ミャンマーとお金のいろと信用 ~ミャンマーコーヒーの取り組み ミャンマー編~

2022年8月25日
LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1

皆さま、こんにちは。ミュージックセキュリティーズです。
夏季限定で、当初8月25日までの販売としておりました、『ミャンマー自由ノ農園┃リキッドコーヒー』の販売期間を9月3日まで延長しましたので、お知らせします。
180本の限定生産ですが、まだ在庫がございますので、ぜひ「買って応援」にご協力をお願い致します。

販売期間の延長に合わせて、出資者限定でお知らせしておりました関連記事を再編集して、こちらでもご紹介いたします。ぜひ多くの皆さまにご覧いただけますと幸いです。
 

こんにちは、MJI/ワラムの加藤です。

本日は、MJIが2021年から取り組みを開始した「コーヒー農業専用ローン」(通称コーヒーローン)の取り組みついてお話をさせていただきます。

ここからはお話を通じて、ミャンマー『自由ノ農園』にみなさまと共に旅をしたいと思います。
現地を想像しながら読んでいただけますと嬉しいです。


MJIはコーヒー農業で何をしているの?
MJIは2021年からコーヒー農業に特化した金融サービス、融資の提供をしています。

資金の利用使途は、新しいコーヒーの苗木を植えるため。
作付面積を広げるためのものです。

「ミャンマー自由ノ農園コーヒー」を作って下さる農家さんが対象です。

植えるためには、整地・苗木・肥料などの準備が必要です。
土地にもよりますが1エーカーあたり、5~10万円の投資が必要です。

そして、植えた後は、メンテナンスが必要です。
特に、ミャンマー自由ノ農園コーヒーのもととなる農家さんのコーヒーは、「栽培期間中化学肥料不使用」がお約束です。

それなら、肥料代浮くしいいやん!

と、いわれることもありますが、そうも問屋が・・・じゃなくて、そうも雑草がしてくれません。
家畜や人が手を加えながら、育てなければなりません。

う・・・そっちの方が、大変じゃない?

はい。
でも、農家さんとお話をしている中で、「お祖父さんの代からの土地だから大切にできるのが嬉しい」と、この少し手のかかる栽培方法をじぶんたちにとっても「良いもの」とらえていらっしゃる声を聞きました。

「お金がよけいにかかる」
「儲からない」
「めんどくさい」
ではなく
「大切にできて嬉しい」

ソーシャルビジネスの根底にふれたような気持ちでした。
こうした農家さんの心に寄り添えるようなファイナンスができることを嬉しく思っています。


コーヒーづくりの1年
作付け、というコーヒーの木を植える時期は毎年5~8月ごろです。
お天気や年によっても異なります。
整地にはじまり、苗を植えた後もしっかり定着するか日々手を加えるなど、忙しい時期です。

エリアや農家さんにもよりますが、多いと1エーカーに1000本ほどの苗を植えるそうです。
順調に育てば、3~4年目には、木によりけり、5kgほどの実をつけてくれるようになります。

11月下旬から、豆をたずさえたコーヒーチェリーの収穫が始まります。
苗は植えてからおよそ3年間は子育て期間なので、当年に収穫はできません。
すでに植えた木から収穫します。
長い場所では1月まで、収穫は続きます。


とれたコーヒーチェリーは、こんな風に乾燥させ、精製という工程に入ります。
味を決める重要なときです。
これを、自ら行う農家さんと、この時点で売却する農家さんとがいます。
前者の方が売上も身入りも大きくなりますが、その知識技術も投資も、簡単ではありません。

2月下旬から3月には、私たちがよく目にするコーヒー豆の状態になって出荷が始まります。
いよいよ、できたて「今年のお味」を、大切に育てた我が子を世界に送り出せる時。


