ゆっくり、いそげ?~セキュリテ自由帳~

ゆっくり、いそげ?~セキュリテ自由帳~

sugi2019年7月5日 02:00

肥育屋の技術 ~半分購入・半分投資ファンドのご紹介~

セキュリテで初めてとなる「半分購入・半分投資」のファンドとして募集を開始した「いわて門崎丑牧場 門崎丑と遠野牛ファンド」。
このファンドの募集にあたり、いわて門崎丑牧場の千葉社長へのインタビューをまとめた動画を公開中です。

この動画の中で私が特にお見せしたい部分をご紹介します。
 
~動画より抜粋(55秒あたりから)~ 
市場の中で必ずしも誰が見てもいい牛は買わない
ちょっと今形が悪いとか、ちょっと発育が悪いとか、そういう牛を選んで買ってます
それは牛そのものの能力が悪くて牛が小さいのか、それともその牛を育てた人の管理の能力が低いのか、それを見極めて私は買い求めます。
トップの牛を買うのは誰でもできますから、そうじゃなくて手のかかる牛をそういう安価な牛を揃えてます。
牛のいいところをいいなりに、いい方向性に持ってけるってことが、肥育屋の技術だと思うんで、それを私はずっと貫いてます。



これをお聞きした時、すごいな、すごい自信だな、と思いました。牛の肥育期間は、2年半ぐらいです。その間、手がかかること込みで引き受けて、最高に美味しいお肉に育てる、簡単にできることではありません。

畜産業界の最大の課題は、収益性の低さだと私は考えています。セキュリテでも、これまでに牛に関するファンドはいくつもありましたが、ファンドをつくる度に直面したことは、ほとんどの事業者さんが、子牛価格の高騰に悩まされているということでした。子牛価格の高騰は、事業性すら危うくするほどのインパクトを持っていました。

5年ぐらい前、私がざっくり理解したところでは、肥育農家の事業モデルはこんな感じでした。1頭の子牛の仕入れに50万円、2年半育てるのに飼料や人件費等で40万円、併せて90万円のコストがかかり、販売価格は100万円、粗利としては10万円程度しか出ない。そんなビジネスでした。

この数字は、正確ではないにしろ、遠からず、の数字だったと思います。そして、当時、50万円ぐらいと聞いていた子牛価格は、今や70万円~80万円まで高騰しています。そうなると、その費用を販売価格に転嫁できない限り、生産者はすぐに赤字になってしまいます。

以下の参考情報に記載の独立行政法人農畜産業振興機構(alic)の資料より、「粗収益と生産コストの推移(肉専用種)」を見てみてください。赤いラインの生産コストは、子牛代と肥育代込みの金額であり、青いラインの粗収益は、牛(肉)が市場でいくらで売れたかの価格ですが、このグラフを一見して気付くのは、ラインが交差することがあるということです。
つまり、実際に赤字の事態が起こっているのです。

   /data/blog/archive/original/45819.jpg
   (出所:alic)

2年半、手塩にかけて育てた牛が、投入した資金より、安い価格で販売されてしまうのです。こんなこと、あっていいのでしょうか。
今の仕組みでは、残念ながら、生産者に価格決定権がないのです。こうした畜産農家のおかれた現状にいつもショックを受けていました。

<参考情報>
「畜産をめぐる情勢(牛肉・肉用牛関係抜粋)」 2018年11月、農林水産省生産局畜産部
「畜産の情報『肥育期間短縮に取り組む黒毛和種肥育経営』」、2016年12月、独立行政法人農畜産業振興機構(alic)

説明が長くなりましたが、だから、いわて門崎丑牧場の千葉社長から、目の前の牛を指して、それが36万円で買った牛であること、今の子牛価格が大体70万円だから半分であることを聞いた時に、心からすごいな、と思ったのです。36万円は、「訳アリ」価格なわけですが、その「訳」が何かを見極めることができるのが、「肥育屋の技術」というわけです。

子牛の購入価格を抑えることができれば、それだけで他の生産者より利益率が上がります。そうなると、会社に利益も出ますが、同時に、直接販売をする場合には、より競争力のある価格で卸すことができるようになります。

ここで、ようやく「半分購入」の話になりますが、今回の「半分購入・半分投資」では、1口30,000円(取扱手数料抜)のお申込額につき、15,000円が出資金として、15,000円がいわて門崎丑牧場のお肉セット(卸価格で15,000円相当、税・送料込)購入分として営業者へ支払われます。

注目すべきは、「卸価格」です。普通に1万5千円相当で想像するより、はるかにたくさんのお肉になると思います。パーティーなどで使って頂いてもいいですし、適切な量をお送りするため、複数回に分けての発送を予定しているので、量についてはご安心してお申し込みください。

最後にちょっと、セキュリテ裏話を。

実は「半分購入・半分投資」の構想は、大分前からありました。「半分寄付・半分投資」の被災地応援ファンドをつくった、ちょっと後には、社内に半分購入のファンドをつくりたい、という声はありました。いろいろな事情から、これまでつくらないできたにも関わらず、今回に限って、やってみようとなったのは、ひとつは、いわて門崎丑牧場さんの牛肉のクオリティに間違いがないという事実、そして、それを投資家の方にまずは十分食べてみていただきたいと思わせられたこと、あとは、ここだけの話ですが、やはり当社の担当者の熱意というのも大きかったかな、と思いました。担当者が熱心になるファンドは、つまり事業者さんが良いからなので、結局は事業者さんが良い、という話に戻ってしまいますね。

このように満を持して登場したセキュリテ初の「半分購入・半分投資」ファンド。
いわて門崎丑牧場 門崎丑と遠野牛ファンドの詳細をぜひご覧ください。

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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sugi2019年7月1日 00:03

心機一転

この度、取締役を任期満了にて退任することになりました。

念のためお伝えしますと、クビになったわけではありませんし、会社も辞めません。
私の希望があり、社長の小松さんに相談し、このタイミングで役員としては一度区切りをつけました。
私にとっては、このタイミングはミュージックセキュリティーズ(MS)で10年、そして42才になったというタイミングでした。
MSにとっては、セキュリテローンチから10年、そして事業年度としては今期が第19期で、オリンピックイヤーである来年2020年が第20期、創業20年の年になります。

