原田邸の「今」と「コンセプト」
2017年4月22日
古民家のお菓子工房ファンド
皆さん、こんにちは。
有限会社くまの辻です。
現在、原田邸は、今年の8月位の本オープンを目指して頑張っています。
そこで、今日は皆さんに原田邸の現状とコンセプトをお話できればと思います。
--------------
原田邸は現在、整備、修繕、改修に当たっています。
地域の宝、この原田邸のコンセプトは、「水と緑」です。
ものづくりの場として、地域コミュニティの場として、「水と緑」で屋敷全体を整えています。
軒下や長屋門、縁側は内と外、個と公が重なる場であり、
人と自然が仲良くなれる場です。散歩の人やご近所の井戸端会議の場、
ご近所の畑から季節の恵みが届く場でもあります。
緑陰のごとく軒下や長屋門には、寄り添いたくなる豊かさがあります。
原田邸は、私が12年かけてやっていた「朝ぶら」という番組で
出逢って感じた豊かさをもとに、庭師の福田さんたち職人さんと
軒下、長屋門、縁側、敷地を「水と緑」で整えています。
建物は、内と外を目線や動線で繋ぐよう、窓や設備の配置を考えました。
常に、現場に立った感覚で足したり引いたりしたので、
大工、電気、水道、左官、建具等の職人さんには、手を煩わしました。
通常、庭の仕事は、全ての職人が引き揚げた後であり、
予算的にも最後になりがちですが、予算を確保し、
最初から庭師の福田さんには、現場に入ってもらいました。
いつの間にか、日本庭園だった庭は、皐月や燈籠を活かしたデッキになっていました。
内と外がさらに大きな面で繋がりました。この福田さんのデッキがきっかけとなり、
私の中でオーブンキッチン(キッチンの棟:新築)のアイディアとなりました。
デッキがオーブンキッチンと母屋の部屋、庭を繋げ、「水と緑」に包まれた食の宴を夢見させてくれます。
さらに、酒津の原田邸では、すごい宝が出てきました。
地下9メートル掘った所から高梁川の伏流水が出てきました。
26項目の厳しい検査に出すと、全て適合。天然水として飲んでも、
食品に使ってもよいという結果でした。これまた、夢が広がります。
庭には、この伏流水をかけ流し状態にしたビオトープが完成し、
先日、酒津ホタルの会の仲間が、ホタルやカワニナを放流してくれました。
5月下旬には、原田邸の庭にホタルが飛び交うでしょう。
また、一番の宝は、福田さんがビオトープに和製マングローブとも呼ばれる、
汚れた水を浄化してくれる立柳の原木、丸太を入れてくれたことです。
先日、高梁川の河川敷で国交省が伐採した立柳をもらってきてくれたのです。
植物の葉が大気中の二酸化炭素を酸素に変えてくれることは、
皆よく知っていますが、この木が水中で水を浄化してくれていることは
あまり知らないのではないでしょうか。私も7年前、酒津の水辺のカフェを
オーブンする際、庭師の福田さんに教えてもらうまで知りませんでした。
この原田邸のビオトープの立柳から新芽が出てくれば、身近で安全な場所で
高梁川のこと、水に生かされた命のことが学べます。楽しみです。
デッキからビオトープ越しに、長屋門でジャム作りをする工房が見えます。
このジャムがこれから全国と繋がって行きます。これまた、楽しみです。
倉敷市酒津 旧原田邸 辻 信行