マイクロファイナンス
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動画コレクション2011年5月17日 19:56
スタディツアー報告 vol.8:カンボジアの前向きなエネルギー
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ミュージックセキュリティーズの杉山です。
本日は「カンボジアONE」の出資者久米さんの体験記をご紹介します。
久米さんは最も古い投資家の1人になりますが、今回のスタディツアーにも一番早くお申込頂き、
東京で開催した説明会にもわざわざお越しいただいたのがとても印象に残っています。
今回のスタディツアーをきっかけに、今では久米さんの地元での、
マイクロファイナンスに関する講演会を企画していただくなど、嬉しいつながりが生まれています。
これからもどうぞ宜しくお願いします。
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カンボジア・マイクロファイナンススタディーツアー体験記
我が久米家のルーツはクメール(カンボジア)である、という話は冗談ではなく、なぜか昔から我が家で信じられてきたので、カンボジアには何か不思議な縁を感じていました。
社会起業に興味を持つようになってから、たまたま新聞の記事で見つけた「カンボジアONE」への投資をきっかけに、この素敵なスタディツアーと参加者の皆さん、そしてカンボジアで様々な方に出会えたことは、本当に嬉しく、ツアーから1か月が経った今も、あの濃密な1週間のことを懐かしく思い出しています。
最初は参加者もなかなか集まらず、やっと催行が決まったと思ったら、出発1週間前に東日本大震災が発生。日本中が大混乱の中で、このツアーも中止になるのではないか、またこんな時期に海外旅行に出かけてもいいのか・・・ツアーを手配して下さったHISの木村さんから予定通り催行の旨の連絡を受けても心配は尽きませんでしたが、せっかくの機会であり覚悟を決めて参加することにして、今は本当によかったと思っています。
初めての途上国訪問だったのに加えて、全く金融に詳しくない私にとって、今回のツアーで衝撃的だったのは、実はマイクロファイナンス自体よりも、現地の方の生活環境、そして生の声でした。
「アンコールワットを見学できたなんて、あなたはラッキーですね。」
旅の後半で訪れた、カエプのホテルでお話した従業員の方のこの一言が、今でも忘れられません。
「カンボジアONE」の投資先であり、今回私たちが最初に訪れたシェムリアップの街は、アンコール遺跡群の玄関口として世界中から毎年多くの観光客が訪れる、日本で言えば京都のような場所です。京都なら、日本の学校に通っていれば一度は必ず修学旅行等で訪れるでしょうし、日本にいれば思い立った時にいつでも訪れることができます。
しかし、ポル・ポト政権時代や内戦の傷跡が未だに残るカンボジアは、全く事情が違いました。たとえ国内であっても、交通インフラも整わない、また旅行に行くお金もない状況で、シェムリアップから遠く離れたカエプの方にとっては、見たいと思ってもアンコールワットは遠く、写真で見るだけの存在だったのです。外国人の私たちはとても気軽にアンコールワットを見学できたけれども、この貴重な遺跡を現地の方が見に行くのがどれほど大変か、自分がどれだけ恵まれた立場にいるのか、改めて思い知らされた一言でした。
それでも、学業の傍らホテルで働く彼が「大学を出たら国際機関で働きたいんです」と語ってくれた言葉は、心強く感じました。また、日本の震災についても本当に心配をして下さいました(これはカンボジアで出会った皆さん同じでした。カンボジアでも多くの義援金が集まったそうです)。
カンボジアに来るまでは、マイクロファイナンスについては「融資を通じて貧しい人にチャンスを与える」という、どちらかというと援助に近いような、上から目線で考えていたのですが、実際に借り手の方を訪問して直接お話を伺っていくうちに、それはちょっと違うのかもしれない、と思うようになりました。
ツアー中に訪問した借り手の皆さんは、工芸品製造の方も雑貨屋さんも農家の方々も、皆さんビジネスの拡大を目標に、もっと良い暮らしをしたい、子供たちに良い教育を受けさせたい、と家族のためにマイクロファイナンスを活用し、事業を運営しておられました。
実際に私たちが現地で見聞したことは、現実のごく一部でしかありませんし、誤解もあるかもしれません。しかし、たとえ電気や水道のない、私たちから見れば不便な暮らしでも、「貧しい」という悲壮感は全く感じませんでした。借り手の皆さんはとても明るく前向きで、幸せそうで、思っていたよりもずっと自立していました。この前向きなエネルギーがあれば、カンボジアはこれからもきっと成長していけると思います。「カンボジアONE」を通じて現地に届けられたお金は、とても有効に使われていることを実感できました。
カンボジアでたくさんの刺激を受けた今、日本にいる自分に何ができるのか、改めて考えているところです。このツアーから、何か次のアクションにつなげられたらと思います。
今回は投資家特典ということで、マイクロファイナンスについてもろくに勉強しないまま、完全にお客様気分で参加してしまったことは個人的には反省点ですが、知識豊富な参加者の皆さんに助けられて、私でも理解を深めることができたと思います。観光旅行では味わえない、このツアーでなければ体験できないことがたくさんありました。投資家の皆さんには是非一度、この体験をしていただきたいと思いますし、私もまたいつか、成長したカンボジアを見に行きたいです。
最後に、今回のツアーを企画いただいたLIPの皆さん、いろいろな相談に乗って下さったHIS木村さんと、現地で細やかな気配りをして下さった日本語ガイドのソチアさん、ツアー参加者の皆さん、現地で忙しい中時間を取って下さったサミックの職員の皆さんや借り手の皆さん、カンボジアで出会ったすべての皆さんに、お礼申し上げます。
久米 明子
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