「働き方改革」とか「ワークライフバランス」という言葉があります。
私の場合、育った環境の影響だと思いますが、ワーク is ライフ なところがあります。
「世のため、人のため、動物のため」が口癖で、急患があれば夜中でも診療し、週末も年末年始もなく対応する、開業獣医師である父の働き方が私にとっての普通の働き方でした。
そして、日頃、私が共感し、尊敬するセキュリテの事業者さんの多くも、それに通じるものがあります。
特に、ファミリービジネスと言われるような小さい事業だと、それが自然なことなのだろうと思います。
私が入社した頃のMSも、社員は10人ぐらいで、まさにそんな感じでした。
とにかく夢中で働いてきた10年だったと思います。
気付けば社員も40人を超え、自分の家族を持つ人も増えました。
じわじわと、私も自分のワークとライフのバランスのとり方を、チューニングしたいと考えるようになりました。

私は今、海外事業を担当しています。
まだ事業は開始していませんが、今年の4月にはペルーにMusic Securities Peruという新会社もつくりました。
インパクト投資が求められる市場を見渡した時、それは全世界に広がっています。
セキュリテの次の10年、そして私の次の10年を考えた時、私は海外を主たるフィールドに据えていきたいと考えています。

先日、日経電子版のストーリーで私のことを取り上げていただきました。
軽い気持ちで受けた取材ですが、取材を通じて、自分の半生とセキュリテの取り組みをみっちり振り返ることになりました。
自分の原点とは何か、働く上で今後も大切にしたい価値観とは何か、自分の軌跡でありながら、記者や編集の方の目を通して書かれることで、あらためて客観的に理解することができました。
宜しければ是非ご覧ください。
復興の地に生んだ「小さな資本市場」ー脱藩金融人がゆく(4)(日経電子版 2019年6月2日)
(なお、 この記事にも紹介されている陸前高田での音楽イベントは、来年の開催になりそうです。)

今後ですが、少し長めに有給休暇を使わせもらいながら、次のステージに向けた助走を始めたいと思います。
ワークもライフも。
このブログも、取締役になったことをきっかけに始めたものですが、続けていくつもりです。
今までより時間ができる(はずな)ので、これまで書きたいと思っていても書けなかったことなども含め、もっと書いていきたいと思います。

今後ともご支援・ご鞭撻いただきますよう、何卒宜しくお願いいたします。



追伸:早速、まずはスリランカにて、憧れのアーユルヴェーダホテルにて、心身を整えてまいります。
スリランカに向かう、羽田空港にて。
(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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sugi2019年6月27日 21:00

セキュリテの貸付型ファンド

少し前になりますが、いわゆるソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)において、「匿名化」の条件が解除され、今後は貸付先情報が開示できるようになったことが、話題になりました。意外に思う方もいるのではないかと思いますが、じつはそれまではルール上、開示することができなかったのです。もともとは、貸金業法においては借り手保護が重視されていたことがその規制の背景ですが、残念ながら一部の事業者の中に、そのことを悪用した不正や詐欺的事案、資金の流れが不透明なソーシャルレンディング事業を行う者がいて問題になっていました。ですので、今回、金融庁がソーシャルレンディングにおける貸付先の情報開示について明確に方針を示したことの意義はとても大きいと思います。

【参考】
「ネット融資仲介を透明化 借り手の情報を開示、金融庁」日経新聞2019年3月12日
「ネット融資、開示強化で淘汰も」日経新聞2019年5月8日 

金融庁から上記の方針が示された後、5月下旬に第二種金融商品取引業協会より「貸付型ファンドに関するQ&A」が出されました。二種業協会の定義によれば、「貸付型ファンド」とは、「主として金銭の貸付けを行うことを出資対象事業(融資型クラウドファンディング、貸付型クラウドファンディング、P2P レンディング、ソーシャルレンディングとも呼ばれる。)とするファンド」のことを言い、実はセキュリテの中にもこれに該当するものがあります。マイクロファイナンスファンドがそうです。

さて、前置きが長くなりましたが、現在、募集中のマイクロファイナンスファンド「LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1」は、セキュリテにおける数少ない貸付型ファンドの一つですが、その中でも通常の当社のマイクロファイナンスファンドとは異なるユニークな点がいくつかあるので、ご紹介したいと思います。

貸付型ファンド「LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1」の特徴


1.スキーム
出資対象事業が貸付事業だと貸付型ファンドに該当するので、マイクロファイナンス機関のファンドは貸付型ファンドに該当するのですが、このファンドは、当社の通常のマイクロファイナンスファンドとは異なり、マイクロファイナンス機関が営業者になっているのではなく、日本にある親会社、合同会社quarante(キヤラント)がファンド(匿名組合)の営業者となっています。キヤラントが、子会社でミャンマーのマイクロファイナンス機関MJIの資金調達を目的に、ファンドを募集し、集めた資金はその全額をMJIへ貸付けるスキームになっています。
なお、MJIを本匿名組合契約の営業者とせずに、このようなスキームを採用した背景は、ミャンマーの法令等により、MJIが日本法上の匿名組合契約の営業者になることが困難であったためです。
/data/fund/4884/scheme_mji3.jpg

冒頭の「匿名化」という話に戻ると、このスキームでは、MJIがファンド資金を原資として貸し付ける「マイクロファイナンス利用者」の女性たちについては、匿名化されており、彼女たちの氏名が勝手に公開されることはありません。一方で、営業者であるキヤラントが親子ローンの形で貸し付けるMJIについては、認定NPO法人Living in Peace (LIP)による詳細なレポートを公開し、しっかり情報開示をしております。
もしも、MJIがどこのどんなマイクロファイナンス機関かも分からないとしたら、投資としてはとても不透明で心配になりますよね。その点、このファンドは安心です。ぜひ LIPによるMJI調査レポートをご覧ください。

