澤田酒造 こだわりの酒3本セット







 知多の酒造りは元禄元年(1696年)、当時尾張藩の御用商人であった木下仁右衛門が保命酒と呼ばれる薬用酒をつくり、壷に入れて献上したのが始まりといわれています。元禄十年ごろから江戸への出荷が始まり、知多は一大産地へと発展していきます。



  澤田酒造は幕末に創業し、明治時代には速醸の礎となる乳酸添加による酒母造りの開発に成功しました。以来、米の旨みを大切にいかした、料理をひきたてる酒を造るため、基本に忠実な酒造りを通じて品質第一に歩んでいます。
  一方、古くから陶都として知られている常滑は、瀬戸や信楽など日本六古窯のひとつとして最古、最大を誇っています。常滑焼きを生んだ、職人の町で、蔵人たちの熱い心が今に息づく、伝統の酒蔵がここにあります。



 
昔ながらの木甑・麹蓋という道具を用いた酒造り

和釜・木甑
和釜・木甑は「蒸し」の工程で使用されています。その「蒸し」を行う場所のことを昔から釜場と呼びます。木桶の底板に孔を開け、それを大釜の上に乗せたものが甑(こしき)で、木桶を使っているものを木甑(きごしき)と呼びます。
 
木桶内の孔の上に蒸気分散用の「こま」を置き「さな」を設け、その上に布を敷いて浸漬米を置きます。釜の下には炉があり、和釜に水を張りバーナーで加熱してできる水蒸気でお米を蒸す構造になっています。いわゆる「大きなせいろ」のようなものです。
 
現在では、ボイラーが普及していますが、澤田酒造では、昔ながらの強い蒸気のでる和釜による方法でお米を蒸しています。また、熱い甑の中で蒸し米を掘る作業は重労働であり、甑のメンテナンスも大変なため、蒸し作業に和釜・木甑で行う蔵は全国的にみても少なくなってきているのが現状です。
 
一方、和釜で生まれる強い蒸気の中で、甑内に職人が入り実際に人力で掘り下げる作業ができるため逐一蒸し加減を確認でき、最適な蒸し加減である「外硬内軟」になるよう調整できるようになります。



 
麹蓋
1つ目の麹蓋は、麹作りの工程で利用されます。酒造りでは「一麹、二酛、三仕込み」といわれ、最も重要な工程と目されることもあり、非常に心血を注ぐ工程と言われています。
作りは蒸し米に麹を振りかけ、麹菌を繁殖させる工程ですが、現在ではコンピューター制御の完全自動製麹が普及していますが、澤田酒造では麹蓋という昔ながらの道具を使用しています。麹蓋は完全洗浄が必要な上、作業を夜間に行う必要があることから大変な手間がかかります。そのため、すべてのお酒で麹蓋を使用している蔵は、愛知県内では澤田酒造のみとなっています。木製の長方形の蓋のことで、そこに少量ずつ麹を振りかけた蒸し米を移した上で麹室に保管します。利点は、少量で分けているため麹菌が蒸し米の内部に均質に入り込む状態、いわゆる「破精込み」(はぜこみ)が可能となるため、お米の旨味をお酒の中に溶け込ませることができる点にあります。



他にも、知多半島丘陵部(新水谷)の伏流水を使用し、濃醇で雑味のないお酒に仕上がります。木甑、麹蓋といった昔ながらの道具を使用する製法では大量のお酒を製造することはできませんが、昔ながらの製造方法を守り、基本に忠実なお酒造りを行っています。是非お楽しみ頂ければ幸いです。
 

作り手のご紹介


澤田酒造株式会社

澤田酒造の歴史は、嘉永元年(1848年)、初代の澤田儀平治が水質に恵まれた常滑で酒造業を興したのがきっかけです。以後、対岸の鈴鹿山脈から冬の冷たい風「鈴鹿おろし」、北西の伊吹山からの冷たい風「伊吹おろし」が吹き下ろしてくる同地にて、基本に忠実な酒造りを心がけています。常滑という地域は「赤味噌、たまり醤油」の食文化圏であるため、きき酒のためのお酒ではなく、「料理を引き立てる食に寄り添ったお酒」造りを目指し、そのお酒は多くの方に支持を得てきました。平成30年には創業170年を迎えています。

全国新酒鑑評会金賞受賞 昭和57年、昭和62年、平成5年、平成10年、平成17年、平成20年、平成21年、平成26年、平成30年



澤田酒造の現代表は澤田薫さん。2015年10月に父の澤田研一さんから事業を引き継いだ六代目の代表です。現在、社長業に奔走しながら、2児の母として育児も行う日々を送っています。2015年の就任以降、薫さんは様々な施策を実施してきました。

これまで社員に漠然とのみ共有されていた企業理念・ビジョン・行動方針・行動基準を明文化、地域資源である梅を使用した梅酒の開発、観光客需要を見据えて、セミナースペースの常設、頒布会の年間複数実施、蔵を使用した落語会やヨガ教室などの各種企画も立ち上がっています。


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