お料理、雰囲気、コンセプトのすべてが素晴らしいレストラン
今日は週末ですので、前回の続きは、また改めてするとして、少しセキュリテとは離れた話題を書きたいと思います。
出張からの帰りの日に寄った、あるレストランのお話です。
「行ってみたいレストランががある」と、MJIの加藤さんに言われ、やって来たミャンマーのバガンにある「Sanon」というこのお店。
一見すると、観光地によくある外国人向けのちょっと高いけど、お洒落なレストランという感じのお店です。
実際に、何も知らずに食べて帰っても、十分に満足するだろうお料理とサービスを提供しています。
(私は連日のミャンマー料理に少し胃腸が疲れていたのでチキンバーガーを選択)
しかし、なんとこのお店、「トレーニングレストラン」という、職業訓練のためのレストランで、経済的な理由から高校に行けなかった等、不利な状況に置かれた貧困家庭の若者たちのために、1年間、食住付きで、調理や接客、英会話などをレストランでの実践を通じて教え、就職活動の支援やその後のサポートを行うためのレストランだったのです。
(ランチ営業がひと段落したタイミングで、マネジャーが皆を呼び、調理や接客についての注意点等をフィードバックしている様子)
食事のあと、自身が料理長というこのレストランのマネージャーの方が、厨房や英語レッスンの様子を見せてくれました。
厨房はピカピカに掃除されていてとても清潔感があり、英会話のレッスンは、ネイティブの先生による少人数のクラスで、その日は「メニューに載っているお料理の素材や特徴をお客様に説明する」という実践的なレッスンが行われていました。
一人一人英語で自己紹介をしてくれました。
このこたちの笑顔とひたむきに働く姿をみて、なんて素晴らしい取り組みなんだ!!!、とこのブログにも紹介することにしました。
この事業、2016年から若者の受け入れを始め、現在、3期生が訓練中ですが、レストランの売り上げだけでは、まだまだ採算ラインには届いていないそうです。
特に今がそうですが、雨季など観光のローシーズンには、集中的に訓練ができるという反面、売り上げ的には厳しいとのこと。
皆さんも、もしミャンマーのバガンに行く機会のある方がいましたら、ぜひ行ってみてください。
胃袋だけでなく、とてもハッピーな充足感に満たされます。
Sanon Training Restaurant
こういう取り組みを知るにつけ、ファンドの募集期間の最終日に加藤さんがファンドニュースに書いていたメッセージが思い出されます。
以下に引用しますね。
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MJIが目指す世界「貧困によって涙を流す子供がいない世界」に向かって
その世界を実現するため、
マイクロファイナンスを通じた事業、家計の向上
情報ギャップ改善を通じた金融知識と教育投資の向上
ファイナンスで改善できない課題へノンファイナンシャルサービスによるアプローチ
マイクロファイナンス業界の現状に改善と改革を求め続ける
自分たち自身に改善と改革を求め続ける
貧困によって流される子供たちの涙がなくなる日まで走り続けます。
世界の中からそんな悲しい子供がいなくなるように、まずはミャンマーから。
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ちょっと水を差すような話になりますが、マイクロファイナンスというツールは、当然と言えば当然ですが、「貧困によって涙を流す子供たち」に直接アプローチするものではありません。
親や世帯の所得向上を通じて、間接的に子供たちに恩恵をもたらすツールです。
なので、こうしたトレーニングレストランの取り組みなど、直接、子供たちのメリットにつながるような、マイクロファイナンス以外のアプローチがどんどん生まれて根付くことが、MJIが掲げる目標の達成のためには、とても大切だということですね。
加藤さんもそういうことをすべて分かった上で、こういうお店に積極的に足を運んだり、接点を持とうとしているのだと、私なりに理解をしました。
MJIも、ファイナンスで改善できない課題に対して、情報誌「Mango!」の発行など、ノンファイナンシャルサービスによるアプローチにも積極的に取り組んでいますが、引き続き加藤さんには、美味しいジュースや食べ物で十分チャージをしてもらいながら、こんな写真のような笑顔で頑張ってもらいたいですね。
(食後にフレッシュメロンジュースを飲む加藤さん)
(ミュージックセキュリティーズ・杉山)
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