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2025年1月21日 07:25
「酔っ払いで埋め尽くされる街」 #大人の作文コンクール
皆さん、こんにちは。ミュージックセキュリティーズの杉山です。
お陰様で1月15日をもちまして「セキュリテ大人の作文コンクール 『日本酒の思い出』大募集」を締め切らせていただきました。素敵な作品をご応募いただき、心より感謝申し上げます。今後、2月6日に開催されるセキュリテナイト及び弊社ウェブサイトにて受賞作品の発表を予定しておりますが、それに先立ちまして、こちらのブログにて、素晴らしい作品の数々をご紹介していきたいと思います。
今回は、「冬は甘酒、そろそろ醸造してみたい!」というepicaholicさんの、西条愛溢れる作品をご紹介します。
「酔っ払いで埋め尽くされる街」
「日本三大酒どころ」と言えば、京都の「伏見」、兵庫の「灘」、もう1箇所は、広島の「西条」だ。日本三大酒祭りと言ったほうがピンと来る方が多いだろうか。それとも、「あれ?西条ってそんな有名なの?」と言う方の方が多いのだろうか。
そんな方にぜひ知っておいていただきたい。広島県は「軟水醸造」の聖地なのだ。時は明治に遡り、開国と共に、酒株(酒の免許制)が廃止されたため、アマチュア酒造家が激増した。そして、みんながみんな酒造りに成功する訳もなく、腐造(発酵途中でお酒が腐ってしまうこと。)も急増した。軟水では、酒の発酵が進みにくく、それまでの技術では太刀打ち出来なかったのだ。広島には、それでも諦めなかった男が居た。それが、安芸津町の三浦仙三郎(1847〜1908年)だ。灘などの先進地に勉強へ行き、経験や勘に頼る酒造りから一歩先へ進んだ彼は、科学的な酒造りの中から「軟水醸造法」を編み出し、ついには軟水での酒造りを可能にさせるに至った。そして、彼の凄いところ研究熱心な点だけではなく、その20年に渡る研究の成果を「改醸法実践録」として本に記し、惜しみなく周囲の生産者と共有した点にある。彼のおかげで広島の酒造りの技術は底上げされ、「日本三大酒どころ」と呼ばれるまでの品質の向上至ったのだ。
もともと温暖な気候で酒用の米の生産に向いていた広島県。安芸津の富久長、西条の賀茂鶴、呉の宝剣、三原の酔心。キレのある辛さが和食を引きたててくれる、たくさんの有名酒が生まれた。そして、件の日本三大酒どころ「西条」。1972年頃から続く「西条酒祭り」が、後から始まった「みんなのまつり」と統合され、1990年からは、10月の三連休に「酒まつり」が開催されるようになった。2017年には、ユネスコ世界遺産(文化遺産)にも登録され、今や、国内外を問わず遠方からも観光客が訪れ、その数が毎年20万人を超えるという一大イベントとなった。「歴史ある」とか、「7つの酒蔵が集まる西条は試飲天国で」とか、「酒蔵の真っ白いなまこ壁の街並みや12本のレンガの煙突が美しく」とか、言いたいことは色々あるけれど、1番好きなのは酒祭り当日の風景だ。
青春時代を過ごした西条市だが、酒まつり期間中は子どもから見ても楽しそうな雰囲気だったし、今、大人になってみても、やっぱり特別だ。その日、西条を歩いている人々はみんなほんのり顔が赤く、笑顔が絶えない。まさに「祭り」と呼ぶには相応しく、普段の西条駅には似つかわしくない人数が駅前に集結しているというのに、はしごをすればするほど誰もがご機嫌になる。酔っ払いに埋め尽くされるどこまでものどかな街並みは、もはや、酔っ払いのための天国と言ってしまっても過言ではないだろう。
