お知らせ 2016年7月26日 19:07

日本酒熟成古酒専門店に聞く、日本酒古酒を美味しく楽しむ方法

 

「これからの南部美人の海外展開を支えてくださる投資家の皆さまにもっと日本酒のこと、南部美人のことを知ってもらいたい。」

そういう思いから、今回のファンド【南部美人ファンド2016】の投資家特典では、日本では未発売ながら海外では高く評価されている南部美人の10年超古酒2本をお届けします。

そのうちの一つ、「大吟醸斗瓶囲い 雫」は、ラスベガスのシンボル的な有名ホテル「ベラッジオ」の和食レストランでも出されている高級酒。「Frozen Beauty」としてメニューに掲載されている値段は、四合瓶でなんと2400ドルで販売されています。

今回、この古酒をご自宅で、あるいは、パーティ等でご友人みなさんでお楽しみ頂くときに、美味しく飲むための方法を、東京・品川にて、長期熟成酒BAR「酒茶論」の代表の上野伸弘さんにお話を伺ってきました。担当はイノオです。


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上野伸弘氏
長期熟成酒BAR「酒茶論」主宰。1961年生まれ。1979年ホテルニューオータニ入社。料飲部飲料課に配属。バー勤務。東京サミットの際、レーガン大統領を始め、各国首脳のサービスを担当する。外国要人来日の際のサービス、総理官邸、外務省飯倉公館などへの出張等、社内外のVIP担当サービスマンとして活躍。後、フレンチレストラン「トゥールダルジャン東京」にて、バー責任者として勤務。2002年日本酒のブランディング及び、価値向上を目的とした、長期熟成酒専門BAR「酒茶論」を立ち上げる。現在、全国約40蔵の協力を得て運営している。日本酒業界のさらなる発展・向上に努めている。





  イノオ

上野さん、今日は宜しくお願いします。
そもそも南部美人さんとは古いお付き合いだということですが、今回の10年超古酒2種類を飲むのは初めてということですね。
この2種類、同じ10年以上寝かしているのに色が全然違います。
なぜ、こういう差が起きるのか、そこから教えてもらっていいでしょうか。



 
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「南部美人大吟醸斗瓶囲い 10年古酒」
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「南部美人 全麹純米酒 All Koji 10年古酒」


上野さん

はい、日本酒の古酒のよる味の変化というのは、大きく化学的変化と
物理的変化の2種類があります。

化学的変化というのは、日本酒の中にある糖とアミノ酸が反応していくことで、メイラード反応というのですが、褐色にかわっていき、香味なども変化していきます。

一方、物理的変化というのは、日本酒の中にあるアルコールを水の分子が包むようになっていきます。そうすると、元々のアルコールの分量・度数は変わらないのですが、
水が回りを包むことによって舌触りがとてもなめらかになるんですね。

この点でいうと、「南部美人 大吟醸斗瓶囲い 10年古酒」の方は冷蔵で熟成させているので、化学的変化は抑えながら物理的変化が進むようになります。

もともと大吟醸でフルーティな香りが特徴なのでこの香味を失わせないために冷蔵熟成させたことによって、色や香味は変えずに、なめらかな味わいになるんです。

「南部美人 全麹純米酒 All Koji 10年古酒」の方は常温熟成なので褐色になり香味も
大きく変化した古酒になります。




イノオ

なるほど。とてもよくわかりました。同じ古酒でも、香りを残したいものは冷蔵熟成なんですね。
それでは、「南部美人 大吟醸斗瓶囲い 10年古酒」の方から楽しみ方を教えてください。




上野さん

味はフルーティーさはとどめながらも重厚感がのあるここちよく鼻こうをとらえる感じが特徴ですね。
大吟醸の新酒などは注いだ瞬間からふわっと香りが鼻まで広がってくるものがあると思いますが、大吟醸をこのように古酒として熟成させるとふわっと香ってくるというよりはグラスの中で雲のようにふわふわと漂っていて飲むときに香りが楽しめるようになるのが特徴です。

冷蔵で熟成しているので香味は損ねることなく、熟成によるなめらかさが出ています。

食事な邪魔をしない落ち着いたフルーティにもってきていながら、口離れがよく、キレもある。
貝類のミネラルのエキスがあうと思いました。
たとえば、うちのお店でしたら、こんな料理をお出ししますね。

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アサリとパンチェッタ古酒蒸し、ローズマリー風味 ご家庭だと、古酒を使ってしまうともったいないので新酒のお酒でいいと思います。
ほかには、ほどよい甘みがあるので、酢が弱めのピクルスとかに合わせてもおいしいと思います。
塩味のあるパルミジャーノチーズとかなんかもぴったりあうと思いますので、おススメです。

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色や香りはそのままに10年の時を経て落ち着きとなめらかさを身に付けた大吟醸は貝料理と相性抜群。



イノオ

ありがとうございます。
それでは、もう1種類の「南部美人 全麹純米酒 All Koji 10年古酒」についてはいかがでしょうか。
こちらは、常温熟成だから、なめらかさと共に、香味もしっかり変化して色も変わっているということですね。

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上野さん

このお酒は完成度が高いです。
古酒の王道だと思います。All Kojiは通常の日本酒よりもアミノ酸がたくさん含まれているので、さきほど申し上げた糖とアミノ酸の化学反応がたくさん起きるんです。
甘みと酸味が強いのが特徴ですね。