どこが「コーヒー農業に特化した」金融サービスなの?
(1)融資金額
MJIはもともと、農村部を中心とした収入のない又は少ない方々に、事業用の融資サービスを主軸としたマイクロファイナンス機関です。
1人あたりの借り入れは、200,000チャットからスタートすることがほとんどです。
これでは、コーヒーを作付けし、農園を広げるには足りません。
MJIのコーヒーローンでは、通常の3倍ほどの融資が最初から受けられます。

(2)返済期間
農家さんがアクセスできる金融機関やマイクロファイナンス機関が提供する融資は、ほとんどが1年間で返済しなければなりません。
しかし、植えたコーヒーの苗がしっかりを実をつけるまでかかる年月は約5年。少なくとも3年。
これでは、植えた木から収入を得られるまでの間に完済しなければなりませんが、他の産業が少ないミャンマー農村部では容易なことではありません。
コーヒーローンは、その木がしっかり実を成す5年間ともに伴走します。

(3)返済のサイクル
3年して実がなり、5年で成熟するコーヒーの木。
ではその間、コーヒー農家さんはいったいどうして生活をしているのでしょうか?
ご家庭によりちがいはありますが、多くの農家さんは「シェードツリー」と呼ばれる「コーヒーを直射日光から守るための木」から取れる果実や、その他の作物を育てて、生計を立てていらっしゃいます。

例えばこんなみかん。(シェードツリー)

例えばこんな植物やかんきつ類。(他の作物)

MJIを含めて、一般的なマイクロファイナンス機関の返済サイクルは1週間~1ヵ月、これでは農家さんの収入サイクルと合いません。
農家さん達からヒアリングをして、最適と考えられる「3ヵ月に1度」に設定しています。

(4)地域性、冬は何もとれないんだよ
返済サイクルを3ヵ月に設定しましたが、まだもう1つ課題が。
この地域、コーヒーが育つに素晴らしい環境ですが、最も寒くなる冬季2~3ヵ月は他の作物があまり取れません。
ご家族が他の事業を行っていたり、十分な貯蓄がその年にできていればよいですが、それは一般的な状況とは言えません。
そこで、この冬季は返済をなくし、他の返済期間に割り振ることにしました。

えーい、もってけ泥棒!(もっていきません、返していただきます)
いよっ、太っ腹!(最近下腹が気になります)
ではありませんが、とても農家さんに喜んでいただいたポイントでした。

お打合せ中の農家さん達、穏やかな中にも情熱がありお話をしていてとても元気をいただきました。

こうして、
昨年2021年度には、92人の農家さんが利用を開始。
合計約150エーカーの土地にあたらしいコーヒーの木が植えられました。


この地球から、ミャンマーから、裸の土地が減って、生命が育つ土地が増えたことも、嬉しい気持ちになります。

近年では、マイクロロット、や、ファームtoカップなど、顔の見えるコーヒーが増えてきました。
3年後、MJIロット、トゥリー(木)toカップなど、ファイナンスと農業がもっと深く繋がるものをお届けできるかもしれないことが、今から楽しみです。


なぜ、コーヒーローンが実現できたのか?
大きな役割を果たして下さっているのが、業務提携先の「ジーニアスコーヒー」です。
彼らなしでは実現できませんでした。決して、MJIが太っ腹だから実現したわけではありません。
ジーニアスコーヒーは、農家さんの作付けをサポートし、品質向上のための指導をおこない、農家さんが育てた豆を買取りをしています。
乾燥から精製の過程を自分でできない農家さん達の豆を買い取り、輸出品質に仕上げて、国内外に届けています。

お金に色はないと言われることがありますが、わたくしは、MJIは、お金に色はあると思っています。

2015年、事業を開始した時、お金は借りたいけれど外国の会社からお金を借りることを心配するお客さまをたくさん見ました。
村に足を運んで、スタッフが一緒に説明をして、まず信じてもらうことからスタートでした。

コーヒー農家さんたちも、最初からわたしたちを信じてはくれません。
良い事を言って貸し付けて、後から悪いことをされるかもしれないと思う人もいます。
この間をつなぐ信用をもっているのが、「ジーニアスコーヒー」社のみなさまです。

