イベント報告:経営セミナー「東大阪の老舗工具箱メーカーが挑む!越境EC展開とBtoC取引拡大への道のり」
皆さま、こんにちは。
今回は、4月16日(金)に開催された、東洋スチール株式会社の経営セミナー
「東大阪の老舗工具箱メーカーが挑む!越境EC展開とBtoC取引拡大への道のり」について、ダイジェストをお伝えします。
登壇者:代表取締役社長 久司泰二様
登壇者:企画・マーケティング・広報 君岡茜 様
1.東洋スチール株式会社について
東洋スチール株式会社は、1969年設立。昨年50周年を迎えた、老舗工具箱メーカーです。
当社は国内において、金属製ツールボックスのシェアを約7割持ち、海外は約20カ国以上に出荷しています。
当社の強みは技術力。1枚の板をプレスすることで、継ぎ目のない工具箱をつくることを実現しています。
「継ぎ目」が無いことで軽くて頑丈。耐久性に優れることから何十年も使い続けることができます。
東洋スチールの3つのブランドについて、君岡様から実物をお見せいただきながら
ご説明をいただきました。
2.BtoC市場に参入する前の東洋スチールは?
現在は久司社長をトップにブランディング戦略を実行している当社ですが、最初からすぐにここまできたわけではありません。
設立当初は、産業用や工場用の工具箱を製造・販売するBtoB市場でビジネスを行ってきました。
BtoC市場に参入するきっかけは、リーマンショック。市場が不安定になるなかでBtoC市場への参入を始めます。
・工具箱といえば「ブルー」が主流だったところ、ピンク色などほかのカラーを増やした
・BtoBの訴求ポイントは技術だったが、BtoCでは「工具箱の使い方」を提案した
など、カラーバリエーションの増加や、BtoBとBtoCでの訴求ポイントの違いについてお話いただきました。
BtoC市場では、お客様から教えていただくことが大切。
Instagramのコメントや使用シーンなど、「お客様がどのように東洋スチールの商品を使っているか」しっかりチェックしているとのことです。
東洋スチールの Instagram はこちら
3.「夢は、錆びない。」に込めた思い
東洋スチールは、高い技術力をはじめとした多くの強みがあるものの、
発信する力がやや弱いと感じた君岡様。
ブランド戦略を策定するにあたり、まずは当社の強みを整理し、お客様が当社にもつ「共感ポイント」を知ることから始めました。
HPトップにもある「夢は、錆びない」には、こんな思いが込められています。
久司社長「当社の商品の強みは、頑丈で長く愛用できること。経年変化で、錆びるとヴィンテージ感が増します。
でも、弊社がものづくりに込めている思いは変わらない、錆びない。最初の想いのままであるという意味を込めています。
そして、お客様にずっと使っていただき、思いが変わらないように、という意味もあります」
また、HPに登場している方は、全員当社の社員です。
言語化した当社の強みをビジュアルで伝えられるように、デザイナーをはじめとした
クリエイティブな方とコミュニケーションをとって、制作を進めたそうです。
また、制作に関わる方には、「東洋スチールのお客様のイメージ」もしっかり伝え、ブレないコミュニケーションデザインをしています。
4.ブランド戦略のPDCAは、どのように進めればよいのか?
ブランド戦略のPDCAは、Instagramが基盤。
投稿でのインサイト、コメント、共有、どのような写真がお客様に届いているのか…
投稿する度に、ブランドのストーリーテリングが伝わっているか、チェックしています。
Instagramを最初に始めたのは久司社長とのこと。
経営トップがみずからチャレンジすることで、お客様のことをより理解できるようになったそうです。
また、このようなSNS等の運用について、当社はあえて外部に委託せず、社内で運営しています。
君岡様「会社が進もうとしている方向性は、社長をはじめ、私たち社員が一番理解しています。
お客様がどのように見ているか、どう収益につながっているのか、すぐリアルで見えるのがやりがいです」
5.越境ECの基盤は、まずブランド戦略に基づいたHPから
当初、越境ECを進めるにあたり、外部のECモールを利用していた当社。
しかし、君岡様は「外部のECモール」と「BtoB向けのHP」の方向性が一致していないと感じ、
外部のECモールを残しつつ、当社のHPをブランディングがなされた魅力的なHPに改修し、
それを基盤とした自社ECを構築することを、久司社長に提案します。
外部ECモールを利用し、充実することが手っ取り早い・・・と感じていた久司社長ですが、
国内外の情報を幅広くリサーチし、熱心に提案をした君岡様を信じ、任せます。
ブランディングがなされたHPが完成したことで、BtoB・BtoC両方の顧客ニーズに沿った訴求をすることができるようになりました。
6.サスティナブル・多様性を重視した経営
最後に久司社長へ、次の50年で東洋スチールが目指すことを伺いました。
久司社長「まずは社員の多様性です。女性が活躍していると、発想が変わって会社が変わります。
社員の男女比率を半々にしたいと考えています。そして、女性のリーダー率を上げることですね」
君岡様「当社は鉄を取り扱っているので、重そう…と思われるかもしれないですよね。
女性が働きやすい職場環境を整えることで、会社全体の職場環境改善にもつながっています」
久司社長「次の50年後、100周年には、私は生きていないと思います。
どんな社会になっているか、想像もしにくいですね。次の50年に向かっての下地をつくることが私の役割だと思っています。
当社は小さい会社ですが、ニッチなビジネスで世界に向けて発信しています。
それには、人材が一番の力です。一芸に秀でた人材が活躍できるような環境をつくっていきます。
『社内で一番、東大阪で一番』といった、がんばる社員の強みが評価できる制度をつくりたいです」
久司社長と君岡様の軽快なトークで、笑いも絶えないイベントとなりました。
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東洋スチール様は、現在「老舗工具箱メーカーが挑む越境ECファンド」を募集されています。
老舗工具箱メーカーが挑む越境ECファンド
4/28には、当社の越境ECの取組みについてより詳細にお話するファンド説明会を開催します。
多くの方のご参加をお待ちしております。
<ファンド説明会 概要>
・日時:2021年4月28日(水)20:00~21:00
(質疑応答の内容によっては30分ほど延長となる場合がございます。)
・参加費:無料
・定員:100名
詳細・お申込みは こちら
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