被災地応援ファンド 2013年2月22日 14:55

とらや (宮城県石巻市/水産加工)の場合

東日本大震災から2年。
被災地の36社の事業者に現状と課題、必要としていることは何かを聞きました。
今私たちに求められているもの、できることは何でしょうか。

【東北とらやフーズの場合】

◆2012年間を振り返り、事業全体の進捗はいかがですか。

残念ながら、当初の計画より事業の進捗は遅れております。
10月中旬に新工場が稼働、さらに11月中旬にはファンド資金により
直売店も完成し、製造から販売の体制は整いました。
しかし、新工場の完成が建築資材や人手の不足により3カ月弱遅れ、
年末商戦には間に合いませんでした。
2013年度は販路の拡大が「最重要課題」となり、年末の出遅れを
取り戻さなければなりません。販売会等への積極的参加と
他社との業務提携を中心に販路拡大を進めたいと考えています。


◆現在、直面している課題を教えてください。

資金調達と販路の開拓です。
販路の拡大については最重要課題でありますが、
当社のみならず被災・復興した企業の全てにあてはまる問題だと思います。
今現在の状況は、メディアやボランティアさんと上手に付き合っている企業の
躍進が目立ちますが、「商品力による躍進ではない」といった意見が
他の被災企業から出ており、被災地/石巻で有名になってしまった状況を、
地場の商品力でのアピールに転換する事が出来るのかが課題となっています。
「早い物勝ち」的な販路拡大では、震災以前と同様に
衰退の方向を向くのは間違いないと考えます。当社のスタンスは、
まず初めに「当社の製品を理解し評価してくださる人/企業」と
お付き合いをし仕事をする方向で進んでいきたいと考えます。
そのためのパートナー探しが難しく、困っています。


◆今後、誰からどんな支援があると助けになりますか。

国や行政に要望する復興支援は、業種によって異なると思いますが、
「お金を回す」という意味では同じだと考えます。
食品会社である当社は、多くの方々に食して頂き、
購入/取引きの判断をして頂く場の提供支援が要望であります。
この先の支援は「お金」ではなく「人と人」「企業と企業」の
繋がりをつくっていく支援を要望いたします。
個人の方々が「買って復興支援」をして頂くのは大変有り難いのですが、
通常の購入者の方々と同様に、商品の評価をして頂かないと、
本当に良い商品は生まれないと思います。


◆ファンドをやって、一番嬉しかったことは何ですか。

ファンド資金により、当社が支援して頂いている立場なのに、
商品をお送りした際に「美味しいものを贈って頂き有難うございます。」
といった内容のお手紙を多数いただきました。
また何人かの方と電話にてお話ししましたが、
「頑張って」という言葉を頂戴し、嬉しさで涙が出ました。
お金を出資して頂いたと同時に
人の優しさや勇気や元気まで出資して頂いたと痛感しております。


◆2013年の抱負を教えてください。

「この商品は私たちがつくっています」というスローガンを掲げ、
積極的に人や他社との繋がりを築いていきたいと思います。


 
 
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