もちろん、酒まつり実行委員会では、各種酒蔵団体や、地元の居酒屋、ボランティアスタッフなどがプライドを持って盛り上げてくれるので、治安の悪さを感じることは一切ない。女性だけで訪れても楽しく浮かれていられる点も、大変魅力的なイベントだ。
各種酒蔵では、酒まつりのための特別なお酒や用意されるだけでなく、酒蔵前に出店された屋台で地鶏のタタキなど、まさにお酒にぴったりの工夫を凝らされたおつまみが販売されるのだが、これもまた美味である。気の利いたおつまみに釣られてついつい飲み過ぎてしまうけれど、青空と秋風は心地良く、日本酒を片手に昼間からそぞろ歩くと気分は最高。
賀茂鶴酒蔵、亀齢酒蔵など、動線は酒蔵の多い駅東側エリアに向かっていくけれど、おすすめは、駅西側の山陽鶴酒蔵だ。淡麗辛口の日本酒が多い西条の酒だが、こちらの山陽鶴酒蔵は甘辛で旨口。特に、華やかさと旨味がベストバランスの純米吟醸は、同価格帯のものとしてもこっくりとしており味わい深く、発酵食品との相性も良いため普段使いにもぴったりだ。
「でも、酒まつりは年に一回なんでしょう?」なんて、残念がる必要はない。普段から試飲ができるよう、酒蔵は一般向けにも開かれているので、定休日さえチェックすればいつでも酒蔵巡りをすることができるし、蔵開き、お得な酒蔵巡りチケットの販売など、祭り以外の時期に訪れても楽しむことができるのが酒の街、西条だ。酒好きならば、死ぬまでに一度くらいは、ぜひ西条を訪れてみてほしい。
お陰様で1月15日をもちまして「セキュリテ大人の作文コンクール 『日本酒の思い出』大募集」を締め切らせていただきました。素敵な作品をご応募いただき、心より感謝申し上げます。今後、2月6日に開催されるセキュリテナイト及び弊社ウェブサイトにて受賞作品の発表を予定しておりますが、それに先立ちまして、こちらのブログにて、素晴らしい作品の数々をご紹介していきたいと思います。
今回は、「冬は甘酒、そろそろ醸造してみたい!」というepicaholicさんの、西条愛溢れる作品をご紹介します。
「酔っ払いで埋め尽くされる街」
「日本三大酒どころ」と言えば、京都の「伏見」、兵庫の「灘」、もう1箇所は、広島の「西条」だ。日本三大酒祭りと言ったほうがピンと来る方が多いだろうか。それとも、「あれ?西条ってそんな有名なの?」と言う方の方が多いのだろうか。
そんな方にぜひ知っておいていただきたい。広島県は「軟水醸造」の聖地なのだ。時は明治に遡り、開国と共に、酒株(酒の免許制)が廃止されたため、アマチュア酒造家が激増した。そして、みんながみんな酒造りに成功する訳もなく、腐造(発酵途中でお酒が腐ってしまうこと。)も急増した。軟水では、酒の発酵が進みにくく、それまでの技術では太刀打ち出来なかったのだ。広島には、それでも諦めなかった男が居た。それが、安芸津町の三浦仙三郎(1847〜1908年)だ。灘などの先進地に勉強へ行き、経験や勘に頼る酒造りから一歩先へ進んだ彼は、科学的な酒造りの中から「軟水醸造法」を編み出し、ついには軟水での酒造りを可能にさせるに至った。そして、彼の凄いところ研究熱心な点だけではなく、その20年に渡る研究の成果を「改醸法実践録」として本に記し、惜しみなく周囲の生産者と共有した点にある。彼のおかげで広島の酒造りの技術は底上げされ、「日本三大酒どころ」と呼ばれるまでの品質の向上至ったのだ。
