【第6回】食の安全を願う生産者ファンド2016~生産者紹介連載~

2017年1月16日
食の安全を願う生産者ファンド2016

お世話になっております。

現在募集中の【食の安全を願う生産者ファンド2016】をより身近に感じていただくために、素晴らしい商品を作っている生産者の方々を知っていただく連載を行っております。
 第6回目の今回は引き続き青森県中泊町にて長年に亘り自然農法にこだわった米づくりを行ってきた「瑞宝」の三上新一さんの自然農法との歩みをお伝え致します。
 

わずか5アールからの挑戦


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瑞宝 三上新一さん

 私はもともと小さい農家の長男でしたから、中学生の頃から当たり前のように農業を手伝っていました。中学を卒業した昭和 37 年に就農したのですが、当時は作業効率が第一で、いまでは使用禁止の強い農薬を使っていました。もともと蓄膿症だった私は農薬を撒くたびに具合が悪くなり、3日も寝込んで苦しい思いをしたものです。このまま農業を続けていけるかと自信がなくなり、悩んでいたときに、自然農法に取り組み始めました。
 とにかく化学薬品や農薬を撒かなければ自然農法だと、翌年にわずか5アールから試みましたが、技術も知識も機械も経験もなく、鍬と手作業で非常に苦労しました。当時は農薬を使わない農業など考えられず、初めの数年は雑草が生い茂り、収量も極端に少なく、周囲の目も冷ややかでした。何回も諦めようかと思いましたが、自分の体のことを考えると、やめるわけにもいきません。
 昭和 44 年に結婚した妻の百合子の実家も農家でしたから、仕事に理解があり、二人三脚で自然農法に取り組みました。しかし、当時のことを「いまのように除草機がなく、草はすべて手取り作業。結婚したときからほんとにたいへんで、私も若かったし、ついていけないと思うこともありました」と妻が言うくらい、苦労をかけたと思います。
 

土作り、苗作り、除草が重要


 昭和 57 年、この地域の区画整理が始まった頃から収量が安定し始め、自然農法の栽培面積を大きくしました。除草機を改造したり、堆肥作りに工夫を凝らしたりして、試行錯誤を繰り返すうち、少しずつ技術が向上し、昭和 60 年には 10 アール当たり480kgの収量を得るまでになりました。
 やっと軌道に乗り始めたかと思いましたが、翌年に妻が体調を崩しました。また、近隣の農家の子どもがアトピーで苦しむ姿を目の当たりにして、身体を作る農作物が身体を蝕んでいくことに疑問を持ち、稲わらと籾殻による土作りから本格的に自然農法に取り組みました。平成2年以降は、水稲の全面積で自然農法を実践しています。
 自然農法の大事なポイントは、土作り、苗作り、除草の3点です。なかでも土作りは重要です。土を畑のような状態にして、土壌の力を最大限に引き出します。有機農業と慣行農業の違いは、心をかけて作ったか、農薬と肥料で作ったかです。土を第一に、食べる人の安全を考えて作るのが自然農法です。消費者は安全なものを求めています。消費者が求めれば、生産者はいくらでも作ります。自然農法は手間もコストもかかりますが、それを理解してくださる消費者はありがたい存在です。
 

有機農業者の生活保障が必須


 農林水産省は有機農業の生産面積を1%まで増やしたい意向ですが、農業全体のわずか0・4%に過ぎません。これからは農業をまるで知らない都会の人が、斬新な発想で自然農法に取り組むべきだと思います。慣行農法に慣れている人たちは、農薬や化学肥料なしでは農業をやっていけないと思い込んでいます。
 土日は休み、しっかりとした社会保険で、老後の安定をきちんと保障するのが日本社会です。有機農業に携わる人に、サラリーマンよりむしろ豊かな生活を保障することで、新しい作り手を育てていかなければなりません。そういう形態でないと、やる人はいなくなります。逆に言うと、生活さえ安定すれば、若い人も農業に集まるはずです。なぜなら、農業は楽しいからです。
 研究を重ねながら手間をかけて取り組んできて楽しかったと感じています。妻は、「草取りはたいへんでしたが、がんばってきたから、いまがあります。元気で仕事ができることを感謝しています」と言ってくれます。好きで始めた道ですし、自然農法の先頭に立ってやっていきたいという想いがありましたから、苦労に思わないのです。


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瑞宝 三上新一さん、奥様の百合子さん・お嬢様の裕恵さんと一緒に。


2回に亘ってご紹介させていただいた「瑞宝」の三上新一さんのお話はいかがでしたでしょうか。次回の連載第7回目は福岡県久留米市で無農薬・有機栽培によってにんにくを栽培・生産するたなかふぁーむを運営されている田中秀樹さんをご紹介致します。
 

現在募集中のファンド


【食の安全を願う生産者ファンド2016】
https://www.securite.jp/fund/detail/2673
 

ファンド情報

食の安全を願う生産者ファンド2016
ふるさと21株式会社
会計期間
2017年5月1日 ~ 2022年5月1日
一口
55,000
償還率
運用終了
参加人数
245
調達実績
14,500,000
【ご留意事項】
当社が取り扱うファンドには、所定の取扱手数料(別途金融機関へのお振込手数料が必要となる場合があります。)がかかるほか、出資金の元本が割れる等のリスクがあります。
取扱手数料及びリスクはファンドによって異なりますので、詳細は各ファンドの匿名組合契約説明書をご確認ください。
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