【第4回】食の安全を願う生産者ファンド2016~生産者紹介連載~

2016年12月28日
食の安全を願う生産者ファンド2016

 現在募集中の【食の安全を願う生産者ファンド2016】をより身近に感じていただくために、素晴らしい商品を作っている生産者の方々を知っていただく連載をしております。
 前回の第3回目は岩手県九戸村でにて天然農法によって山ブドウを栽培・生産されている下田澤山ぶどう園の下田澤榮吉さんのご紹介と下田澤さんが山ブドウに出会ったきっかけについてご紹介いたしました。第4回目の今回は、下田澤山ぶどう園にて育てられている最高レベルの果汁がとれる「森の貴婦人」と呼ばれる濃厚な味の山ブドウに辿りつくまでのストーリーをお伝えいたします。
 

夢と不安が交錯した4年間

 ブドウの実がつくまでには順調にいっても挿し木してから4年くらいかかります。経済的にも厳しく、家内から「やめたほうがいい」と言われましたが、あとにひけません。林業と酪農を続けながら、夢や不安が絡み合った4年間でした。
 ブドウができ始めたのは昭和 60 年くらいです。最初にできたとき、「やったこれ、山ブドウだ!」と嬉しかったですね。この地域は誰でも、家族が山から採ってきた山ブドウで作ってくれたジュースを子どものころに飲んだ記憶があるのですが、初めて自分でブドウジュースを作って飲んでみたら、もうおいしくて、すごかったですね。
 翌年にも実をつけたのですが、同じブドウとは思えない出来でした。そのときに、九戸村商工会の職員の方の紹介で、日本葡萄愛好会の澤登先生という山ブドウの大家にお会いする機会がありました。そこで初めて、山ブドウは自家受粉できないから受粉木が必要だと教えていただいたんです。
 その翌年は、ブドウの味に差が生じました。額にしわが寄るくらい酸っぱい完熟ブドウがあるかと思うと甘いものもある。そのときに、「人間と一緒で植物にもDNAがある」と澤登先生に教わりました。身長が高い、低いなどの個性が人間にあるように植物にも個体差があると知り、そこでまた大きな勉強をしました。やればどうにかなると思い、本から仕入れた知識だけで、まったく未知の分野に幼稚園児のように取り組んでいましたが、偶然にも素晴らしい先生にお会いできて、私は本当に恵まれていると感じています。
  10 年目くらいからは、甘い実をつける木を選抜し始めました。1回選抜するのに、順調にいっても7年くらいかかります。1500本の中から3本の系統が選抜されました。もっとも糖度が高く、果汁も濃厚な実は、完熟したときに手でつぶしてみると、皮のいろいろな成分や色素で手首まで真っ赤に染まります。最高レベルの果汁がとれる系統の木は、ジュースと同じ「森の貴婦人」と名づけています。この系統は別格です。ここまでくるのに 10 年以上かかりました。

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下田澤山ぶどう園 下田澤榮吉さん
 

消費者の声を直接聞き、自然栽培へ

 山ブドウを最初に植えたときは、農薬のことなどはあまり意識せず、収穫量が多ければいいなと思って管理をしていました。米農家の友だちから自然農法の研修に誘われ、軽い気持ちで行ってみたのですが、稲の指導が主でしたので、果樹は場違いかなと感じていました。
 平成8年から、山ブドウ狩りや直売を始めました。お客さんの要望で生食用のブドウも作り始めたところ、子ども連れの方に「うちの子はアレルギーなんですが、消毒はしていますか」と質問されたんです。
 そのころは最低限の消毒はしていました。形のきれいなものを作ったほうがいいのか、見た目は悪くても食べて本物の味の出るブドウを作ったほうがいいのか、あのときは迷いました。でも、自分は消費者に助けられる立場だから、完全無農薬や低農薬など、求められる方向を目指すことにしようと決めたのです。土づくりから取り組み、いまは化学肥料や除草剤などは使いません。
 

多様なリクエストに応えていくのが夢

 ブドウはデリケートな果樹だと肝に銘じていますし、やろうと思って取り組んだので、ブドウ栽培に苦労は感じないですね。2010年からは酸化防止剤を一切使わずに山ブドウで赤ワインも作っています。次は、山ブドウで白ワインも作りたいなと素人なりに考えています。
 いろいろなお客さんの声を聞き、要望に応えていくというのが私の夢です。「寒い九戸でこんな大粒のブドウができるのか」など、驚かれます。お客さんを含め、これまでたくさんのすごい人と出会ったなと感謝するしかありません。一攫千金の千金以上のものを皆さんからいただいています。面と向かっては言えないけれど、いつも黙ってついてきてくれる家内にも大いに感謝しています。

2回に亘ってご紹介させていただいた「下田澤山ぶどう園」の下田澤榮吉さんのお話はいかがでしたでしょうか。
次回の連載第5回目は青森県中泊町にて自然農法によるお米の栽培・生産をしている「瑞宝」の三上新一さんをご紹介致します。
 

現在募集中のファンド

【食の安全を願う生産者ファンド2016】
https://www.securite.jp/fund/detail/2673

ファンド情報

食の安全を願う生産者ファンド2016
ふるさと21株式会社
会計期間
2017年5月1日 ~ 2022年5月1日
一口
55,000
償還率
運用終了
参加人数
245
調達実績
14,500,000
【ご留意事項】
当社が取り扱うファンドには、所定の取扱手数料(別途金融機関へのお振込手数料が必要となる場合があります。)がかかるほか、出資金の元本が割れる等のリスクがあります。
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