もともと温暖な気候で酒用の米の生産に向いていた広島県。安芸津の富久長、西条の賀茂鶴、呉の宝剣、三原の酔心。キレのある辛さが和食を引きたててくれる、たくさんの有名酒が生まれた。そして、件の日本三大酒どころ「西条」。1972年頃から続く「西条酒祭り」が、後から始まった「みんなのまつり」と統合され、1990年からは、10月の三連休に「酒まつり」が開催されるようになった。2017年には、ユネスコ世界遺産(文化遺産)にも登録され、今や、国内外を問わず遠方からも観光客が訪れ、その数が毎年20万人を超えるという一大イベントとなった。「歴史ある」とか、「7つの酒蔵が集まる西条は試飲天国で」とか、「酒蔵の真っ白いなまこ壁の街並みや12本のレンガの煙突が美しく」とか、言いたいことは色々あるけれど、1番好きなのは酒祭り当日の風景だ。
青春時代を過ごした西条市だが、酒まつり期間中は子どもから見ても楽しそうな雰囲気だったし、今、大人になってみても、やっぱり特別だ。その日、西条を歩いている人々はみんなほんのり顔が赤く、笑顔が絶えない。まさに「祭り」と呼ぶには相応しく、普段の西条駅には似つかわしくない人数が駅前に集結しているというのに、はしごをすればするほど誰もがご機嫌になる。酔っ払いに埋め尽くされるどこまでものどかな街並みは、もはや、酔っ払いのための天国と言ってしまっても過言ではないだろう。
もちろん、酒まつり実行委員会では、各種酒蔵団体や、地元の居酒屋、ボランティアスタッフなどがプライドを持って盛り上げてくれるので、治安の悪さを感じることは一切ない。女性だけで訪れても楽しく浮かれていられる点も、大変魅力的なイベントだ。
各種酒蔵では、酒まつりのための特別なお酒や用意されるだけでなく、酒蔵前に出店された屋台で地鶏のタタキなど、まさにお酒にぴったりの工夫を凝らされたおつまみが販売されるのだが、これもまた美味である。気の利いたおつまみに釣られてついつい飲み過ぎてしまうけれど、青空と秋風は心地良く、日本酒を片手に昼間からそぞろ歩くと気分は最高。
賀茂鶴酒蔵、亀齢酒蔵など、動線は酒蔵の多い駅東側エリアに向かっていくけれど、おすすめは、駅西側の山陽鶴酒蔵だ。淡麗辛口の日本酒が多い西条の酒だが、こちらの山陽鶴酒蔵は甘辛で旨口。特に、華やかさと旨味がベストバランスの純米吟醸は、同価格帯のものとしてもこっくりとしており味わい深く、発酵食品との相性も良いため普段使いにもぴったりだ。
「でも、酒まつりは年に一回なんでしょう?」なんて、残念がる必要はない。普段から試飲ができるよう、酒蔵は一般向けにも開かれているので、定休日さえチェックすればいつでも酒蔵巡りをすることができるし、蔵開き、お得な酒蔵巡りチケットの販売など、祭り以外の時期に訪れても楽しむことができるのが酒の街、西条だ。酒好きならば、死ぬまでに一度くらいは、ぜひ西条を訪れてみてほしい。
まさに私が、「あれ?西条ってそんな有名なの?」と思ってしまった人でした。そして、三浦仙三郎氏が編み出した「軟水醸造法」と「改醸法実践録」のくだりでは、大きな感銘を受けました。しかし何より、ご機嫌で笑顔の酔っ払いに埋め尽くされる街、ということに心を鷲掴みされました。これは、是非行ってみたい!!こんな企画をしておきながら、お恥ずかしいことに、西条の酒まつり、ノーマークでした。是非、人生のやることリストに加えたいと思います。
<お知らせ>
さて、つい先日、新年明けたと思ったら、気付けば1月も終わりに近づいていますね。
そして、作文コンクールの受賞作の発表も行う「セキュリテナイト」も間もなく開催です。
複数の蔵元が参加し、日本酒もたくさんご用意してお待ちしておりますので、日本酒好きの皆さまは、この機会にぜひご参加ください。
○お申込みは2月4日(火)12:00まで!
○日本酒まつりは3月末まで。
今後、新たな企画も準備中ですので、どうぞお楽しみに!
#セキュリテ日本酒まつり2024 #大人の作文コンクール #日本酒の思い出
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