月9日撮影。ばなな漁港の沖合より。海からすぐに標高400m級の山々が連なっていることが判るかと思います。
ここからは、現在のこの3つの漁港の様子をご覧いただきます。
“ばなな”の“ば”:馬場漁港です。(地図でいうと一番南)
2015年7月2日 小太郎社長撮影
“ばなな”の真ん中の“な”:中山漁港です。
2015年7月2日 小太郎社長撮影
“ばなな”の最後の“な”: 名足漁港です。
2015年7月2日 小太郎社長撮影
唐突にお伝えしたように『ばなな漁港』で検索すると、まずは釣り人向けの情報、次いで行政の漁港整備の情報、さらにブログなどでこの“ばなな漁港”を取り上げて下さった方の情報がヒットします。地域にいる私自身は普段はあえて検索することなどないので、第三者から見た私たちの地域の情報を知る機会となりました。
現在、『ばなな漁港』は高さ8メートルの防潮堤建設の計画のもと、周辺の用地確保のための整備が進められていて、海が目の前に広がるいつも見慣れていた風景が、近い将来にはコンクリートの壁に覆われたような港に大きく変わってしまします。未だに地元でも賛否が両論の中、着々と復興事業は進められています。
安心して暮らすための担保は防潮堤がしっかりと守ってくれることになりますが、生業を育んできた海への影響は今後少なからず出てくることも私たちは覚悟しておかなければなりません。
震災から4年3ヶ月が経過して被災地の復興も少しずつ目に見えて変化してきましたが、ここに住み続けるための葛藤は今も抱える切実な課題です。そんな中でも漁師は今日の稼ぎに海に出ます…
「みんな本当に頑張っています!!」
2015年6月25日撮影。「ウニの開口」の様子
記事担当: 千葉孝浩
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