また、わたしたちが通常と異なる融資を決断できるのも、農家さんの生活や事業の情報を現地で常にアップデートしている彼らがいるからこそ。

信用、そして、経営判断のための情報があるからこそ、決断ができます。

そして、お貸しするための原資、お金です。
繰り返しになりますが、お金には、色があります。

コーヒーローンは融資期間が長く、MJIにとってはその分、長いお付き合いをして下さるお金でないと自身の資金繰りが苦しくなってしまいます。

本ファンドからは3年という短くない期間、ワラム社を通じてMJIに託していただいています。
他の資本性の資金についても、ワラム社を通じてMJIに資金を投じて下さる投資家さまには、「ミッションロック」として、社会的目的に資することを、お互いにお約束しています。
こうした「心のある資金」がMJIの経営に参画してくださっているからこそ、このような経営判断が出来、商品が提供できています。

読んで下さっているみなさまのおかげで、このプロジェクトが進んでいることを、心からお伝えしたいです。

良い悪いではありませんが、「合わない色」のお金を手にしてしまうと、上手くいかないことが多いです。
借り過ぎたり、貸し過ぎたりすることは、その人や周りの人までを、経済的なナイフで傷つけることになるかもしれない行為です。

「貸倒率●●%以上は投資不適格」などといわれる数字の本質は、ただの数字の高低ではなく、その先にいるひとりひとりの顔を透かして見るものだと考えています。

長くなりましたが、MJIだけで成し遂げられるものではなく、携わってくださる方みなさまのおかげで進んでいる、意義のある大切なプロジェクトです。

日本での活動は?
日本では、セキュリテを中心として、この農家さん達を含むシャン州ユワンガンエリアでとれたコーヒーの販売をしています。

ここのおはなしもたっぷりとあるのですが、本日はミャンマーのお話でした。
次回、日本のお話をさせていただきたいと思います。


最後に宣伝で失礼いたします。

夏限定!リキッドコーヒー【ミャンマー自由ノ農園コーヒー1周年記念】

もっとも美味しい状態で・・・と、こんなお豆をぎゅぎゅぎゅーっと詰め込んだ結果、お味もお値段もこんな仕上がりになりました。笑

氷をいれたグラスに注いでいただき、8~10杯前後、贅沢にコーヒー豆をつかったアイスコーヒーを楽しんでいただけます。

中深煎りに仕上げているので、最初の口当たりに、しっかりとしたパンチがあります。
アメリカンがお好きな方は、氷を多めに、冷やしていないリキッドを注いでいただくのがおすすめです。

牛乳やアーモンドミルクとの相性はほんとうに良く、オフィスにいらしてくださったどの方にお出ししても大好評です。

化学肥料をつかっていない、飲む人にやさしいコーヒーです。

販売期間が9月3日までです。(延長しました)

普段より、少し贅沢なコーヒーですが、その奥にあるミャンマーと皆様のおかげでひろがってる農園をイメージして飲んでいただけると嬉しいです。

以上です。


それでは、次の~日本編~もおたのしみにくださいませ。

いつもご支援と応援をいただき、ありがとうございます。
引続き、どうぞ宜しくお願い申し上げます。


MJI Enterprise Co., Ltd/ワラム株式会社
加藤侑子ならびにスタッフ一同


ファンド情報

LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1
ワラム株式会社
会計期間
2019年8月23日 ~ 2025年8月22日
一口
31,500
償還率
運用中
参加人数
461
調達実績
40,680,000
【ご留意事項】
当社が取り扱うファンドには、所定の取扱手数料(別途金融機関へのお振込手数料が必要となる場合があります。)がかかるほか、出資金の元本が割れる等のリスクがあります。
取扱手数料及びリスクはファンドによって異なりますので、詳細は各ファンドの匿名組合契約説明書をご確認ください。
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