2.分配方法
セキュリテの通常のファンドは、ファンド対象事業の売上の一部を投資家に分配し、売上は事業の成否等により変動します。しかし、本ファンドに関しては、そこが異なります。実際に投資家の皆さんの資金が活用されるのは、通常のマイクロファイナンスファンド同様、ミャンマーのマイクロファイナンスの現場になりますが、分配の原資となる本匿名組合契約上の対象事業は、キヤラントが、子会社であるMJIに対して行う貸付事業のことであり、その成果をもって、損益の分配及び出資金の返還を行います。別の言い方をすると、投資家は、キヤラントとMJIの間の親子ローンの返済状況に応じて分配を受けることができます。MJIはキヤラントに、利息と元本を返済する予定であり、その返済すべき額は、MJIの業績には左右されません。

以下、ファンド詳細の「分配シミュレーション」のページより、抜粋しますので、具体的な数字で確認してみてください。

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本匿名組合事業において、営業者はMJI に対して年利13%の条件で貸付を行う予定です。MJIから営業者へ返済すべき金額にはミャンマーにおける源泉徴収税15%がかかります。返済額は、MJIの事業計画の達成度如何によって影響を受けるものではありませんが、MJIの業績如何では本貸付債権が予定通り返済されず債務不履行となる場合があります。匿名組合員への分配がマイナスとなる場合は、最終分配時に元本から差し引かれます。
 
【条件】
・本匿名組合事業の支払利息等の収益は本貸付元本の13%/年
・ミャンマーにおける源泉徴収税率は15%
・本匿名組合事業におけるその他利益及びその他費用は0円
・取扱者・LIP・営業者の手数料:本貸付の元本の4.675%/年
・日本国内でかかる源泉徴収税率20.42%
・為替レートの変動なし

/data/fund/4884/計算式.jpg

(注1)営業者はMJIに対して、年利13%の条件で貸付をする予定ですが、ミャンマー国内での規制環境の変化等により、利率が変更となる場合があります。上記シミュレーションは、会計期間1年間に予定している収益および費用を元にしたシミュレーションで、実際には3回の分配が行わる予定です。
(注2)本シミュレーションでは、その他の費用を0円と仮定していますが、その他費用が発生した場合には、匿名組合員への分配は減少します。
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つまり、為替レートが変動しないと仮定すれば、投資家は最大で年に6.38%(日本での源泉徴収前)の分配が見込まれます。ただし、為替は日々変動するものであり、本ファンドにおいては為替リスクはヘッジしておらず、投資家負担となっていることには、くれぐれもご留意ください。(ファンド詳細ページより、為替レートによるシミュレーションもご確認ください)

3.経営者、加藤侑子さんの本事業にかける想い
本ファンドの営業者であるキヤラントおよびMJIの代表者は、加藤侑子さんという京都出身の日本人女性です。これについては、貸付型ファンドかどうかとは、関係のないことですし、ファンドの審査等において国籍や性別によって何がどうということもないのですが、日本人が経営者のマイクロファイナンス機関への投資というのは、これまでにはなかった特徴になるので、ここにあげておきたいと思います。

通常、マイクロファイナンスファンドをつくるとき、マイクロファイナンス機関とのコミュニケーションは英語で行っています。それ自体、特に何も思うことはなかったのですが、今回はじめて、日本語でコミュニケーションをできたことにより、よかったなと思うことがいくつかありました。

一つは、上記でも書きましたが、このファンドをつくる際、ミャンマーの法令等により、MJIが匿名組合契約の営業者になることが難しいという壁にぶち当たった時です。普通だったら、その時点であきらめてしまうところですが、加藤さん自身が、日本法上の匿名組合契約というものを日本語で深く理解し、当社やLIPのメンバーとともに、どういうスキームであればファンドをつくることができるかということを真剣に検討し、キヤラントという会社を営業者とする本スキームを実現させたのです。キヤラントは、このファンドのためにつくられた会社なのです。会社を一つつくることぐらい簡単だ、と思う方もいるかもしれません。しかし、今回のスキームでは、様々な状況や選択肢を検討した上で、ミャンマーのMJIを子会社に持つ親会社として日本に新しい会社をつくることに決めたのです。それは容易なことではありませんでした。加藤さんは、当時のMJIの株主の皆さまと丁寧にコミュニケーションを重ね、理解を得ながら、一つ一つのステップを進めていきました。時間や費用など、大きなコストを払って実現にいたったわけですが、それができたのは、加藤さんに強い信念、ミャンマーでの事業にかける強い思いがあったからだと、私は感じています。

もう一つは、加藤さん自身が、「ファンドニュース」を日本語で更新していることです。投資家をはじめ、たくさんの方にミャンマーのマイクロファイナンスの現場で起こることを、ライブ感たっぷりに届けてくれています。これまでのマイクロファイナンスファンドでは、言葉の壁から事業者が直接ブログを更新することはなく、どうしても投資家と事業者との距離感があったのですが、こうして自分の言葉で表現してくれることで、読者は投資先の世界をとても身近に感じられるようになると思います。

ファンドのニュースの記事の中から、「経済的な理由で悲しい思いをする子どもをなくしたい、勉学を諦める子どもをつくりたくない」とマイクロファイナンスの道へ進んだ加藤さんの原体験や想い、スタッフの方のファンドに対する期待が分かる、私のお気に入りの記事を3本ご紹介したいと思います。

ミャンマーとマイクロファイナンスとわたし(前編)
ミャンマーとマイクロファイナンスとわたし(後編)​
イベント直前番外編:スタッフにとってのLIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1​


/data/fund/4884/加藤さんと子供たち.jpg
(中央のピンクの服の女性が加藤侑子さん)

以上、「セキュリテの貸付型ファンド」の例をご紹介しました。当社のこれまでのファンドとは仕組みは少し異なりますが、内容はこれまでの「マイクロファイナンス貧困削減投資ファンド」と同様、現地の人々の金融アクセスの向上や事業機会の創出、そしてひいては貧困削減につながるインパクト投資のファンドになっています。本日は、ファンドのスキームや分配方法を中心にご紹介しましたが、ぜひ一度、ファンド詳細ページより、ファンドの全体像をご覧ください。

LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1【申込期限:6月30日】
https://www.securite.jp/fund/detail/4884


​<おまけ>「貸付型ファンド」の特徴(番外編)
貸付型ファンドは、法令上、ファンドに出資する際、クレジットカードで決済をすることができません。複数の方からお問い合わせをいただきましたが、セキュリテの他のファンドはできるのに、このファンドだけクレジットカード決済ができないのは、「貸付型ファンド」であることに由来します。

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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sugi2019年6月5日 23:52

大切なものを守る、という投資

今年の2月、セキュリテのサイトオープンから10周年のタイミングで、影山さんと一緒にこの10年間を振り返る対談の企画がありました。(余談ですが、もし仮にセキュリテや当社がそれ以前からやっているファンドの仕組みがクラウドファンディングと見なされるならば、当社の仕組みは、世界的にみても最も早い時期に開始したクラウドファンディングサービスの一つということになりますね。参考:当社の沿革

その企画の中で、久しぶりにセキュリテ開始当時のウェブサイトのデザインを見ました。


(2009年当時のセキュリテのウェブサイト)

「大切なものを守る、という投資」
あらためてみたら、このキャッチコピー、なかなかいいな、と思ったのです。
原点回帰という言葉もありますが、10年経った今、このキャッチコピーが全く時代遅れなものではなく、セキュリテが提供するコアな価値観の1つとして、今日はあらためて皆さんと共有したいと思います。

「クラウドファンディング」というと、何か新しい取り組みに使われると考える人が多いことでしょう。事実、セキュリテでもこれまでに多くの新しいチャレンジを後押ししてきましたし、それはこれからも変わらないと思います。確かに新しいことを始めるのには、かなりのエネルギーが要りますが、しかし、以前から続いてきたことを後世に残すためにも同様に、いやそれ以上に、相当な努力が必要になります。

今、私たちの暮らしは人口減少や急速に進む高齢化、技術の進化に伴う生活様式の変化などに直面し、意識するしないに関わらず、日々残すものと、残さなくていいものの選択を迫られています。残念ながら、残したいと思っていたものでも、何もしないと簡単に無くなってしまいます。世の中には、無くしてはいけないもの、無くしたくないもの、子どもたちの未来に残したい、そういうものがたくさんあります。そして、そのためには、無くならないように、主体的に守っていかないと、残りません。例えば、純米酒や森の事業です。そして、そのためのアクションを起こす人たちを支えることが、セキュリテの「大切なものを守るための投資」です。

そういうことを考えていた時に巡り合ったのが木桶仕込みの醸造文化を守るために立ち上がった人達でした。
詳しくは、「木桶職人復活プロジェクト」の記事に書きましたが、私たちが知らないうちに、大きな「木桶」を作る会社や技術が、この世から失われようとしていたのです。一見すると、木桶など、私たちの暮らしには一切関係がなく、何の影響もなさそうに思えます。しかし、この木桶というのは古来、日本の伝統的な酒や醤油、味噌等の仕込みに使われていたもので、もし木桶をつくる技術が失われてしまえば、孫やその先の世代は、本物の木桶仕込みのお醤油をつくることも、味わうこともできなくなってしまうのです。

こうした状況に対し、岐阜県の山川醸造株式会社は、セキュリテでファンドを活用し、昭和18年の創業以来初めて、木桶を新調しました。この度、そのファンド資金で購入する木桶が、香川県の小豆島で作られるところから、岐阜県の山川醸造に納品されるまでを追っかけた動画が完成しました。山川社長にも事業にかける想いを存分にお話していただきました。ぜひご覧下さい。




(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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sugi2019年4月25日 09:30

4月25日は「For 復興の日」

今日は、個人的にも、セキュリテにとっても、特別な日です。
8年前、4月25日を「For 復興の日」と決め、「セキュリテ被災地応援ファンド」を立ち上げました。
前日の2011年4月24日には、気仙沼のアーバンマリアチャペルにて、セキュリテ被災地応援ファンドの設立記者発表会も行い、25日に​最初のファンド3本を募集開始しました。

ここ数年は、「425祭」と銘打ち、東北の事業者さまを巡るツアーを開催していました。
毎年、楽しみにお待ちいただいている出資者の方がいるのですが、実は今年はそのツアーの開催を延期しています。

2019年2月12日【大切なお知らせ】セキュリテ被災地応援ファンドツアー「425祭」の開催について

上記の記事を掲載して以降、まだ今後の予定をお伝えできておらず、申し訳ありません。
まだ、発表できるところまで決まっていなのですが、企画が動き始めていることだけは、今日はお伝えさせて頂きたいと思います。
当社らしい企画で、事業者の皆さまにも、出資者や会員の皆さまにも、地域の皆さまにも、みんなにとってためになる企画。
震災のことを考えるいい機会にもなるけど、笑いも喜びもあり、しかも美味しい企画を考えています。
9月末か10月初めになりそうです。

告知までは今しばらくお待ちください。
そして、今日のところはぜひ、昨年の425祭ツアーの動画をあらためてご覧ください。



自画自賛ながら、何度見ても感動します。
私が、この仕事を続けていられる理由、力の源泉がここにあるように思います。

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イベント2019年3月1日 23:00

セキュリテ10周年企画【対談~ゆっくり、いそげ~】

※ 本記事は、2019年2月15日のセキュリテニュースの記事を転載したものです。

皆様、こんにちは。
平素より「セキュリテ」の事業内容に深いご理解を賜り、誠にありがとうございます。
当社は2000年に創業し、アーティストが音楽CDをつくるための費用を集める音楽ファンドから始まり、その後、純米酒や飲食店をつくるファンドなどを手掛け、2009年に「セキュリテ」をオープンしました。
早いもので、この2月16日にセキュリテが10周年を迎えます。
これまでファンドを組成して下さった事業者様と、出資し支えてくださった投資家様に深く感謝申し上げます。
そして、この大切な節目に、セキュリテの立ち上げから今日までの道のりを、取締役の影山と杉山とで振り返ってみました。よろしければご一読ください。

