御菓子司木村屋(岩手県陸前高田市/菓子製造)の場合
東日本大震災から3年。
被災地の37社の事業者に現状と課題、必要としていることは何かを聞きました。
今私たちに求められているもの、できることは何でしょうか。
【御菓子司木村屋の場合】
◆この1年間を振り返り、事業全体の進捗を教えて下さい。
(a)ファンド募集時に作成した事業計画に比べ、いかがですか
当初の計画より進んだ。
(b)昨年に比べると、いかがですか。
今年の方がよい。
◆進んだこと、進まなかったこと、その原因など、具体的に教えてください。
予想以上に売上が伸び、厨房、設備が需要に追いつかなくなり品切れを起すことが度々ありました。
お客様の目からは仮設店舗であるという甘えは許されず、
他の本設店舗と同様の品揃え、サービス等を期待されているのがひしひしと伝わり、
一日も早く本設店舗工場での営業を考えざるを得なくなってます。
とは言うものの旧店舗跡地はもとより市内の中心市街地の嵩上げも遅々として進まず、
気ばかり焦っている状態です。
◆現在、直面している課題を教えてください。
人材の確保, 商品開発, 今後の企業としての明確なビジョン策定。
市街地の復興計画が後手々になり、経営計画の修正を迫られる局面が多く見受けられる。
それに伴いスタッフの募集計画も変更せざるを得ない。
また、投資計画にも影響されている。
◆課題の中で、出資者もしくは弊社がお役に立てそうなことがあれば教えてください。
今夏の本設店舗工場のオープン計画が予定通り遂行されれば、
出資者の方々や貴社にも十分な情報提供やサービスも期待でき、
さらなる出店計画や企画イベントも可能になるので今後とも密接な絆をお願いしたいと思います。
具体的には新商品の開発へのアドバイス、試食会、
これまで行ってきたツアーをもっと時間をかけて触れ合うような企画(お菓子教室、
バイキング形式によるパーティー等)も期待しています。
◆今後、事業を進める上で、国や行政、金融機関や企業、個人等から期待する施策や取り組み、関わり方等、あれば教えて下さい。
今後は地域、事業者の復旧から一歩進み地域の発展に軸足を移して、
地域活性化を目指す真の意味での「地域の復興」に取り組んで行かなければならないと思います。
そのような視点に立ち国や行政には支援や補助金を見直して頂き、
また金融機関や企業、個人方々にはさらなる関心、支援を継続して頂きたいと思います。
被災地域の人口流出を嘆いているだけでなく、新しい血の導入、つまり全国からの
人口流入を目指し魅力ある「ふるさとづくり」の実現を目指さなければならないと思います。
◆この1年、出資者とのつながりの中から起きたことで、何か印象に残っていることはありますか。
出資者の方にはなんどもご来店頂き、あたたかい激励のお言葉や支援も多く受けております。
家族、スタッフ一同御礼の言葉だけでは到底足りないと思っています。
中には石川県から定期的に水仙の花を送って下さる方、
宮崎から自家製のサツマイモを送ってくださる方もいらっしゃいます。
◆2014年の抱負を教えてください。
前述の通り、今夏に新しい店舗工場のオープンを計画し準備を進めております。
また、中心市街地の形成計画も一年前倒しとなり、来年秋着工に向けて
着々と準備を進めて行きたいと思います。
(→他の事業者のアンケートを見るにはこちら)
(→「震災から2年。現在の課題と求められるもの」はこちら)
- ニュースカテゴリ
- アーカイブス
-