ミャンマーとことばとミャンマーのひとびと

2019年5月4日
LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1

ミャンマーからこんにちは、MJIの加藤です。

いつも応援とご支援をいただき、誠にありがとうございます。


日本は年号が平成から令和に変わり、長いゴールデンウィークも終盤ですね。

ミャンマーには年号というものはないそうですが、ミャンマー歴というものがあります。

お客さまが申込用紙にミャンマー歴でお誕生日を記入・提出され、若いミャンマースタッフがにうーんと唸りながら電卓をたたいて西暦になおす姿が見られます。

本日は「ことば」にまつわるミャンマーで出会ったひとびととのエピソードをご紹介させていただきます。


ミャンマーでは、ビルマ語が公用語として使われています。

こんにちはは、ミンガラーバー。

お腹減ったは、バイサーデー。

いいねは、カウンデー。

MJIは、支店ではビルマ語を、本店では英語並びにビルマ語でコミュニケーションをとっています。

ビルマ文字は例えるなら、目の検査の記号みたいな、

近隣国の文字とも少し違う、まるまるとして可愛らしい姿です。

 

以前は、最大経済都市圏であるヤンゴンでも

バスの表示、車のナンバープレート、レストランの伝票もビルマ文字で数字が書かれていました。

レストランは、今でもビルマ文字と数字がちらほら。

外国人が地元に入って仕事や生活するには、ビルマ数字の解読が必須でした。

逆に、現地の人々からするとそれほどローマ数字に無縁な生活であるとも言えます。

 

ここにひとつ失敗談が。。

MJIでは、特に数字を扱う役職・職種は入社時に試験があります。

試験は全てビルマ文字&数字で作成していました。

ある日支店から連絡があり、先日採用した支店スタッフがローマ数字が書けない。読めない。どうしましょう?と。

そう、ローマ数字の読み書きまで試験に入れていなかったのです。

相談の結果、支店長を中心に教えようということに。覚えの早いスタッフで助かりました。周りの熱心な指導にも感謝です。

試験を担当していたヤンゴン出身スタッフもこれには驚いていたので珍しい例かもしれません。

スタッフとの間では、言葉や数字のことで驚くような出来事は少ないです。

ミャンマーは識字率が高いことが世界から注目をされているひとつの理由だと、事業開始当時に聞きましたが、その点、なるほどその通りです。

 

しかし、この理解に???が灯る忘れられないお客さまのエピソードがあります。

事業開始して間もなくの頃でした。

ある村で初めての融資を前に、一軒家を借りた支店の中は、融資を受けるために集まった村の女性でいっぱい。

スタッフは担当するグループをひとつひとつ回って手続で大忙し。

その中で気になる姿が。

 

あるスタッフが二人羽織のような状態で、ひとりの女性の後ろから右手で相手の右手を握っています。

女性の手にはボールペン。その下には紙。

右手を2人一緒に動かしながら、お互い何かを言いながら、楽しそうにしています。

初めて見るその光景を不思議に思い、支店長に尋ねました。

 

「あの女性は中学校を卒業していなくて、自分の名前が書けないんです。だから、ああしてスタッフが名前の書き方とサインを教えています。」

 

あれ?識字率は?

 

「彼女だけでなく、こういう事は時々あります。サインだけぐちゃぐちゃっと書くことを覚えていたり、名前の綴りを間違って覚えていたり。」

 

あれ??識字率って書く方は入ってないんだったっけ?読む方だけ?

 

「契約書はあっても読めない人、読んでも内容が理解できない人もいます。なので、ひとりひとりにきちんと言葉でも説明することが大切です。」

と、支店長は続けました。

 

その日の手続を終える頃、女性は大きな声で笑いながら、

「これで明日の貸出会は大丈夫!私、お金借りられるのよ!自分の名前をかけるようにもなったのよ!とっても嬉しい日になったわ!」手を振って帰って行きました。

担当していたスタッフは店長同様、何か特別な事をした風でもなく、いつもの笑顔で見送っていました。

 

恥ずかしながら、

わたしの識字率に関するお客さまへの理解はただの思い込み、間違いだったようです。

データも重要ですが、目の前で起きていることは事実です。

 

・文字や情報の実際の理解度

・アクセスのある情報の種類、内容

・必要とされている情報の種類、内容

・情報アクセスへの障壁

 

この反省から少しずつお客さまやスタッフへの聞き取りを重ね、あるものが生まれました。

 

Social Magazine Mango!

農村に住むマイクロファイナンス利用者を対象とした情報発信ツールです。

「金融知識」「ビジネス」「教育」「健康」など、

実際に必要とされている情報を現地目線でわかりやすい言葉で伝えることを目的とした活動です。

この活動を、同じくミャンマーで金融包摂に取り組む日系企業さまと共同で実施しています。

 

村ではまだまだ、スマホで読書!ネットサーフィン!という状況ではありませんので、

少しトレンドと逆行するようですが、現在は紙印刷でお届けしています。

 

お客さまの間では、家族で回し読んだり、自身の店先に置いたりと、みんな工夫して受け取った情報を活用してくださっています。

 

こうした文字に触れる機会が増えることで、

お客さまの中にある「文字や文章への苦手意識」が薄くなっていってほしい。

そして情報を得られるようになって、選択できる強みや楽しみを知ってほしい。

そう思っています。

 

一朝一夕に数字で結果を出すことは難しい課題かもしれません。

または、こんな小さな取り組みなぞどこ吹く風。デジタル化というものが、一気に村にまで届いてこの課題を解決してくれるのかもしれません。

 

そうであったとしても、あの日わたしがスタッフとお客様から学んだ精神を持ち続けることが大切に思います。

データの上に事実を乗せて、現実に向き合うこと。

その形が、今は、このMango!であり、MJIの村に入っていく営業スタイルです。

 

本日は、ことばにまつわる現地でのお話でした。

 

最後までお付き合いをいただきありがとうございました。

また、応援とご支援をいただき、誠にありがとうございます。

引続き宜しくお願い申し上げます。

 

<イベント開催のお知らせ>

下記の通り来月5月18日東京にて「LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1」の説明会&交流会を開催いたします。

普段はこの不器用な文章でしかお伝え出来ないミャンマーやマイクロファイナンスやMJIについて、

みなさまに直接お顔を拝してお話しできる機会をいただけますこと、とても嬉しく思っております。

沢山のみなさまにお会いしご意見賜れますこと楽しみにしております。

長いゴールデンウィーク明け、ご多用の折と存じますが、万障お繰り合わせの上、御参加いただけますと幸いです。

 

MJI ENTERPRISE Co.,Ltd.

加藤侑子&スタッフ一同


ファンド情報

LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1
ワラム株式会社
会計期間
2019年8月23日 ~ 2025年8月22日
一口
31,500
償還率
運用中
参加人数
461
調達実績
40,680,000

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