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杉山:早いものでセキュリテ10周年ですね。


影山:昨日のことのように感じます。
もともと音楽ファンドから始まって、その後、純米酒や飲食店のファンドに取り組んだ歴史がありましたから、その仕組みを他の分野にも広げていくという発想はずっとあったわけです。そんなタイミングでちょうど事業者の方からのご相談もあったので、その機会に、カタカナでいえば「プラットフォーム」、言い方を変えれば「市場」を作ってみたら、そこに事業者の方も参加して、投資家の方も参加して面白いことが起こるんじゃないか。そんな発想でした。





杉山:「セキュリテ」のサイトオープンのお知らせ記事を改めて見てみたら、「人をつなぎ、未来をつくる みんなの資本主義プラットフォーム 」、「大切なものを守る、という投資」と紹介されていました。


影山:なつかしい(笑)。当時、過去から受け継がれてきた大事な伝統や技術を守るという趣旨に加えて、ここから新しい挑戦が起こり、未来がつくられていくようなことになったらうれしいよねとよく話をしていたことを覚えています。



2009年:セキュリテWEBサイト


杉山:いまや、当社が扱ったファンドは、募集総額 83億6,966万6,538円、 事業者数 549社、 ファンド数824本、 償還済ファンド数 364本です。


影山:すごいことだと思います。単純計算すれば1年あたり8億円以上のお金が動いたということだものね。始まりのころを知っている自分からしたら、まずはここまで来られた自分たちのこと、一旦は認めてあげてもいいんじゃないかという気になります(笑)
杉山さんはこの10年、一番近いところでこのセキュリテを見守ってきたと思うけど、印象に残るファンドはありますか?





杉山:一つ一つ、どのファンドも思い出深いですね。
関わった順番でいうと、2009年に、自分で初めて作ったファンドの「カンボジアONE」。カンボジアのマイクロファイナンス機関のファンドですが、これをやりたくて転職して入社しました。それから、自分の人生観や会社との関りを含めて大きく変えたのが、東日本大震災のあとに作った「セキュリテ被災地応援ファンド」。これは最初の立ち上げ時の6社から始まり、38社すべてに思い入れがあります。そのあと、2013年に大阪に西日本支社をつくることになり、最初に担当したファンドが、神戸の靴屋さん、ベルのファンドですが、これも強く印象に残っていますね。



2009年:セキュリテイベント。当時杉山は、NPO法人Living in Peaceのマイクロファイナンスプロジェクトのリーダーとして、事業者サイドでゲスト参加しました。


影山:「マイクロファイナンス」という言葉を使う時って、少額の貸付だったり運用サイドがマイクロであるという意味で普通使われるわけだけど、セキュリテのそれは調達サイドもマイクロ(少額)だったわけだものね。そんな仕組みは、当時世界のどこを探してもきっとなかったんだろうから、ものすごく画期的なことをやっていたんだと思う。
今でこそ「クラウドファンディング」っていう言葉も一般化してきたけど、それを10年前から実現していたということは、国際協力や開発援助といった文脈で考えてもセンセーショナルなことだったんじゃないかと思いますね。


杉山:影山さんが記憶に残るファンドは何ですか?





影山:僕は、「丸光製麺」のファンドかな。
当時の自分の問題意識として、お金を出してもらう事業者の側だけでなく、お金を出す投資家の側にとっても意義があって魅力のある仕組みになったらいいなって思っていたんです。
それにある意味チャレンジしたのが「丸光製麺」のファンドでした。「ファンミーティング」のようなもの開催したり。うまくいったことばかりではなくて、反省点もたくさんあるけれど、あの取り組みをしたことで出会えた人もいるし、特別な関わりの機会になったことは事実だろうと思うんです。いい形でそういう経験ができると、出資した人にとっても「セキュリテ」という仕組みが特別な存在になっていくということもあるんだろうと思うんです。



2011年:セキュリテ被災地応援ファンドWEBサイト



杉山:事業者数549社、この中には影山さんの「クルミドコーヒー」ファンドも入ってますね。





影山:そうですね。新しいお店(胡桃堂喫茶店)をつくるときの資金を応援してもらいました。もうすぐ丸2年になるんですが、出資してくださった方々のことは、力を合わせて一緒に事業を育てていく仲間だと捉えています。
僕の思い描く理想形は、「投資家向け」などといった形で特別に交流の機会を作らなくても、特に僕らみたいにお店をやっている事業者であれば、普段の営業やお店でやるイベントなどを通じて、自然に出会って、かかわってくれて、でも実は普通の参加者以上にお店のことを思ってくれている。
そうした方々が実際に何人もいてくださるので、外目には見えにくいし、説明の難しさもありますけど、出資を通じたかかわりは確実に育っていっているとも感じます。





杉山:私は、理想形にはまだまだ遠くて、やっぱり投資した人の体験としては不十分だと思うし、事業者さまにとっても「セキュリテ」を利用したことの意味を十分に感じてくれている人がそんなにまだ多くないんじゃないかと感じています。10年で実績も出てきたけど、同時に300本以上と償還も増えてくると色んな課題が見えてきて、まだまだやることはあるなと。


影山:そうですね。ただ、足りてないと思うのは分かるし、もっとがんばらなきゃだけど、一方ここまでこられたということも、素直に認めていいと思いますよ(笑)





杉山:それから、今ペルーでも動いているんですけど、日本の皆さんのお金で海外の事業を応援できたり、セキュリテのような仕組みがない国で新しくそういう仕組みをつくることができたらいいなと思っています。また、東日本大震災から間もなく8年ですが、「セキュリテ被災地応援ファンド」も去年3つ、償還も迎えているので、投資があって、分配があったら、またそれを元手に投資できるんだというお金の循環という体験を、沢山の人にしてもらいたいなと思っています。
影山さんは、この先の「セキュリテ」の課題って何だと思いますか?





