旧セキュリテニュース 2013年6月25日 13:30

【Kaien就労支援ファンド】 事業報告会を開催しました



皆さん こんにちは。
ミュージックセキュリティーズの岸野です。

本日は、6月22日(土)13:00-15:00に秋葉原事務所にて開催された、学生向けプログラムの見学および事業進捗ご報告会の開催 のご報告をいたします。

当日の流れは以下になります。
1. 事業の進捗状況に関して
2. 学生向けプログラムの見学
3. 質疑応答

1.事業の進捗状況に関して

株式会社Kaienの代表取締役である鈴木さんから事業の状況についてわかりやすくご説明いただきました。

概要を以下に記載します。
【事業内容と売上報告】
◆現在のKaienの事業領域



現在、売上の多くをしめるのは、ファンド対象事業である、就業支援の部分だそうです。就業支援事業に関しては、国の規定により、施設を開設する際の受入人数ごとに、広さや雇用人数などが定められているため、固定費は一定となります。

一方で、実際に何人の方が施設を利用してもらえるかは分からないというリスクがあり、多くの利用者を集められるかが事業継続の鍵を握ります。現時点では、Kaienでは定員25名に対して、115名の利用希望があり、高い売上を実現しているととともに安定的に推移できるのではないかと考えています。

このように多くの希望者がいるのには、以下のような理由があります。
・高い就職率
・独自プログラム

○ 高い就職率
直近の昨年度10月に入所した方の実績でいうと、25名入所されて、諸事情により5名辞め、20名が訓練を修了。そのすべてが就職を決めるという驚異の就職率を誇ります。

○ 独自プログラム -助手席とカーナビ-
福祉の考え方で重視されるのは、「共感・傾聴」ですが、Kaienでは、自社の役割をGPS・カーナビ と表現します。
これは、「共感」というよりも「論理」を重視した考えです。世の中はこうなっている、というmapを描いてあげて、小さく細かく一歩先を教えてあげる、というアプローチをカーナビにたとえています。

【今後の事業展開について】
秋葉原にて今秋の新規の開設を予定
多くの方にお待ちいただいてる状況を踏まえ、秋葉原にて、今秋の新たな就労支援施設の開設を予定しています。このことでさらに20名程度の受け入れが可能になります。

【当面の課題と事業リスク】
多くの利用希望者を受け入れるためには、対応する人材の確保が重要。
現在、19歳-70歳という幅広い年齢層、そして多様なバックグラウンドをもったスタッフがKaienで働いています。ブリッジコンサルタント と呼ばれるKaienで働くスタッフには、 幅広い能力が求められます。良い人材の確保のため、働きやすさ等を工夫したり、将来的には独立できるだけの育成にも力を入れています。

Kaienでは、1.説明会への参加⇒2.個別相談会⇒3.プログラム という段階を踏んでいますが、この個別相談会の面談というのは、実際にプログラムを受けてもらえるかを判断する重要な場になります。これは現在ほぼ鈴木さん自身が担当されていて、その際見るポイントは多岐に渡るが、明文化できるようなものではなく、感覚による部分も大きいため、この部分を担っていけるような人材についても課題となっています。

2. 学生向けプログラムの見学
プログラムが行われているスペースは、講義形式ではなく、シンプルなフリーアドレスのオフィスといった雰囲気でした。極力シンプルにしているのは、注意が他に向かず、作業に集中できるように とのこと。

10名くらいの大学生が、コミュニケーションをはかりながら、真剣にプログラムに取り組んでいました。プログラムの内容は、おもちゃをネット上のオークションに出品して販売するというもの。さまざまなプロセスを実際に体験することで、実践的な力が身につくとのことでした。

Kaienのプログラムで実施しているのは Head Fake Learningと呼ばれるものです。これは簡単にいうと、たとえば野球を通して学ぶのは、野球そのものではなく、チームワークであったり、スポーツマンシップであったり、というものです。

仕事をする上では、以下の「受信」、「段取り」、「発信」という3つの要素が大事で、プログラムを通じてこれらがきちんとできるように、おもちゃの販売を通じて指導しています。


この図の中に、「実行力」、いわゆる知識やスキル といったものは含まれていません。これはいわゆる経理であれば簿記であるとか、資格とかそういったものですが、この部分はあえてプログラムには含んでいないのです。

3. 質疑応答
本日の報告会について、また発達障害について、などさまざまな質問に答えていただきました。以下は一例となります。

Q. 発達障害の方はすごい能力を発揮する、ということもあると聞きますが、そういった能力を伸ばし、活かせるような仕事をしてもらっていく というようなことは考えていらっしゃいますか。

A. 発達障害者の方のなかには、まじめにコツコツと物事に取り組む方が多くいらっしゃいます。そうした能力を長所として伸ばしていってほしいと考えています。



<後記>
お話をうかがっていると、鈴木さんは事業についてそんなにおもしろいことはやっていない、とおっしゃっていましたが、福祉的な事業をビジネスとして収益を上げつつ実現している、というのはやはりすごいことだと私は感じました。

発達障害、福祉といった枠を超えて、ビジネスについても勉強でき、とても密度の濃い時間となりました。

MBAをとられている鈴木さんのお話は論理的でとてもおもしろいのでぜひ一度皆さんにも聞いていただきたいと思います。MBAといっても難しくではなく、とってもわかりやすくお話してくださいます。

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