被災地応援ファンド 2015年3月3日 12:50

三陸とれたて市場 (岩手県大船渡市/地魚の加工食品開発等)の場合

東日本大震災から4年。
被災地の37社の事業者に現状と課題、必要としていることは何かを聞きました。
今私たちに求められているもの、できることは何でしょうか。
 
【三陸とれたて市場 の場合】
 
◆この1年間を振り返り、事業全体の進捗を教えて下さい。

(a)ファンド募集時に作成した事業計画に比べ、いかがですか
当初の計画より進んでいない
 
(b)昨年に比べると、いかがですか。
今年の方がよい


◆その原因や昨年との違いなど、具体的に教えてください。

漁業生産基盤において、大型定置網等の生産回復は実現しましたが、漁船漁業等の小規模漁業者の生産回復が遅れ(多くが廃業?)、マーケットに特定の魚種だけが単調に水揚げされる環境に変わってしまいました。
現在、生産者と直接の原料供給体制を強化しており、船上からの品質管理教育を始め、徐々にこれが機能を始めてきたところです。
(船上脱血神経〆処理や、ストレス抜き活魚水槽の整備等)
現在、生産者、当社、都内著名ホテルと二人三脚にて利便性高い商品規格の策定ならびに本格生産に向けたパイロットラインの展開を進めており、今後は、対最終消費者向けに多様な商品が提供できるものと期待しているところです。


◆現在、直面している課題を教えてください。

人材の確保、原材料の調達

復興特需における一過性の雇用増大により、域内賃金が暴騰しており、また、人材も建設業等に大きく偏り、漁業生産基盤の屋台骨が削がれる事態が多方面で顕著化し、頭を悩ませています。


◆課題の中で、出資者もしくは弊社がお役に立てそうなことがあれば教えてください。

漁業、食品加工業、地域振興関連に、都市部の人材が流れ込みやすくなるプラットホーム作りが必要だと考えております。


◆今後、事業を進める上で、国や行政、金融機関や企業、個人等から期待する施策や取り組み、関わり方等、あれば教えて下さい。

各セクター、関係者が、同時並行的にそれぞれの業務範囲で仕事を進めている現状は、現場において重複する雑多な業務に多くの時間を割かれ、縦割りの隙間に落ち込むような事態が多発している状況です。
また、現行法では想定もしていないような事態に直面することも多く、ひとつ問題を解決すれば、その先で問題が更に増えるなど、気が休まらない状況が続いています。
国や行政機関との進捗や課題の共有をより一層進め、先導モデルだからこそ発生する問題の打開策を、政策、法整備へと反映させていければと思うところです。


◆2015年の抱負を教えてください。

都内著名ホテルの調理場を、産地側に一部機能移転し、「おかかえ産地」としての新たなBtoB加工流通モデルを作り上げる事を目標とします。
また、生産基盤が安定しましたので、上記サービス性を付与した下処理済魚介や、漁師料理等の凍結惣菜商品を小売市場に向けて本格販売していくことを計画しています。

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