影山:僕は、「セキュリテ」はもっとメディアになるといいなと思っています。
つまり、募集の局面でも、運用の局面でも、その事業のひとつひとつの中身がいかにユニークで面白いかっていうのは、やっぱりプロジェクト概要というシートだけでは伝わらりきらないって思うんです。
事業者の方の肉声とか、現場で実際日々起こっていることなどをうまく拾い上げて、文字だけじゃなく音声とか動画とか触れやすい形にして、投資家に届けることができたらなってよく考えます。投資家説明会などリアルなイベントを開催すれば、「応援したい」って熱もやっぱり自然と高まるじゃない? それをセキュリテのサイト上でも再現できたらいいのになって思うんです。

また、投資家の方々の中でも、一歩二歩踏み込んで事業にかかわってくれる方がいらっしゃる時に、どうして踏み込む気になったのか、踏み込んでみてどう感じたかっていうのは、他の投資家の人たちもきっと知りたいことだと思うし、事業者の側にとってもそういう関わり方をしてくれる可能性があるんだと思えると、この仕組み自体をより魅力的に感じるということがあると思うんだよね。そういうメディア的な機能が、もう少し付加されてくるといいのになと感じています。

それから、個人的には、もっとローカルなお金の地産地消をやりたいなと思っています。
地域で挑戦する人がいて、それを応援する人がいて、そういう距離感でお金の流れをつくっていけたらなって。
自分なら、国分寺というこのまちでも色んな取り組みがあるから、地域の人に応援してもらえるような仕組みを「セキュリテ」と一緒に作っていけたらなと思っています。





杉山:そう考えると、「セキュリテ」って、グローバルにもローカルにも可能性がありますよね。


影山:そうですね。「セキュリテ」は今、「インパクト投資プラットフォーム」として歩みを進めているけど、関わり始めて17年、その可能性や魅力はやっぱりすごいなと思っています。自分もベンチャーキャピタルの仕事などもしてきたわけだけど、金融がもたらす事業活動への影響力ってすごいわけで、「セキュリテ」のお金みたいなものが金融の選択肢の一つとして出てくると、単純な売上とか利益の成長だけじゃない、もっと目に見えにくい部分も含めて価値がつくり出されているっていうことを、経営者も応援する側も共有できる。
そしてもしそれが広まっていったなら、世の中全体に生み出される価値のシェアが変わってくるというか、金銭的な価値以外の価値も同じように大事にしていける。
「セキュリテ」にはそういう可能性があると思っています。





杉山:セキュリテのファンドは、影山さんの著書「ゆっくり、いそげ」の中の言葉を借りると、個人の「消費者的な人格」を刺激するというよりは、自分のお金によって、社会がこんなに変わるとか、いい事業が出来るよっていう方向で「セキュリテ」が成長していければいいなと、改めて思います。
今回、セキュリテはこれで10年ですが、来年、当社は創業20周年を迎えます。日本でも、世界的に見ても、いわゆる「クラウドファンディング」という言葉がまだない時期から、どこよりも早くこの仕組みを実践している会社の一つとして、まだまだ新しいことにチャレンジし、社会の、世界の資金ニーズに応え、皆さまに魅力的な投資の機会をつくっていけたらいいなと思っています。


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企画・編集:加藤
撮影:杉本
対談場所:胡桃堂喫茶店

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sugi2019年1月27日 17:00

木桶職人復活プロジェクト

岐阜の山川醸造さんが集めた「木桶仕込みのグルテンフリー醤油ファンド」の資金で、いよいよ木桶がつくられるということで、小豆島まで取材に行ってきました。

木桶づくりの現場は、小豆島のヤマロク醤油さんにありました。
岐阜のお醤油屋さんの桶を別のお醤油屋さんがつくる、不思議に思いませんか?

ヤマロク醤油は、山川醸造さん同様、木桶仕込みの醤油をつくる数少ない醤油蔵の一つです。昔は、醤油や味噌、酢、味醂、酒など和食の基本となる調味料は木桶でつくられていました。しかし、今ではその数は激減し、醤油についていえば、木桶仕込みの醤油は全体の1%にも満たないそうです。

そうなると当然、桶をつくる会社も減少し、今では醸造用の大きな桶を製造できる桶屋も全国で1社のみとなり、その1社がやめてしまえばどこにも発注できなくなってしまいます。

木桶の寿命は、100年から150年程だそうです。今、木桶仕込みの蔵で使われている桶は、多くが戦前に作られたもので、今後50年の後には、そのほとんどが使えなくなってしまいます。そうなった時に、もし木桶をつくる技術が失われていたとしたら、孫やその先の世代は、本物の木桶仕込みのお醤油をつくることも、味わうこともできなくなってしまいます。

そうした状況に危機感を覚えたヤマロク醤油の山本康夫社長が中心となり2011年秋に立ち上げたのが「木桶職人復活プロジェクト」です。最後の桶屋さんに、自ら「新桶」を3本、(借金をしてまで)発注し、2012年1月には地元の大工さん2人と一緒に弟子入りし、その桶を使って、作り方を直接教えてもらったのです。

その後、毎年1月に自分たちの手で新桶を作り続けています。今では山本さんの呼びかけに全国の桶仕込みをしている醤油蔵や酒蔵が集い、共同で桶づくりに取り組んでいます。

「小豆島 木桶職人復活プロジェクト」
http://yama-roku.net/yamaroku/oke-project.html


今回、セキュリテファンドを活用した山川醸造さんも、この取り組みに賛同し、ヤマロク醤油さんに新桶の製造を発注したのです。

~・~・~

こうした背景については、知っていました。しかし、現場に入ってみて、その雰囲気にびっくりしました。そこには全国から人が集まって、実に真剣に、楽しく、木桶づくりに取り組んでいました。