お酒と食事の合わせかたとして、ハーモニー、つまり同じ方向性に合わせる場合と、コントラストといって違う方向性のものを補完的に組み合わせる場合の二通りありますが、このお酒の場合はハーモニーの方が合うと思います。

All Kojiのもつ甘さと酸味に合わせて、同じように甘みと酸味のあるものなんか、いいんじゃないかと思います。

たとえばはこんなものですね。

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イチジクのフィグ(ドライフルーツ)と生ハム、ピクルス、マスカルポーネチーズの盛り合わせ

そのほかには、酢豚やブルーチーズなど少しクセがあるものと合うと思います。
フルーツをチョコレートでコーディングしたものなんかもいいですね。

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あと、この下に沈殿したオリは料理のソースに使うのもおススメです。
ラム酒のような使い方ですね。ローストポークのソースになんかに使うと美味しいんじゃないかなぁ。

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上野さんも絶賛する完成度のAll Kojiの古酒。
「日本酒の古酒の味を、まずは、日本酒の聖地、日本人には知ってほしい。」
南部美人の久慈社長の想いです。




イノオ

ありがとうございます。こういう情報があると、古酒がもっと楽しめる気がします。

今度、あのお酒が届くから、この季節のこの食材合わせて、料理をつくってみんな家に呼ぼうとか、年末までさらに寝かせて、実家の家族の集まりのときに、いつも食べるあの料理と一緒に飲もうとか、お酒を基軸にいろいろと想像が膨らみますね。

でもこの長期熟成の古酒は、いまは日本ではどれくらい楽しまれているんでしょうか。

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上野さん

長期熟成古酒の市場は増えてきていると思いますよ。徐々にだと思いますが需要も増えています。
最近は、日本中の日本酒の蔵の中でも半分くらいはこういう古酒の製品をもっていると思います。



イノオ

古酒の市場が増えてきたのはなぜなんでしょうか。



上野さん

商品の付加価値を作っていくうえで、これまでは、いいコメを使ったり、コメを磨いたりと、コストをかけて付加価値を高めていくやり方が主流でした。ただ、それではコメも磨くことにも限度があり、行きついてしまった。
そこで、最後の付加価値は時間ということになってきたんだと思います。

これは世界のお酒が証明しています。ワインなんかこうした時間によって付加価値を積み上げてきた。
ただ、コスト積み上げと違って、原価はそこまでかからないことによって、利幅が作りやすく、酒屋や飲食店にとっても売りやすいお酒となっていたために世界中に広がったんです。



イノオ

時間を価値にして、利幅をだし、メーカーだけでなく流通みんなにとってもビジネスとして成立するものにすることが広がる上で大事なんですね。
ただ、このワインの話などは前から分かっていたことだと思います。
なぜ、日本酒は最初からその道をたどらずに、最近になって広がってきたのでしょうか。

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上野さん

実は、古酒は、江戸時代からあって、価値も高く、人気もあったそうです。

それが明治時代になり、日本政府は、日本酒を海外に売るのではなく、国内で売る発想が中心でした。
そうすると、寝かすよりもすぐに売って回転を上げていった方が酒税もたくさん入る。
よって、日本酒はすぐに飲む酒だという方針のもとに、蔵も酒屋も展開をしていくようになりました。

昭和30年頃からは古酒の価値も見直されてきていたのですが、これまで、日本酒は早く飲まないと美味しくなくなる、と言って100年近く、流通の方たちは消費者にむかって提唱してきたものだから、なかなか方向転換が進まなかったんです。

そんななか、高度成長期では、すぐに酔えるためにのど越しのいいお酒が好まれて、端麗辛口の日本酒が流行るんです。
さらに端麗さをもとめて焼酎にいきつき、焼酎がブレイクするんです。
その後、バブルがはじけて景気が悪くなってくると、昔からの定説で、甘いお酒が流行るようになるんです。そうなると梅酒が流行り、リキュールなんかも流行るんです。
最近ではスイーツ男子なんかも言われ、甘いトロンとしたものも受け入れられる土壌が出てきたんだと思います。

そんななか、日本酒造りの品質もこれまではかなり蔵によって差があったのが、各蔵の努力によって品質の高い酒が増えて、差別化要素がなくなってきた。

そうした甘いものへの需要の高まりと、酒蔵の付加価値、差別化の新しい出し方として、古酒が注目され始めてきている、ということがざっくりとした流れだと思います。



イノオ

なるほど、そんないきさつがあるんですね。
確かに、最近は美味しい日本酒が本当に増えた実感はあります。
日本酒の輸出も増えていますし、古酒は海外も含めてますます増えそうですね。

最後に合わせる食事以外にも古酒を楽しむ秘訣があれば教えてください。


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上野さん

古酒は、酔うためだけのお酒ではなく、潤うようなアルコール、豊かさを味わうお酒だと思います。
大量に口に運ばなくても、味はしっかりあるのでカラダへの負担も少ないんです。
リラックスしたい時、夢見心地の心地よい酔いを楽しみたい時に、ぜひ、古酒をお楽しみください。



イノオ

いいことがあったときとか、家に帰るまえにいい気分になりたいときなんかは、この酒茶論によって、ゆったりと古酒を飲みたくなりました。

上野さん、今日はありがとうございました。

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長期熟成酒 日本酒BAR「酒茶論」
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