マイクロファイナンス 2011年04月
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現地訪問記2011年4月16日 13:21
スタディツアー報告 vol.6:借りての向上心に心を打たれた
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スタディツアー第2回に参加した方の感想をご紹介します。初めての海外旅行がこのスタディツアーだったとのこと、ハードスケジュールだったと聞いていますが、その後、大丈夫でしょうか。よい経験をしていただけていれば企画者として嬉しく思います。-------マイクロファイナンス・スタディツアーに参加して(砂糖ヤシをとるため、15メートル以上あるとおもわれる木をのぼる借り手の方。たくましくてかっこよかったです。)マイクロファイナンスの現場そしてカンボジアの国をみてみたいという気持ちでこのツアーに参加しました。カンボジアは内戦によって不安定(危険がいっぱい)、世界遺産に登録されたアンコール・ワットやアンコール・トムの遺跡を訪れる観光客でにぎわっている(歴史がいっぱい)、そんなイメージをもって現地に向かいました。シェムリアップに到着し、翌日カンボジアのマイクロファイナンス機関で働く方や借り手の方を訪問していきました。カンボジアにおけるマイクロファイナンスの不良債権率は3%程度ということで、未来は暗くないと感じることができました。また不安な気持ちを抱えながらも、お金を借りビジネスを成功させようとする借り手の方々の向上心に心を打たれました。笑顔で挨拶をしてくれる借り手の方の表情はとても印象的でした。一方、観光客が集まる場所で物乞いをするこどもたちの姿も目に焼き付いています。決して無関係とはおもわず、この問題を考えていきたいとおもいます。ビルや田園風景、観光客や現地の人々、言葉では表現できないほど多くのものが混在するカンボジア。一面しかみることはできていないですが、危険な国ではなかったです。また訪れてみたいとおもいました。マイクロファイナンスの情報は書籍やインターネットを通してでしか得ることができませんでしたが、このツアーではマイクロファイナンス機関で働く方や借り手の方と直接お話をすることができ、貴重な経験となりました。貧困という問題はすぐに解決できるものではないですが、マイクロファイナンスは解決の1つの手段になる可能性をもっていると感じました。一緒に旅をした皆さまからは多くの刺激をいただきました。夜のミーティング、とても勉強になりました。私にとってはこれが初めての海外経験でしたが、充実したものになりました。ありがとうございます。伊澤貴大
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動画コレクション2011年4月5日 14:20
スタディツアー報告 vol.5:マイクロファイナンスはビジネスである
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少し、間が空いてしまいました。この間に、既に第2回のスタディツアーも実施されました。そちらの様子も順次ご紹介したいと思いますので、ご期待下さい。今日は、普段は金融機関にお勤めの林さんの感想をご紹介します。--------------------------カンボジア スタディツアーに参加して今回のツアーでは主に、マイクロファイナンス機関(Seilanithih)の社員の方々(CEOから営業まで)、また借り手の方々から、実際にお話を伺いました。Seilanithihは総資産約7.7百万ドル、顧客数約1万人と、カンボジア国内でも比較的小さなマイクロファイナンス機関ですが、財務内容は健全で、毎期安定的に利益を計上しているようです。初日にお会いしたCEOのSethaさんは非常に気さくで底抜けに明るい方で、そのエネルギーと前向きさが伝わってきました。日々の営業活動や与信管理業務をこなすCO(Credit Officer)の方々は、素朴でシャイ、とてもまじめな印象(ガイドさん、顧客の皆さん含め、今回お会いした方々は皆そのような印象です。カンボジア人の国民性なのかもしれません)。皆さん笑顔がかなり素敵でした。一人あたり200人~300人の個人顧客を担当し、毎日農村部の顧客をバイクで訪ね、新規顧客の開拓や返済の催促、生活状況の確認を行っているようです。貸し出す際には、借入希望者が住む村の村長に、その人の人間性や評判、他の金融機関に債務がないかどうか等を確認するとのこと(もちろん資金使途や事業内容なども精査します)。また返済しない利用者とは粘り強く対話をし、多くの場合は理解を得られるとのことで、人と人のリレーション・信頼関係がとても重要になると感じました。皆さん社会貢献に対する高いモチベーションをもって働いており、内戦の混乱から間もない中で、そのような崇高な姿勢を持って働くことに対し、敬意を覚えました。借り手の方々は、小さな飲食店を営み、2店目の出店費用に充当する人、椅子職人で、その材料を購入する人、ビリヤード台を購入し、近所の若者からの利用料で収入を得る人、農業を営み、牛を購入する人、灌漑用のポンプを購入する人など、その職業、資金使途は様々でした。借入により実際に生活が向上した人もいれば、受注が増えないので収入も増えず、逆に月3%という高い利息が負担となっている人もおり、当然ではありますが、マイクロファイナンスは、あくまで貧困層が自律的にその生活を向上させるチャンスを、資金という形で提供するものであり、それを実現させるのは市場環境やその人次第だということを実感しました(先進国でも同じです)。そしてそのチャンスを最大限に生かすために、市場や事業展開のノウハウ等に関する情報を入手できる環境作りや、市場とのスムーズなアクセスが欠かせないと感じました。今回のツアーを通じて最も印象深かったのは、マイクロファイナンスはビジネスであるということ。慈善事業ではなく、収益を計上することを前提に成り立っています。与信判断や与信管理も、マニュアルに沿って日々堅実に行っており、返済率もほぼ100%とのこと。一般的には「貧困層から暴利を搾取して、けしからん」という意見も一部あり、該当するケースもあるかもしれませんが、全体として見れば、ビジネスとして行うからこそ、援助資金に頼らず、これだけの短期間で世界中の貧困国に浸透したのだと感じました。またビジネスとして行うことにより、投資家・経営者・社員・顧客ともに強い責任感を持ち、資金を効率的に運用し、持続的発展が可能になるのだと思いました(生きるために必要なインフラすら整っていない場合には援助は重要ですが)。現場を見るまでは、慈善的要素が強いイメージを抱いていたため、この発見は新鮮でした。リーマンショック後、多くの人が、収益を最優先する拝金主義的な営利企業の在り方に違和感を覚えていると思いますが(自分もその一人です)、マイクロファイナンスのように、収益とともに社会的利益も実現できる場合、それは効率的で魅力的なものになり得ることを実感しました。そして、これからの途上国の発展や貧困層の生活水準の底上げについて、ビジネス(営利企業)の力が果たす役割は大きいと感じました(すでにBOPビジネスが浸透しつつありますが)。自らも営利企業に身を置く中で、今後の働き方を考える上で、良い経験になりました。本ツアーを企画して下さった方々、参加者の方々、現地のガイドの方々、お忙しい中時間を割いて下さったSeilanithihの方々、借り手の方々に心より感謝致します。林 雄二郎--------------------------林さんと言うと、カンボジアでものすごく辛い香辛料を食べて、お腹をこわしていたのが思い出されます(笑)。その後、体調はいかがでしょうか。お忙しい中、感想文をお寄せ頂き、どうも有難うございました!
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