今年は、山川醸造さんの他、秋田の酒造や愛知の醤油蔵などから発注があり、ヤマロク醤油さんの分含め、7つの新桶をつくる予定だったのですが(その後、もう一つ増えたそうです)、現場には、他にも複数の醸造元や関連する業界の方が入れ替わり駆けつけていました。私のように本当に短期で取材や見学に来る人もいれば、長期にわたって合宿をしながら、製造技術を習得される方もいらっしゃいました。

木桶の寿命は長いですが、長く使うためには、修理などのメンテナンスも必要になります。自分たちの桶のことをよりよく理解し、何かあった時には自分たちの手で直せるように、と皆さんお考えのようでした。

正直言ってしまえば、瀬戸内海にある小豆島は交通の便が悪いです。どうやって行っても、最終的にはフェリーに乗らないといけません。飛行機で行っても、新幹線で行っても、例えば、私の住む千葉市からだと、結局7-8時間はかかります。

それでもこれだけの人を引き付けるのは、「木桶仕込みの伝統を残したい」という純粋なパッションと、何よりこのプロジェクトを推進しているヤマロク醤油さんや仲間の皆さんが、本当に気持ちよく人を受け入れ、優しく、惜しみなくそのノウハウを教えてくださるからに他なりません。

私自身、取材という名目での出張でしたが、実際には様々な作業を実際にさせて頂き、大変貴重な機会を頂きました。短い時間でしたが、参加者の皆さんから、いろいろなお話をお聞きし、私にも自分の役割を与えられたと考えています。それは、この取り組みを多くの方にご紹介すること、そして資金調達のお手伝いをすることです。

セキュリテの事業者さんの中にも、今後新桶を発注したい、という酒蔵や醤油蔵がきっと複数いらっしゃるはずです。しかし、木桶は決して安くはありません。新しい桶をつくるには、「車一台分」ぐらいの費用がかかります。そうした時に、山川醸造さん同様、セキュリテのファンドをご活用頂けるよう、できる限りのお手伝いをさせて頂きたいと思います。セキュリテを既に活用している事業者さんに限らず、お気軽にご相談頂ければと思います。

今回の取材の様子は、動画にまとめて後日公開しますので、どうぞお楽しみに!
まだ未確定ですが、みんなで作った新しい桶が、小豆島から、岐阜の山川醸造さんに届いて、初めての仕込みが始まるところまで、できれば追っかけたいな、と思っていますので、ぜひご期待ください。

最後に、山川社長から投資家の皆さまに向けたメッセージも頂いてきましたので、ご紹介しますね。



以下、写真も何枚かご覧ください。

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(その日いたメンバーで集合写真。前列真ん中の赤いジャンバーを着ているのが山川醸造の山川社長、その右がヤマロク醤油の山本社長、左が山川かなこさん)​

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(現場の楽しい雰囲気が伝わる1枚)

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(竹釘づくり。小学校の頃、鉛筆をナイフで削ったのを思い出しました)
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(竹箍(タガ)の下に入れる芯に縄を巻き付ける作業。みんなで声かけながら楽しく。でも見た目よりキツかったです)
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(タガの竹の表面を軽くバーナーであぶることで、編み目がキュッとしまります)
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(桶の板の側面にメッセージ。桶が壊れない限り、今後、このメッセージを見ることはありません。100年後の未来に向けてのメッセージです。テレビ取材も入っていました。左は山川醸造のかなこさん、右は秋田の酒造から来ている期待の新人さん)

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(底板を打ち込む作業。山川さんもしっかり参加)

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)
 

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sugi2019年1月20日 21:06

糸魚川の酒蔵

2019年最初の出張は、新潟県の糸魚川市でした。
購入型クラウドファンディングサイト「MOTTAINAIもっと」で展開中の「蔵元応援キャンペーン」で、糸魚川信用組合のサポートで、糸魚川市から新たに3つの酒蔵が取り組みを開始するのに合わせ、行ってきました。
糸井川には5つの酒造があるそうですが、人口が約4万3000人ということを考えると、かなりの酒どころと言えそうですね。

それぞれに特色のある取り組みになっていますので、ぜひチェックしてみてください。

~根知谷で生きる~ 渡辺酒造店の気候風土を映し出したドメーヌスタイルの地酒の真髄プロジェクト 
渡辺酒造店の現当主である6代目の渡辺吉樹代表は「根知谷の自然か育んだ米の特徴を生かし、気候風土を映し出した地酒の真髄を追求したい」と米作りから醸造まで一貫して行う日本酒造りという新たなビジネスモデルで、業界の常識に挑んでいます。
昨年、根知谷を訪れ、地元を応援してくれる仲間をつくりたいという想いで蔵併設直売所『豊醸蔵』をオープンしました。その際には、セキュリテを活用し「糸魚川 根知男山 豊醸蔵ファンド」を募集、現在、ファンド運営中です。

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糸魚川大火の復興へ! 200年の時を超える『謙信』の蔵-池田屋酒造
『謙信』を醸す池田屋酒造は、新潟県の最西端・糸魚川市にあります。
糸魚川産の酒米「越淡麗」を使い、今まで醸された新潟清酒とは一味違う「豊潤旨口で白濁としていない綺麗な味わい」を表現した自信作『謙信』を全国各地に届けることが、糸魚川大火から未来へつながる真の復興へつながると信じ酒造りを続けています。

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“亥年”に”5人の猪また”が造る全量地元蔵人の栽培米の純米吟醸!猪又酒造プロジェクト
装いも中身も既成概念にとらわれない新しいエッセンスのオルタナティブ純米シリーズ「サビ猫ロック」を醸す猪又酒造。平成最後の仕込みの今年、酒造りをしている5名全員の苗字が偶然にも「猪又と猪股」、干支の「亥年」であることを記念して、限定酒「INOMATA'S」をつくります。「猪」にかけた新デザインのラベルは今回限定!この機会を逃すと手に入れることは出来ない正に超レアアイテムをお届けします。
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さて、こちらが今回の出張で手に入れた品々です。お酒は、3本同時に飲み比べたい欲求はあるものの、実際にはやっぱり1本ずつ空けていくことになりますね。今月は家で新潟のお酒を楽しみたいと思います。

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イベント2018年10月12日 15:04

ミャンマーのマイクロファイナンスプロジェクト、始まりました!

