全量純米蔵
-
純米酒イベント2008年9月12日 21:16
神亀酒造 蔵元 小川原良征さんに聞く ~蔵元インタビュー第十一回~
-
みなさん、こんにちは!
今回、「全量純米蔵ファンド2008」の参加蔵の蔵元の方たちの想いを
よりみなさんに知っていただこうと、ということではじめさせていただいた
この「蔵元インタビュー」、次はこれまでの「蔵元インタビュー」の中でも
たびたびお名前が挙がった「全量純米蔵を目指す会」(以下、「目指す会」)
代表幹事の神亀酒造の小川原専務です。
スタッフ:専務、こんにちは。
専務 :こんにちは。
スタッフ:今回の「全量純米蔵ファンド2008」の検討を専務と一緒に始めてから、
なんだかんだ、1年近く経ってしまいましたね。。。
こうして、無事募集にこぎつけることができて、良かったです。
普段からもお話を伺っている部分ではあるのですが、
改めまして、「目指す会」を専務が中心となって作られた経緯を
教えていただいてもよろしいでしょうか。
専務 :酒造りを生業とする蔵元が互いに連携し、
切磋琢磨しあう健全な仲間同士となることで、
酒造りの魅力と共にその技を次世代に伝えて、
日本酒業界全体を元気にしていくためです。
(参考:代表幹事のご挨拶http://www.zenryojunmaikura.jp/greeting/)
会が設立されたのは、2007年5月1日でした。
そして、会員の蔵は、今後5年間で全量純米への転換を目標としています。
スタッフ:そういう意味では、神亀酒造自体は、既に戦後に全国に先駆けて、
「全量純米蔵」となっていますが、蔵同士の連携が大切ということですよね。
専務 :そうです。日本酒業界を元気にしていくためには、一蔵だけが旨い酒を
作れるようになっても意味がないと思っています。
ただ、着実に全量純米蔵に転換していくためには、あまり蔵数が増えすぎて
しまうとなかなか、蔵同士の連携も弱くなってしまうため、
その上限は30蔵かと思っています。
よって、発足当時は20蔵、現在は22蔵ですが、
30蔵に達した段階で、既に全量純米蔵になっている酒蔵は卒業して、
OB会に籍を移していく予定です。
スタッフ:会の適正な規模というのがあるのですね。
実際に、「目指す会」の蔵元の方たち同士の勉強会を見学させて頂く機会が
あったのですが、特に「酒造り」のこととなると、皆さん、職人の顔となって
真剣に議論されている姿は、本当にかっこよく、惚れ惚れしてしまいます。
では、「目指す会」として、どうして、ファンドを活用しようと思われたのですか?
専務 :「全量純米蔵」に転換するために必要となる資金需要をサポートし、
旨い熟成された純米酒を消費者の方に届けるためです。
純米酒は、使用する米の量が増えるため原価が高くなります。
そして、純米酒の本来の価値を発揮するためには、2~3年間の熟成が必要です。
ただ熟成させるということは、製造した年には出荷できず売上をあげれなくなる。
既に熟成酒の在庫を毎年している蔵であれば、毎年2~3年前に製造した純米酒を
出荷していけば問題ありませんが、これから転換していこうとする蔵には、
そんなこれまでの熟成在庫はないので、次の年の仕込みの資金を得るためには、
製造した年に出荷してしまうか、ある程度量を減らすしかない。
これでは、純米酒の熟成在庫がなかなか増えず、
熟成純米酒を消費者に届けられなくなってしまう。
これが全量純米蔵に転換する上での一つの課題でした。
では、その熟成在庫を担保に金融機関から借入れができるかというと、
なかなかこれも難しい。
そこで、こういった純米酒を製造するための米代や熟成期間中などを
資金面での支援をしていただけるのは、
純米酒ファンの個人なのではないか、と考えました。
スタッフ:なるほど。この専務のファンドを活用してみようという発想は、
蔵の建物や自然環境、人の技、そして土地の文化・歴史など、
何百年も引き継がれてきた大切なものを「守る」ことをしながらも、
新しい考えを活用するという「攻め」をされているということですよね。
大変勉強になります。
ところで、今回のファンド「全量純米蔵ファンド2008」にも
専務は参加されている訳ですが、この資金で購入した
酒造好適米「阿波山田錦」を使った純米酒造りへの意気込みを
教えてください。
専務 :原点に立ち返り、日本の酒造り、純米の基本に戻りたいと思っています。
スタッフ:それでは、専務が酒造りで一番気をつけていることは何ですか?
専務 :掃除に始まり、掃除で終わる。
スタッフ:やはり大切なことは基本ということなんですね。
では、今後、ファンド以外で、目指す会の取り組みとして行っていきたいことは
ありますか?
専務 :造りがない、春から夏の間にかけての啓蒙活動が大切だと思っています。
少しでも多くの酒販店や量販店を開拓することです。
スタッフ:私も何百年と引き継がれてきた伝統の技術で醸された純米酒が、
少しでも多くの方に届くよう、お手伝いしてきたいと思っています。
それでは、最後に専務はお仕事以外の時間どんなことをされているのですか?
専務 :無趣味が趣味です(笑)
食べることですかね(笑)
専務、ありがとうございました。
全国に先駆けて全量純米化を達成した神亀酒造の小川原専務、
そんな専務が改めて基本に立ち返って醸す純米酒、
今から本当に楽しみですね!
●神亀酒造株式の詳細はこちら
http://www.zenryojunmaikura.jp/kura/info/1
- ニュースカテゴリ
- アーカイブス
-
- 2016年05月(1)
- 2016年02月(1)
- 2015年11月(1)
- 2015年10月(1)
- 2015年08月(2)
- 2014年12月(1)
- 2014年11月(1)
- 2014年10月(1)
- 2014年08月(1)
- 2014年07月(1)
- 2013年10月(1)
- 2013年09月(1)
- 2013年08月(2)
- 2013年06月(2)
- 2013年05月(2)
- 2013年04月(5)
- 2013年03月(2)
- 2013年02月(1)
- 2013年01月(1)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(2)
- 2012年09月(2)
- 2012年08月(2)
- 2012年07月(1)
- 2012年06月(3)
- 2012年04月(2)
- 2012年03月(4)
- 2012年02月(2)
- 2012年01月(1)
- 2011年12月(1)
- 2011年11月(1)
- 2011年10月(3)
- 2011年09月(4)
- 2011年08月(6)
- 2011年07月(4)
- 2011年06月(3)
- 2011年05月(2)
- 2011年04月(4)
- 2011年03月(3)
- 2011年02月(3)
- 2011年01月(6)
- 2010年12月(2)
- 2010年11月(10)
- 2010年10月(12)
- 2010年09月(9)
- 2010年08月(1)
- 2010年07月(2)
- 2010年06月(6)
- 2010年05月(1)
- 2010年04月(1)
- 2010年03月(1)
- 2010年02月(1)
- 2010年01月(1)
- 2009年12月(1)
- 2009年11月(1)
- 2009年10月(4)
- 2009年09月(2)
- 2009年08月(2)
- 2009年07月(1)
- 2009年06月(2)
- 2009年04月(1)
- 2009年03月(4)
- 2009年02月(7)
- 2009年01月(2)
- 2008年12月(2)
- 2008年11月(1)
- 2008年10月(6)
- 2008年09月(15)
- 2008年08月(1)
- 2008年07月(1)
- 2007年11月(1)
- 2007年09月(1)