被災地応援ファンド 2013年2月22日 14:39

いわ井 (岩手県陸前高田市/和雑貨等)の場合

東日本大震災から2年。
被災地の36社の事業者に現状と課題、必要としていることは何かを聞きました。
今私たちに求められているもの、できることは何でしょうか。

いわ井の場合】

◆2012年を振り返り、事業全体の進捗はいかがですか?

残念ながら、当初の計画より事業の進捗は遅れております。
しかし、共同仮設店舗で営業することができ、
共同することの相乗効果もあり、
お客様の評判も上々で、今のところ、とてもうまくいっています。
来客数も売り上げも予想より多くとても活気があります。
法人化して労使ともに被災者からの自立のための覚悟の一歩を踏み出せたのも
進んだことの一つです。
ただ、贅沢な悩みですが、あまりに忙しく日々の業務に追われ、
落ち着いて考えることができないような状態です。
震災バブルの後を考え強引にスタートした通信販売も
軌道に乗りかかってきた感じです。
ただ季節ごとの催事や、作家さん職人さんの紹介など
やりたい事、やらなければならない事がまだ山積みの状態です。


◆現在、直面している課題を教えてください。

販路の開拓と商品開発です。
仕入れて売る弊店の弱点であるオリジナル商品の開発がまだできていません。
仕入れでは独自性が出せず、利幅も少ないことから苦戦しています。

また、震災前とは比較にならないほど沢山の方から
買い物の形で支援を頂いたのですが、
商品の力や私どものサービスによって、
お得意様になっていただく努力がまだまだ足りないと強く感じています。
一度手を差し伸べていただいたお客様に再び購入していただく。
先行き非常に厳しいこの地で生きてゆくにはそれが唯一無二の方法だと確信しています。


◆今後、誰からどんな支援があると、助けになりますか。

民間企業や個人様からは何しろ買い物をしていただくことが
一番の支援となります。100円でも1000円でも自分の選んだ品を
買って頂くことで生きていこうと活気づくのです。
金融機関には、この地域の実情にあった金融を実行してほしいと思います。
「魂は細部に宿る」どんな施策で あっても応用問題を解くことを厭うようでは
晴天の日に日傘を貸すことしかできないと思います。
今は土砂降り、日傘では役に立ちません。
地銀の魂に期待します。


◆ファンドをやって、一番嬉しかったことは何ですか。

もちろん、仮設店舗を開店できたことです。
これがなければどうしようもありませんでした。
早くスタートすることが商売をするうえでいかに重要か身をもって経験しました。
金融機関からの融資が不可能だった私にとって、
みなさまからの出資金はまさに「蜘蛛の糸」でした。


◆これまでに、何か出資者の方と取り組んだことや、
出資者との関係で起こったことなどがあれば教えてください。

投資家の方々が、わざわざこんな遠くまで訪ねてきてくださって、
お買い物をしてくださったことです。
しかも何度もおいでくださったり、親しくお話をしてくださったり、
投資家というドライな響きの関係ではない、
私にとっては背中を押してくれる人たちという感じです。(失礼なのは許してくださ い)
また、私が「いつかご恩返しがしたい」と申したとき、
「そんなつもりで投資したんじゃない。そんなこと考えないで」
とおっしゃっていただき、ありがたかったです。


今後、出資者の方と取り組んでみたいことはありますか。

とにかく、私は勝手に出資者の方々は私たちの応援団だと思っていますので、
遠くにいらっしゃっても陸前高田のお客様たちと同じ情報を
提供したいと思っています。
今年、日々の忙しさに結局思うように出来なかった季節催事を
なんとか復活させご案内できるようになればと思います。
また、もしもツアーなどでおいでいただけるチャンスがあれば、
できれば皆様とゆっくりお話ができればと思います。
今までのツアーですと日程がきつく、
ごあいさつ程度でなかなかお話ができる状態ではなかったので
・・・すみません勝手なことばかりで。



◆2013年の抱負を教えてください。

とにかく、なんでも手に入りそうなものは貪欲に抱え込もうとして
走り続けた一年半でした。
しかし如何せん能力の限界をとうに超えていることは明らか、
ぼろぼろと零れ落としながらも手を引かれ背中を押され、
何とか両手いっぱい何かを抱えて走りきったような気がします。

来年は・・・実はちょっと疲れました。
正直いって今は休みたくて眠くて仕様がありません。
何とか少しゆっくりできる仕組みを作って、
狭くなってしまった視野を広げて落ち着いて考えながら歩いてみたいと思います。

私たちにとって店は舞台、そして自分たちの状態を写し出す鏡です。
隅々までやりたいことであふれていても、
なかなかできないもどかしさに苛まれますが、
たとえ仮設であっても出来る限り気配りの行き届いた心地よい場所に
していきたいと思います。
目指せ、ちっちゃなリゾート!・・です。


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(参考:動画「投資から生まれるもの」)
2012年2月に、いわなどを訪ねたツアーを素材に使った映像です。ぜひご覧ください。
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