ミュージックセキュリティーズは、新たにミャンマーのマイクロファイナンス事業を支援するため、特定非営利活動法人Living in Peace(LIP)とミャンマーのマイクロファイナンス機関MJI(エムジェーアイ)を子会社にもつ、合同会社quarante(キヤラント)と業務提携を結びました。
(詳細はこちら:ニュースリリース

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実は、私、マイクロファイナンスファンドをつくりたくて、ミュージックセキュリティーズに転職しました。そのきっかけとなったのが、2009年のLIPとMSの業務提携でした。当時、私は別の会社にいながら、ボランティアとしてLIPに参加し(LIPの活動は今もすべてボランティアによって運営されています)、マイクロファイナンスプロジェクトのリーダーをしていました。しかし、自分の本業として、本気で取り組みたくてMSにきて、今に至っております。

それからまもなく丸10年。LIPとMSの枠組みの中では、これまでにカンボジア、ベトナムを中心にファンドをつくってきましたが、今回、新たにミャンマーにパートナーを得て、ミャンマープロジェクトを始動しました。その第一歩となるのが、今回の業務提携です。

(参考)これまでのファンドの実績

下の写真の真ん中にいるのが、ミャンマーのマイクロファイナンス機関、MJI microfinance のCEOを務める加藤侑子さんです。
そうなのです。なんと、京都出身の日本人女性が、ミャンマーのマイクロファイナンス機関の代表なのです。

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(業務提携契約への捺印が完了した後の記念の1枚。左:LIPのマイクロファイナンスプロジェクトのリーダーのキョウさん、真ん中:MJIとキャラントの代表の加藤さん、右:私)

多くの方に加藤さんのミャンマーでの取り組み、想いや奮闘の様子を知っていただきたいと思いまして、ファンドの募集開始まで待ちきれず、3者でイベントを企画しました。
加藤さんのお話の他、現地調査に行ったLIPメンバーの報告もあり、後半はミャンマーのおやつを頂きながらの交流タイムも予定しています。

ぜひお越しくださいね!
 
『ミャンマープロジェクト立ち上げ記念 現地報告会&交流会〜マイクロファイナンスで紡ぐ未来〜』
■日時 2018年11月3日(土) 13:00~15:00
■場所 LIPオフィス(東京都中央区日本橋兜町5番1号 兜町第1平和ビル)
■内容 本業務提携に関してお話しする他、MJIのCEO加藤氏がミャンマーの現状やミャンマーにおけるマイクロファイナンスについてお話しいたします。
■参加費 無料

お申し込みフォームへ
 

<ミャンマーにおけるマイクロファイナンスについて>
ミャンマーは、政治的理由により国際取引がほぼなく、金融セクターが脆弱な状況が長らく続いていました。1997年に国連開発計画(UNDP)主導でマイクロファイナンスが導入され、2011年のテイン・セイン就任後に市場開放が加速、外資によるマイクロファイナンスも可能となりました。
経済成長を遂げつつあるミャンマーですが、未だ国際連合が定める後発開発途上国(最貧国)であり、都市部を除いてはマイクロファイナンスサービスが十分には提供されていない状況です。
※マイクロファイナンスとは、貧困層や収入の低い世帯向けに提供される小規模金融サービスの総称です。

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

※ 本イベントは、ファンドの勧誘を目的としたものではありませんが、イベント中、現在企画中のファンドについて言及される場合がございます。その際、LIP及びキヤラントはファンドの勧誘を一切行いません。ファンドについてのご説明はミュージックセキュリティーズがいたします。

 

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sugi2018年10月2日 09:30

新たな地域特化型クラウドファンディングサイトがオープン!

2018年10月1日より、大分発の新しいクラウドファンディングのサイト、「sandwich」がサービス開始になりました。こちらのサイトは、大分合同新聞さんと大分銀行さんと当社の3者で連携して取り組む、地域特化型のいわゆる『購入型』クラウドファンディング(※)のサービスです。

sandwich (サンドイッチ)という名称には、「夢をはさみ、希望をはさみ、明日をつくる」という思いが込められています。ロゴのデザインも、なんだかポップで楽しく、可愛らしいですね。


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サービス開始を飾るのは、老舗テント屋さんの高性能トートバッグプロジェクトから、おおいた和牛や黄柚子とうがらし、福祉プロレスのプロジェクトまで、実に多彩な4つのプロジェクト。sandwichのページから、ぜひ詳細をご確認ください。


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実は、ミュージックセキュリティーズが関わる購入型クラウドファンディングのサイトは、今回ローンチしたsandwichを含めて、現在7つあります。いずれも、地域密着で実力のあるメディアや金融機関の皆さま、または、全国にネットワークを持つパートナー企業の皆さまと連携したサイトになります。

今日はそのすべてを一挙にご紹介したいと思います。


FAN AKITA
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CF信州
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MOTTAINAIもっと
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YUIMA
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にいがた、いっぽ
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ひかりTVドリーム
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sandwich
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いかがでしたか。各サイトのキャッチコピーを見るだけで、目指していることが伝わってきますね。
現在、お住まいの地域や出身地、以前住んでいた場所や移住希望先など、気になる地域のサイトやプロジェクトがあれば、ぜひチェックしてみてください。


<ミュージックセキュリティーズが関わる購入型クラウドファンディングサービスの一覧>
FAN AKITA
CF信州
MOTTAINAIもっと
YUIMA
にいがた、いっぽ
ひかりTVドリーム
sandwich
 (注) いずれのサイトでも、プロジェクトに参加するには、サイト毎に会員登録が必要です。

(※)購入型クラウドファンディングは、資金提供者(サポーター)が、事業者(プロジェクトオーナー)に資金を提供し、そのお礼としてモノやサービスを受け取る、事業支援の仕組みです。
セキュリテで扱う商法上の匿名組合に基づくファンドと異なり、現金による分配はありません。


(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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