被災地応援ファンド
2015年2月12日 18:40
歌津小太郎 (宮城県南三陸町/水産加工等)
東日本大震災から4年。
被災地の37社の事業者に現状と課題、必要としていることは何かを聞きました。
今私たちに求められているもの、できることは何でしょうか。
【歌津小太郎の場合】
◆この1年間を振り返り、事業全体の進捗を教えて下さい。
(a)ファンド募集時に作成した事業計画に比べ、いかがですか
当初の計画より進んでいない
(b)昨年に比べると、いかがですか。
今年の方がよい
◆その原因や昨年との違いなど、具体的に教えてください。
事業再開から約1年半と言う時期を迎えています。
計画当初は、この1年間で震災以前の商品が概ね製造できると見込んでいました。
ですが、実際は6~7割の製造に過ぎませんでした。
その大きな要因として上げられるのが、町内各地区にある漁港整備の遅れです。
海の中の環境はだいぶ自然が戻りつつあり、地元の水産資源も徐々に増えて来ました。
しかし、それを受け入れる一次加工処理施設の復旧が整わず、
町内でも歌津地区に関しては、未だ一箇所も整備されていません。
このような状況の中、自社だけでの一次加工処理には生産量に限界があり、
自分たちの強みである分野(二次加工~商品製造)に集中して取り組めないでいます。
昨年との違いは、復活した商品が数量限定や季節限定などの条件付きですが
数アイテム増えたことと、一緒に働く仲間が新たに3名増えたことです。
(施設・設備の環境や販路に関しては昨年と同様です)
◆現在、直面している課題を教えてください。
資金調達, 人材の確保, 原材料の調達, 商品開発
この一年での課題は、昨年とほぼ同様な内容です。
ここ最近では地域全体の復興が計画より遅れていることは問題ではなく、
当たり前なんだと捉えるようになりました。
今、自分たちが出来る事を一つ一つ遂げながら実績を積み重ねて行く事が
大切であるのだと肝に銘じて取り組んでいます。
◆課題の中で、出資者もしくは弊社がお役に立てそうなことがあれば教えてください。
出資者様は私たちの力強い応援団であるとともに、
最高のお客様であると常々感じています。
今年2回の「買って応援セキュリテセット」では大勢の出資者様に
お客様にもなっていただきました。今後も出資者の皆様にはお客様として、
御社にはその受け皿となる仕組みを提案いただき活用しながら、
積極的に販路開拓・新規顧客づくりに関わっていただければ心強く思います。
◆今後、事業を進める上で、国や行政、金融機関や企業、個人等から期待する施策や取り組み、関わり方等、あれば教えて下さい。
来年には第二工場の建設を控え、現在さまざまな計画を立てています。
今回の建設費は、国や町の補助金を活用して行う事業となりますが、
どうしてもその費用を前立てで用意しなくてはならないため、
その間のつなぎの資金を金融機関から用意せざる負えません。
もちろん今ファンド資金も大いに活用をさせていただきますが、
不足分は融資を受ける必要があり、現在地元金融機関や政府系金融機関と
調整を進めています。今後も補助事業にはこの種の懸案が大きな懸念事項となります。
国や行政にはこのへんの補助事業資金の懸案も新しい政策にて支えていただけることを望みます。
◆この1年、出資者とのつながりの中から起きたことで、何か印象に残っていることはありますか。
毎月更新を心がけている「被災地からの報告」については、
出資者の皆様から様々なご意見を頂戴しています。
そのほとんどが好意的な内容で、出資者様も独自にwebで
取り上げていただいたりもして、いい意味での反響を多方面から受けています。
最近では皆さまからの質問にお答えするような内容の記事になったりと、
出資者様にも参加いただけるような状況になり、今後の報告記事の展開が
楽しみにもなっています。また、特典の発送の際には、沢山のお礼のお手紙を頂戴し、
私たちの事業がどれほどやりがいのあることなのかを従業員一人一人が再確認できました。
さらには出資金を増額いただいた方も少なくありませんで、
私たちをお支えいただいている熱心なファンの方が全国に大勢いらっしゃることにも、
今さらですがあらためて気づく事が出来ました。
◆2015年の抱負を教えてください。
2015年は大プロジェクト『第二工場建設』が控えています。
予定よりは多少遅れての工事着工となりますが、ファンド資金を最大限活用して、
新しい分野にも挑戦する環境を整えていきます。
今回の施設では生産施設としてだけではなく、直売所的な販売スペースも設け、
南三陸の新鮮な海の幸や、自社製品を地元から発信し、
広げて行く事業にも挑戦してまいります。
また、もっと便利に歌津小太郎商品をご利用いただけるよう
webサイト(通販事業)の整備や、首都圏でのデパ地下販売会にも
これまで以上出店するよう計画しています。
時間の経過と共に、私たちの地域の環境も復興に向かって着実に
前進していることを感じ取れるようになっております。
私たちが目指す事業が地域の発展に少しでも貢献できるよう、
お客様から必要とされる商品をしっかりご提案できるよう精進して
2015年に挑みたいと思います…頑張ります!!
- ニュースカテゴリ
- アーカイブス
-