マイクロファイナンス
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現地訪問記2013年11月7日 20:59
スタディツアー報告 vol.11:目標達成に最も障害となることは?
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2013年7月、「ベトナムONE」の投資家特典として、投資先であるマイクロファイナンス機関「TYM」を訪問するツアーを開催しました。ツアーに参加した出資者の方が、レポートを書いてくださいました!2013年7月13日、東京から約4000km、私はハノイにいました。
ありがとうございます。
なんとこの方は、ツアー参加後、マイクロファイナンス貧困削減投資ファンドの
協力者であるNPO法人Living in Peaceに入会しました。
新たな一歩が生まれたツアーになりました。
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3泊5日の日程で行われたベトナム・マイクロファイナンス・スタディツアー。
このツアーに参加することを友人へ話すと、
仕事で行くの?
マイクロファイナンスって何?
とそんなリアクションばかりでした。私も正直マイクロファイナンスが何なのか、一体どんなことが行われているのか、
明確に答えられることはできず、そんなスタンスでこのツアーに参加しました。
23名の参加者たちの年齢は20代から60代と幅広く、参加動機も様々でした。私がこのツアーに参加した動機といえば、勤務する銀行の仕事に活かせることが
何かあればいいな、とやんわりしたものでした。
成田空港から約3時間半、ハノイに到着したときの第一印象は、
とにかくバイクの交通量が圧倒的に多いことでした。
想像はしていたものの、本当にすごい…。
帰国後調べてわかった事ですが、この背景には日本のホンダへの信頼があるようです。
ベトナム経済が飛躍的に伸びた1980年から1990年、100kg 単位での荷物の運搬、
3人乗り、4人乗りにも耐える高い信頼性によって、1990年代にはオートバイが
「ホンダ」と呼ばれていたこともあったそうです。一国の経済成長の一旦を担えるほどの
日本の技術力に改めて感動を覚えた光景でした。
(現在では安価なオートバイが出回り、ホンダのオートバイを見掛けることは少なかったです。
残念…。)
〜ハノイから約80km郊外のマイクロファイナンス活動現場視察〜
視察したのはハノイから約80km郊外のKim Dong村でした。
この村には約100家庭が居住し、その内の55%程がTYMから融資を受けていました。私がツアーへ参加した時点での数値ですが、Kim Dong村の顧客の返済率は100%でした。
この返済率、驚きました。「何がこの返済率を支えているのか」と疑問に思いましたが、
この疑問はよもや愚問でした。私が居住する日本社会や勤務先の銀行という視点で、100%という返済率を見ることが
間違いだったのです。現地で行われているのはマイクロファイナンスでした。
そしてこの高い返済率を支えているのは、毎週少額ずつの無理のない返済と、
センターミーティングに起因していました。(TYMメンバーが行うセンターミーティングに参加)
TYMではセンターミーティング制を採用しており、地域ごとに40人から50人の
顧客で一つのセンターを形成しています。週に一度のこのミーティングで
ローンの返済や貯金、保険の積立が行われているそうです。TYMから融資を受ける顧客の方数人からお話を聞ける機会があったのですが、
共通して感じているメリットはセンターミーティングへ参加できることでした。このミーティングでメンバーたちはface to faceで近況を話し合い、
仕事に対する士気を上げ、自分たちの生活レベルを向上させようと
意識を高め合っていたのです。日本では失われた村社会がそこにはあり、
この環境こそが100%の返済率を支えているのだと感じました。(TYMユーザーが実際に借入を行う様子)
〜TYM本社視察〜
TYM本社を訪問し、そこで働く職員の方々との交流がありました。
TYM は2010年に国内ではじめて、ベトナム銀行からマイクロファイナンス機関として
ライセンスを取得しました。低収入の女性に対し、ベトナムで一番の
マイクロファイナンス機関になることをビジョンとして持つ彼女らの仕事に対する姿勢を
見ていると、なんだか自分も負けていられないと、ふつふつ私の心は沸いてきました。
(TYMの言葉の意味は“あなたが好きです”)
2013年6月(ツアー参加当時)、TYMの 融資金額は今までで約25億円、
約80,000人の顧客が貧困から脱却することができたそうです。2017年にはTYM参加者を177,000人、融資金額も85億までもっていきたいとのことでした。
では、この目標達成のために最も障害となることは?
と質問すると、「資金不足」と社長は迷わずに答えました。TYM職員である彼女らの組織力とやる気は足りているのです。
ふとKim Dong村のTYMユーザーの方々とこの状況が重なって見えました。
彼女らも融資を受ける前、足りないのは資金でした。
3泊5日の短い期間でしたが、ベトナムの文化と社会を直視することで、
得られたことはたくさんありました。日本にはもう見られない村社会、融資を提供する側の紳士な姿勢、
融資を受ける側の向上心。何か仕事に活かせることがあるかなと、
やんわりとしたスタンスで参加したこのツアーでしたが、ハノイで働く女性たちに
刺激を受けてばかりの自分がいました。
「現地で働く人たちの力になりたい」
帰国後その気持ちは膨らみ、私は10月よりLiving in Peaceのメンバーとして
活動を始めることになりました。私の小さな行動により、ほんの少しでも現地で働く人の状況を良いものに
変えることができればと思っています。
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